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. 甘い日常 11
~Yside~
「…え?とっくに帰った?」
『ええ、今日は少し遅くまで居てくれたんですけど、5時にはここを出ましたよ?』
「そう………ですか」
今日は出先から直接帰れたから、早く帰って驚かせてやろうと思ったのに、家には明かりさえついてなくて心配で店に電話をしたところだった
いつだって家に帰ればチャンミンがいるのが当たり前になっていたから、連絡もなしに遅くなるなんて初めてのことで……
『あの、チョンさん、差し出がましいようなんですが』
「…え?」
『今日サラ様がみえてましてね、それからちょっと様子がおかしくなって』
イェソンさんによると、今日ばあちゃんと話してからチャンミンの様子がおかしくなったらしい
……何か言われた?
いや、ばあちゃんはチャンミンのことをいたく気に入っているから、そんな酷いことは言わない筈だし、じゃあ……?
さっきから何度か送ったメッセージには既読がついていないし、電話も何度もかけたけど出てもくれないから
八方塞がりじゃないか……
とりあえずどこかへ探しに行こうかと、車のキーを握った瞬間着信を告げるメッセージ
「チャンミン!?」
『………ユノ?』
「ったく、今どこにいんだ!?」
『……あの、ごめんなさい、僕、晩御飯もつくらないで……』
「飯なんていいからどこにいるか言えよ、すぐにそっち行くから!!」
消え入りそうな声で場所を告げるお前の声を聞きながら、急いで部屋を出ると車に飛び乗ったんだ
. 王子、再び 10
~Cside~
道端でユノに担がれて、恥ずかしいのと情けないのとで目眩がするほどで
なのに体から伝わるユノの温もりが嬉しくて……
ホテルに着いたら降ろしてくれると思ったのに、結局そのまま部屋へと連れていかれて
次の日きっと噂になっちゃうのに!!////
文句の1つも言ってやろうと睨むのに、優しく見つめられて甘い甘いキスを落とされる
深くなるキスは確実に僕の体を熱くして、もう力なんて入らない
フニャフニャになった僕はあっという間にベッドへと寝かされて、スマートすぎるエスコートにちょっと腹がたつ
「……チャンミン?」
「なんか………慣れててやだ////」
「ふふ、そんな事ないよ、緊張して心臓が飛び出そうだ」
「……嘘だ////」
「嘘じゃない、君に触れたくて堪らない」
耳元で甘く囁く声にゾクゾクとする体、きっとワザとそうしてるんだ、ユノってばやっぱりずるいんだ////
「……僕、焼肉食べたよ?」
「ん?ああ」
「く、臭いよ?////」
「俺もだ(笑)」
「あの……シャワー////」
「もう無理」
「………え?……あっん////」
シャツの隙間からユノの指が直接肌に触れると、僕はユノの首にそっと腕を回したんだ
. 甘い日常 10
~Cside~
「………え?」
「ええ、東方プリンスホテルにしようと思うのよ、あそこなら大きな会場もあるし」
「……ユノが、そう言ったんですか?」
「そうなの、時期が時期だけに早めにおさえておかないとね」
ランチを食べにいらしたお祖母様から式の話を聞いたのは、会社のイベントが終わって一週間ほど経ってのこと
………お祖母様は説得するって言ってたのに
パンフレットを僕に見せながら、あれこれと料理やホテルの話を沢山されてしまったけど
全く頭に入ってこなかった………
むっつりと黙ってしまった僕に大量のパンフレットを渡して帰っていったお祖母様、もしかしたら気を悪くさせてしまったかもしれない
あれからユノと式の話はしてなかったから、こんなことになってるなんて思いもしなくて
……やっぱり僕の意見なんて通らないのかな
チョン家に嫁ぐ以上はある程度の覚悟をしてきたはずなのに、僕はユノに甘えすぎていたのかもしれない
ユノは、本当に僕でいいのかな?
家柄が良いわけでもない、ましてや男で取り柄といえば料理だけ
もしかしたら相応わしくないと思ってる?
めんどくさくなってしまった?
ぐるぐると考え出したら良くない考えは止まらなくて、その後の仕事はバイトの子に言われるほど上の空になってしまった
仕事終えても家に帰る気にもならなくて、ぼんやりとしたまま地下鉄に乗ると、あてもなく海の方へと向かったんだ
. 王子、再び 9
~Yside~
留学の話を聞いてからは焼肉なんてそっちのけで、セキュリティをどうするかとか、俺がずっとついてやれるのか、とかずっと考えていた
ああ見えて王子であることは変わりないのに、全く無自覚というか、小悪魔というか
店を出てから後ろにいると思った王子は、何故か拗ねてしゃがみ込んでしまって
大方俺が怒ってるとでも思ったんだろう(笑)
長い足を抱え込んで丸くなる姿はまるで子供のようなのに、見上げた瞳はまるでキラキラと輝く宝石のようで
「ユノのバカバカ!!////」
手足をバタつかせながら、それでも離れようとしない細い体を担ぎ上げたままホテルへと入った
フロントの奴らが目を丸くしていたけど今はそんなことになんて構ってられない
早々にエレベーターへと乗り込んで部屋へと辿り着けばもう我慢の限界で
「………んっ……ユノ////」
扉が閉まると同時に壁に押し付けて、拗ねた唇は言葉ごとキスで塞いでやった
最初は驚いて身を固くした君も、深くなるキスに立っていられないのか俺の服をぎゅっと掴んで
「………ユノ……も、無理////」
「ん、ベッド行こう」
ふわふわの髪が揺れて小さく頷くのを確認すると、俺は王子を抱き上げてベッドルームへと向かったんだ
. 甘い日常 9
~Yside~
「サプライズ、ですか?」
「ああ、いい生地見つけたんだ、サテン調でさ、あいつに絶対似合う」
俺の言葉に一瞬目を丸くしたテミン、ニヤリとしたと思ったら背中をバシバシと叩かれた
「って!!何すんだ!!」
「んも~朝からご馳走様です!!ほんといつの間にそんなベタ惚れになっちゃったんです?いや、わかってましたけどね~♡」
「るせっ!!////」
「いやぁ、楽しみだなぁ、ふふっ」
やけに感慨深げな顔で去って行くテミン、ったく何言ってんだか(笑)
とりあえず、とりあえずはだ!!
ばあちゃんには直談判してホテルでの盛大な結婚式はやめにしてもらった!!
俺もそういうのはあんまりだし、何よりチャンミンが嫌がっていたから、ここははっきりさせとかないとだよな
ただ、結婚披露パーティーだけは外せないって言われたからそこは折れたんだが、まあ、俺の隣にいれば大丈夫だろう
出先で見つけた綺麗な生地であいつの衣装を作ろうと思いついたのはつい先日のことで、流石にドレスは着れないからスーツになっちまうけど
きっと純白のスーツはあいつにとても似合うから
式は昔から通ってる教会であげれたらと思ってる、近々連れて行こうと思ってたし、神父様にも紹介出来るし
親しい人だけ集めて2人で愛を誓えたら…なんて、俺ってこんなロマンチックな奴だったかな
急に色々と決まっちまったから、仕事の調整が大変になってあれからゆっくり2人で過ごせてないけど
今度の休みは一日一緒にいれる予定だから……
あいつの喜ぶ顔が見たいってそんなことばかりを考えていて
まさかばあちゃんが先に手を回していたなんて、この時の俺は思いもよらなかったんだ
. 王子、再び 8
~Cside~
「ユノ、待ってよ!!」
留学の話をした途端にむっつりと黙り込んでしまったユノ、絶対喜んでくれるって思ってたのに!!
店を出るとさっさと先に行っちゃうし、一生懸命追いかけてるのに全然追いつく気配もないし
なんだよ!!後ろ姿がやけに遠くに見えちゃうじゃん!!
せっかくここまで会いにきたのに、結構苦労だってしてきたのに、こんな風にされてしまうともう涙しか出てこない
「………グスッ……ユノのバカ////」
涙で滲んで前も見えないし、もう追いかけるのも疲れちゃったし、僕はその場にしゃがみ込んだ
ポタポタと落ちる透明な雫は、石畳に落ちるとあっという間に乾いて染み込んでしまう
「こら、なにしてんだ?」
「………」
「まったくしょうがない奴だ(笑)」
ぐしゃぐしゃと髪を撫でられて、腕を強く引かれたと思ったら僕はユノに担がれていて
嘘でしょこんなの信じられない!!!!
「……なっ!!ちょっ!!////」
「じっとしとけ」
「バカユノッ!!下ろせって!!……無礼だっ!!////」
「あーはーはーはー!!その意気だ、やっぱり我儘王子はそうじゃないとな(笑)」
「!!!!////」
ユノは豪快に笑って僕の背中をポンポンと叩くと、そのままホテルへと向かったんだ
. 甘い日常 8
~Cside~
「それでそんな浮かない顔な訳?」
「す、すいません////」
「うーん、難しいとこだね、チョン家としては盛大に式をあげたいところだろうけど……」
ランチタイムが終わってやっとの休憩時間、早めに出勤したイェソンさんにこの前のお祖母様からの話をしていたところだった
式の日取りは大体は決められていて、会社のスケジュールにも合わせてあるからそれはそれで仕方のないことなのかと思うけど
『SMホテルか、東方プリンスホテル、神起ホテルもいいわねぇ』
お祖母様の言われるホテルはほとんどが市内の有名ホテルで、そんな会場に大勢の人が集まっての結婚式とか、僕はきっと耐えられないから
ユノが話すって言ってたけど、あの強引なお祖母様を説得するのは大変だろうな
で……イベントが終わって『お触り禁止令』は解除になったのに、今度は別の仕事でユノが忙しくなっちゃって、僕達は甘い夜は過ごせていないんだよね
それも……ちょっと寂しいところ、最近すぐに熱くなっちゃう体を持て余し気味だから////
「お前さ、そうやって自分の中で考えてたって伝わんないぞ?ちゃんと言葉にして伝えなきゃな」
「………イェソンさん////」
「1人で解決できる問題じゃないからな」
「………はい」
「ま、善は急げ、だ(笑)」
そう言ってニッコリと笑ったイェソンさんは、ポンポンと僕の肩を叩いて元気付けてくれたんだ
. 王子、再び 7
~Yside~
『僕、こっちに留学することに決めたから!!』
そう言って肉を美味しそうに頬張りながらニッコリと笑う王子
なんだって?そんな話聞いてない!!
「……ちょっ!!」
「止めたって無駄、もう大学の手続きも終わったし、マンションだって契約してきたし」
「マンション!?1人で住むつもりか!?」
「んふ♡もちろん、キュヒョンも協力してくれるっていうし、ね?サプライズでしょう?」
俺は思わずこめかみを抑えて溜息をついた、いくら第6王子だからって王族には違いないのに
一人暮らしだなんて危なすぎる!!
「ユノ、困ってる?」
「ああ、大いにね」
「こっちで勉強もしてみたかったけど、ユノのそばにいたかったから////」
箸を置いてモジモジとする王子に呆れてしまうのに、そんなに俺のそばにいたかったのかと口元も緩んでしまうとか
俺も完全にやられてるな(笑)
「とりあえずは話を詳しく聞いてからだ、1人で住むなんてとんでもない話だ!!」
「大丈夫だよ~♡」
「……またそんな簡単に」
「だって僕の住むマンション、ユノの部屋の隣だもん♡」
「…………は、はあ!?」
俺は素っ頓狂な声をあげると、思わずその場に立ち上がってしまったんだ
. 甘い日常 7
~Yside~
「だからね、ちゃんと話ししないと決まるものも決まらないのよ、ちょっと聞いてるのユンホさん!!」
「あ~もう、わかってるって」
やいやいと捲したてるばあちゃんから逃げ出して、やっと飯にありつけたのはもう昼もとっくに回った頃だった
………式の日取り、ね
お互いに話したくないわけじゃない、ただ2人でいると触れたくて堪らなくてその……話どころじゃなくなっちまうんだよな
卵サンドを頬張りながらじっと見つめると、途端に視線を逸らすから余計に目が離せなくなる
「耳まで真っ赤だ(笑)」
「ユ、ユノが見つめるからです////」
「ばあちゃんに何か言われた?」
「……あ、はい////」
「式の日取りとか?」
「ええ////」
「チャンミン、お前はどう考えてる?」
料理の並んだ皿を綺麗に補充すると、トングを置いて真っ直ぐに俺を見つめて
「……ぼ、僕はあまり派手な式は……あの////」
「俺もだよ、でも披露パーティーはしなきゃなんないんだ」
「わ、わかってます////」
「ん、帰ったら話そう」
「……はい////」
少しだけ困ったように微笑むお前、ああ、今すぐ抱き締めてキスをして……
「チーフ!!こんなとこで油売って!!次のチームが始まっちゃいますよ!!早く来てください!!」
「……ちょっ!!テミン!!////」
「チャンミンさん、ちょっとチーフお借りします、さ、行きますよ?」
「うおっ!?引っ張るなって!!」
「ふふ、行ってらっしゃい(笑)」
俺はテミンにがっしりと腕を掴まれると、後ろ髪を引かれる思いでチャンミンに小さく手を振ったんだ
. 王子、再び 6
~Cside~
「でさ、聞いてるユノ!?」
「ああ、ほら焼けたぞ?」
「もう!!」
結局あの後……いっぱいキスをされちゃっていい雰囲気だったのに、ユノのソレが僕の足に触れて、その……びっくりして逃げだしてしまった
だ、だって思った以上に大きかったんだもん!!////
男同士のソレとか色々調べて、僕だって心の準備とかはしてきたけど
あんなの本当に僕の中に入るのかな?////
「ほら、焦げてんぞ」
「あ、うん////」
「うまいか?」
「うんっ////」
で、今はホテルの近くの焼肉屋に連れてきてもらってお肉を食べているってワケ
あんまり綺麗な店じゃないけど、お肉が美味しくて有名らしい
こんなお店は初めてでキョロキョロしてしまうけど、ユノがいてくれるから安心できる
「で、なんなんだ?サプライズって?」
「………へっ?////」
「この前言ってただろ?」
そうだった!!僕ってば一番肝心なことを!!////
「あ、あのね、秋からなんだけど////」
「うん?」
「僕、こっちに留学することに決めたから!!」
「はあ!?」
僕の言葉にユノは素っ頓狂な声をあげて、箸で掴んでいた肉をポロリと落としてしまったんだ