. スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
. 甘い日常 6
~Cside~
「それでねチャンミンさん、式の日取りなんだけど」
ユノの会社でのイベント当日、食堂を借り切ってのビュッフェの用意にあちこち走り回っていたはずなのに、いつの間にかいらしたお祖母様に捕まってしまった
とにかく話題は僕とユノとの結婚式のことばかりで、とても嬉しいことだけど今はそれどころじゃないのに
「教会で式を挙げて、後はホテルで婚約披露パーティーとか?それともガーデンウェディングもいいと思わない?」
「あ、あの……お祖母様、まだ式とかは……////」
「ユンホさんとお話はしてないの?」
「あ…はい////」
「全く困った子ねぇ」
「お祖母様、チャンミンさんを困らせないで?」
「まあボア!!困らせるだなんて!!」
いつの間にかいらしたボアさんが間に入ってくれて、僕はやっと仕事に戻ることができた
ふう、式の日取りとか……
正直あんまり派手な結婚式とかはしたくない、どちらかといえば小さな教会で2人っきりで愛を誓うほうが……
「チャンミン!!」
「……わっ!!////」
「なに驚いてんだ?腹へった、なんかつまめるものない?」
いきなり現れたユノに思わずトングを落としそうになったけど、本当にお腹が空いているのか大袈裟に倒れこむようにするから笑ってしまうよ
「卵サンドありますよ?////」
「それ、食う!!」
「ふふ、慌てないで?」
「うまい!!最高!!」
卵をいっぱいつけて笑うユノが幸せそうだから、つられて僕も笑顔になってしまうんだ
. 王子、再び 5
~Yside~
「………んっ、はっ………んん////」
苦しげに漏れる吐息に目眩がしそうだよ
久しぶりに会った恋人は何故か悲しそうに瞳を潤ませて、少し拗ねた様子で
なのにそんな顔も愛おしいとか……
このままベッドへ沈み込んでしまいたいけど、まだ飯も食ってないし、ちゃんと話もしてないし
そう思うのにキスを止められなくて、とうとう王子は泣き出してしまった
「………うっ……ユ、ユノは僕に逢えて嬉しくないの?……グスッ////」
「……は?」
「……ぼ、僕は逢いたかっ……グスッ////」
一体どうやったらそんな思考になるんだか、ポロポロと溢れる雫を宝石のように光らせて
「バカ、逢いたかったに決まってるだろ?」
「…で、でもっ!!」
「好きだよチャンミン」
「!!!!……ユ、ユノはずるいっ……んっ////」
正直言って余裕なんて全くない、なのにそんな顔されたらもっと抑えがきかなくなってしまうのに
しっかり反応してしまう俺のソレに気付いた王子が、慌てて逃げ出してしまったのは少し残念だったかな(笑)
. 甘い日常 5
~Yside~
今日はいよいよ社内イベント当日、イベントっていっても大げさなものではなく、新人がチームを組んでデザインを競うってだけなんだけど、うちの会社では毎年の恒例行事となっている
社内にあるホールでのファンションショーがメインになるから、昼飯はいつもビュッフェ形式で皆んなが空いた時間に食べれるようにしている
今年はもちろんチャンミンの勤める店に頼んだから、今朝は起きた時にはもう出た後だった
『ユノのパートナーとして恥ずかしくない料理を出しますから!!』
なんて言ってくれて、嬉しさと愛おしさが込み上げてきて、またつい怒られちまうようなことを……
俺ってほんと抑えがきかないな(笑)
相変わらず『お触り禁止令』は続行中で、まだまだ自由に触らせてはもらえないけど
このイベントが終わればゆっくりと!!
いや、今日はばあちゃんも見にくるって言ってたから早くは帰れないかもしれないな
まあ、それも久しぶりだからいいか
なんせうちのばあちゃんのチャンミンの気に入りようが半端なくて、しょっ中連絡が入るらしいから
こんな時はゆっくり会わせてやってもいいよな
そういやこの前式の日取りがどうとか話してたっけ……
俺としては早くてもいいと思ってるけど、あいつはどう考えてるのかな
2人で住んでるのにまだまだ話せてないことが山ほどあって、もどかしさを感じてしまう俺だったんだ
. 王子、再び 4
~Cside~
「チャンミン様どれだけ心配したと思ってるんです!!!!」
あれから僕はユノの車に乗せられて、ホテルで待ち構えていたキュヒョンにたっぷりとお説教されてしまって
まあまあとユノが宥めてくれたから、なんとか落ち着いてはくれたけど、いっぱい心配かけてしまった、よね
いつだって僕の味方をしてくれる貴重な存在なのに
キュヒョンにちゃんと謝って、再会のハグもして、ホテルの部屋に入ったのは外もすっかり暗くなってから
それにしてもユノったら!!
せっかくの再会だっていうのに、あんなふざけたキスをしてくるとか!!
あんまり強く鼻をつまむから、あの後赤くなっちゃって暫く元に戻んなかった
………ユノは僕に逢えて嬉しくないのかな?もしかして迷惑なだけだった?
考えれば考えるほど胸が痛くなってきて、僕はベッドに座ると枕をぎゅっと抱しめた
「おい、飯どうする?」
「………////」
メインルームからユノの声が聞こえたけど、今返事したらなんだか泣いてしまいそうで
「チャンミン?」
枕に顔を埋めたまま黙っていると、ベッドが軋んでユノが隣に座るのがわかった
だって怖くて言えないよ
抱きしめて欲しいなんて
逢いたかったって言って欲しいなんて
「何拗ねてんだ?」
「………だ、だって……グスッ」
「ほら、おいで」
「!!!!////」
そっと枕を剥がされて気がつけば僕はユノの腕の中にいて、今度は息も止まるような恋人のキスをされてしまったんだ
. 甘い日常 4
~Cside~
結局あの後また流されてしまって、僕はユノに組み敷かれてしまったけど
『触れないのキツすぎる』
そう言って見つめるアーモンドの瞳に絆されてしまって、その……最後まではしないって約束してくれたから
全身にキスを落とされた後に、たっぷりと口でされて何度もイカされて、最後はユノが2人のソレを同時に握って……////
次の朝は怒られた仔犬みたいに謝ってきたから、思わず笑っちゃったけど
一応ね、まだ『お触り禁止令』は発動中なんだ
だって今週末はユノの会社でのイベントも控えてるワケだし、ユノのパートナーとしてもそれはちゃんと成功させたいし
……僕にできる事は料理だけだから
それに久しぶりにお祖母様もいらっしゃるみたいだから、とっても楽しみなんだよね
あ、でも……式の日取りが、とか言われてしまいそうだけど
今はこの生活を楽しんでいたいから……
少しだけ待って貰える、かな(笑)
出会いから恋人になるまでのあまりのプロセスの早さに、まだ心が追いついていかない僕だったんだ
. 王子、再び 3
~Yside~
別れ際に渡したバンビのキーホルダー、持っていてくれて本当に良かった
頭の上にちょこんと王冠を乗せたソレが王子に似てる、なんて
……柄にもなく買ってしまったから
もしもの時の事を考えて、発信機をつけておいて正解だったな(笑)あいつのことだから絶対に持ってくるはずだし
何が入ってんだかでっかいスーツケースを持って、こんな所でしゃがみこんでいるとか
全く何かあったらどうするんだ!!
でも、怒っていたはずなのに眉を下げて瞳を潤ませる君を見たらそんな事はどうでもよくなって
ああ、本当に無事で良かった……
「とりあえず乗れ!!」
「……ユ、ユノ……あの、怒ってる、よね?////」
「………」
路肩に停めてあった車にとりあえずは押し込んで、荷物を乗せればおずおずと俺を見上げるバンビアイ
「……ユノ、あの……////」
「もういい」
「……へっ?////」
「無事で良かった」
「………ユノ////」
ふわりと抱き締めればキュッと服の裾をにぎって目を閉じるから、鼻をつまんでキスをしてやったんだ
. 甘い日常 3
~Yside~
「なあ、チャンミン」
「………」
「なあってば!!」
「ダ、ダメです////」
「いいじゃんそっちもくれたって、バニラも食べてみたいんだって!!」
『お触り禁止令』が出されてからもう2日、あれから俺は忠実に言いつけを守って禁欲な生活をしている
でも、流石にキスはしたいって主張したら
『それなら僕からします////』
なんて、可愛いこと言って、耳まで真っ赤に染めたあいつから朝晩のキスをしてくれるとか、それはそれでよかったんだけど…
流石にもう限界が訪れようとしている(泣)
晩飯が終わってから俺の気をそらすためか店から貰ってきたジェラートを2人で食べていたのに
チャンミンのスプーンを舐める仕草とか、ちらりと見える赤い舌にムラムラとしてきちまって
ああ、今すぐにでもベッドに連れて行きたい!!
「………ユノ、顔がエロいです」
「……へっ?////」
「もう、仕方ないですね、ちゃんとあげますから口開けて?あーん」
「……お、おお、あーん♡」
「ふふ、口についてますよ、ほら拭いて?」
甲斐甲斐しくティッシュで拭おうとする手を掴んで、じっと見つめれば慌てて視線をそらすかわいいお前
「……お触り、禁止ですよ?////」
「ん、じゃ口で拭って?」
「……ダメ////」
「じゃ、服で拭く」
「ダ、ダメ!!………んっ……ユノ////」
堪らず引き寄せて甘い唇を奪うと、怒って睨むお前に益々煽られちまう俺だったんだ
. 王子、再び 2
~Cside~
「はあ、全くやんなっちゃう……」
せっかく韓国に着いて、初めて乗った地下鉄で市内に出たのはいいけど
また迷ってしまうなんて!!
今回の旅は次の段階へのステップっていうか、準備っていうか、1人でもちゃんと行動できるようにって色々と用意もして
ああ、早くユノに会いたいのに……
ダメダメ!!こんなことでめげてちゃ王子の名が廃ってしまうよ
いつだって人に守られてばかりの僕だけど、僕だって大切な人を守れるようになりたいんだ!!
「よっこらしょ」
重いスーツケースを引き摺ってキョロキョロと辺りを見回す、とりあえずはホテルにチェックインしないとだよね
ユノの仕事先に行ってみようと思ったのが間違いだったんだ、うん、荷物も重いしもうタクシーに乗っちゃおう
全く、なんだってこんなに階段が多いんだろう!!
エレベーターやエスカレーターも確実にある訳じゃないみたいだし、これは大使館に申し出なきゃだよ!!
長い階段をどうにか上ると外は酷い雨、こんな状態でタクシーなんてつかまるのかな……
なんだか気が遠くなって来ちゃって、僕はその場にしゃがみ込んでしまった
「おい、我儘王子」
「………へっ?////」
「このバカ、心配させんな」
「……あ////」
優しい声が降って見上げたそこには、困ったように笑う黒目がちな瞳が僕を見下ろしていたんだ
. 甘い日常 2
~Cside~
……最近の僕はほんとどうかしてる
ユノと1つになって、愛される喜びを知ったっていうか、その……開発されたっていうか////
自分としては淡白だと思ってたんだよね、でも、ユノに触れられる度に跳ねる体とか、疼く体の奥とか
今まで知らなかった感情を持て余してしまって…
ユ、ユノは僕がエロい、とか言うけどユノがエロくしたんだからね!!うん////
「チャンミンこっちも頼むよ、ん?体調悪い?」
「だ、大丈夫です////」
「腰痛いのか?」
「………い、いえ////」
「なんかリアルだな(笑)」
「!!!!////」
カウンターから厨房を覗き込んだイェソンさんがニヤリと笑いを浮かべる
僕は恥ずかしくて聞こえないふりをしたけど、まあ、バレちゃってる、よね////
今日は店を貸し切ってのパーティがあって朝から動きっぱなしだった
体は怠くてしょうがないけど、これも幸せなことなのかな 、なんて////
僕も相当じゃないか(笑)
週末はユノの会社でランチビッフェの出張サービスも控えてるし、朝から性懲りも無く触れてくるユノに『お触り禁止令』を出してやったんだ
そりゃ僕だって寂しいけど、偶には厳しくしとかないと流されちゃったら大変なことになっちゃうから////
ユノのことを思い出すだけでジンとなる体を少々持て余し気味な僕だったんだ
. 王子、再び 1
~Yside~
「はあ!?なんだって!?」
『も、申し訳ありません、空港に迎えに行く予定だったのに、1つ早い便に乗られたみたいで!!(汗)』
「わかった、とりあえずは別の奴を向かわせるから」
『は、はい!!申し訳ありません』
チャンミンの世話係であるキュヒョンから連絡があったのはちょうど昼をまわった頃
交代で昼飯を食べていた時だったからタイミング的には良かったんだが、まだ仕事中だしそのまま探しに行くわけにはいかない、な
……全く、相変わらずな王子様だ(笑)
国の情勢が落ち着いて、新体制がスタートしてから半年以上が経った
あれから会えてはいなかったが連絡だけはこまめに来ていて
まるで学生のようにやり取りはしていたけど
『ユノにサプライズがあるんだよ』
なんて言っていたから、大方こっちにでも来るつもりなのかと思っていたら案の定(笑)
最初はキュヒョンの家に泊まるつもりだったらしいが、それは流石に止められたようだ
一応シークレットサービスの要請はあったんだが、明日からの予定なのに、あいつめ!!
「チョンさんご機嫌ですね」
「ん、そうか?」
「はい、口元が緩んでますよ(笑)」
後輩にそんな事を言われてしまうとは、バツが悪くて思わず咳払いで誤魔化した
……会いたいのは俺も同じだから
思ったよりも浮かれている自分に苦笑いして、とりあえず我儘な恋人にメッセージを送った