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. バンビな君にくびったけ 20
~Yside~
バンビ先生に2回目の約束をとりつけて数日が経った頃、ちょっと気になる事がある
ここんとこ元気がないのは気のせいじゃないよな?
午前中の散歩の時間に合わせてのガラス拭きだって、毎日先生の顔を見る為に必死こいてやってるってのに
目を合わせれば少し寂しそうに視線を逸らしてしまうとか、俺、なんかやらかしたっけ!?
スマホでメッセージを送っても、気持ちまでは見えないから、どんどん不安だけが募っていくばかりで
週末に迫った二度目のデート、もしかしてもしかしたらキャンセルされてしまうとか……?
……ダ、ダメだ!!まだ告白もしてないっていうのにフラれてしまうとか!!!!
こうやって家でウジウジと考えているのは俺の性に合わないぜ!!ここは男らしく会いにいって確かめてやろうじゃないか!!
そうと決めたら仕事が早いチョン・ユンホ、閉店と同時にチャリに飛び乗り一路バンビ先生のマンションへ!!
それでも突然会いにいくのはちょっぴり勇気のいる事で、俺は一応バンビ先生にメッセージを送った
『元気のない君へ、悲しいこと、辛いこと、俺と半分こにしたら少しは楽になるはず、マンション近くの公園で待ってます』
願いを込めてスマホをタップすると、俺はマフラーを巻き直して、暗くなってきた公園のベンチで君を待ったんだ
. 空色の調べにのせて ~特効薬~ 6
~Yside~
眠ってしまったリウをベッドへと運んで真っ直ぐに君の所へと向かった
両手を広げると途端に飛び込んでくる愛しい人、腕の中に閉じ込めて二度と離したくないのに……君の口から溢れるのはつれない言葉ばかり
……そういえばシャワーも浴びていなかった
離れていた時間を取り戻すように交わす口付け、熱くなる互いの熱は誤魔化しようがないのに、潤んだ瞳で抵抗されても逆効果だってわかってる?
ぬるめのシャワーで汗を流して、落ち着こうとするけれど、逸る心は抑えきれない…
……めちゃくちゃに抱いてしまいそうで
バスルームを出ると、灯りを落としたリビングに佇む君がいて
「ここにいたんだ?」
「……ま、待っていられなくて/////」
「うん?」
「……一人のベッドは寂しいから/////」
「チャンミン…」
まったく君って人はどこまで俺を夢中にさせるつもりなんだろう、こっちの気持ちなんて御構い無しに殺し文句を仕掛けてくる
「加減できないかもしれない」
「……!!/////」
「いい?」
コクン、と小さく頷く君を抱き上げて、攫うようにベッドルームへと向かったんだ
. バンビな君にくびったけ 19
~Cside~
「あらシム先生、可愛いボールペン持ってるのね~」
ユンホさんから貰ったボールペン、早速園で使ってみたのはいいけれど、イ先生に見つかっちゃって……女の人ってこういうの、すぐに反応するんだよね/////
「……い、頂いたんです/////」
「やだ、顔なんて赤らめちゃって~♪好きな人にでも貰ったの?いいわねぇ、若いって」
……す、好きな人!?/////
「……な、何言って!!/////」
「んふふ、隠さなくていいのよぉ、私、恋愛には寛大なんだから!!あ、ほらほら、そろそろバスが着く頃よ、早くお迎えにいかないと!!」
イ先生にバシバシと背中を叩かれ、全く反論もできずに職員室を追い出されてしまった
全くもう、悪い人じゃないんだけどいつも振り回されてる気がするよ(笑)
好きな人だなんて、相手は男の人だっていうのに……/////
でも…今までのことを考えたら、まるで口説かれてるみたいに思えるのは気のせいかな?
もしかしたらユンホさんって僕のこと……?/////
いやいや、そんなはずないよ、だってあんなにイケメンなんだし、彼女だっているかもしれないし…
ズキン……
あ…れ……?なんだろ、こんなに胸が苦しいのはどうしてかな
いつもはユンホさんの事を考えるだけで、ドキドキして楽しい気持ちになるのに
彼女……いるのかな?
ぐるぐると考え出したら止まらなくなってしまって、僕は苺バンビのボールペンを握りしめたまま、その場で立ち尽くしてしまったんだ
. 空色の調べにのせて ~特効薬~ 5
~Cside~
リウ君を抱っこして寝かせに行くユノさんの広い背中、ああ、本当に帰ってきたんだ
たった一週間足らずなのに、こんなにも会いたくなるなんて
……まだ胸がドキドキしてしてる/////
スーツケースを広げて荷物を片付けているとドアの前にはあなたの気配がして…
振り向けばドアに凭れるあなたの姿があって、にっこりと微笑んで両手を差し出すから、思わずその胸に飛び込んだ
「チャンミン会いたかった」
「……僕も……んっ/////」
話したいことは沢山あるはずなのに、言葉ごとあなたの唇に呑み込まれてしまう
激しい口付けに熱くなる体はどうしようもなくて……まだ帰ってきたばかりなのに/////
どうにか体を離そうとするけど、あなたの力に敵うはずもない…いや、本当は僕が離れたくないんだ
「このまま抱いていい?」
「……!!/////……ま、待って!!」
「ん、我慢できそうもない」
「ま、まだ荷物の片付けも……あっ…ん……シャワーも……/////」
「ふふ、そうだった」
そっと体を離されて、思わずあなたのシャツを掴んだのは無意識なのに、愛おしげに僕の手にキスをするから胸がキュッと音を立てる
「シャワー浴びてくる、待ってて」
「……はい/////」
軽く顎を掬われて頬に落とされる唇、本当はこのまま抱いて欲しかったなんて、きっとあなたにはバレてしまっていると思うんだ
. バンビな君にくびったけ 18
~Yside~
この前の初デートは、かなりスペクタクルな内容だったけど、それでもバンビ先生は楽しかったって言ってくれたし、まあ、一応成功ってことだよな、うん/////
結局肉は食えなかったけど、屋台で買って食べたたい焼きは、甘くてあったかくて、ああいうのが“幸せの味”っていうんだって思った
だって隣にはキラキラの笑顔の天使がいて……/////
帰り間際に渡したプレゼント、俺のポケットの中でぐしゃぐしゃになっちゃったけど、先生喜んでくれたみたいだし、ほんとよかった♡
……毎日使って貰えると嬉しいな/////
先生のピンクのエプロンのポケットから覗く『苺バンビ』のボールペンとか!!もう想像するだけでお腹いっぱい!!
ああ!!やっぱりボールペンになってあなたの体に密着したい/////
どうにか次の約束も取り付けたし、今度こそは普通に晩飯を食べるのが目標だぜ!!
と、いっても……俺ってばあんまり気の利いた店とか知らなくて、今度はバンビ先生のオススメの店に行くことになった
イタリアンレストランって言ってたけど、俺大丈夫かな……
また、着て行く服から悩まなきゃだけど、君のためなら何だって頑張れるって思える俺なんだ/////
. 空色の調べにのせて ~特効薬~ 4
~Yside~
空港に着くとタクシーに飛び乗ってマンションへと急いだ、スホが迎えに来ると行っていたけど、かなり遅い時間だし今日は一人で帰ることにしたんだ
色々と聞きたい話もあったけど、それはまた明日にでも聞けばいい
マンションのエントランスからエレベーターへと、空港から連絡はいれておいたから起きていてくれるだろうか
カードキーでロックを解除して中へ入ると、パタパタとかけてきたのはとっくに寝ているはずのリウだった
「パパ!!おかえりなさい!!」
「リウ、起きてたのか?」
「うん、チャンミンとよふかししてたの、パパにおかえりなさいっていいたかったの」
小さな体を抱き上げキスをすると、リウはにっこり笑ってそう言った
そしてリウの頭の向こうには愛しい君の姿があって……
「お帰りなさいユノさん/////」
「ただいまチャンミン、留守中はすまなかったね」
リウを抱いたままふわりと抱き寄せると君の甘い香りが広がる、ああ、やっと君に触れることが出来た
「驚かせてごめんなさい、リウ君と夜更かしして待ってたんです/////」
「そうだったのか、リウ、夜更かしがんばったな?」
俺の首にぎゅっと抱きついたままのリウ、顔を覗き込めばすうすうと寝息を立てていて
「ふふ、寝てる、もう限界だったんだ」
「ああ、このままベッドに運ぼう、荷物を頼む」
「はい/////」
君の頬に触れるだけのキスをして、俺はリウを寝室へと連れて行ったんだ
. バンビな君にくびったけ 17
~Cside~
ユンホさんから貰ったぐしゃぐしゃに潰されたプレゼント、家に帰ってから開けてみると中に入っていたのは苺とバンビの柄のボールペン、あとバンビの顔に苺がキスしてる付箋も!!
……なにこれ!!凄く可愛い/////
そういえば文具屋さんだったし、こういうのいっぱい選べるんだよね、もしかして好きだったりするのかな
きっとユンホさんの事だから、ポケットに入れて握りしめちゃって、せっかくの可愛い包装もぐしゃぐしゃになっちゃったんだ、なんかユンホさんらしい……/////
付箋の裏に貼り付いていたのは小さな小さなメッセージ
『苺バンビシリーズです、先生に似てるでしょう?俺大好きなんです、貰ってください!!』
大きな体に不似合いな丸っこい文字、小さいメモにはクマさんもついてるし、なんかユンホさんって本当に可愛いな
……このバンビ僕に似てる、かな?/////
ボールペンを手にとってマジマジと見てみるけど、僕こんなに可愛くないのに(笑)
今日は色んなことがあった……/////
思い出しても笑ってしまうようなことばかりだけど、ユンホさんといたらもっともっと楽しいことが待っていそうで
……また、誘ってくれたらいいな
今度は僕がご馳走したっていいんだし、うん!!次はそうしよう!!/////
……あ、でも約束があるわけじゃないのか
はあ、と溜息をついてベッドへと転がった、頭に浮かぶのはユンホさんの顔ばかりで…
そんなとき、スマホが点滅してメッセージを告げる
『今日はありがとうございました!!もしよかったら、来週も飯にいきませんか?』
僕は慌ててスマホをタップして、ユンホさんへとメッセージを返したんだ
. 空色の調べにのせて ~特効薬~ 3
~Cside~
昼間は普段通り保育園に行かせて先生に様子を見てもらったけど大丈夫だったみたい、子供の回復力って本当すごいんだ
「きょうのよるパパかえってくるんでしょ?ぼくもおきてる!!」
「でも真夜中になっちゃうからね、きっと起きてられないよ?」
「やだやだ~パパにおかえりなさいいうんだもん!!」
「ふふ、じゃあ夜更かししちゃおうか?その代わり今日だけだよ?」
「よ、よふかし?/////」
「そう!!いつも寝る時間に寝ないで起きてること、明日は保育園も休みだし、やってみる?」
「うん!!よふかしするっ!!よふかし~」
ぴょんぴょんと跳ね回るリウ君はとっても嬉しそう、パパに会えなくって寂しかったんだよね
……僕だって早く抱き締めて欲しい/////
今はきっと機上の人で、便利なものでネットで会話だって出来るけど、会えるならやっぱりその方がいいから/////
「チャンミンおかおかあかい~」
「そっ、そんなことないよ!!/////」
「ううん、きょうたべたトマトみたいにまっかだよ!!エロいことかんがえてるんでしょ?」
……エ、エロ!?/////
「リ、リウ君どこでそんな言葉!!/////」
「えんのおともだちがいってたも~ん」
「こら、そんな言葉使っちゃダメでしょう/////」
「わあ!!もっとあかくなった~チャンミントマト~♪」
パタパタと逃げ回るリウ君を捕まえてぎゅっと腕の中で抱き締める、本当に元気になってよかった
そして僕らはユノさんを待って、二人で夜更かしをすることにしたんだ
. バンビな君にくびったけ 16
~Yside~
『ユンホさん♡』
なんて上目遣いで呼ばれちゃって、頭の中をシュッポシュッポと機関車が走り出す
いや、なんなのその破壊力、もう君のことしか考えらんなくなる、焦げてる焼肉だってなんのその
「ユ、ユンホさんっ!!お肉!!お肉燃えてますっ!!/////」
「……へっ?ああっ!!あわわっ!!」
メラメラと燃え上がる牛カルビ、慌てる俺はスプライトを見事にこぼし網の中へと注いでしまう
もくもくと上がる煙に二人で顔を見合わせて大爆笑、後でこっぴどく先輩に怒られちゃったけど、バンビ先生はなんだか楽しそう
それでもやっぱり申し訳なくて、ひたすらに頭を下げる俺にクスクスと笑いながら
「ユンホさんって本当に慌てん坊さんですね」
なんて、ああ、どこまでも優しい俺のバンビ先生!!
結局まともに飯も食えなかったけど、屋台で買ったたい焼きを食べながらの帰り道
ハフハフと二人でたい焼きを頬張って、目が会うたびに微笑みあって/////
……やばい、マジで幸せすぎる
ゆっくり歩いたのにもう家に着いてしまって、向かい合っての別れの挨拶がこんなに寂しいなんて!!
「今日はありがとうございました、家まで送ってもらっちゃって、気をつけて帰ってくださいね/////」
「い、いやっ!!本当に色々とすいませんでした!!」
「ふふ、また誘ってくださいね、じゃ/////」
「あ!!待って!!こ、これ!!/////」
危うく忘れそうになったプレゼント、帰ろうとする君に差し出すと、ふわりと笑って『ありがとう/////』と呟いたんだ
. 空色の調べにのせて ~特効薬~ 2
~Yside~
出張先のホテルでカフェオレを飲みながら書類に目を通していた、取引先との話もやっと目処がついたし、後は支社長に任せても良さそうだ
ミノからの連絡で予定よりは早めのエアーも取れたようだし、あっちに着くのは夜遅くなるけど、早く帰ってやりたいから
リウが熱を出して心細く思っているだろう、滅多に熱を出すことはないが、一旦熱を出すと高いから動揺していたらしい
……スホに様子を見に行かせてよかった
電話の向こうの君は、そんなことは一つも言わなかったのに、君らしいっていうか
普段はとてもしっかりしているのに、心配性というのだろうか、とても周りに気を配っていて自分のことは後回しになる
でもね、そんな君が愛おしくて堪らないんだ
本当なら1週間の予定だった主張も、スケジュールを詰めて1日早く帰る予定だったけど、更に早くなり、現地の社員には迷惑をかけてしまったが、これは俺のワガママ
……早く君に逢って抱き締めたい、不安な心ごと包んでやりたいんだ
こんな風にいつまでも君に恋い漕がれてるなんて、照れ臭くてちょっと言えないけどね