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苺な彼とビールな僕

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. あの空の向こうに ~海を越えて~ 18








~Cside~





結局あれからご飯も食べずにそういうことになっちゃって……ぼくらはそのままベッドルームで夜を過ごした



やっぱり慣れてるユノに少し複雑だったけど、明日になれば帰ってしまう君に少しでも僕を刻みつけておきたくて



二人で過ごす夜は何度もあったけど、あんなにも一つに蕩けあったのは初めてのことで////



……ずっと年下な筈なのに、ぼくを見下ろす黒目がちな瞳はやけに大人びて見えて



とても真っ直ぐに見返すことなんて出来なくて、逸らした視線はいとも簡単に戻されてしまう



二人で一つになった後も離れることなくそのまま眠ってしまったから、目を覚ますと恥ずかしさでバスルームへと逃げ込む羽目になって



それでも重く残る昨日の余韻と、花弁のように残された跡にジンと体が熱くなる////




……僕、とうとうユノに抱かれたんだ////////




あまりに長いシャワーに心配したユノが覗きにきて、驚いた僕は思わずお湯をかけてしまったけど



ビショビショの床の上で二人で顔を見合わせてキスをして、幸せを実感して……そんな風に昼間は過ごした



晩御飯は空港で食べることにして、ゆっくりしていたのに夕方出かける準備の途中もう一度襲われてしまって



怒ったふりをしたけど、本当は僕も欲しかったのはきっとバレてるよね////



空港では別れ際に軽くキスをして、飛行機が飛び立つまで見送っていた



次に会えるのはいつだろう……

別れた瞬間からもう逢いたくなってしまうなんて



もう少し頑張るから

あと少しで君の元へと帰るから





あの空の向こうで待っていて





僕が帰ったら両手を広げて抱き締めてくれるって信じてる



ユノ愛してる……



僕のありったけの愛を君へ















































. あの空の向こうに ~海を越えて~ 17








~Yside~






「……んっ……ユノ」



「チャンミン可愛い」



「!!!!……っばか////」




おれの下で甘い声をあげる愛しい人、キッチンで抱き合って啄ばむようにキスを交わして



止まらなくなった俺達は、お互いを求め合うようにベッドルームへと向かった



貪るようなキスにはあはあと息苦しそうに眉を顰めるあなたに、どうしようもなく愛しさがこみ上げる



同性だとか、家族だとか

そんなことは大したことじゃないんだ

もちろん家族は大切だけど

俺たちの心は一つなのだから




じっくりと蕩かせて開いたあなたの体は、まるで元々一つのものだったかのようにぴったりと合わさって




「……チャンミン、全部はいったよ」


「……ん////」


「キツイ?」


「………だい、じょぶ……も、動いて?///////」



「!!!!……やっぱおれを煽る天才だ」



「……な、何言って……あぁんっ////」



「とまんないよ、しっかり掴まって?」


「………はぁっ……ユノッ……ああっ////」





重なり合う体は境界線なんてないほどに蕩けあって、俺達の初めての夜は更けていったんだ























. あの空の向こうに ~海を越えて~ 16









~Cside~






ショッピングモールから帰ってユノが荷物を片付けてる間に食事の用意をした



買ってきたものを並べて、簡単にサラダも用意して



あ……スープぐらいは作る時間があるかも、ユノはあっちの部屋でスーツケースと悪戦苦闘中だし(笑)



相変わらず片付けは苦手らしい……




途中でユノに付き合ってソフトクリームやポテトを食べたりしたから、割とお腹は空いてないんだけど




……明日の夜には帰ってしまうんだ




そう考えるとなんだかすごく悲しくなってきて泣いてしまいそう




会ってしまえばこんなにも離れがたくなるなんて////////




キッチンでグラスを持ったままぐるぐると考えていると、後ろから不意に手が伸びて来る




「……チャンミン?」




耳元で囁く低い声、吐息の熱さで体が震えてしまうよ



僕はグラスを置くと振り向いてユノにぎゅっと抱きついた




「……何、誘ってんの?////」



「……////」



「ふふ、飯は後にする?」



「……ユノ、好き////」



「!!!!……マジやばいって」




苦しいほどに抱き締められて落ちてくるのは黒目がちな瞳




僕らはコツンとおでこを合わせると、見つめあって甘い甘いキスをしたんだ


































. あの空の向こうに ~海を越えて~ 15








~Yside~






大学を出てショッピングモールで父さんと母さんのお土産を見たり、今日食べる晩御飯とか色々と買い物をした



俺が出すって言ったのに、殆どの支払いをチャンミンがしてくれて



「ユノが働き出したら出してもらうから」



なんてサラリと言われちゃって

俺だってバイト代貯めて持ってきたのに……




「……お金残しておいたらまたすぐ来れるでしょ?/////」



なんて、そっぽを向いたまま赤い顔で言われてしまったら、何も言えなくなってしまう



……ったく、素直なんだか素直じゃないんだか



なんだろう、こっちにきてからチャンミンが甘えてくれることが凄く嬉しい



知らない土地で人目を気にしなくていいっていうのもあるかもしれないけど、俺達にはこういうのなかったから



……俺の中の好きが溢れ出しそうだ



電車の中で、早く帰って抱き締めたいって耳元で囁くと、驚いた顔でとうとう背中を向けてしまったあなた




後ろからぴょこんと飛び出した耳が真っ赤に染まっていて、早く触れたくて仕方なかったんだ



















. あの空の向こうに ~海を越えて~ 14








~Cside~






……シウォンさんの前であんな事言うなんて、全くユノったら!!



大学を出てからこちらをチラチラと伺いながら、少し後ろを歩くユノ



しゅんとしてトボトボと歩く姿はまるで怒られた仔犬のよう




……ふふ、ちょっと可愛い




それにあんなこと言われて驚いちゃったけど、やっぱり嬉しい、よね/////



駅までの道を歩きながら緩む口元を慌てて隠す、僕ってばユノにはほんと甘いから



さっき触るの禁止って言ったとこなのに、本当はもう触れたい、なんて/////



強引なユノに流されるように思いを伝え合ったけど、今じゃあ僕の方がユノに依存してるみたい



いつの間にこんなにもユノのことが好きになってしまったんだろう/////




「チャンミン!!」




ぼんやりと考え事をしながら歩いていると突然ユノが僕の肩を掴んだ



「……な、何!?」


「駅通り過ぎてるけど……」



「……えっ!?/////」




ハッと見上げれば駅ははるか後ろに見えていて、呆れたように笑うユノに、僕は堪らず俯いてしまったんだ































. プロフィール

紫苑☆

Author:紫苑☆
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