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. 僕の彼氏はバンパイヤ 22
~Yside~
逃げるように帰ってしまった君、慌てて閉まるドアの音に思わず笑ってしまった
そんなに焦らなくてもいいと思うのに、でも……
しっかり頷いた、よな?
俺には似合わない告白の後は、甘い甘いキスでトロトロに蕩かせて
みるみる赤く染まる肌とか、小さく震える体とか
このまま美味しく頂いてもいいぐらいだったが、それは先の楽しみにとっておくことにしよう
恋人、か……
その響きがこそばゆくて、暫くは緩む頬を止められなかった
流石にシウォンに見られてしまった時は、バツが悪くて咳払いで誤魔化したが
さて、どうなることやら
「で?そのご機嫌の訳を聞かせてくれないのか?」
「ま、そのうちな」
「ふうん、大方可愛い恋人でもできたんだろ?」
「どうかな」
「秘密主義は変わらず、か」
「ふふ」
「そのうち会わせろよ?」
そう言って肩を叩くシウォンに苦笑いしながら、血の味のするワインをゴクリと飲み干したんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 21
~Cside~
『俺の恋人になってくれる?』
髪に優しくキスをしながらそんなセリフとか、狡いとしか言いようがない!!
……極上の笑顔で抱き締められて、耳元で甘く囁かれて
必死に逃れようとするのに離してもらえずに、結局は頷いてしまった僕
……これってしっかり絆されちゃったってこと?///
この部屋に入る前は怖くて逃げたいと思ったはずなのに、あまりに心地いいい腕の中に色々とおかしくなってしまった
頷いた瞬間に痛いほど抱き締められて、いつの間にか体をくるりと返されると
蕩けるようなキスをたっぷりとされてしまった
別れ際には首筋を強く吸われて、怖くなって逃げるように部屋を出たけど
怖くてドキドキしているのか、ときめいているのか正直わからなかった
もしかしたら人ではないかもしれないけど
もしかしたら食べられちゃうかもしれないけど
きっと初めて会った時からあの黒目がちなアーモンドの瞳に囚われていたのかも、なんて
今更ながらに気付いた僕だったんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 20
~Yside~
自分から好きと伝えたことなんて、いったい何年ぶりだろうか
君のあまりに可愛い反応に色々と麻痺してしまったらしい
変態だのなんだのと随分ひどい言い方をされてる気もするけど
それでも憎めないのは惚れた弱みというやつか
「………離せっ///」
「嫌じゃないって言ったのに?」
「い、嫌とかそういう問題じゃなくて!!と、とにかく……あっ///」
「ふふん、感度も良好」
「なっ!?///」
俺の言葉に顔を真っ赤にして大きな瞳をくるくるとさせて
ああ、本当に美味しそう
バタバタと暴れる君を背中から抱きしめて、耳元で囁けばピクンと体を震わせて
「俺の恋人になってくれる?」
「………い、嫌です///」
「なんで?」
「何でって!!人のこと美味しそうとかおかしいし!!」
「事実だから仕方ない、ん、いい匂い」
「や、やだ!!///」
「ウンと言うまで離さない」
「やだーーーー!!!!(泣)」
逃げようとする君をしっかりと腕の中に閉じ込めると、目の前にあるふわふわの髪にキスをしたんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 19
~Cside~
『美味しそう』ってなんなんだよ!!やっぱりやっぱり変態じゃんか!!
瞳を細めてクスクスと肩を揺らして、ああ、今すぐ逃げ出したいのに
………悔しいけど目が離せないのはやっぱり///
「………笑いすぎです」
「ごめんごめん」
「誠意が感じられない」
「ふふ、ボロカスだな」
「ど、毒舌なんです」
「毒舌?」
「どれ?」
「……えっ?……んん///」
俯いたまま話す僕の頬を撫でる長い指、気付けば僕はチョンさんにキスをされていて
角度を変えて何度も繰り返す口づけに身も心も蕩けてしまいそうで
………ああ、逃げられない
チュッと音を立てて離れた唇、見つめるアーモンドの瞳に吸い込まれてしまいそう
「……間違いない」
「………え?」
「確かに毒舌だ、中毒性のある、ね?」
「へ、変態///」
もっと怒んなきゃって思うのに、あなたがあんまり楽しそうに笑うから
今だけは大人しく腕の中にいてあげようって思うんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 18
~Yside~
『や、やだっ!!食べないでっ!!』
そう言ってソファから転げ落ちた君、いやはや、生まれてこのかたそんな風に言われたのは初めて、だな(笑)
床の上で怯えたように小さくなって、まるで狼に狙われた仔鹿のようじゃないか
「ふふ、食べないからそんなに怯えないで」
「………で、でも!!」
「とりあえずはソファに座って、ね?」
「………///」
このまま出て行ってしまうんじゃないかと思ったが、俺を睨みつつも大人しくソファの端へと座る君
さて、どうしてくれよう……
飲みかけていたワインのグラスを渡すと、意を決したようにゴクリと飲み干す喉が艶っぽい
「チョンさんは……」
「ん?」
「ぼ、僕をからかってるんですか!?」
「まさか!!」
「だって、最初から血を吸わせてくれとか言うし、なのに助けてくれたり!!無駄にカッコ良かったり!!」
「ふふ、カッコいい?俺が?」
じっと見つめると途端に視線を泳がせて、真っ赤になって俯くとか
そんな態度じゃあ俺を遠ざけることは出来ないな
「チャンミンは俺が嫌い?」
「………き、嫌いとかじゃなくて!!///」
「触れるのも嫌?」
「そ、そんなことは……でも!!」
「俺は君が好きだよ」
「!!!!/////」
「美味しそうだし」
「!!やっぱり変態!!」
「あーはーはーは!!」
思いがけない言葉に笑い出してしまう俺を、呆れるように見つめる君が可愛くて仕方のなかったんだ