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. 君といたいから 34
~Cside~
「………え?お見合い、ですか?」
「ああ、あくまで噂だけどね」
「そう、なんだ……」
「会長が推してるんじゃ社長も断れないかもね」
「………」
そう言って僕を見ながらコーヒーを啜るヒチョルさん、突然休憩室に入ってきたと思ったらそんな事……
この人ってば時々爆弾落としていくんだよね
社長と出張に行ってから一週間、あれから普段通りの生活が戻ってきた
あのホテルで過ごした時間は夢だったと思えるほど幸せだったけど
現実は厳しいっていうか、なんていうか
お見合い、とか
「落ち込んでるチャンミンも可愛いね」
「お、落ち込んでなんて!!///」
「またまた~俺が慰めてやるって……うおっ、い、いててっ」
「ヒチョル、イェソンが呼んでるぞ」
「し、社長!!」
ヒチョルさんの奇声に顔を上げれば、そこには社長の姿があって
あ……ダメ、泣いてしまいそう
バタバタと逃げていくヒチョルさんの足音、ふわりと香るあなたの香りに思わず視線を逸らしたのに
「何で泣いてる?」
「な、泣いてなんて!!///」
「泣き顔も可愛いな」
「!!!!///」
「で、次はいつうちに来てくれるの?俺の恋人君?」
そんな僕の顔を覗き込む優しいアーモンドアイ
ああ、この人には敵わない
ずっと好きでいさせて
ずっとあなたの側に…
「う、浮気者は嫌いです///」
「ふふ、じゃあ俺を夢中にさせてくれないと、ベッドの上でね」
「!!!!///」
そう言って不適に笑うあなたを思い切り睨み返したのに
こんなシチュエーションも嫌いじゃない、なんて
僕も相当にやられてる、よね///
. 君といたいから 33
~Yside~
「ユンホ、話がある」
「何ですか改まって」
出張先での工場視察、本当ならチャンミンも来る予定だったが
色々と理由をつけて取引先に残って貰うことにした
だって、昨日の今日では二人ともが……ね
昨日の君を思い出しては緩む口元を抑えながら、珍しく父と同行していたが
一体何を企んでいる………?
「他でもないんだ、ほら、昨日会っただろう?コ・ユジンをどう思う?」
「……は?」
「いや、是非ともお前を紹介して欲しいと言われてね」
「………」
まあ、そんなことだろうとは思ったけどね、生憎今はそんな事は考えられないしあり得ない
俺は息を一つ吸い込むと隣の父に向き合った
「申し訳ありませんが丁重にお断りして下さい」
「……やはりな」
「……え?」
「いや、予想はしていたが………チャンミンか?」
「!!!!」
「ふふ、嘘のつけないやつだ」
そう言って楽しそうに肩を揺らす親父を軽く睨み返す
そんな俺をさも可笑しそうに見つめる瞳は意外にも優しく感じられ……る?
「予想通りだな」
「……は」
「いや、この話はもういい」
それ以上は黙ってしまった親父の横顔を見つめながら、複雑な気持ちになる俺だったんだ
. 君といたいから 32
~Cside~
「シムさんこちらでよろしいですか?」
「すいません、ありがとうございます」
「いえ、何かありましたら遠慮なく内線でご連絡くださいね」
そう言って笑顔で部屋を出て行く受付の女の子
僕は今取引先のミーティングルームでパソコンと向き合ってるところで
本当なら今日は社長と会長のお供で昼から工場の視察予定だったけど
僕は遠慮させて貰ったんだ……
勿論、夕方の会議に向けての資料をもう少し詰めておきたかったのもある
こちらにきてから現場の事情を知って、足りないものとか色々と
でも、昨日の今日だからっていうのが一番の理由、かな
正直体の奥がまだ熱い気がするもの///
『俺以外にそんな顔見せるな』
なんて、ホテルを出る前に何度も言われて、これでも平静を装ってるつもりなのに
まったく、誰のせいなんだよ///
昨日部屋に戻ってから、その……僕らは初めての夜を迎えた
最後までシなかったのは多分今日のことを考えてのこと
一応仕事だし、ね///
『次は抱くよ』
意識を飛ばす寸前に言われた言葉、夢なのかって思ってたけどどうやらそうではないみたい
朝の光の中で見たあなたの笑顔がちらついて、ちっとも仕事が手につかない僕だったんだ
. 君といたいから 31
~Yside~
「………ん」
「おはようチャンミン」
「……え?……あ!!///」
腕の中で目覚める君を見れる朝はどこまでも甘く幸せで
本当はずっと寝顔を眺めていたいけど………
休暇で来ているわけじゃないから仕方がない、そろそろ起きる時間だし
目を開いた途端にシーツに潜り込む体、昨日の余韻を残す赤い跡がやけに艶かしくて
「こら、顔見せて?」
「む、無理です///」
「冷たい恋人だな、おはようのキスもしてくれないの?」
「………///」
そっと顔を覗かせる愛おしい人、まだ肌には何も纏っていないから朝から目の保養、だな
「シャワー浴びる?体は平気?」
「……だ、大丈夫です////」
軽く触れた唇、何度か啄ばむように口付けてバスルームへと促す
昨日は最後まではシなかったからそこまでの負担はない筈だが
あんな風に見つめられるとバレてしまう、かな
………ま、それは俺も同じことか(笑)
フラフラとバスルームへ消えていく後ろ姿を見つめながら、緩む口元を抑えきれない俺だったんだ
. 君といたいから 30
~Cside~
……何がどうなっているんだろう
帰ってくるなりベッドに運ばれて、甘い口付けにトロトロに蕩かされて
ネクタイを緩める仕草にさえドキドキとしてしまうのに
重なる体に感じる熱はもう弾けてしまいそうで……
「………んっ……あっ///」
「ん、もっと見せて?」
「……や、やだっ///」
「ほら、力抜いて」
耳元で甘く囁く言葉とは裏腹に、逃がれようとする体は離してもらえず
どうにかシャワーだけは浴びたものの、恥ずかしくて顔を上げることもできない
タオルに包まれてバスルームから出ると、濡れた体のまま一つに蕩けあって……
「チャンミン可愛い」
「………か、かわいく、なんてっ……///」
「いや、可愛いよ、俺のチャンミン」
「……ひぁっ……む、り……///」
射るように見つめるアーモンドの瞳に、素肌をなぞる長い指に
ただ身を任せることしかできない僕だったんだ……