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. うちの秘書が真面目で困ってます 13
~Cside~
「え?スポーツ選手?」
「うんうん、そうだって、ほらあの監督も!!」
「わ……ほんとだ///」
今日はヒチョルさんのホームパーティ当日、ドレスコードはないからラフな格好でいいって言ってたのに
広めのリビングへと案内されればドレスアップした女性やスーツ姿の男性ばかりが目につく
しかもやけにガタイがいいと思ったら、テレビで見たことのあるスポーツ選手や監督とか
……これって凄い人達ばっかじゃない?
プロ野球選手もいればサッカー選手もいる、あ、一際大きいのはプロバスケの有名な選手なんじゃ……
「おいチャンミン、来たら挨拶ぐらいしろよ~」
「あ、ヒチョルさん、なんか圧倒されちゃって///」
「何言ってんだ、お前社長だろ?おっ、キュヒョン、久しぶりだな」
「お、お邪魔してます」
「さっきから美人を紹介しろって煩いんだよ、ほら、知ってんだろ?ソ選手」
「……わ///」
一際大きい男性がこちらに歩いてくるのが見える、あれってやっぱり……
「ヒチョル、早く紹介しろよ」
「ったく、煩いんだって、チャンミン、知ってると思うけど」
「ソ・ジソクです、で、こっちはジュリアン・カン」
「あ……シム・チャンミンです、こちらは友人のチョ・キュヒョン」
「……よ、よろしくお願します///」
僕でも見上げるようなプロスポーツ選手を前に、ガチガチに緊張してしまう僕達だったんだ
. Begin Again 2
~Yside~
「初めまして、システム開発部から来ましたシム・チャンミンです、皆さんどうぞよろしくお願いします」
真新しいスーツに身を包み、紅潮した頬で控えめに挨拶するその人は深々と頭を下げた
………は!!
帰国子女で相当なイケメンとは聞いていたけど、これほどとは……!!
モデルばりのプロポーションに印象的な大きな瞳、頬っぺたなんてつやつやと輝いて
そこら辺の女子社員よりずっと美人じゃないか!!
今朝は朝からみんな落ち着かなくて、そりゃ見たこともない奴が朝一で部署内の掃除をしてたら驚くに決まってるけど
爽やかな笑顔で『おはようございます!!』なんて言われたら自然と笑顔も溢れちまうってもんだ
「と、とりあえず人手不足解消のためにだな、ユノ!!面倒見てやってくれ!!」
「あ、はい!!」
新人社員のあまりの美人ぶりに動揺していたうちの部署長、咳払いをすると俺に任したと言わんばかりの熱い視線を送ってくる
ったく、しょうがねぇな!!
「えっとシム君だっけ、デスクはこれを使ってくれたらいいよ、荷物とかある?」
「あ、はい!!」
「あ、俺はチョン・ユンホ、これでも一応係長なんだ」
「はい、一応ですか?(笑)」
「そ、一応ね」
「ふふ」
俺の言葉にふわりと笑う笑顔が眩しくて、思わず視線を逸らしてしまった俺だったんだ
. うちの秘書が真面目で困ってます 12
~Yside~
………最近どうも様子がおかしい
いや、おかしいというよりはおとなしすぎるというか
いつものように突っかかってくるようなこともあまりなく、よく言えば品行方正に学生なり仕事なりをこなしておられるというか
「チャンミン様、昼からは会長と合流して取引先のパク社長と会合になります」
「……わかった、ユノも食事を済ませてきたら?僕は少し勉強するから」
「はい、では何かあればお呼びください」
いつも手のかかる主人を持つと、おとなし過ぎるのも物足りなく思ってしまうとか
幼い頃からお世話をしてきたから当たり前のようにチャンミン様に仕えてきたけど
本当は俺の方があの方に依存しているのかもしれないな
いや、でも……チャンミン様が大人しくなったのは別宅に行った次の日あたりから
やはりこれは何かありそうだ……
ヒチョル様あたりが絡んでいる可能性は大きいが、警戒はしていても止めはしないのに
こういうところは子供っぽくて笑ってしまう
社長室を出て車へと向かうエレベーターの中、何か言いたげな瞳がゆらりと揺れる
さて、どう出るか……
「ユノさ、今度の休みは田舎に帰るでしょう?」
「はい、そのつもりですが」
「1日と言わず二日くらいはゆっくりしてきたらどう?ユノのご両親だって楽しみにしておられるだろうし」
「……は、ですが」
「僕のことなら心配いらないよ、キュヒョンの所に泊まりに行くつもりだから」
そう言ってにっこりと笑うチャンミン様に、どうにも不安しかない俺だったんだ
. Begin Again 1
~Yside~
『先輩、僕……あなたの事が、好きなんです』
そう言って真っ赤になって俯いたのは………あれは確か……
「ユノ!!おい、着いたぞ!!」
「…へ?……あ、ああ、すまん」
出先から会社へ戻る車の中、ついウトウトとして夢まで見てしまうとか
………疲れてんのかな、俺
季節外れの人事異動に加えて同僚の急な退職とか、うちの部署の人手不足はかなり切迫したものだったけど
俺達の訴えが功を奏したのか、やっとのことで本社から人材を派遣してもらえることになった
外回りもして貰うことになるけど、システム開発部からってことだから、パソコンには強いってことだよな?
ったく、部署移動なんてするからややこしくなるんだ
本社が手狭になったってことで、俺達の部署は去年から第二工場を改装したオフィスで仕事をすることになった
2年後には新社屋を立ててまたそっちに戻る予定なのに、なんでわざわざこんな面倒くさいことをするんだか
……社長ってのはわかんないもんだ
「ユノさん聞きました?新しくこっちに来る人のこと!!」
「いや、システム開発部からってことだけで……」
「なんでも帰国子女らしいですよ!!いやー楽しみだなぁ」
そう言って腕を組んで大袈裟に頷くミノ、帰国子女ったって所詮は男
全くこいつはいつでも無邪気なもんだ(笑)
「歓迎会しなきゃですよね!!」
「お前が飲みたいだけだろ?」
「あ、バレました?(笑)」
俺の言葉に頭をぽりぽりと掻いて照れ笑いするミノに、呆れながらも笑ってしまう俺だったんだ
. うちの秘書が真面目で困ってます 11
~Cside~
「え?ヒチョルさんが?」
「うん、皆んなで集まるから来ないかって、キュヒョンもどう?」
「うーん、その日は空いてたような気がするな、他に誰が来るの?」
「それが教えてくれないんだ、当日までの楽しみしとけって、でも知ってる人もいっぱい来るって話してたから」
「へえ、また有名人でも来るのかな」
「さあ、ヒチョルさんの交友関係は謎だからね(笑)」
あの日僕がお爺様に呼び出されたのはヒチョルさんに会わせたかっただけらしく
あの後は皆んなで食事をして何もなく終わったんだよね
またお爺様お得意の説教でも始まるのかとビクビクしていたからちょっと拍子抜けしたけど
『たまには外に飲みに出るのもいい』
とか急に言い始めちゃって、全くどういう心境の変化なんだろう
昔は期間限定のバイトですらやいやいと文句を言われた記憶があるのに
で、ヒチョルさんに呼ばれたホームパーティ、ごく内輪の集まりだからと招待されたけど、やっぱり一人は心細い
それに……ちょうどその日はユノが実家に帰るのに休みを取っていて
ユノに言ったら止められそうだから黙ってることにしたんだ
キュヒョンなら面識もあるし、ヒチョルさんの集まりにも呼んだことがあるから安心だし
そんなわけで二人で行くことになったんだよね
ユノにはキュヒョンの家に泊まりに行くって話しておいたから多分大丈夫だろう
話した後にアーモンドの瞳でじっとりと見つめられだけど、どうにか知らんぷりを決め込んだ
キュヒョンと泊まるのは嘘じゃないからね、うん
……なんだかこういうのワクワクしちゃうな
ホームパーティまであと一週間、それまでは大人しく学生と社長に徹することにした僕だったんだ
. 熱血!!ユンホ先生 40
~Cside~
「シム先生おはようございます!!」
「シウォン先生」
「今日の飲み会は勿論参加ですよね?」
「はい、楽しみにしてます」
朝から爽やかな笑顔を浮かべるシウォン先生、そう、あの告白からもう数週間が過ぎた
ユンホ先生とのこともあり、気まずくなってしまうのではと心配したけど
シウォン先生は変わらなくて安心した……
本当にいい人なんだって思う、それはユンホ先生も認めているけど、こうしてシウォン先生と話していたら………
「ああ!!シウォン!!またチャンミンと話してる!!」
「あ……ユンホ先生///」
「なんだまたお前か」
「なんだじゃねえ!!ったく油断も隙もねえな!!」
「全く朝からうるさい奴だ、そんなんじゃシム先生に嫌われるぞ?」
「なっ!!言ったなー!!」
大声で騒ぐユンホ先生に周りの生徒達も目を丸くする、最近はバレちゃってる気もするけど
「先生、サッカー部のキャプテンが探してましたよ?」
「お!!マジか、俺行くわ、じゃあチャンミン……じゃなくてシム先生また後で!!」
「………はい///」
そう生徒に言われて慌ててグラウンドに駆け出すユンホ先生
ふふ、ロマンチックは当分お預け、かな?(笑)
あっという間に見えなくなる後ろ姿に小さく手を振って、僕は校舎へと歩き出したんだ
. うちの秘書が真面目で困ってます 10
~Yside~
「チャンミンはどうしている?」
「……は、大学も順調ですし、社長としても自覚が出てこられたように思います」
「……ふむ」
「外にはあまり?」
「はい、忙しくしておられますので」
「……そうか」
チャンミン様が従兄弟のヒチョル様と仲良く談笑する中、俺は会長に呼ばれてテラスにいた
ここ別宅は本宅よりは少し小さいが、それでもかなりの大きさを誇る邸宅で
市内にある本宅よりは郊外にあり、静かな佇まいを醸し出していた
そして先日退院されたばかりの会長の奥様が今はこちらで過ごされており
それに合わせて会長もこちらに……
会長はとても厳しい方だが最近は体調を崩される事も多く、チャンミン様の将来の心配をよくされている
まだまだお元気でいて頂きたいのに……
「しかしアレが帰ってくるとはしゃいでおるな」
「ヒチョル様ですか?」
「ああ、アレはどうしようもないやつだがチャンミンにとっては心を許せる身内なのだろう」
「……会長」
「チャンミンを頼むぞ」
「……はい」
会長に一礼してその場を去ると、俺はチャンミン様の元へと向かった
やれやれ、今度はこちらで何かを企んでおられるようだ、なにせヒチョル様は要注意人物
全く油断も隙もない、な(笑)
睨み合う俺達に気を回したチャンミン様に席を外すよう言われたけど
不敵に笑うヒチョル様の笑顔に、悪い予感しかしない俺だったんだ
. 熱血!!ユンホ先生 39
~Yside~
あの日、結局隠れてたカフェで見つかって、シム先生と一緒に飯を食べて帰ることになった
こんな俺の行動に呆れてるかと思いきや、クスクスと笑って変装でかけてたメガネで遊んでみたり
『どう?似合います?』
なんでポーズをとってみたりして、全くどこまで可愛いんだか///
シウォンにもちゃんと話してくれたみたいだし、まあ、最初に俺に気づいたのはシウォンみたいだったから
ちょっとした仕返しってこと、かな(笑)
自分でも驚くほどの独占欲にこの先のことが心配でたまらないけど
………あなたとなら上手くやれそうな気がする
流石に生徒達に見られるのはまずいから少し離れた場所でうまいハンバーグを食べて、手を繋いで帰る帰り道は
キンとした冬の空気が澄んでいて、二人の息がふわふわと白く舞い上がる
うん、いい雰囲気じゃん
隣のシム先生は恥ずかしそうに俯いたまま、ぴょこんと飛び出た耳が真っ赤で堪んないけど
慌てちゃいけない、よな///
まだまだ始まったばかりの俺達の恋、繋いだ手から伝わる温もりが俺の心まであったかくしてくれる
「帰ろうか、チャンミン」
「!!……はい///」
俺達はチラチラと降り出した雪を見上げて、二人で微笑み合うとまた歩き出したんだ
. うちの秘書が真面目で困ってます 9
~Cside~
「あ!!ヒチョルさん!!」
「チャンミン久しぶり、元気だったか?」
お爺様の急な呼び出しに悪い予感しかしなかったけど、これは嬉しいサプライズじゃないか!!
仕事で海外に住む従兄弟のヒチョルさん、いつも僕を可愛がってくれる貴重な存在なんだ
「いつ帰ってきたんです?言ってくれれば僕から会いに行ったのに!!」
「何言ってんだ、社長になったばかりで忙しい身だろう?」
「そんなこともないですよ、僕はお爺様の代わりに人と会ってるだけのようなものです」
テラスでユノと話すお爺様をチラリと見てふうと溜息をつく、こんな自分がもどかしいけど学生の身では仕方のないこと
「相変わらず真面目だなお前は」
「ヒチョルさんが自由で羨ましいですよ」
「ふふん、お前はもっと遊ばなきゃいけないな」
「……遊び、ですか」
「しばらくこっちにいるから皆んなで集まるんだ、お前も来いよ、な?」
昔からこうやって僕を外に連れ出してはお爺様のやユノに叱られていたヒチョルさん
ふふ、変わってないなあ
そういや高校のころ酒を飲まされて、凄い剣幕でユノが迎えに来たことがあったっけ
ヒチョルさんの悪友達はいい人達ばかりで、随分可愛がってもらった気がするけど
あれからユノがヒチョルさんを警戒しちゃって困ったんだよね
「ヒチョル様、ご無沙汰しております、チャンミン様会長がお呼びです」
「ああユノ、相変わらずイケメンだね」
「いえ、ヒチョル様には敵いませんので」
「言うねぇ、ね、チャンミンを誘ってもいいだろう?やっぱり保護者の了解は得ないとね」
「それは………チャンミン様のお決めになることですから」
まさに火花が散るような二人の睨み合いに、いつもハラハラとしてしまう僕だったんだ
. 熱血!!ユンホ先生 38
~Yside~
「……えっとユンホ先生?こんな所で何してるんですか?」
「………へっ?あっ、えっと……そのっ……///」
いきなり声をかけられてしどろもどろとしてしまう俺
あれ?なんでバレたんだろう、うまい具合に隠れてたと思ったのに!!
「しょうがない人ですね、待っててくださいって言ったのに」
「す、すいません///」
少々呆れ顔のシム先生は俺の前にゆっくりと座ると、目の前にあるぐしゃぐしゃの新聞に目を丸くした
あ……そういやシウォンと二人でいるとこ見てたら無意識に握りしめてしまったんだ
シム先生はその新聞を綺麗に畳んでふうと溜息をついた、なんだろう、その姿がなんだかやけに色っぽくてドキドキとしてしまう
そういやシウォンは帰ったんだろうか、結局見ていられなくて俯いてばかりだったから
「先回りして」
「……へっ?///」
「変装までしちゃって」
「あ……///」
「でも……許して上げます」
「……シム先生///」
「ふふ、帰りましょうか?お腹すきました」
そう言ってシム先生は俺のメガネをそっと外すと、ふわりと悪戯っぽく笑ったんだ