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苺な彼とビールな僕

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. 愛をもっと!! ~ジュニア来襲~ 12






~Cside~




いよいよ今日は金曜日、ジュニアとの約束通り夕方から接待に同行することになっている


どうしてもついて来ると言っていたユノだったけど、ジュニアに一蹴されて渋々会社に残ることになった


「チャンミン、絶対飲みすぎんなよ!!」


「……ばっ、ばかっ、ユノ!!名前!!/////」


「いいから約束、あとその重役とやらにも気をつけんだぞ!!触られたら逃げんだぞ!!」


「ユノ~モテる恋人を持つと苦労するな!!」


「チーフ!!笑い事じゃないっス!!」


「いいぞ~もっとやれやれ(笑)」


女の子じゃあるまいし、ほんと大袈裟っていうか、心配性っていうか


同じチームの皆にまですっかりバレてるし、ほんともう恥ずかしいったら/////


会社の出口にまでついてきていつまでも手を振るユノ、迎えに来たタクシーのおじさんも苦笑いだよ


指定された場所は市内でも有数の高級ホテル、今日来られるイ・スマンさんはうちのメーカーを卸している大手の玩具販売店の部長なんだそう


普段は内勤の僕なんかが会ったりできる人じゃないらしい、まあ、僕にとってはどうでもいいけど、ユノのために頑張らなきゃ


緊張した面持ちで席へ通されると既にジュニアとイ部長は到着済みで、僕は慌てて挨拶をした


「ああ、イ部長、こちらはうちの新商品の開発に携わっているシムさんです、シムさん、イ部長です」

「遅くなってい申し訳ありません、開発部のシム・チャンミンです」

「おやおや、ずいぶんとイケメンが来たもんだね、新商品の開発か、面白い話を聞かせてくれよ?よろしくねシム君」


にこにこと握手を求めるイ部長はとても気さくな方で、ユノが心配するようなことは全くなさそうだ、これなら意外と早く帰れるかもしれない




淡い期待を抱いて臨んだ接待だったけど、あの噂が本当だったなんて、この時の僕には知る由もなかったんだ























. 好きになってもいいですか? 11






~Cside~




突然ユノさんにご誘われて、仕事終わりに近くの焼肉屋に行くことになった


『Duet』の営業時間は夜の7時まで、まばらになったお客さんにわからないように閉店準備をして、7時過ぎには2人で店を出た


……ユノさんと店以外で会うなんて初めて、もっとマシな格好してくればよかった、いつもと同じTシャツにジーパンだなんて…


店では制服のカッターと黒のパンツが用意されてるから、超普段着っていうか、ああなんかもう一回家に帰って着替えたいくらい


でも焼肉だったら汚れるからいいか、それに僕の服なんてどうでもいいよね…


「チャンミン?」


ユノさんの声でハッと我に返る、向かい合う店の中、つい、ぐるぐると1人で考え込んでいたみたい


「あ、ごめんなさいっ、またぼおっとしちゃって……」


「いやいや、いいんだよ、ほらお肉焼けたよ?」


「……わ/////」



……お肉なんていつぶりだろう、大学入ってから本当に食生活が貧しくなっちゃって


箸で摘まんだお肉をじっと見つめてパクリと口に含む、ジュワッと広がる肉の香り、すごい、ここのお肉柔らかい!!


「ふふ、美味しいんだね」


肉を噛み締めながらコクコクと頷くと可笑しそうな笑うユノさん、焼肉屋がバックでもほんとかっこいい/////


「ふふ、チャンミンのほうがかっこいいよ」


「……へっ?/////」


「あ、いや……チャンミンってほんと表情豊かでさ」


「…あ、あの?…////」


「一緒にいると楽しいっていうか、癒される」



頬杖つきながら優しい笑顔で見つめられて、僕は思わず俯いてしまう、そんなこと言われたら胸がいっぱいで何も言えなくなってしまうよ/////



ねえユノさん、そんな風に笑わないで?



また僕の胸がキュウッてなってしまうから……




















. 愛をもっと!! ~ジュニア来襲~ 11






~Yside~




朝から晩までべったりのジュニアから解放されて、やっと辿り着いたのはシム先輩のマンション


今週は週末に大きな接待があるから平日は割と帰して貰えるんだ


最近はこっちに帰ってくるのが当たり前になって、もういっそ一緒に住めたらいいのに、なんて勝手に妄想しちまってる


帰ったらエプロンした可愛い奥さんが出迎えてくれるとか、おかえりのキスとかとか♡


期待を胸に中へ入るが、お出迎えどころか物音ひとつしなくって

ちょっぴりがっかりしながらリビングのドアを開けるとソファで気怠げに寛ぐシム先輩


「…ん?ユノ……おかえり」


「ただいま、飲んでるの?」


「……ん、練習しとかないとって思って……普段はビールばっかだし…他のも飲んでおこうと思って…」


テーブルを見ればワインやらビールやら空き瓶がゴロゴロと、まさかこれ一人で飲んだのか!?


「こら、飲みすぎ」


「…あ……揺らすなって…/////」


だらりと投げ出した細い腕は俺の首に絡みつき、首筋に擦り寄るからもう堪んない


「チャンミン色っぽい、ほんとに接待行くの?」


「…ん、だってユノ困ってたし、なんか悔しかったから/////」


「チャンミン……」


「……ん/////」


実は最近改めて気付いたことがある、チャンミンって普段恥ずかしがり屋のくせに飲むと大胆になるんだよな


ドンへからの情報だと週末の接待に来る重役さんとやらは酒癖女癖が悪いらしい


いくら男だからってこんなに綺麗で妖艶なんだ、何か間違いでもあったら俺生きていけないかも


「チャンミン、俺も行くから」


「…ん」


俺にべったりと張り付いて、遂にはすうすうと寝息をたてる俺の恋人


絶対守ると自分に誓って、幸せそうに擦り寄るその頬にそっとおやすみのキスをしたんだ























. 好きになってもいいですか? 10






~Yside~




「ユノさんご機嫌だ~♪」



毎朝パンを持って登場するミノ、最近、俺の顔を見てはずっとニヤニヤするから少々やりにくい


「チャンミンは居ないの?」


「今は裏に行ってるよ、ほら、コーヒー」


「お、サンキュー」



ミノにコーヒーを出してやると、豆の注文をしようとパソコンに目を向ける、オーソドックスなカフェメニューもいいけどたまには変えてみてもいいかな


チャンミンがここでバイトするようになってから色々と試行錯誤中なんだ


「ユノさんてさ、チャンミンにアタックしない訳?」


「……はっ!?/////」


朝から何を言い出すんだ!!カウンターには数人のお客さんもいるっていうのに


「だってバレバレなんだよ?まさか自分で分かってないの?」


「……なっ!!/////」


「おっ、赤くなった、ふーん、意外と可愛いとこあるんだ」


「……お前まさか」


「そんな怖い顔しなくても何も言ってないって」


まあ、ミノがそんな奴だとは思ってないけど、俺の気持ちが漏れてるならそれはそれで問題だな


「ほら~また悩んでる」


「ミノ!!」


「ユノさんは深く考えすぎなんだよ、心ばっかり見えても相手に言わなきゃ伝わらないよ?」



言わなきゃ伝わらない



まさにミノの言うとおりだ、今までの俺の恋愛がうまくいかない理由


相手の心が分かってしまうが故に俺自身が黙ってしまって、言わなくても伝わるような気がして


『ユノって何考えてるかわかんない』


いつもそんな風に言われてきたから、恋愛に対して億劫になってしまってる


……いや、その前にチャンミンは男だ、今まで付き合ったのは当たり前に女の子ばかりで、男なんて恋愛対象じゃなかった


そう思って自分の気持ちにブレーキをかけてみても全く効果がなくて、気づけば目線は君に釘付けになっている

なにもかも通り越して好きってことか…


…とりあえず飯にでも誘ってみる…か


思い切って声をかければフリーズする君、真っ赤に染まる頬に返事を期待してしまう俺なんだ
































. 愛をもっと!! ~ジュニア来襲~ 10






~Cside~




「昨日は酔っ払ったのかと勘弁して帰してあげたのに、まさか恋人の所にいたとは…まさかいつも接待のとき辛そうなのは演技とか?」


「……へっ?…いや、違いますよジュニア!!」


「本当はもっと飲めるんじゃ……」



険しい顔でユノを睨みつけるジュニア、大きな瞳が印象的で女の子みたいなイメージなのにこんなに高圧的なのはやはり社長になる器ってこと?


それにしてもユノに対する風当たりはキツすぎる、僕は思わず口を挟んでしまった


「ユノ…チョン君は本当にお酒が弱いんです、お疑いになるなら社内の誰にでも確かめたらどうですか?」


「……チャンミン/////」


「確かに社会人として付き合い程度の飲酒は必要かと思いますが、アルコールを受け付けない体質の人もいるんです」


「随分と庇うんですね、ではあなたはどうですか?シムさん」


「……ぼ、僕はまだ飲める方ですが」


「週末の接待にこられる重役の方はとても酒豪だそうです、チョンさんを一緒にと思いましたが、どうです?あなたが変わりになるというのは」



……ぼ、僕が接待?そんなの一番苦手な分野じゃないか!!でもユノが…



「ジュニア!!俺が行きますから!!先輩、何言ってんスか!!」


慌てて僕を引き止めるユノ、僕を庇うように差し出した左手、ああ、君はどんなときも僕を守ろうとしてくれるんだね



「行かせていただきます!!」


「チャンミン!!」


「いいでしょう、シムさん、では金曜の夜に」



慌てて止めようとするユノに目配せをして、不敵に笑うジュニアを睨みつけてやったんだ















. 好きになってもいいですか? 9







~Cside~





バイトを始めるようになって数週間、最初は慣れなくて失敗も多かったけど、ユノさんが色々とアドバイスをくれて


失敗すると頭の中が真っ白になっちゃって、どうしていいかわからなくなってしまう僕に


『深呼吸して』


にっこりと笑ってそう言ってくれる…そんな優しい顔されたらまた胸がキュウッてなってしまうのに


「チャンミン、ラテアート見てくれる?」


「……はい/////」


「ここなんだけどね、上手くいかないんだ」


「うーん、ココアパウダーとかかけてみたらどうですか?」


「ココアパウダーか…」


「クッキングシートでマスキングとか…どうでしょう?」


小さなカップを二人で覗き込むのはかなりの至近距離になるわけで……


「うん、やってみるよ、ありがとう」


そう言って頬を撫でていくあなたの指から目が離せなくて、きっと僕の顔は耳まで赤くなっていることだろう/////



……ユノさんって何気にスキンシップ多いんだよね



僕が必死にパンを詰めているときも、お皿を洗っているときも、あなたの視線は僕の方に向いているみたい


気のせいなのかな、僕って自意識過剰なの?

いつも赤くなっちゃうの変に思われてないかな

ドキドキしてるのバレてないかな


思うことは沢山あるけど、あなたの隣にいられるだけで幸せだな、なんて思ってる僕


でも、やっぱり変だよね…親友のキュヒョンに相談してみようかな


ユノさんに嫌われたくないもの……



「またぐるぐるしてる?」



不意な顔を覗き込まれてユノさんの顔が目の前に、ビックリして心臓が止まっちゃう!!/////


「……す、すいません、ぼんやりしちゃって/////」


「ふふ、クセなんだね」


「……はい/////」


「ところで今日この後飯でもどう?」


「……へっ?/////」



にっこり笑って突然食事のお誘い、僕はトレーを抱きしめたままフリーズしてしまったんだ




















. 愛をもっと!! ~ジュニア来襲~ 9






*ちょっとR18です♡

~Cside~




僕らしくない、と言ってしまえばそうなのだろう…



なかば強引に押し切られる形で体を開かれて、しまいには心も持って行かれてしまったんだから


普段の僕からは考えられない順番で恋人になった、でも…今では僕の方が君を求めている


「……あっ……はっ…/////」


「チャンミン可愛すぎ…くっ……やばいって」


「……や…も……ダメッ……」



何度も指を伸ばして引き寄せる髪、さらりと降りた前髪は濡れたままで、隙間から覗く瞳はまるで黒曜石のよう


「チャンミン好きだ、大好き」


君の言葉は魔法のように僕の心に染み渡る、ねぇユノ、素直に言えない僕の心を分かって?


「……ユノッ、ユノッ…/////」


「ん、ここにいる」


「……あっ……あああっ!!/////」



重なり合う温もりは溶け合って一つになり、僕らは互いに何度も求め合った



「先輩大丈夫?」


「……ん、大丈夫だって」


ユノに支えられるようにして出社とか、恥ずかしくて堪らないのに、昨日の余韻を引き摺る体は触れられただけで……/////


「ね、今夜も行っていい?」


「ダメですね、チョンさん」


「……はっ?」




会社のエントラスで僕らの前に立ちはだかったのは、鋭い眼差しで僕らを見るジュニアの姿だったんだ


































. 好きになってもいいですか? 8







~Yside~




チャンミンがバイトに来るようになってから、色々と周りの状況が変わってきた


まず店の売り上げが伸びたこと

店のキッチンと冷蔵庫が綺麗に片付いたこと

ミノいわく俺の笑顔が増えたこと


……俺ってそんな無愛想だったかな



「またユノさんニヤニヤしてる(笑)」


「ミノ、煩いよ?」


早朝にパンを運んでくるミノに冷やかされる毎日、隣にはいそいそとサンドイッチの準備をする君がいて


「まさかウチに来てた噂のイケメン君がここでバイトしてるなんてね~」


大袈裟に溜息をつくミノ、なんだよ噂のイケメン君って(笑)


「……あ、ミノさん、その話は/////」


咄嗟に会話に割り込むチャンミン、そんなことされたら余計に気になるだろう?


「ぷっ…だってさ……」


「わーわーわー!!ダメですってば!!/////」


慌ててミノを止めようとする君の腕を掴み、一瞬で心を読み取った、触れている方が心がよく伝わるから


【パンの耳と閉店間際のお得セットしか買ったことがないなんて…恥ずかしいよ/////】


ふむふむ、そういうことか…


俺に腕を掴まれてフリーズするチャンミン、耳まで真っ赤に染まっちゃって


「……ユ、ユノさん?/////」


「……え、ああ、ごめん、ほら、手がカップに当たりそうだったからさ」


「……え?…あ、ああ…/////」



そっと手を離すと恥ずかしそうに後ろを向いてしまう君、そんな風にされると期待してしまうのに



「……わ、ユノさんズル~」


「……っ!!もう、お前いいから店に戻れよ!!」


「へいへい、お邪魔虫は消えますよ~♪」



ニヤニヤとしながら店を出て行くミノ、あいつには色々ばれてしまってるようだ




こうやって少しだけ君の心を覗いては心を躍らせているなんて、俺の心は日に日に君でいっぱいになっていくようで



実はね、ほんの少し怖いんだ……






































. 愛をもっと!! ~ジュニア来襲~ 8






~Yside~




玄関先で抱きしめあって、離れられなくて、顔を見合わせてはキスを繰り返す


もうちょっと待って、話す時間も惜しいほどにあなたに触れていたいんだ


「……ユノ、靴ぐらい脱ごう?」


そうだった、靴も脱がずにそのままに、俺ってほんと余裕ないな


「ん、中入ろうか」


「ふふ、そうだね」


何だろう、一週間ぶりの先輩はなんだかとても色っぽい、玄関先で靴を履いたままなんて、いつもなら絶対怒るはずなのに


「……先輩、なんか可愛い」


「は!?何言って……わっ…/////」


後ろから抱きしめるとシャンプーのいい香り、甘いあなたの匂いと混じり合って俺の鼻腔を擽るんだ


「ね、セックスしよ?」


「……ダメ/////」


「何で?ダメなの?」


「……シ、シャワー浴びてから/////」


「……っ!!!!/////」



耳を真っ赤にしてそんな殺し文句、いつも俺が誘っても口では否定するようなことしか言わないのに


「すぐっ、すぐ浴びる!!1分待って!!」


「バ、バカ、ちゃんと洗ってこい!!/////」



膨らんだ頬に軽くキスをして、俺はバスルームに飛び込んだ!!


どうやって洗ったかもわかんないほどバタバタとバスルームを出ると、ベッドに座って俺を待つ愛しい恋人


「チャンミン」


「……ユノ、早すぎ/////」


そう言いながら細い腕は俺へと絡みつき、二人でベッドの海へと沈んでいったんだ






















. 好きになってもいいですか? 7






~Cside~




バイトの初日は本当に緊張してしまって、普通に歩いても手と足が一緒に前に出てしまう程で


「そんなに緊張しないで、ほら、お客さんまで緊張しちゃうよ」


ユノさんにクスクスと笑われてしまって……/////


そ、そうだよね、いくらテイクアウトが多いっていったってカウンターで飲んでる人もいるんだ


ファミレスの時はオーダー取りに行くだけで緊張したっけ、繰り返して言うと違ってたりして怒られちゃって


本当はバックヤードでのバイト希望だったけど、人手が足らないからってウェイターまで…いや、クビになったのはそれだけの理由じゃなかったんだけど……


『すいません、オーダーいいですか?』


しまった!!ついぼんやりと考えごとを……バイト中なのに!!


「…す、すいませんっ……いら、いらっしゃいましたっ!!」


動揺して変なこと言っちゃって、カウンター越しに目を丸くするお客さん、かあっと顔が赤くなり手が震え始める


……オーダー、オーダー聞かなきゃ!!(泣)



「すいません、この子今日が初日なんですよ、オーダーお伺いします、チャンミン、ミルクないから裏から取ってきて?」


「…は、はい/////」


テンパる僕をそっと助けてくれるユノさん、背中を押す大きな手はどこまでも優しくて…


お、怒ってないかな、やっぱり僕トロいから…



「チャンミン焦っちゃだめだよ、早さも大切だけど正確さも大切なんだ、頭に血が上ってしまったら、ね、こうして深呼吸して?」


朝のお客さんが落ち着いた頃、カウンターの隅でユノさんと向かい合って深呼吸


スーハー
スーハー
スーハー



「ゆっくりでいい、数をこなせば慣れていくから、ね?」


「……は、はい/////」


「それとこれ」


ユノさんの手が僕に伸びてきたと思ったら、胸につけた名札に若葉マークのシールをぺたり


「うん、これでいい」


腕を組んで満足げなあなたの笑顔、ああ、また胸がキュウッとなる



ねえ、ユノさん、この気持ちは何……?
























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紫苑☆

Author:紫苑☆
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