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. 鈴カステラのメンテナンス 22
~Cside~
「なんだか大荷物になっちまったな」
「あ、ユンホさん、僕持ちますから!!」
「バカ、何言ってんだ、疲れてんだろ?」
「だ、大丈夫です!!ユンホさんの顔を見たら元気100倍です!!///」
「ん、早く帰るぞ」
そう言って僕の髪を撫でてくれるユンホさん、ああ、外に出られて本当に良かった!!
一時はどうなることかと思ったけど、イェソンさんのお陰でどうにか無事に脱出する事ができた
どうやら缶詰の中にはでっかい鈴カステラが詰まっていたらしい
あまりの大きさに呆然と眺めていると、工場の作業員達がわんさか集まって奥へと運んで行った
なんでもサンプルにするんだとか
あんなのが詰まっていたらそりゃ缶詰も苦しいはずだよね
折角の愛の結晶だけど流石にあれは持って帰れない、だから後から生まれたハートの鈴カステラだけ持って帰ることにしたんだ
ほんのりピンクの鈴カステラは苺の味で、パクリと食べると甘酸っぱい風味が口の中いっぱいに広がって
ああ、僕がユンホさんに愛された証拠なんだって///
「イェソンさん、あの、本当にありがとうございました!!」
「何言ってるんだ水くさい、可愛いベイビーのためならなんて事はないさ」
満面の笑みで麦わら帽子をくるくると回すイェソンさん、あれ?いつもと服が違うような…
「さて、バカンスへ戻るとするか、ベイビー達、また会おう!!」
「ちょ!!兄さん!!」
パチンと指を鳴らすとイェソンさんは忽然と姿を消した
で、とり残されたヒチョルさんはちょっぴり不服な感じ?(笑)
「ったく!!兄さんときたらいつまで遊んでるんだか!!」
「相変わらず仲がいいな」
「あ!!兄弟じゃないんで、そこんとこはよろしく」
「わかってるって(笑)ヒチョル頼むよ、チャンミン、しっかり掴まれよ?」
「はい、ユンホさん///」
ブツブツと文句を言うヒチョルさんは片手を上げると、ちょっぴり不機嫌そうにパチンと指を鳴らしたんだ
. 鈴カステラのメンテナンス 21
~Yside~
「いやぁ、これは大きい」
「そりゃ詰まるわけだな、うん」
ぽっこり♡、なんて緊張感のない音で突如として現れたのはでっかい鈴カステラ
それに押し潰されるようにチャンミンも一緒に現れた!!
何がどうなったんだかさっぱりわからないが、コロコロと転がるその体をはっしと受け止めた
状況が掴めないのか大きな瞳をくるくるとさせる鈴カステラ
ああ、本当に無事で良かった!!
ヒチョルとイェソンはしきりに感心してその鈴カステラを眺めている、まあ、確かにバケモンみたいにデカくはあるんだが……
「なんだよ、こいつが詰まってたのか?」
「そ、そうみたいなんです、グスッ……」
なんだよふんづまりってのは本当だったんだな、てか、ふんではない気もするが……
「いやぁ、素晴らしい作品です」
「イ、イェソンさん」
「よく頑張りましたねチャンミン、これはお手柄ですよ」
「お、おて?///」
腕の中でイェソンの言葉にキョトンとする鈴カステラ、ああ、こんな時でも可愛くて仕方ないとか!!
「これはうちでサンプルとして飾ります、あ、ほら、まだ出ますよ?」
「へっ?///」
何故かドヤ顔するイェソンさんがウインクをすると、今度はハートの形の鈴カステラがポコポコと生まれたんだ
. 鈴カステラのメンテナンス 20
~Cside~
どーーーーん!!!!
突然鈴カステラが雨のように降り注いだと思ったら、何かが落ちてきて目の前が真っ暗になった
暗闇の中恐る恐る目を開けてみると、なんだか甘い香りが漂ってザラリと頬に当たる感触!!
こ、これってまさか………砂糖?
何かが僕の周りにあって動けないけど、とにかくここから脱出しなくっちゃ!!
手探りで扉を探すけど当然見つからない、あれ?確かこっちから入ってきたはず……
ああ、もう………真っ暗でなにも見えないし、なんだか悲しくなってきちゃうよ
「………うっ……ユンホさん……グスッ」
パチン
パチン
パチン
遠くで聞こえるのはヒチョルさんの指の音?いや、違う?
これは……イェソンさん?
ざざっと僕の周りにある何かが動いた、きっと僕は大量の鈴カステラに囲まれてる感じ?
きっと、詰まっちゃってたんだ!!
「グスッ、イェソンさんに出してもらおうね」
そう言って大量の鈴カステラの波に身を任せた瞬間、パッと視界が開けて僕は目を瞑った!!
「チャンミン!!」
「…………あ?え………ユンホさん!!」
「ああ良かった、一時はどうなることかと!!」
「ぼ、僕………出られた……うっ、うっ///」
「よしよし怖かったな、よく頑張った!!」
さっきまでは鈴カステラの中にぎゅうぎゅうに詰められていたのに、今はユンホさんの腕の中でぎゅうぎゅうに抱きしめられている
ああ、本当に怖かった………なんだか身体中ザラザラしてる気がするけど
「いやぁ、これは大きい」
「そりゃ詰まるわけだな、うん」
イェソンさんとヒチョルさんの声に思わず顔を上げる、そうだ、一体どうなってたんだろう……
ゴロン
ユンホさんに支えられて立ち上がった僕が目にしたのは、見たこともないくらい大きな鈴カステラだったんだ
. 鈴カステラのメンテナンス 19
~Yside~
「おーまーたーせーーー!!遅くなってすいません」
「兄さん!!」
パチンと音が鳴ったと同時に現れたのは他でもないイェソン!!
なんだってそんな南国ムード満点なんだ!!
声も出せずに茫然としていると、目の前にある缶詰がブルリと震えた!!
カタカタッ
カタカタカタカタッ
「おい!!益々なんか膨らんでねぇか!!」
「ああ、これはいけません」
「イェソン!!どうにかしてやってくれ!!中にはまだチャンミンがいるんだ!!」
「オーケーオーケー、ふむふむこれは所謂……」
顎に手を置いてじっと缶詰を眺めるイェソン、いやいや、そんな落ち着いて見てる場合かよ!!
かなりの緊急事態なんじゃないのか!!
「これは………ふんづまりですね、うん」
はい!?
イェソンの言葉にヒチョルもその場にいた作業員も全員手を止めてフリーズしてしまう
今、なんつった?ふ、ふふふふふふんづま…………?
ニコニコとしながらうんうんと頷くイェソンは、近くにあった椅子に座ると膝の上に缶詰を置いた
「ちょ、おい!!」
「まあまあ落ち着いて、大丈夫、こうしてさすれば……」
「兄さん!!」
「ヒチョルも黙って見ておくように」
パンパンになった缶詰の上をくるくると撫でるイェソン、ああ、何やってんだか全く意味がわからない!!
パチン!!
パチン!!
パチン!!
ぽっこり♡
静かな部屋に指を三回鳴らす音が響いたと同時に目の前が真っ暗になって、でっかい何かがその場に現れたんだ!!
. 鈴カステラのメンテナンス 18
~Cside~
部屋の中に突如として現れたピンクの扉、恐る恐る開けてドアの向こうを覗いてみる
ちょっと怖いけど何か手立てがあるかもしれない
どうやってでもユンホさんのところに帰らなくちゃ!!
コロン
コロン、コロン
コロンコロンコロン
真っピンクの部屋の中には何もない、何もない筈なのに足元に何かが転がってきた
………え?鈴カステラ?
しゃがんで一つ手に取ってみると、それは紛れもないチャンミン印の鈴カステラ!!
なんでこんな所に?この部屋何もないのに……
不審に思いつつも部屋の中へと足を踏み入れる、思ったよりふわふわした床に足元がぐらりと揺れる
『チャンミン、チャンミン』
遠くから聞こえるのはユンホさんの声?いや、別の誰か………?
『チャンミン苦しいよ、チャンミン』
苦しい………?
それってもしかして缶詰の声!?
「ちょ!!もしかして缶詰さんですか?チャンミンはここにいますよ!!」
『チャンミンチャンミン』
「鈴カステラが詰まっちゃってるのかな?待って……え?ええっ!?」
ポトポトポトポトポトポト
どーーーーん!!!!
突然鈴カステラが雨のように降り注いだ時思ったら、何かが落ちてきて目の前が真っ暗になったんだ