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苺な彼とビールな僕

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. ほろ酔い鈴カステラ 8








~Cside~






「チャンミン飲んでるか~?ほら、こっち座れって!!」



すっかり出来上がったドンへさん、さっきまで肉を焼いていたと思ったのに、何故か僕の席が折りたたみのテーブルに設けられていて



「なんだドンへ、もう酔ったのか?」



隣に座ったユンホさんは呆れ顔、それでもワインを飲んでいて



僕はといえば、ほろ酔いシリーズの桃の缶をちびちびと舐めてるだけ……



だって、まだお酒とかいっぱい飲めないんだよね/////



それに飲んだらすぐに眠たくなっちゃうし




でも……ちょっぴり残念なのはやっぱりお花が咲いてなかったこと



蕾さんにお願いしたけど、寒い日や雨の日が続いちゃったからまだ開いてはくれなかったみたい



頭の上にある蕾さんを眺めていると、ユンホさんがほんのり赤くなった顔で心配そうに覗き込む



お酒を飲んだユンホさんは、なんだかちょっぴり色っぽくてドキドキしちゃうよ/////



「花、咲かなかったな」


「……だ、大丈夫です、またユンホさんと来たらいいし……その/////」


「ん、また来よう」


「は、はい♡あ、僕お水取って来ます、クーラーボックスに入ってますよね?」


「ついて行ってやろうか?」


「大丈夫です!!すぐそこですし/////」


「ん」



ユンホさんに見つめられて顔に熱が集まってきて、誤魔化すようにお水を取りに走ったんだ



































. 愛の詩をきかせて ~仔鹿君の憂鬱~ 32







~Cside~






結局僕は、ユノさんのお祖父さんの家で…その……ユノさんのものになった/////



愛する人の腕の中で目覚める朝は、途轍もなく甘くて胸が苦しくなるほどで



恥ずかしくて逃げてしまいそうになる僕を抱きしめておはようのキスをくれるけど



……お見合いはどうするんだろう



こんなに甘い朝でさえそんな事を考えてしまう僕って本当にネガティブだと思う、だってこうなったのも元はといえば……



「何考えてる?」


「……な、何も/////」


「嘘つき(笑)」


「……なっ!!/////」


「俺には君だけだって言ってる」


「……ユノさん/////」


「来週実家に帰る、君にもついてきて欲しい」


「……えっ、ええ!?/////」


「ノーは無しだよ仔鹿君」


「だ、だってお見合いが……!!」


「ん、だからぶち壊しに行く」


「……ぶ、ぶち壊し?ま、待ってくださ……んっ/////」




僕の上に落ちてくる優しいアーモンドアイ、こんな風に見つめられて断れる筈なんてない/////



重なる唇は確実に熱を持ち、止まらなくなってしまうんだ




こうして僕は来週末、ユノさんの実家に一緒に帰ることになってしまったんだ





















. ほろ酔い鈴カステラ 7








~Yside~







「ドンへさん!!鈴カステラいっぱい持って来ました♡あとフルーツも!!」


「おー!!チャンミンよく来たな!!ユノ、もう先に始めてんぞ!!」




バーベキューコンロの前に陣取って、すでに肉の焼けるいい匂いが辺りに漂っていて



店のやつらも準備に余念がなく、折りたたみの椅子とテーブルまで用意されていて



何故か鈴カステラ専用の席まで用意されてるし(笑)



全く、こんなに大々的にするなんて、これは本当に花見すっ飛ばしてバーベキューだな



土手の下を選んで正解だ……




パタパタと動き回る鈴カステラ、見ているだけで飽きないっていうか、可愛いっていうか


そんな俺の視線に気づいたのかパタパタとこちらへやってきて、俺の前にちょこんとしゃがみ込む



「…ユ、ユンホさん……あの……/////」


「どした?」


「あのっ……てるてる坊主さん増やしてくれてありがとうございました、あの……/////」


「ん、晴れてよかったな」


「……はい/////あ、お肉焼けたみたいです♡」




甘い雰囲気になったのも束の間で、またパタパタと駆けていく鈴カステラ



駆けていくまあるい後頭部を見つめながら、やっぱり口元が緩んでしまう俺だったんだ






























. 愛の詩をきかせて ~仔鹿君の憂鬱~ 31







~Pside~





坊ちゃんから久しぶりにこちらの屋敷に帰りたいと連絡を頂いた時は本当に驚いたけど




以前から仰っていた大旦那様の遺言のためかしら、なんて軽く考えていたのに




『久しぶりにパクさんのクラブハウスサンドが食べたいから作ってくれないか』



だなんて……しかも人を連れて行くから大量に作って欲しいとか



本宅に入られた頃からずっと馴染めずにいらして、こちらにこられてはじっと本を読んでいるような物静かな方だったけど



お仕事をされるようになってからはとても冷たい表情をなさっていたから



どんなお友達かしら、きっと女の方ね、なんて思っていたらまさかの男性!!



恐らく大学生くらいだと思うけど、まるでバンビのような瞳の、それはそれは可愛らしいイケメンで



お二人が並ばれるとほう、と溜息が出てしまうほどのお似合いぶり



しかも坊ちゃんがチャンミンさんを見つめる瞳の優しいこと!!



あんな甘い視線で見つめられたら、私だってとてもお断りなんてできやしない/////



……まあ、男同士で色々あるとは思うけど、お二人が幸せなら私は断然賛成派



旦那様が知ったらなんて仰るかは疑問だけど、坊ちゃんが思っておられるより、旦那様も奥様も坊ちゃんのこと心配しておられるのに




知らぬは本人ばかりなり……という感じかしら




大旦那様が亡くなられてからは寂しくなってしまったけど、そろそろこちらも賑やかになりそうね(笑)




















. ほろ酔い鈴カステラ 6







~Cside~





「ユンホさん!!起きてください!!晴れてる、晴れてるんです!!」


「………ん~?」


「ほらほら早く早く!!お花見ですよ!!」




まだ眠そうなユンホさんをゆさゆさと揺さぶって、ボサボサになった髪とほっぺにおはようのキスをする



だってね、外は昨日の雨が嘘みたいにお天気になっていて!!



……きっと、てるてる坊主さんが願い事を聞いてくれたんだ/////




朝起きてベランダに出て見たら、てるてる坊主さんが大量に増えていてびっくりしたけど



どうやらユンホさんが夜中に起きて作ってくれたみたいで




僕のために……なんだよね/////




バーベキューの下ごしらえはドンへさんがしてくれるって言ってたから、僕はフルーツと鈴カステラ担当!!



もちろんユンホさんの大好物の苺もたっぷりとタッパに入れて♡



りんごはうさぎさんにして、キウイやパインも用意して、食べやすいように可愛いピックもつけてみた



鈴カステラは蜜がけと苺味と抹茶味、最近色んな味が作れるようになったから、買ったばかりの三段のお弁当にいっぱい詰めて♡



ちょっと早く用意が出来すぎてユンホさんに『早すぎるっ』って怒られちゃったけど



ユンホさんの顔は笑っていたから、本当は怒ってないんだよね/////






こうして僕達はフルーツと鈴カステラを山ほど持って、ドンへさん達とのお花見へとむかったんだ















. 愛の詩をきかせて ~仔鹿君の憂鬱~ 30







~Yside~





昨日は無理をさせてしまったかな……



腕の中の君は未だ夢の中、艶やかな肌は朝陽に輝いて溶けてしまいそう


無防備な寝顔はまるで子供のようで、昨日の君からは想像もできないほど



「……う……ん…?」



我が姫の覚醒というところか…長い睫毛を震わせて二つの宝石が露わになる



「おはよう仔鹿君」


「……ユノさ…ん?/////」


「昨日は素敵だったよ」


「!!!!/////」



俺の言葉にシーツの中に逃げてしまいそうになる君、悪いけど逃してなんかやらないよ



「こら、逃げるな、おはようのキスもさせてくれないの?」


「……あ……/////」



目も合わせていられないほど恥ずかしいのか、視線は未だ泳がせたまま



こういう仕草も俺を煽ってるってこと、きっと自覚なんてないんだろう



「大人しくして?また襲うよ?」


「……なっ!!……んっ/////」



抗議の言葉ごとキスで飲み込んで、顔中にキスのシャワーを浴びせてやった



あまりのキスの多さに、ついには二人で吹き出してしまったけど



こんな朝も俺達らしくていいか、なんて




笑い転げる君を抱きしめて、幸せを感じずにはいられなかったんだ
























. ほろ酔い鈴カステラ 5








~Yside~






「チャンミン、まだ外みてんのか?」


「……ユンホさん、雨が……グスッ」




いよいよ明日はドンへ主催のバーベキュー……じゃなくて花見だっていうのに



夕方から降り出した雨が夜になっても止む様子がなくて、うちの鈴カステラは外を眺めては溜息ばかり



おまけに夜になって外は真っ暗で何にも見えないから、ベランダへ出ては手を伸ばして雨を確認してるし



「こら、風邪引いちまうだろ?」


「……グスッ…だって……」


「天気予報は明日は曇りになってるから、ほら中に入れって、な?」


「……はい…グスッ/////」




鼻水だか涙なんだかわかんないぐちゃぐちゃの顔しちゃって



全く世話の焼けるやつだよ(笑)



ティッシュで涙を拭いて、鼻まで噛んでやって、俺ってこんなに人の世話やいたことあったっけ



いや、こいつはなんだか放って置けない、何たって俺が愛してやんないと消えちまうんだから



「てるてる坊主作ったんだろ?きっとお願い聞いてくれるよ」


「……グスッ……はい……ユンホさん/////」




窓際にぶら下がるてるてる坊主、なぜか鈴カステラみたいに茶色の布で作ってあるけど




俺はまだシュンとした鈴カステラを抱きしめながら、こいつの小さな願いが叶うようにってお願いしたんだ





















. 愛の詩をきかせて ~仔鹿君の憂鬱~ 29






*R18です♡

~Cside~





どうしてこんな事になってるんだろう……



甘く痺れるようなキスを星の数ほど受けて、僕の体はユノさんの指で開かれていく



男のくせにこんな風に感じてしまうのはおかしいと思うのに、口から漏れるのは女の子みたいな甘い声で



最初は違和感しかなかった筈なのに、ユノさんを受け入れる頃には自分から腕を絡めるほどになって



「……んっ……ユノさ……くるし/////」


「こら、そんなにしがみついたら動けないだろ?」


「……だ、だって……むりっ……あっん/////」


「ほら、力抜いて」


「……や……ああっ!!/////」


「ん、いい子だ」



つい強張ってしまう僕の体に優しいキスが降ってくる



髪から耳へ、首筋から鎖骨へと



アーモンドの瞳を纏ったあなたは、愛の言葉を囁きながら僕を抱き締める



「チャンミン動くよ?」


「…あっ……あぁんっ/////」




痛いほどに感じるあなたの熱に揺らされながら、僕達は一つに重なり合ったんだ



















. ほろ酔い鈴カステラ 4








~Cside~






来週のお花見に備えて、ドンへさんとユンホさんで下見に行ったけど、まだお花は蕾のまんま固く閉じていて



ユンホさんは暖かくなったらお花が開くって言っていたけど



ちょっぴり心配だな……




ユンホさんはまだ時期が早いから、もしお花が咲いてなかったらまた2人で行けばいいって行ってくれたけど



僕、ユンホさんと2人っきりで行っちゃうと、きっとユンホさんばっかり見ちゃうから/////



……だってユンホさんっていつ見てもかっこいいんだもん♡



そんな事を考えながら洗濯物を畳んでいたら、缶詰からは今日もポコポコと鈴カステラが生まれていて



この前買ってきた三段のお弁当に鈴カステラを詰めて持って行こう



あ……雨が降らなきゃいいんだけど



てるてる坊主作ってみようかな?ドンへさんは雨が降ったら店で飲み会にするって行ってたけど(笑)


せっかくだからバーベキュー、したいな/////



美味しいお肉を串にいっぱい刺して、ユンホさんのために焼いてあげるんだ/////



ユンホさんはお酒飲んだら直ぐに真っ赤になっちゃって、もっと忘れ物が酷くなるから、僕ももう少しお酒飲む練習しなきゃいけないかな



今度は炭は遠くに取りに行かなくてもいいから、きっと攫われたりとかしないよね



『勝手に遠くに行くんじゃねーぞ!!直ぐに攫われんだからな!!』



そう言って僕を抱きしめるユンホさんの手はあったかくて


ちょっぴり言葉は乱暴だけどいつも僕のこと心配してくれる優しい人//////



ユンホさんの側にいられて幸せだなって思う、そんな夕暮れ時なんだ
















. 愛の詩をきかせて ~仔鹿君の憂鬱~ 28






*R18です♡

~Yside~





まさかここでこんな事になるとは思わなかったけど、あのままでは君が消えてしまいそうで…



バスローブを開くと艶やかな肌が薔薇色に染まり、恥ずかしそうに身を捩るから堪らなくなる



一つ一つ体のラインをなぞるように口づけを落とし、俺の印をつけていく



触れるたびに跳ねる体、そんなに敏感じゃあ先が思いやられるけど、俺だけにそんな風なんだっておもうと胸が熱くなるんだ



快感に堪えきれず逃げようとする体を今度は背中からキスで埋める



可愛い突起はピンと立ち上がって、シーツに触れることさえ感じるのか体を持て余しているようだ



「気持ちいい?」


「……そんな事……聞かな……あっん/////」


「だってこんなになってる」


「……や……言わな……ああっ/////」


「イッていいよ」


「あっ……ん……はぁっ!!/////」


「ん、素直でいい子だ、何回でもイカせてあげる」


「……あ/////」



俺の手の中で熱を放った君は、とろりとしてそのまま蕩けてしまいそうで


だらりと投げ出された脚を開くと、途端に不安げに体を震わせる君



「……ユ、ユノさん/////」


「大丈夫、俺に任せて」



ゆらゆら揺れる瞳に浮かぶ涙をキスで拭って、俺は君の熱ごと可愛い蕾へと指を這わせたんだ




































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紫苑☆

Author:紫苑☆
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