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. 結婚なんかしたくない 36
~Cside~
「なんだ、ユンホ君が来たなら入って貰ったら良かったのに」
「ユ、ユノさんは仕事帰りだから忙しいんですよ!!」
「ふむ、上手くやってるようで安心したよ」
「だ、誰が!!///」
僕を見て満足気に頷く父さんに大きく溜息をつく、全く誰のせいで……
ま、父さんのせいじゃないけどさ
僕の意思ぐらい尊重してくれてもいいと思うんだよね、まだ誰かとまともに恋愛したこともないのに
こんな風に先を決められてしまうなんてやっぱり……
自分の部屋に入ってベッドへとダイブする、キスしたいとか、チャラさしかないんだけど///
………ユノさんとキス、とか!!///
うわわわわ!!なに考えてんだ僕!!そりゃ婚約者なんだから、そういう事もそのうち……いや、それより先の事も……!?///
いや、無理無理無理ーーー!!!!///
余計なことばっかり考えて熱くなった顔をパタパタと扇ぐ
ふと目につくのは床に置いた鞄から飛び出した幼い僕とユンホさんの写真
………今度会ったら見せてみよう、かな
次はいつ……会える?
決められた許婚とか結婚とか、納得のいかないことばかりなのに
あなたの顔ばかり頭に浮かんで、どうにも眠れそうもない僕だったんだ
. 君を好きでしょうがない 17
~Cside~
「ふう、もうお腹いっぱいです///」
「ふふ、よく食べたね、美味しかった?」
「はい……ユノ先輩と一緒だし、その///」
「ユノ、だろ?」
「………ユ、ユノ///」
あれから海辺のレストランで食事をして、テラスでゆっくりとコーヒーを飲んで
海辺の風が心地よくて、目の前には大好きな人がいて胸がいっぱいで
ちょっぴり困るのはその………な、名前で呼べって言われること
だってそんないきなりは呼べない、よね///
「これからどうしようか?もう少し先まで行ってみる?」
「はい、でも、食後で眠くなりませんか?」
「うーん、そうなったら海の見える所に車を停めて休もうかな」
「ふふ、はい///」
長い腕をぐんと伸ばして気持ち良さそうに背伸びをするユノ先輩
周りの女の子達の視線が気になるけど、この人は僕の恋人、なんだよね///
つい緩んでしまう頬を抑えて車へと乗り込む、と、ユノ先輩はエンジンもかけず黙り込んでしまった
「……先輩?」
「ユノ、だろ?」
「……ユ、ユノ///」
「ごめん、やっぱり限界」
「………へ?あ……んっ///」
そっと頬に触れる長い指、クイと向きを変えられると次の瞬間、僕はユノ先輩にキスをされていたんだ
. 結婚なんかしたくない 35
~Yside~
食事を済ませて助手席に乗る君はなんだか拗ねたように俯いてしまった
何か言いたいことがあると思うのに、まだ心の扉は完全には開いていないみたいだ
キスしたい、なんて軽く言ってみたけど半分以上は本気だから
覚悟しておいてくれないとね
黙ったままの君を乗せて車を走らせれば、夜の街は空いているからあっという間に君の家に着いてしまう
もっと二人で居たいのに……
「あの……今日はありがとうございました///」
「いや、こちらこそありがとう、そうだ、お義父さんにご挨拶でも……」
「いえ!!だ、大丈夫です///」
「そう?折角だし」
「ま、また今度///」
「ふふ、またデートしてくれるんだ?」
「!!!!///」
俺の言葉に大きな瞳をくるくるとさせて、ああ、そんな可愛い顔をしないで欲しいのに
「じゃあまた、ね?」
「……お、おやすみなさい///」
ぺこりと頭を下げて車を飛び出した君は、逃げるように家の中へと入ってしまったんだ
. 君を好きでしょうがない 16
~Yside~
自分で言っておいてなんだけど、ちょっと顔が見れなくなるほど照れくさいセリフだった
だってね、ずっと考えていたんだ
付き合っていたあの頃は、なんだろう、幼かったせいかなかなか君に近づけなくて
手を繋ぎたいとか
その頬に触れたいとか
そう思っていた筈なのに出来なくて
結局は君に悲しい思いをさせてしまった……
その分君を幸せにしてやりたいし、大切にしたいから
この先ずっと一緒いたいから……
「ユノ先輩!!ここすごい綺麗ですよ!!」
「チャンミン忘れてる」
「あ!!………えっと、ユ、ユノ?///」
「ふふ、良くできました」
「………///」
「もう一回呼んで?」
「……や、やです///」
拗ねたように視線を逸らす君が堪らなく可愛くてつい虐めたくなってしまう
潮風が心地よくて思わず目を細める、こんなにゆっくりした時間は本当に久しぶりで
「お、お腹空きました!!」
「ああ、飯行こう」
「はい///」
自然と絡まる指に力を込めて、俺達は微笑みあってまた車へと戻ったんだ
. 結婚なんかしたくない 34
~Cside~
『ふふ、じゃあそんなとこまで早くいかなきゃね』
そう言って不敵に微笑むチョン・ユンホ、ほんとイケメン過ぎて腹が立つのに
胸がドキドキと高鳴るのはなぜだろう……///
そりゃあ美味しい料理にも絆された感はあるけど、それ以上に別の感情が湧いてきて
いけ好かないなんて思ってた割には一緒にいても全然嫌じゃないっていうか
やけに心地よくて困ってしまう///
食事の後はデザートでも、とか言われちゃって、しっかりティラミスまで頂いて
勿論ご馳走になってしまったし、これじゃあまるでデートじゃないか!!
………そして、写真を見せるタイミングも完全に失っちゃったし
なんだか複雑な気持ちで助手席に乗り込むと、ふわりと髪を撫でられて体が跳ねる
そんな近い距離で見つめられたら心臓がどうにかなってしまいそうなのに
「な、何!?///」
「ん?キスしたいなって思って」
「なっ!?……なっ!!///」
そう言って不敵に笑うこの人に、腹が立つのに何故か期待してしまう僕だったんだ
. 君を好きでしょうがない 15
~Cside~
『これからはユノって呼べよ』
アーモンドの瞳を細めてそんなセリフ、フリーズする僕の掌にキスまでするとか!!
ほんと、ユノ先輩って狡いって思う///
その後は至って普通に景色を見ながら散歩をしたけど
恥ずかしくって顔もあげられないのに!!
黙ってしまった僕の髪を撫でる長い指、なんだか意識し過ぎて頭がクラクラしてきちゃう
そんな僕を見てクスクスと笑うあなたが眩しくて、ああ、僕の心臓、帰りまで持つんだろうか
考えたら僕らってキスしたこともなかったんだよね
あ、髪にとかはあった気がするけど……
「チャンミン?」
「うわ!!はい!!///」
「ふふ、もう着いたよ、ほら」
「………わ///」
ユノ先輩の指差す方に目を向けると、そこには高台にそびえる白い灯台があって
「なんかね、インスタ映えスポットなんだって」
「ええ?インスタ映え、ですか?///」
「ああ、だからいっぱい写真撮らなきゃね」
「ふふ、はい///」
僕らは灯台近くの駐車場に車を停めると、自然と手を繋いで灯台へと歩き出したんだ
. 結婚なんかしたくない 33
~Yside~
「さあ召し上がれ」
「うわ///い、いただきます///」
目の前に並ぶ料理を見て大きな瞳をキラキラとさせる君
遠慮してなかなか注文が決まらないから、シェフのお任せで色々頼んで見たけど
ほら、もう料理に夢中になってる(笑)
先日の家での食いっぷりといい、どうやら我が婚約者殿は食べ物に弱いタイプらしい
次々に口の中へ消えていく料理に関心しかりで、気付けばフォークを持ったまま君に釘付けだとか
全く、目が離せなくて困る、よな
手の止まった俺をチラチラと伺う君、一応気にはしてくれてるんだ
「………ユノさんは、食べないんですか?」
「ん?胸がいっぱいでね」
「!!そ、それってどういう!?///」
「もちろん君と両想いになれたからだけど?」
「は、はあ!?///」
「あれ、間違ってる?」
「ま、間違ってるっていうか!!ま、まだそんなとこまでいってないし………そのっ///」
「ふふ、じゃあそんなとこまで早くいかなきゃね」
「!!!!///」
俺の言葉に口をパクパクとさせて真っ赤になってしまう君に、つい笑ってしまって睨まれてしまう俺だったんだ
. 君を好きでしょうがない 14
~Yside~
2人でベンチに座って少し話して、じゃあちょっと散歩でも、なんてさりげなく君へと手を伸ばした
………これはちょっとした俺の計算
意識しすぎてガチガチに緊張した君の手は少し汗ばんでいて
絡めた指に力を込めれば、そっと握り返してくるから堪らなくなる
隣の君はキョロキョロと周りを気にしているけど、周りはカップルだらけだし、他人のことなんてきっと気になんてとめてない
だってほら、俺の目にも君しか見えてないから
「………ユノ先輩、あの///」
「ん?」
「は、恥ずかしい、です///」
「何が?」
「あ、あの………手///」
「誰も見てないよ、それとも嫌だった?」
俺の言葉にハッとして首を横に振る君が愛おしい、やばいな、このまま離せなくなりそうだ
「あのさ、一つ提案」
「………え?///」
「もう恋人なんだし、先輩は要らないんじゃない?」
「………えっ?えっ?///」
「これからはユノって呼べよ」
真っ赤になってフリーズする君の手を握りなおすと、願うようにその掌へとキスをしたんだ
. 結婚なんかしたくない 32
~Cside~
「やあ、チャンミンお待たせ」
「あ、お疲れ様です///」
「どうした?随分と大人しいね」
「……べ、別に///」
あれから家に帰って古いアルバムの中で見つけたあなたの写真
……思わず持ってきちゃったんだよね///
そんな古い写真見せてどうするんだって思うのに、何も憶えていない自分がとても申し訳なく思えて
ユノさんは颯爽と車を降りると、まるで女の子みたいに僕を助手席へとエスコートする
あ、憧れとか言われたら何を話していいのか……!!///
チラチラと運転席を伺う僕に気付いてクスクスと笑う人
ハンドルを握る姿だって無駄にかっこよくて本当に嫌になる
ああ、最初はあんなに嫌がっていた筈なのに
「パスタは好き?」
「……へっ?あ、はい///」
「近くにうまいイタリアンがあるんだ、そこでいい?」
そう言って微笑むあなたの笑顔にドキドキしちゃって、ただ頷くことしか出来ない僕だったんだ
. 君を好きでしょうがない 13
~Cside~
『寝顔が見れて嬉しかった』
そう言って微笑むアーモンドアイが眩しくて俯いてしまう僕
大きな手で髪をぐしゃぐしゃにされちゃって、ちょっぴり睨み返してやった
まさかデートの初っ端から眠ってしまうなんて!!ほんと何やってんだ僕!!///
甘すぎる雰囲気に息も出来ないほどで、緊張しまくっていた筈なのに
寝顔まで見られちゃって恥ずかしくて堪らない……
熱くなった顔を誤魔化すように外の景色を眺めていると、視界に入ってきたのはキラキラと光る水平線
「あ!!海!!」
「ん、そこのサービスエリアに入ろう、景色が最高なんだ」
「うわあ!!凄い///」
パーキングエリアに車を置いて、冷たい飲み物を買ってベンチに座ってみる
寄り添うわけじゃないけどぴったりと膝を寄せ合って、なんかこういうのいい、な///
「この辺りは高台になってるから海が一望に出来るんだよ」
「そうなんだ、意外と近いのに知りませんでした///」
「ああ、俺もこの前取引先の人に聞いたんだ、オススメのデートコースだってね」
「デ、デートコース、ですか?///」
と、取引先の人とそんな事話してたんだ、恋人が出来たとか言ったって事かな
ユノ先輩ってモテるから色々と噂になってそう……
「チャンミン」
「うわ!!はいっ!!///」
「ちょっと歩こう」
「…………あ///」
自然と伸びてきた長い指が僕の指に絡んで、僕達は並んで公園の中を歩き始めたんだ