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. SILVER MOON 37
~Yside~
「チャンミン大丈夫?ほらここ座って」
フラフラとした様子のチャンミンを椅子へと座らせてミネラルウォーターを渡す、まだ落ち着かない?定まらない視線で何か考えているようだ
「…テミナって呼んでた」
「…え?」
「…あの子、テミン先生が好きなんだと思う、でもなんで僕に…?」
「チャンミン、さっきの奴誰だかわかった?」
「…あれは、二年生のキム・ジョンインだった」
「キム・ジョンイン!?…ああ、じゃあ噂は本当だったんだ」
「…ユノ?」
ちょうど半年程前、テミン先生とキム・ジョンインが噂になったことがあった、ジョンインはダンスが上手くてちょっとした有名人で、かなりモテてたし、芸能界からもスカウトが来ていたとか
…でも、テミン先生と噂になってパパラッチに狙われる羽目になったんだ
チクったのはジョンインに入れ込んでた三年の女子だったって話だけど、テミン先生は真っ向から否定してたっけ
…まあ、先生としたら当然のことだったんだろう
「…そんなことがあったんだね」
チャンミンが口元に手を当てて考え込んでいる、ジョンインはなにか勘違いをしてチャンミンに手を出してきたってことか!!テミン先生とかあり得ないし!!俺の恋人だし!!
「…ね、ユノ、テミン先生もきっとジョンインが好きなんじゃないかな?」
「…は!?ガチで!?」
「テミン先生哀しそうな顔してた…なにか、僕達が力になれることあるかもしれない」
チャンミンは遠くを見つめて、俺の手をぎゅっと握ったんだ
. 空色の調べにのせて ~ピアノの行方~ 8
~Cside~
「おはようございます!!」
「あら、シム先生!!おかえりなさい!!」
予定してた時間よりは少し早いけど教室に顔を出すことにしたんだ、パク先生は11時には来ておられるから連絡を入れておいたし
「どうぞ座って、コーヒーでも淹れるわね」
「ありがとうございます、レポートは来週でいいんですか?」
「あら、書けてるなら何時でもいいのよ、はいどうぞ!!」
パク先生に淹れてもらうコーヒーも久しぶりで、なんだかしみじみとしてしまう
「あ、そうだ、頼まれてた件なんだけどね」
…そうだ、その事を早く聞きたかったんだ!!
「どうでしたか?」
「…それがね、あなたのお母様のピアノを売った会社がね、一度火災にあったらしくて…どこに買い取られたのかわからないみたいなのよ」
「…そう…ですか」
「でもね、調律師さんがおられたでしょう?確かカンさん」
「はい、カンさんは母のピアノをずっと担当してくださってたんです」
「その方の連絡先がわかったのよ、今は引退して田舎におられるみたいで」
「本当ですか?連絡とってみます!!パク先生、ほんとにありがとうございます!!」
…手がかりが掴めた!!
ずっと探していた、あの時売ってしまった母のピアノ…やっと!!
自分が働くようになればなんとか買い戻したいと思っていた…大切な思い出の品
きっと僕が背伸びをしても払える額ではないけれど、なんとか交渉して、いや、譲っては貰えなくてもある場所さえわかれば…
と、とりあえずはカンさんに連絡をとって、ああ妹達にも連絡しなきゃ
ユノさんには言わないほうがいいかな…出来れば自分で解決したいし、あんまり隠し事はしたくないけど…
どうかもう一度あのピアノに逢えますように
僕は天国の母さんに小さくお祈りしたんだ
. SILVER MOON 36
~Cside~
その日の放課後、僕は社会科準備室で資料を作っていた
途中で忘れ物に気付いて一旦職員室に戻り、書類に目を通しながら歩いていると後ろから声をかけられたんだ
「…シム先生?」
「え、あ?何?君は確か二年生の…」
ちょっと雰囲気のある彼、名前なんだっけ…確かダンスが上手いって有名な子だったはず
「先生は二股かけてるんですか?」
……はい!?
「ふ、二股!?何言って…?」
「大人しそうな顔して生徒と先生を手玉にとってるんですか?」
静かだけど強い口調に押され気味な僕、しかも段々壁に追い詰められてるし!!
「…あ、あの?君、何か勘違いして…?」
「テミナに手を出すな!!」
……はっ!?/////
「テ、テミナ?…痛っ!!」
腕をがっしりと掴まれて睨みを利かせてくる、ガタイもいいし僕よりずっと力もあるみたい、扉の前でガタガタと揉み合いになるけど全く歯が立たない
…やばい!!と、思ったその時!!誰もいない筈の部屋から突然声が聞こえた
「チャンミン!?」
「ユノ!?」
なんでここにユノが?と、気を取られていると、僕を振り切るようにしてその生徒は走り去ってしまったんだ
. 空色の調べにのせて ~ピアノの行方~ 7
~Sside~
今朝は社長とリウ様を同時刻にお迎えに上がる日、エレベーターに乗り込んでネクタイを締め直し、気持ちを引き締めた
…今日はおそらくシム先生がおられる筈、これは朝からラブラブの予感!!!!(汗)
あのお二人の甘々ムードには自分でも大分慣れてきたんじゃないかって思う、でも油断は大敵!!
すう、と息を吸ってインターホンを鳴らすとドアから出てきたのはリウ様だった
「おはようございます、リウ様!!あの…社長は?」
「おはようスホ、ちょっといまいそがしいからすこしまっててくれる?」
「…はあ、おいそがしいんですか?なにかお手伝いでも?」
「いいんだよ、だってねパパとチャンミンがもめてるんだよ」
通園リュックを背負って準備万端のリウ様、はあ、と溜息をついて少々呆れ顔、ってゆーか、揉めてる、とか意味がわかってるんだろうか?
シム先生と社長の話し声がこちらへ近づいてくる、言い合いしてる?喧嘩とか珍しい、思わず聞き耳を立ててしまう(笑)
「だからダメだって言ったのに!!/////」
「ふふ、君があんまり可愛いこと言うから」
「…だからって朝からあんな…/////」
「じゃ、帰ったら今度は君がシてくれる?」
「…なっ!!ユノさん!!/////…んんっ…」
「早く帰るから、ここに帰ってきて?返事は?」
「…ん…口塞いだら返事できな…あ…ん/////」
「チャンミン愛してる」
「…ん…ぼくも…/////」
あの~全部丸聞こえなんですけども!!!/////
「ほんとはやくしてほしいよ~ずっとああやっておくちぺろぺろしてちゅーしてるんだよ?」
…そ、そうなんですか/////もうリウ様の前でもつつみ隠さずオープンにいく感じなんですね、しかしぺろぺろしてちゅーとか、なんて生々しい(汗)
「あ!!スホさんおはようございます/////」
「シ、シム先生おはようございます!!/////」
「スホ、待たせたね、行こうか」
「は、はい!!」
「皆んな気をつけて行ってらっしゃい!」
ニコニコと笑顔で送ってくれるシム先生、首筋には絶妙な位置に赤い跡がチラリと見える
…はあ/////
やっぱりこのお二人には当てられっぱなしな僕、ああ、早く彼女欲しい、と切実に思ってしまう、そんな朝だったんだ(泣)
. SILVER MOON 35
~Yside~
放課後やっぱりチャンミンのことが気になって社会科準備室のあたりをウロウロとしていた
…パパラッチは居ないよな?
中には居ないみたいだけど鍵がかかってない?ってことはまた戻ってくるはず
俺はキョロキョロと周りを見渡して部屋の中へと入った、立ち上げたまんまのパソコンも書類も広げたまんまだし、ちょっとここで待たせてもらおう
やたら座り心地のいいデスクチェア、こんなんでデスクワークなんてしてたら五分も経たないうちに寝てしまいそうだ
椅子に掛けられたチャンミンの上着からは甘い匂いがして、目を瞑ると俺はいつの間にか眠ってしまった
ガタタタッ!!
突然の物音に目を覚ます、入り口を見るとチャンミンが誰かと揉みあっているのが見えた
「…なっ!!チャンミン!?」
「ユノ!?」
慌てて扉に向かうとドンッ、とチャンミンを壁に追いやってその男は走り去った、なんなんだ今の奴、制服だったよな?生徒?
「チャンミン大丈夫?」
「…う、うん、びっくりした」
「立てる?とりあえず中に入ろう」
「…あ、ありがと、ユノ/////」
呆然とするチャンミンを支えながら、部屋の中へと入ったんだ
. 空色の調べにのせて ~ピアノの行方~ 6
~Yside~
カーテンから漏れる光で目を覚ます、腕の中には愛しい人の寝顔があって、ああ、本当に帰ってきたんだね
「チャンミンおかえり」
そっと呟いて髪にキスを落とせば君の甘い香りが鼻腔をくすぐる
昨日は優しくしようと思ったのに、やはり加減はできなくて、無理させてしまったと思う
「……ん…ユノさん?」
「ごめん、起こしてしまったね、まだ休んでいていいよ」
「…ダ、ダメです、起きなきゃ」
「教室には昼からでいいんだろう?」
「…あなたにカフェオレ淹れてあげたい、それから朝ご飯も作って…いってらっしゃいってしたいんです/////」
「…チャンミン」
「…だってずっと出来なかったから/////」
ああ、チャンミン、何度も夢に見たのに本物には敵わない、これはまた我慢できなくなりそうだ
「…んっ…ユ…////」
上から覆い被さり君の唇を何度も奪う、話す隙なんて与えないよ?
「…ダ、ダメ…じか…んっ…/////」
表情は蕩けそうな癖に必死に体を離そうとする愛しい人、細い腕をシーツへと縫い付けると、もっとエロいキスをしてやったんだ
. SILVER MOON 34
~Cside~
廊下を小走りに駆け抜けて急いで角を曲がるとふう、と一息ついた
…ユノの顔まともに見れないよ/////
僕ってかなりの重症じゃない?…しかも『諦めない』とか言われてほんとは嬉しかったなんて
赤くなった顔を誤魔化すようにパタパタと扇いで歩き出した、保健室の前を通りかかるとテミン先生がひょっこりと顔を覗かせる
「シム先生?コーヒーでも飲んでいきませんか?」
大きな瞳でにっこりと微笑まれたら断ることなんて出来なくて(笑)
「…じゃ、少しだけ」
この前の騒ぎの後、こうして何度かテミン先生の所でお茶を飲んでるんだ
流石にユノのことは相談できないけど、とても居心地がよくてつい長居してしまう
「シム先生は、可愛いですね」
…いや、あなたの方が数倍も可愛いと思うんだけど/////
「…だって自分に素直じゃないですか」
そう言って俯くテミン先生はやっぱり物憂げな感じで、放ってはおけない感じがするんだ
「テミン先生は好きな方がおられるんですか?」
「……はい、嫌われちゃってますけどね、片思いなんです」
少し悲しそうに話すテミン先生、こんなに可愛いのに片思いとか、世の中上手くいかないもんだ
腕を組んで考え込んでいると眉間を指でつん、と突かれた、驚いて顔を上げると目の前にテミン先生の顔が!!!
「…っ!!!/////」
「なにもシム先生が考え込まなくても、ふふっ」
テミン先生は悪戯っぽく笑って、窓の外へと目を向けたんだ
. 空色の調べにのせて ~ピアノの行方~ 5
*R18です♡
~Cside~
肌と肌を重ねお互いの体温を確かめ合う、離れていた時間を埋めるように隙間なんてないくらいピッタリと寄り添い合った
久しぶりに受け入れるあなたの中心は熱くて大きくて、とても苦しかったけれど、その圧迫感さえあなたを感じられるような気がして…
「チャンミン、平気?」
「…ん…だいじょ…ぶ…も…うごい…て…/////」
心配そうに僕の顔を覗き込むあなたの頬をそろりと撫でる、伸ばした手は絡め取られ指の一本一本にキスが落とされていく
意思に反して涙がポロリと頬を伝うと、その雫はシーツに届く前にあなたの唇へと吸い込まれた
「…ユ…ノさ…ああっ!!/////」
「ごめん、やっぱり加減できそうもない」
強い刺激に反り返る僕の背中、ぐっと腕を入れてそのまま抱き起こされた、より深くまで僕の中を貫くあなた自身に耐えきれず達しそうになってしまう
「…ダ、ダメ…ユノさ…あっ…/////」
「こうすると君の顔がよく見える」
「……や…見ないで……あぁ…/////」
「チャンミン目開けて?ちゃんと顔見せて」
ゆっくりと瞼を開くとあなたの優しい顔が目の前にあって、こんな格好恥ずかしくて堪らないのに…
逸らした顔は片手で簡単に戻されてしまうんだ
半開きの唇に舌が差し込まれ、蕩けるような口付けが繰り返される、僕は必死にそれに応えようと舌を絡ませた
「チャンミン愛してる」
「…ん…ぼく…も…あっ…あああっ!!/////」
ユノさんの膝に跨ったまま何度も貫かれ、激しく揺さぶられて、僕はそのまま意識を失ってしまったんだ
. SILVER MOON 33
~Yside~
正直に言うと少し怒ってた、俺のこと弄んでるのかって考えてしまったりもした
『好きだけど付き合えない』
なんて、随分自分勝手じゃないか!!そんな眉を下げて可愛い顔したって諦めてなんかやるもんか!!
壁に押し付けてキスしたチャンミンの顔は、うっとりとしてエロくてちょっと止まらなくなりそうだった
あの後慌てて店を飛び出したけど、チャンミンはどう思ったんだろ、なんて少し弱気なこと考えたりもしたんだ
「ユノー?教室移動だぞ」
「んあ?…ああ」
「まーた腑抜けみたいになってる、パパラッチがこぞって『チョンユンホ失恋か!?』なんて書き立てちまうぞ?(笑)」
あれから流石に学校の外では尾けられたりすることは無くなったけど、学校の中ではやっぱりパパラッチの目が光ってるようだ
…ドンへの奴完全に面白がってるな
ガタンと音を立てて席を立ち、教室を後にする、ドンへの首を締めながら廊下を歩くと向こうからチャンミンが歩いてくるのが見えた
目線は合わせないけど俺はジロリと睨んでやった、チャンミンは俺に気づくと頬を赤く染めて小走りに行ってしまった
「…なんだアレ、可愛いじゃねーか/////」
ドンへが俺の腕を外しながらチャンミンの走り去った方向を伺う
…チッ、見んじゃねーよ!!
俺はもう一度ドンへの首をぎゅうぎゅうに締めてやったんだ
. 空色の調べにのせて ~ピアノの行方~ 4
~Yside~
はしゃぎ過ぎて君の膝で眠ってしまったリウ、起こさないようベッドに寝かせて君のいるリビングへと戻った
片付けを済ませてエプロンを外す君、久し振りの君との夕食はとても楽しくて
「チャンミン疲れた?」
「…いえ、でもユノさんとリウ君の顔を見てるとなんだかホッとしちゃって」
「…そうか、明日は昼から教室へ?」
「はい、ユノさんはいつも通りの時間でいいですか?」
「ああ、でも君は休んでていいんだよ、朝早く起きなくても」
「…やだ、あなたを送りたい/////」
ふわりと君の香りが僕を包んで、寄り添う君が堪らなく愛おしい、帰ってきたばかりで疲れている君をやっぱり欲しいと思ってしまうんだ
「チャンミン、一緒にシャワー浴びようか」
「…/////」
こくん、と小さく頷くから、二人で手を繋いでバスルームへと向かった
いつもなら恥ずかしがる君なのに、裸で肌を合わせると首に腕を回して口付けをせがむ、温めのシャワーに打たれながら二人で唇を貪りあった
止まらない口付けを交わしながら君をタオルに包んでベッドへと横たえる、上から見下ろす君は薔薇色の肌で俺を煽った
「チャンミン会いたかった」
「…僕もです/////」
「無理はさせたくなかったけど、我慢できない」
「…が、我慢しなくていいです/////」
目をぎゅっと瞑って無意識に殺し文句を言う恋人、そんなこと言ったら加減できるか自信ないよ?
絡めた指に唇を落とし、じっと見つめればゆらゆらと揺れる瞳、俺は視線はそのままに、滑らかな肌に舌を這わせたんだ