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苺な彼とビールな僕

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. うちの家政婦さん 15










~Yside~









……とにかくうちの家政婦さんはよく働く






家政婦ってよりは家政夫なんだけど、ま、細かいことはさて置いて





朝うちに来るとまずはコーヒーを淹れて、俺が仕事してる間に掃除洗濯、昼飯の下ごしらえ





その後はだいたいキッチンにいて、何かしていたと思ったら昨日は手作りデザートまで用意してくれた






『チョンさん苺お好きでしたよね?実は沢山頂いたのでイチゴのチーズケーキにしてみました』






なんて、ちょっと恥ずかしそうに出してくれるとか!!





手作りのケーキとか食べたのすげえ久しぶりで、びっくりしたのと嬉しいのとでワンホール食べる勢いだった





しかも苺とか!!






何より可笑しいのがキッチンからチラチラ覗くバンビアイ、俺が食べてんのが気になってしょうがないって感じ?





そんなに気になるなら隣で見てればいいのに、こっそり見てくるとか可愛いしかないんだけど!!





そして名残惜しいのは仕事を終えて帰る時、必死にあれこれ言って引き止めたりして






『申し訳ありません、イ主任に怒られますので』





なんて眉を下げて困り顔で言われちまって、俺って本当にどうしようもない(笑)






あれから1週間、仕事自体は捗ったものの、出版社にも顔を出すのも億劫になっちまって






編集からこっ酷く叱られてしまった俺だったんだ



























. 好きがとまらない 31










~Cside~









あれからミノとビールを飲んでいたけど、全く味がしなくなってしまった




サーバーから飲めるなんて滅多にないことだから、最初はテンション上がってガンガン飲んでいたのに





「チャンミン顔色悪いよ?」


「あ、うん……飲みすぎたかな?」


「どっか座る?」


「ちょっとトイレ行ってくるよ」


「うん、離れのトイレ解放してるって、シウォンさんが休憩できるスペースも作ってるって言ってたよ」


「ありがとう、ミノ」






僕は足早に離れに向かうと急いでトイレへと駆け込んだ





別に気分が悪いワケじゃない、問題なのは僕のメンタルで、ビールの味がしないのもきっと……





これって所謂ヤキモチってやつ?僕ってこんなに嫉妬深かったんだ





ユノさんと会ってから初めてのことばかりで本当に戸惑ってしまう





この感情ってどうしたらいいんだろう……





鏡に映った自分の顔は、なんだかげっそりと見えてやつれてるように思える





………綺麗な人だったな





あ、やばい、落ち込んできた






ハアと大きく溜息をついて顔を上げた瞬間、目に飛び込んできたのは僕が想っていた人の姿で……






「……いた!!」



「ユノ……さん?///」



「バカ、急に消えんな!!」






そう言って伸びてきた腕が僕を包み込んで、あっという間に抱き締められてしまったんだ






















. うちの家政婦さん 14










~Cside~










『俺の食った中で一番美味い、最高だな』







そう言ってチョンさんは嬉しそうにアーモンドの瞳を細めた







どうしよう、凄い嬉しいんだけど///






お昼のリクエストは僕の一番の得意料理、定番だけどチゲにしてみたら凄い喜んでくれて






あっという間に平らげてご飯もおかわり2杯ずつとか(笑)






とにかく気に入って貰えて良かった…






キッチンで洗い物してる時に何度か目が合っちゃって、驚いてお皿を落としそうになったけど






それって僕を見てたってこと、かな?///





その後も書斎から出てくるたびに何度か話しかけられて、心臓がどうにかなりそうだった






『出来たら晩飯も用意して欲しい』






夕方になってからそんなこと言われたから、やっぱり食材を多めに買っておいて良かった





メニューはサーモンステーキにしようかな、バターもあったし、野菜だってたっぷり買っておいたし






実は家事の中で料理が一番好きなんだよね






美味しいって言われるのが嬉しくて、ついいっぱい作っちゃうけど





仕事なら加減もできるし大丈夫だから






アレコレ考えて帰る時間を過ぎてしまって、後でイ主任にたっぷり怒られてしまった僕だったんだ






























. 好きがとまらない 30










~Yside~








「そういやチャンミン達戻ってこないよな、さてはサーバーに噛り付いて飲んでるな~」



「……俺行ってくるわ、じゃあなスヨン」



「あ……ユノ!!」







暫くはスヨンとシウォンの話に付き合っていたけど、チャンミンの事が気になって仕方がない




あいつ絶対誤解してるって!!




俺はシウォンとスヨンに軽く手を挙げると、ビールサーバーのあるテントへと移動した




チャンミン達の盛り付けてた料理なんかは既にテーブルへと運ばれていて




てか、何でこんなに人数増えてんだ!!





広い庭には大勢の男女達が入り混じって飲み会が始まってる





ミノとチャンミンとか絶対目立つはずなのにどうして……








「あ、ユノさん」



「ミノ!!チャンミンは!?」



「あ、あいつなら離れにあるトイレに行くって……」



「ありがとう」



「ちょ……ユノさん!?」





ミノの言葉が終わるか終わらないうちに駆け出している俺




ったく、世話がやける!!









………今探さないと君が消えてしまう気がして







俺は広い庭を抜けて離れの場所を確認すると、真っ直ぐにトイレへと駆け込んだんだ
































. うちの家政婦さん 13











~Yside~








「うん、美味い!!」



「そ、そうですか?///」



「俺の食った中で一番美味い、最高だな」



「あ、ありがとうございます///」






トレーを持ったまま俺の隣で耳まで真っ赤になってるシム・チャンミン




うん、やっぱり可愛い、よな///





いつのまにか掃除を済ませて買い物も行って、仕事に集中してる間にメシだって出来てるとか






凄え有能な家政婦じゃないか!!






男に一目惚れだなんて初めてのことで、一時はどうしようかと思ったけど





自分の気持ちがはっきりと分かると、開き直るっていうか落ち着いたっていうか





男でも女でも好きな気持ちは変わんないってことを確信した






こうなると押せ押せタイプの俺のこと、いつもなら猛烈なアプローチをかけるところだけど





まだまだ会って2日目なわけだし、相手は同性なわけだし




どう見ても純情真面目な新米家政婦に手を出すなんて、盛りのついた獣じゃあるまいし






とりあえず落ち着けチョン・ユンホ






綺麗に掃除された部屋で美味い飯食って隣には美人な奥さんが………っておいおい///





本人目の前にして妄想が過ぎるんじゃね?なんて自分に苦笑いしちまうよ






さて、どうやって君に伝えようか……






キッチンで必死に後片付けをする君の姿に、胸の高鳴りを抑えきれない俺だったんだ















































. 好きがとまらない 29










~Cside~











『あ、シウォンさん、僕取ってきます!!』





そう言ってユノさんの所から慌てて逃げてきたけど





一体全体なんなんだ!!あれって、あの雰囲気って絶対………





「いや~相変わらず綺麗な人だよな」


「……は?」


「スヨンさんのことだよ、社内で何度か見かけたことはあったけど」


「そ、そうなんだ」



「やっぱりあの二人出来てんのかな~噂はあったんだよね、美男美女カップルだよな」



「へ、へえ」





サーバーから黙々とビールを注ぐ僕の隣でしきりに感心してうんうんと頷くミノ、なんだよその情報、そんなの知りたくなかったのに!!





スヨンさんね、ふーん、確かに綺麗な人だったし、それを鼻にかけてる風でもなかったし




僕とは違って髪だって長くて、柔らかそうでいい匂いだってして……






あ………なんか落ち込んできた






そんな事を考えながらビールを注いでいると、泡ばっかりになっちゃってどうしようもない状態になってるし!!






「チャンミン下手(笑)」


「う、煩いよミノ///」


「何でもそつなくこなしてそうなのに」


「………僕は不器用だよ」


「じゃあ努力家なんだ」


「………」






そう言ってニッコリと笑うミノの笑顔に、なんだか泣きそうになってしまった僕だったんだ
























. うちの家政婦さん 12











~Cside~








コーヒーを乗せたトレーを片手に意を決してノックをする僕





やっぱりまだドキドキしちゃう、よね///





書斎のデスクに座るチョンさんは昨日とは違って反応が大袈裟っていうか可愛いっていうか




アーモンドの瞳をくるくるとさせて、クールそうな外見とはまた違って




お昼ご飯のことも頑張って聞いてみたけど、なんだか呆然としてて不安になったけど




『君の1番の得意料理が食べたい』




なんて言われちゃって、思いっきり大きく頷いてしまった




書斎を後にすると先に片付けと掃除を済ませる、洗濯は少しだけだからご飯を作りながらでも大丈夫そうだし




先に買い出しに行った方が良さそうかな





いつもなら先に買う物を聞いてから買い出しに行くんだけど、全部任せるって言われてクレジットカードも預かったし




こ、こういうのは初めてだから余計に緊張してしまう





お昼のメニューはチゲにしようかって考えてるけど、もしかして晩御飯も用意した方がいいのかな?




あんまり聞きに行くのも仕事の邪魔になる気もするし、あるもので作れるように考えておこう





「あの、チョンさん買い出しに行ってきますね」



「ん、ああ、車出そうか?」



「えっ!?い、いえ、大丈夫です!!」



「そう?じゃあアイスも買ってきて?苺のやつ」



「い、苺ですか?//」



「ああ、俺の大好物、気をつけて行けよ」






そう言って笑うアーモンドの瞳が優しすぎて、胸が苦しくなってしまった僕だったんだ






























. 好きがとまらない 28










~Yside~










『ユノ、お久しぶり』






そう言ってスヨンはニッコリと微笑んだ、え……なんで……?





「やだユノったら、もっと嬉しそうな顔してよ~」


「あ、ああ、てかなんでここに?」



「シウォンに呼ばれたのよ、先週からこっちに帰ってきてるの」



「おー!!スヨン、なんだ人数増えてんじゃないか、ビールが足んないよ」



「あ、シウォンさん、僕取ってきます!!」



「チャンミン!?おい!!」



「あ、チャンミン、僕も行くよ~」






突然現れたスヨンに呆然としている間に、チャンミンとミノは向こう側のテントへと行ってしまった





……なんだか様子がおかしかったような






気にはなるけど戻ってくるって言ってたし、目の前にはスヨンもいて動けない




でも、すぐにぐるぐるとして落ち込む君だから心配で……








「随分とあの子にご執心なのね」



「……は?」



「久しぶりに会ったのにつれないんだ」



「振ったのは君なのに?」





俺の言葉に黙ってしまった彼女は少し寂しそうに笑った、そう、一年前俺は彼女に振られたんだ





一方的に別れを告げられてとても辛い想いをした……







「おいおい穏やかじゃないね~同期同士楽しくやろうぜ」






隣で話を聞いていたシウォンが俺たちの肩を掴んで大袈裟に顔を覗き込む





全く余計なことをしてくれる……





恐らく何もわかってないシウォンの笑顔に溜息しか出ない俺だったんだ



































. うちの家政婦さん 11










~Yside~








……やばい、やっぱり凄え可愛い///





待ちに待った、って言っても昨日の今日だけど





シム・チャンミンって家政婦が本当にうちに来るのか心配で仕方なかった




あれって夢だったのかって思えるほど綺麗で儚げで、でも凛として




本当にモデルなんじゃねってスタイルだし、一応ドンへにも問い合わせのメッセージを送ったら





『やっぱり気に入っただろ?期待の新人なんだ、手出すんじゃねぇぞ!!』





なんて、少々ふざけた返事が帰ってきて、いや、男相手にそれはない………とも言えない、か





書斎に入って腕を組みながら考える、この感情って一体なんだろう




も、もしかしてこれって所謂……!!!!///





コンコン





「ぬあっ!!はいっ!!」




突然のノックに間抜けな返事をしちまう俺、慌てて部屋のドアを開けるとキョトンとしたバンビアイが目に飛び込んで来る






「あ、あの……コーヒーお持ちしました///」



「ああ、ありがとう///」



「そこに置いといて」



「は、はい///」





カチャカチャと音を立ててローテーブルにコーヒーを置くと、ぺこりと頭を下げて出て行こうとするシム・チャンミン




「あ、あの……」


「……へっ?///」


「お、お昼は何を召し上がり、ますか?///」


「へ?ああ!!えっと……?」


「ざ、材料を買い物に行こうと思うので、あの……///」







そう言って恥ずかしそうに見上げるバンビアイに、一目惚れした事実を知った俺だったんだ
































. 好きがとまらない 27









~Cside~








「おいチャンミン!!」


「あ……ユノさん?///」


「おーユノ!!」





あちら側からから女の子達の悲鳴が上がったと思ったら、ユノさんがニコリともせずにこちらへやって来た





あ……れ……?なんか怒ってる?





不機嫌そうに僕を見つめるユノさん、僕……何かしたっけ?




「やあシウォン、今日はお邪魔してるよ」


「いやいや、ゆっくりしていってくれよ、ほらチャンミンも一緒に飲もう、さっきから手伝いばかりさせられてるじゃないか」


「ぼ、僕は後で……///」


「あー!!シウォンさん僕には言ってくれないんですか?」


「もちろんミノもな、ビール持ってきてやるよ」





そう言ってシウォンさんは飲み物を取りに別のテントへ、ミノはブツブツ言いながらも別の作業始めちゃってるし





ユノさんやっぱり怒ってる、よね?






「…………腹減った」


「……へっ?///」


「これ頂き!!」


「あーーー!!!!///」





さっきから僕が必死で盛り付けたハムとチーズを豪快につまみ食いするユノさん




もう!!せっかく綺麗に並べたのに!!




ペロリと舌を出す悪戯っぽい笑顔に思わず笑っちゃって、怒るどころじゃ無くなってしまう僕




結局は二人でチーズをつまみ食いするとか





ふふ、なんだろこれ、なんか楽しい///







「おーい、何やってんだ?お姫様の登場だぞ」


「スヨン!?」


「ユノ、お久しぶり」





ビールを持って戻ってきたシウォンさんの隣には、僕の知らない女の人がにっこりと笑って立っていたんだ





















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紫苑☆

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