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. SILVER MOON 6
~Yside~
『……ここで何してるの?』
聞き覚えのある声、ゆっくりと振り向くとあの夜見た顔が目の前にあった
「……わあっ!!/////」
「……人をオバケみたいに、地味に傷つくんだけど?」
眉をひそめて睨むその瞳、やっぱり宝石みたいで目が離せなくなる
「……ハ、ハンカチ/////」
「…え?」
「ハンカチ返しに来たんだ!!ほら!!」
キョトンとして差し出す俺の手からハンカチをとってにっこりと微笑むその人
「ありがとう、洗ってくれたの?」
「…あ、ああ!!/////」
「ふふ、なんでそんな緊張してるの?この前と感じが違うんだね」
…そ、そうかな、確かに顔がやたらと熱いけど(汗)
「…高校生だよね?」
「……/////」
「ね、お腹空いてない?ラーメンご馳走するよ、ちょっとこれだけ店に届けてくるから待ってて?」
「…へっ?/////」
…あ、あの時の匂い
鼻先を掠めるようにふわりと俺の前を通り過ぎると、その人は店の中へと吸い込まれていった
…ハンカチ返すだけのはずが…やべ、頭がついていかねぇ
俺はその場所で思わずしゃがみ込んでしまった
. 空色の調べにのせて ~逢いたくて~ 40
~Rside~
「リウ?もう荷物は詰めたの?」
「あ、ジヘちゃん、おてつだいしてもらったからもうおわったの」
「そう、ならいいわ、私明日送ってあげられないから、気をつけて行くのよ、暖かくしてね」
「はーい♡」
かせいふのコンさんがぼくのスーツケースをよういしてくれたんだ、クマさんはいっしょにねるからあさにかばんにいれてもっていく
スホがむかえにきてくれて、おひるすぎのひこうきでながいじかんのるんだって
あさおきてからよるになるくらいのじかんだっていってた、あめりかよりはちかいんだって
クマさんにつけてもらったチャンミンのこうすいはもうあんまりにおいがしなくなってしまって、ちょっとさみしかった
ぼくがいっぱいすいこんじゃったからかな?
クマさんをクンクンってしすぎちゃったのかも
パパにでんわしたらチャンミンもいっしょにいて『待ってるからね』っていってくれた
パパがおくってくれたチャンミンのおかおはなんだかちいさくなったみたい
ひとりでさみしかったからやせちゃった?
でもいまはパパがいっしょだからだいじょうぶだよね
ぼくがうぃーんについたらすぐにぎゅうってしてさみしくないようにしてあげなきゃ
ほんとはぼくがぎゅうってしたいだけなんだ/////
よるはいっしょにねれるかな?
おふろもいっしょにはいりたいけどそれははずかしいからやめとこうかな/////
あ、はやくねなきゃ!!
パパもチャンミンもお休みなさい
クマさんもおやすみなさい
ぼくはベッドにもぐってクマさんをぎゅうってしながらめをつぶったんだ
. SILVER MOON 5
~Cside~
一日の仕事を終えて地下鉄に乗りこむ、そうだ帰りに店に寄って行こう
今日は店に入る予定じゃなかったけど、渡すものもあったし、どうせ帰り道だし
『SLVER MOON』
学校の先輩であるヒチョルヒョンがバーテンを務める店、僕も学生時代はお世話になった
煌めくネオン街の小さな路地を抜けた所にある小さなBAR、照明を暗めに落とし、軽めのジャズが流れるお洒落な店だった
人と話すのが苦手な僕だったから、接客業で改善出来たらいいな、なんて珍しく前向きに考えて、ヒチョルヒョンに誘われるままに働くことになった
そしてこれが意外にも楽しかったんだ
カウンターで向かい合うお客様と交わす何気ない会話、駆け引きのような誘いを断るテクニック、頭で理解するというより体で覚える感じ
シェーカーを振る腕ももう慣れたもんだ
専攻は歴史学、性格は暗い方かも、今はやりたいことがあってお金を貯めてる時期「せっかく大学まで出たのに」と親は嘆いていたけど
このままバーテンのバイトを続けても良かったんだけど、店の常連のシウォンさんが持ちかけた短期の臨時講師の話、破格の待遇だったんだ
そんなわけでバーテンのバイトは週末だけにして、臨時講師を引き受けたってわけ
店の前まで来ると見覚えのある後姿があった、フードを被って所在なくウロウロとする背の高い青年
…あれって、あの時の?
僕は後ろからそっと近づいて声をかけたんだ
. 空色の調べにのせて ~逢いたくて~ 39
~Cside~
ユノさんにマフラーを抱いて寝てたことがバレてしまって、もう穴があったら入りたいよ/////
穴の代わりにシーツに潜ってしまった僕をそのまま抱き締めてくれる…こんなにもあなたの匂いに安心するなんて
…どれだけあなたを求めてるんだろう
それから軽く朝食をとって僕はドイツ語の授業へ、ユノさんは宿泊するホテルへと向かった
ユノさんの泊まっているホテルはウィーン中心部にあるクラシックホテル、交通の弁もよく、観光にも便利な老舗ホテルだった
「いらっしゃいませ、チョン様からお聞きしております」
昼過ぎに訪ねると最上階にあるスペシャルスイートへと案内される、パーソナルバトラーもいて寝室も二つ、バーカウンターもあって、ライブラリーもある、アンティーク家具が並びシャンデリアが煌めく、あまりの豪華さに圧倒される
部屋にはいるとユノさんが迎えてくれて、半日ほど会わなかっただけなのに胸がドキドキと高鳴るんだ
「チャンミン、逢いたかった」
「…たった半日ですよ?/////」
今日はスーツじゃなくてラフな格好、髪も降ろしていつもより幼く見える、僕はなんだか恥ずかしくて目を逸らしてしまう
「…チャンミンこっち向いて」
「……ん…あぁ…んっ/////」
なんだか今日は顔を合わせるたびにキスしてる気がする、甘いってこういう事?胸の奥が擽ったくて堪らないんだ
RRRRRRRRRRR♪
深くなる口付けを遮るようにスマホの音が響く、それでも止まないキスに僕の方が焦ってくる
「…ん…ユノ…さ…でん…ん…」
「ん、わかってる」
胸をそっと押すと切なげな瞳で僕を見つめて体を離した
小さく溜息をついてスマホをタップすると、僕の顔を見てにっこりと笑った
「リウからだ、チャンミンに変わってって」
「…え?あ、はい、もしもし?」
『チャンミンおはようリウだよ、えっと、あしたひこうきでいくからまっててね/////』
耳を離しても聞こえるほどの大きな声、僕は思わず笑ってしまった
. SILVER MOON 4
~Yside~
「じゃあな、また明日」
ドンへと別れて自宅のあるマンションのエントランスに向かう、オートロックを解除して中にはいると一つ溜息をついた
一年前からの一人暮らし、自宅から通えないほどの距離ではなかったが勉強に集中するため高校生には不似合いな広い部屋に住んでる
掃除や片付けは大の苦手、家政婦さんが週に何度かきて家事をやってくれている
『成績を下げないこと』
それが親父との約束だった、勉強は嫌いじゃない、それくらいでこの自由が手に入るならラッキーなことだ
…でもこの何日か集中出来ないでいる、ウジウジしてるのは性に合わない、やっぱり行ってみよう
握り締めるのはあの人のハンカチ
一応洗濯したんだ、ずっと持ってるから俺の匂いになってしまってるかな(笑)
思い立ったら即行動、まだ肌寒い外の空気に身振るいしながら目的地へと向かう
記憶を辿りながら路地を抜けて行く、確かこの角を曲がったところ…店の名前は覚えていた
『SILVER MOON』
裏口からぐるりと回って様子を伺った、まるでストーカーじゃねーか(笑)
飲み屋街がひしめくネオンの街、流石にこのあたりじゃ未成年はヤバイ、フードを被ってウロウロする俺ってまるっきり不審者じゃね?
店の入り口から中を伺うとカウンターが見えた、中は照明を暗めに落とした感じいい空間に思えた
「……ここで何してるの?」
後ろから不意に声をかけられて、俺はそのままフリーズしてしまった
. 空色の調べにのせて ~逢いたくて~ 38
~Yside~
目覚めて最初に目にしたのは愛しい人の寝顔、カーテンから漏れる朝陽に照らされキラキラと輝いていて
幼い顔をして、すうすうと寝息をたてる君はまるで天使のようで、堪らなく心に生まれる幸福感
…やっと俺のものになった
前髪を撫でると薄っすらと目を開ける、起こしてしまった?意図的ではないと言いきれないけど(笑)
目が合うと真っ赤になって俺の胸に顔を埋めてしまう君
「チャンミンおはよう」
「……あの、おはよございます…あの…いつから…?/////」
「ついさっきだよ、君の寝顔に見惚れてた」
「……っ!!!/////」
驚いて見上げた顔は真っ赤に染まっていて、性懲りも無く逃げようとするから後ろからガッシリと掴まえた
「……は、離して/////」
「ダメ、おはようのキスもしてくれないの?」
ハッとして振り返る君、耳の縁を真っ赤に染めて…つい苛めたくなるんだ
振り返る君に覆い被さり唇を奪う、何度も角度を変えて交わす口付けは次第に熱を帯びて
「……ん…あ…ふぅ…んんっ…ダメ…」
ちゅっと音を立てて離れると蕩けたような瞳で俺を見つめる君、朝からその気にさせるなよ
「……チャンミン、今夜は俺のホテルに来てくれる?」
口元に手を当ててこくん、と頷く愛しい君、このまま襲ってしまいたいけどそれじゃあベッドから1日出られなくなってしまいそうだ
「ね、聞きたいことあるんだ」
「…な、なんですか?/////」
こてん、と首を傾げて不思議そうな顔、ああそれもまた色々やばいね
「……なんでベッドの中に俺のマフラーがあるの?」
「……っ!!!!/////」
驚いて俺の手からマフラーを取り上げると、シーツの中に潜ってしまう君
「……一緒に寝てたんだ?」
「…は、はい/////」
「思い出してくれてたんだ」
「……/////」
シーツに潜ったまま擦り寄ってくる可愛い塊、どうしてくれようか
愛しさが溢れる、そんな甘い朝を迎えたんだ
. SILVER MOON 3
~Cside~
「初めまして、今日から世界史の臨時講師をするシム・チャンミンです」
生徒達の前で挨拶をする、ここは地元でも有名なエスカレーター式の私立校、学力も超一流で政治家や資産家の子息が数多く通う
生徒達は品行方正…でもないか(笑)
「先生クールだね?彼女とかいるの?」
「ねぇ、メガネダサくない?とっちゃえばー?」
…やっぱり高校生は高校生だな、質問を軽くかわしながら授業を進めていく、本当は臨時講師なんてする予定じゃなかったんだけど
…ま、半年の我慢だしな
どうにか授業も終わって職員室に戻る、休んでおられる先生の社会科準備室も自由に使えるらしいんだ、これは嬉しい
出来たら静かに一人で過ごせる空間も欲しいと思ってたからね
「シム先生!」
準備室に向かう廊下で呼び止められた、理事長のチェ・シウォン氏だ、僕をここに紹介してくれたのはこの人
「授業はどうでした?」
「はぁ、まあ滞りなく、素直な生徒達でしたよ」
「そうですか、よかった、一緒にコーヒーでも?」
満面の笑みを添えてのお誘いだが、今はちょっと勘弁してほしい
「申し訳ありません、次の授業の資料に目を通しておきたいので」
丁重にお断りすると、心底残念そうにがくりと肩を落として行ってしまった
…ごめんねシウォンさん
心の中で謝りながら準備室へと足を向けた、中へ入ると壁一面の本棚、窓からは校庭が一望できて生徒達が帰る様子が伺える
窓を開けて澱んだ空気を入れ替える、うん、悪くないね
窓際に立ち、月の綺麗な夜に出会った彼のことを思い出していた
店の裏で見かけたその人、黒目がちの切れ長の瞳で僕を見つめた
一点の曇りのない瞳….
何故か心から離れてくれないんだ
…もう一度会いたい
僕は、一度会ったきりの名前も知らない彼へと思いを馳せた
. 空色の調べにのせて ~逢いたくて~ 37
*R18です♡
~Cside~
何がどうなっているのかわからなくて、与えられる快感に声を抑えるのに必死で、あなたに縋るために伸ばした指先はしっかりと絡め取られ…
ぴちゃぴちゃと響く水音、ユノさんの頭が僕の脚の間に見えて…
「……ユノ…さ…やめ…また…あ…/////」
絶頂を迎えた直後の敏感な部分を緩くねっとりと咥えられて、ユノさんの指は僕の奥へと伸ばされる
…痛かったのは最初だけで、ユノさんは確実に僕のいいところを探り当て、僕は前と後ろから同時に与えられる快楽に身を任せるしかなかった
丁寧に開かれた身体に、あなた自身があてがわれ、抱えた脚に口付けを落としながらゆっくりと僕の中に入ってくる
苦しくて熱いあなたの熱が、杭のように僕の中に打ち込まれた時、圧倒的な質量とギリギリの大きさに涙がポロポロと溢れた
「……チャンミン、君は俺のものだ、ずっと離さない」
「…あ…ユ…ノさ……僕、幸せ…」
やっとのことで発した言葉は、あなたの口付けに呑み込まれ、僕の胸を更に熱くする
「チャンミン愛してる、誰よりも」
僕だって愛してると伝えたいのに、口から漏れるのは喘ぎ声だけで
体ごと愛されるということ
あなたの心が肌を通して伝わってくる
チャンミン愛してる
心の声が聴こえる
体を繋げるって心も一緒に繋げることなんだ
愛すること
愛されること
全部あなたが教えてくれるんですね
ユノさん愛してます
僕を見下ろす黒曜石の瞳に、そっと愛を誓った
. SILVER MOON 2
~Yside~
「なぁ、ユノ?どーしたんだよ?」
「んあ?」
頬杖をついたまま見上げるとドンへが心配そうに俺の顔を覗き込む
「ったく!!ここ何日かおかしいぞ?なんか上の空つーかさっ」
机にドサリと鞄を置いて窓際に目を向ける、時間はもう放課後、今日は部活もないし教室は生徒もまばらだった
「おっ?アレが噂の臨時講師か?ほーほーほー♪」
窓に身を乗り出して足をブラブラさせる、おいおい、落ちるんじゃねーぞ(笑)
俺はチョン・ユンホ、高校三年生、で、この能天気な奴が親友のドンへ、この学校はいわゆる私立の名門校で、政治家や実業家の子息が通う有名な私立校だ
幼稚園から始まってエスカレーター式に高等部まで通える、流石に大学は編入試験があるけど、まあ、教育は超一流、学力もそこそこないとついていけないわりとシビアな学校だ
「…で?何があった?」
ドンへが振り返って俺を見た
「…んーなんだろな」
俺はポケットの中にあるハンカチを握りしめた
ドンへは諦めたのか頭をポリポリと掻いて溜息をついた、なんだかんだ心配してくれてんだよな
「ま、なんかあったら言えよ?一応親友だろ?」
「……ああ」
あの夜に会った綺麗な男が忘れられない、なんて言えるわけねーだろ/////
…いい匂いしたんだよな、それにあの零れそうな瞳、まるで宝石みたいだった…!そしてあの長い睫毛、折れそうに細い身体とか
俺どうしちゃったのかな
もう一度会いたいんだ、名前も知らないあの人に
. 空色の調べにのせて ~逢いたくて~ 36
*ちょいR18です♡
~Yside~
強張る君を安心させるよう優しく口付けた、髪を撫でながらそっと…そっと
やがてチャンミンの細い腕が俺の首に回り、深くなる口付けに体が熱くなる
躊躇いがちに差し出す舌を吸い上げて逃がさないように絡め取った
「……んっ…はぁっ…あ…んん…」
堪えきれない甘い声が漏れる、身につけているものを一気に剥ぎ取り、生まれたままの姿で肌を寄せ合った
恥ずかしさで顔を隠そうとする手をシーツへと縫い付け、君を形取る全ての場所に口付けを落としていく
シーツの海で身を捩る君は艶かしく、白い肌は赤く染まって俺を煽り続ける
堪らず唇で残す花弁…
小さな胸の突起を舌で吸い上げると、ピクンと体を反らせて可愛く啼いた
…目眩がしそうだよ
白い肌を撫でながら自分の熱を知らせるように押し付けて、チャンミンの中心をぎゅっと握った
「…ああっ…やっ…////」
「チャンミン、すごく濡れてる」
「……あ…言わない…で…ダメ…あっ…!!/////」
先端から溢れる蜜を塗りつけ、強くスライドすると体を震わせて熱を放った
「…チャンミン可愛い、気持ちよかった?」
「…ご、ごめんなさい……手の中に…あの/////」
起き上がろうとする体を押して噛み付くように口付ける、驚いて応えられずに目をくるくるとさせる君、可愛くて堪らないな
「…もっと気持ちよくするよ?」
「……え?/////」
俺は体を下へとずらして、チャンミンの中心を口内へと導いた