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苺な彼とビールな僕

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. そばにいて、愛しい人 ~恋人編~ 23












~Cside~










「何、話してたんですか?」




「ん?チャンミンの悪口」




「えっ?酷い!!チーフ!!」




「いやいや濡れ衣だよ、よく頑張ってるって褒めてたのにさ」




「………///」







クスクスと肩を揺らすユノさんを軽く睨んでコーヒーをテーブルへと置いた






チーフだってわざとらしく目線を逸らしたりして、きっと僕の噂を話してたんだよね、うん///







ミーティングルームから感じる視線に気付いてはいたけれど






何だか二人で楽しそうに話しているから、仕事の話じゃないなって思ってた






だってチーフは僕らのこと知ってるんだから気になるに決まってる






そ、それに今度の展示会のことだって……







「チャンミン、調色の担当者を呼んでくれないか」




「あ、はい」




「やっぱりインクを変えなきゃならないかもなんだ」




「あ!!すぐに連絡します」







チーフに言われてミーティングルームを出ようとすると、ユノさんがこちらを見て軽くウィンクをする





いくら誰にも気付かれなくても、こんな所でやめてほしいのに……///









あの夜……






初めて肌を重ねた夜から僕の中で何かが変わった気がする






同性と付き合ったのも初めてで、ましてやこんなに好きになっちゃって






溢れる自分の想いをどうしていいかわからずに戸惑ってばかりで






でも、あなたを好きな気持ちに偽りはないから


ずっと側に居たいから







うん、きっと上手く行く!!









「チャンミンコピーとって!!」



「あ、はい!!」



「チャンミーン!!」



「はーい!!」








電話を耳に挟んだまま皆んなに返事をしながらも、こんな忙しい日常も悪くない、なんて








…………思ってしまう僕だったんだ



































































. そばにいて、愛しい人 ~恋人編~ 22













~Yside~










「ユノ、上機嫌だな」




「ん、ああ、そうだな」




「なんだよ、否定もなしかよ」




「はは、まあね」









ガラス越しに忙しく動き回るチャンミンを目で追いながら曖昧に返事を返す俺






今日は展示会の打ち合わせもあってシウォンを訪ねたわけだけど





ま、当たり前に気になるのは我が恋人の姿で……






この前会った時は突然泣き出してしまったから驚いてしまった






でも、ちゃんと話せて良かったと、思う






過去にあった出来事も全ては君に会うことに繋がっていると思えるから





運命だと思うから……





研修期間を終えて本採用も決まったようだし、仕事の評判も上々のようだ






展示会に向けのプロジェクトも着々と進んでいる






俺が依頼したポッティングもフィルムが完成して後は印刷を待つばかりで






「とりあえずこのUVインクで試作してみたんだけど、どうかな?」




「うーん、盛りが今ひとつ、かな」




「やっぱりそうか、チャンミンも気にしてたからな」







サンプルを眺めてしきりに頷くシウォンに苦笑いする






チャンミンとの打ち合わせは主にウチでやっているから、話が通ってるのは当たり前だよな







「なんつーか、デザインも変わるもんだな」




「………え?」




「デザインってのは気持ちも大事なんだって思ったんだよ」




「………」




「とにかく、お前が元気で俺は嬉しいよ」




「シウォン」









目の前でサムズアップしてみせるシウォンに軽く頷きながら、コーヒーを持ってこちらへやってくるチャンミンへと視線を移したんだ




























. そばにいて、愛しい人 ~恋人編~ 21











~Cside~









本当にこのままそうなってしまうと思った……







耳元で繰り返される甘い言葉に


何度も重なる唇に


頭は真っ白になっちゃって







素肌を指で優しくなぞられた時には女の子みたいな声も出ちゃったし、その、初めてソコを触られてしまって!!///






でも、思わず止めようとした僕を制するアーモンドの瞳はどこまでも優しくて







そのままその………ユノさんの手の中に///







そ、その後はちょっとしたパニックになった僕を抱きしめて、落ち着くまでずっと背中をさすっていてくれた……






ユノさんの言葉はまるで魔法のみたいに僕の心に染み入るよう








大丈夫だよって


君だけを愛してるって







僕にどれだけの事が出来るのかわからないけど……






必要とされているなら

あなたをずっと護ってあげたい






ずっと側にいたい……










暖かい胸に顔を埋めながら、そんな事ばかりを考えてしまう僕だったんだ























































. そばにいて、愛しい人 ~恋人編~ 20












~Yside~










「ユ、ユノさん、待って!!」




「いいから黙って」




「………で、でも…んっ///」







リビングから攫うように君を抱いてベッドルームへとなだれ込む





逃げようとする体をシーツへと縫い付けてそのまま唇を塞いだ






……どうやったら伝わるんだろう






こんなにも君に夢中だってこと

こんなにも君を愛してるってこと





身体中がきみを欲していて、君なしではとても生きていけそうもないのに






固く結んだ唇を解くようにペロリと舐めると、驚いて目を見張る君が愛おしい






だってね、もうとまらないんだ







シャツの隙間から撫でる素裸はしっとりと汗ばんでいて






ああ、このまま暴走してしまいそうだよ







「………ん、ユノ、さ///」




「チャンミン」




「……ダ、ダメ、です///」




「どうして?」




「だって、シャワーも浴びてないし、その……///」




「……その?」




「あ、汗臭いし、あの……」




「ん、甘い匂いしかしないよ」




「………あっ///」







触れるたびピクピクと跳ねる首筋に舌を這わせて、真っ赤になった耳に舌を差し込んだんだ






























. そばにいて、愛しい人 ~恋人編~ 19














~Cside~













「ごめんなさい!!ぼ、僕色々考えちゃって!!ま、前の奥さんのこと、とか……」





「チャンミン 」








こんな事言うつもりじゃなかったのに


ただ、貴方を好きなだけなのに……!!






頬を伝う涙を止める事も出来ずぎゅっと唇を噛む






ふわりと頬に触れたのは長い指、溢れる涙を拭ってくれたんだとわかったのは抱き締められた後だった







「馬鹿だな、何もわかってない」




「………///」




「君を誰とも比べた事なんてない、ましてや前の人とか」




「ユ、ユノさ………」




「そのままの君が好きなんだ、男とか女とか関係なくね」




「………///」




「ごめんね、うまく伝えられなくてさ」







そう言って僕の髪を撫でるあなたに胸が潰れそうになる







僕、僕は………!!







「怖いんです、僕」




「チャンミン」




「僕!!自信なくて、だって!!」




「おいで、俺がどんなに君に夢中か教えてあげる」




「………えっ?」








抱きしめられたまま縦抱きにされた僕は、無言のままベッドルームへと連れていかれてしまったんだ

















































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紫苑☆

Author:紫苑☆
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