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. バンビな君にくびったけ ~キスまでの距離~ 14
~Cside~
クリスマスに初めてキスをして以来、ユンホさんは僕に触るのが少しだけ慣れたみたいで…
前みたいに真っ赤になって飛び跳ねたりとかは無くなって
最近はもっと慣れる為にって僕のことをやたらと抱きしめてくるからなんだかこそばゆい
だって甘い言葉ばっかりを囁いてくるんだもの/////
保育園のお散歩とか、毎日顔を合わせることは多くても、こうして抱きしめ合うのは週末だけだし
ユンホさんのマンションに通うのが日課になってしまったっていうか……/////
男同士だし、この先のことは不安しかないんだけど、ユンホさんと二人なら大丈夫な気がする
座ったまんま後ろから抱っこされてて、僕の髪に顔を埋めるユンホさん、顔が見えなくて不安だから振り向いたのにキスされちゃってやっぱり表情はわからない/////
「何考えてたの?」
「……ユ、ユンホさんのこと/////」
「ほんとに?嬉しい」
「な、慣れてきましたか?/////」
「ん、でもドキドキする」
「………僕も/////」
顎を掬われて、ちゅっちゅっと何度か口付けると、嬉しそうににっこり微笑むアーモンドアイ
「前はさ、凄く遠くに感じてたのに」
「……え?/////」
「今はこんなに近い」
「……はい/////」
それから僕らはいっぱいキスをして、隙間なんてないくらいにぴったりと寄り添って
……ちょっと当たってるのが気になったけど/////
もっと二人の距離が縮まるのは、少し先の話
. バンビな君にくびったけ ~キスまでの距離~ 13
~Yside~
先生……いや、チャンミンとの初めてのキスは、甘くて蕩けそうで、とても一回だけじゃ止められそうになくて
何度も啄ばむように触れ合う唇が、ちゅっ、ちゅと音を立てて離れる度に、不安げに瞳を開く君が愛おしすぎて
ほんとはさ、もっと雰囲気のいい場所で、甘い言葉を囁いて、ロマンチックに初めてのキスをする予定だったんだ
……でも、俺ってば考えすぎてたんだな
お互いを思い合っていたって、言葉にしなきゃ伝わらないことだってあるんだ
……まさか、そんなに不安にさせていたなんて
君の不安な心ごと抱きしめて、大丈夫だよって囁いてあげる、俺の心の中を開いて見せてやりたいぐらいだよ
「チャンミン好きだよ、俺……不器用で、なんの取り柄もない奴だけど、ずっと大切にするから」
「……ユンホさん/////」
いっぱいキスしていっぱい話して、やっと落ち着いたのはもう日付も変わるころ、気付けば飯だって食べていなくて
結局二人でカップラーメンを啜る羽目になったけど、それも幸せで
クリスマスは終わっちゃったけど、俺たち二人はもっともっと仲良しになれた、そんな風に思える夜だったんだ
. バンビな君にくびったけ ~キスまでの距離~ 12
~Cside~
『好きすぎて困ってる』
そう言って僕を抱きしめるユンホさんの胸はあったかくて、胸の奥がジンと熱くなって
……ずっとこのままでいたい/////
もっとこのままくっついていたかったけど、ふと気づけばここは歩道のど真ん中で、道行く人にジロジロと見られてしまっていて
「い、行こうか、もっと話したいし/////」
「……は、はいっ/////」
僕達は慌てて体を離すと、手を繋いでユンホさんのマンションへと向かったんだ
本当ならご飯を食べに行く予定だったけど、そんな事より今は二人っきりになりたくて
エントランスを抜けてエレベーターへ、お互い無言のままで、手だけはぎゅっと絡めたまんまで
ドアを開けて中へ入ると、ユンホさんはもう一度僕を抱き寄せた
隙間なんてないくらいぎゅうぎゅうに!!/////
「ずっとこうしたかったんだ、好きすぎて苦しすぎて………俺ってチャンミンには我慢できないみたい、ごめん、勘違いさせちゃって」
「……よかった/////」
「…チャンミン?」
「嫌われちゃったのかって……」
「そんなの、世界の終わりが来たって有り得ない」
「…ユンホさん/////」
「キス、したい」
「……はい」
「いっぱいしていい?」
「……え……は、はい/////」
それから僕達は見つめあって、おでこをコツンと合わせてから、初めてのキスをしたんだ
. バンビな君にくびったけ ~キスまでの距離~ 11
~Yside~
せっかくのクリスマスの待ち合わせなのに、珍しく少し遅れて現れたバンビ先生はなんだか様子がおかしくて
この前のデートの後からあんまり話せてなかったのに、俺ってば意識し過ぎて手も繋げなくなっちゃってたから
少し後ろを歩く先生は俯いたまんまで話してもくれないし、心配になって振り返ればポタポタと透明な雫が落ちるのがわかった
「……わ、別れたくないです/////」
「せ、先生?何言って」
「……も、もう触るのも嫌になっ……た…?」
大きな瞳を涙で濡らして、そんな顔も超絶に可愛いけどなんでそんなに泣いてるの!?
触るのが嫌だとか、そんな事会ってから一回も思った事ないのに!!(汗)
……何か誤解させてしまった、とか?
「チャンミン、俺、触るのが嫌とかあり得ないし、別れるつもりも全くないから!!」
俺の言葉にハッとするバンビアイ、そんな顔されたらどうにも止まらなくなっちまうのに
「ユンホさん……/////」
「好きすぎて困ってる」
「……ふっ……く/////」
俺はポロポロと涙を流す先生を抱き寄せると、どこにも逃げられないよう腕の中へと閉じ込めたんだ
. バンビな君にくびったけ ~キスまでの距離~ 10
~Cside~
デートの日からユンホさんは、なんだか意識し過ぎてるみたいで、動きもおかしいし僕がちょっと触れるだけでも飛び跳ねちゃって
それってどういう意味なんだろう……
この前別れ際に伝えたこと伝わってなかったのかな、一体何でこうなっちゃったの?
手だって普通に繋げるようになっていたのに、僕が嫌がってるって思っちゃったのかな、僕の事をもう嫌いになったとか?
もしかしてお付き合いして、やっぱり女の子の方がいいって思ったのかもしれない
ぐるぐると頭に浮かぶのは悪いことばかり、付き合ったばかりなのにもうフラれてしまうとか
イブは保育園のクリスマス会があって会えないから、クリスマスの夜に約束してこの前渡せなかったキーホルダーも渡したかったけど
もしかしたら終わりになってしまうのかも……
そう思うと自然と足も重くなってしまって、いつもの噴水前に着くのも少し遅くなってしまった
「チャンミン!!/////」
やっぱり鼻を赤くしたユンホさん、にっこり笑って僕の事を迎えてくれるけどやっぱり手は繋いではくれないし
こんなに好きになってしまったのに、別れたくないって思うのは自分勝手なのかな?
「先生?」
少し後ろを歩く僕を訝しげに見るユンホさん、涙が溢れそうで下を向いたらポタポタと雫が落ちてしまった
「な、泣いて……!?ど、どうしたんです!?どっか具合でも!?」
「………たくないです」
「……へっ?/////」
「……わ、別れたくないです/////」
どうにか声を振り絞って見上げたユンホさんの顔は、すぐに滲んで見えなくなってしまったんだ