. スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
. 僕のお尻が狙われてます 12
~Cside~
「どう?落ち着いた?」
「あ、はい///」
「そう、良かった、じゃあ案内しようかな」
「は、はいっ///」
キツイ坂を登ってやっとのことでここに辿り着き、ホッとした所にまた至近距離でのこの笑顔とか
まったく、心臓に悪いったらないよ///
先を歩くチョンさんについて長い廊下を歩く、無駄に広い庭がやたらと目について更に緊張してしまう
だって!!めちゃくちゃ豪邸じゃないか!!
スタジオだって聞いてたのに想像とは全然違うから無駄にキョロキョロとしてしまうよ……
「何?落ち着かない?」
「えっ?わ///」
いきなり隣に来たと思ったらさりげなく伸びてきた手がスルリと僕の腰を撫でる
ゾワゾワとした感覚にギョッとして見上げた先には優しく煌めくアーモンドアイ!!
だから距離が近いんだって!!///
「チ、チョンさん?///」
「ふふ、感じやすいんだね」
「えっ?えっ?///」
か、感じやすいってなんだーーーー!?///
そして腰の辺りを撫でていた指がそのまま僕のお尻へと!!!!///
「ちょっ………どこ触って!!///」
「うん、いいね」
「あっ///」
にっこりと笑ったチョンさんの指が僕のお尻の真ん中をスルリと撫でるから、驚いて尻餅をついてしまう僕だったんだ
. 家政婦さんは恋人 21
~Cside~
「俺が夢中なのはチャンミンだけだから」
「で、でも///」
「反論は無し、さ、帰ろ?」
そう言って僕の手を握る優しいアーモンドの瞳
軽く触れた唇がジンと熱くてまた泣きそうになってしまうよ
だってまさかユノさんが来てくれるなんて思わなかった
サイン会は終わったの?とか
どうして僕の居場所がわかったんだろう、とか
色んな事が聞きたいのに、胸の奥に言葉が詰まってまったく出てきてくれない
タクシーの中でも握った手は離して貰えずに、僕はただ俯くことしかできなくて
そんな僕にユノさんは何を聞くでもなく優しく包み込んでくれる
不器用な僕のすべてをわかってくれてる?
ああ、想いが溢れて止まらないよ
「チャンミン着いたよ」
「あ……///」
「飯は何でもいいか、デリバリーでもする?」
「あ、えっと、下準備」
「そっか、じゃあチャンミンの作った飯、食べよう」
「………はい///」
エレベーターの中で僕の顔を覗き込むあなたが優しくて、思わず泣きそうになる僕だったんだ
. 僕のお尻が狙われてます 11
~Yside~
「やあ、いらっしゃっい」
「こ、こんにちは///」
「連絡来ないから心配してたんだよ、駅まで迎えに行ったのに」
「あ、えっと、なんだか申し訳なくて、その///」
「まあいい、さ、入って?」
「あ、はい、すいません、お邪魔します///」
そう言って申し訳なさそうに眉を下げるバンビアイに思わず口元が緩む
どうやら気を使ってここまで歩いてきたようだが、かなり息が上がっている様子
アトリエまでは結構な坂になっているから、まあ、仕方ない
それにしても必死に汗を拭く様子に思わず構いたくなってしまう、そして汗で額に張り付いた髪が気になって仕方ない
「ふふ、そんなに暑いの?」
「あ、いえ、歩いてきたから///」
「そう、上着を脱いで楽にするといい、それともシャワーでも浴びる?」
「えっ!?///」
ソファにリュックを置きながらギョッとして振り返る君が可笑しくてつい吹き出してしまう
ま、半分くらいは本気だけど……
いや、でもあまり最初から怯えさせるのは良くない、よな(笑)
「あーはーはーは!!冗談だよ」
「あ///」
「お茶でも出すよ、座ってて?」
「は、はい///」
見るからにホッとしてソファに座り込む小鹿ちゃんに、緩む口元が抑えきれない俺だったんだ
. 家政婦さんは恋人 20
~Yside~
「………ユノさん」
「呼んだ?」
「えっ!?///」
しょんぼりと前のめりにかがみ込むシルエット、なんだよ、せっかくのスタイルの良さが台無しじゃないか
生え際から覗くくるんとした髪、遠くからでも見て取れる落ち込みように胸がキュッと苦しくなる
なんだ、まだこんなに近くにいたんだ………
俺の声に驚いて振り返る君にそっとそっと近づいた
だってね、ここで逃げられたら元も子もない、いや、例え逃げられたって地の果てまで追いかけるから
「ユ、ユノさん、どうして………」
「それはこっちのセリフ、メッセージ送ったのに」
「あ………///」
「電話もしたよ?」
「ご、ごめんなさい///」
しゅんとして俯く前髪が風にふわりと揺れる
堪らず抱き寄せると身を硬くするから、逃げられないようにもっと強く抱きしめた
「ユ、ユノさ……」
「心配なんてすること何もない」
「………え?///」
「俺が夢中なのはチャンミンだけだから」
「で、でも///」
「反論は無し、さ、帰ろ?」
硬く結ばれた唇に触れるだけのキスをして、もう一度腕の中に閉じ込めたんだ
. 僕のお尻が狙われてます 10
~Cside~
『帰ったら絶対連絡しろよな!!あ、あとお尻は気をつけた方がいいぞ』
そんなキュヒョンからのメッセージを見て苦笑いする僕
まったく、心配してるんだか面白がっているんだか(笑)
あの後数回のやりとりがあって、見学がてらアトリエに行くことになった
まだモデルの件は正式に受けたわけじゃない、でも興味はあるし、ま、連絡もしちゃってるし
強引そうに見えたのに意外にこちらの事も考えてくれているようで
『モデルなんて初めてだろうから見に来るといい』
なんて、そんな風に言われたら………
こ、声も低くて優しいんだよね、チョンさんって///
服は何でもいいって言われたけど、一応新しめのシャツを選んでジャケットも羽織ってみた
鏡に写る自分は相変わらずイケてないのに、こんな僕がモデルだなんて
もしかして抽象画、とかなのかもしれない、画家だなんて計り知れないから
ぐるぐると考え方ながら地下鉄を乗り継いで1時間ほどかけて郊外までやってきた
山手にある閑静な住宅が立ち並ぶ駅は、まるで別の国に来たかのように静かだった
『駅まで迎えに行くよ、着いたら連絡して』
そんなメッセージも貰っていたけど、探検がてら歩いて行きたい気もする
地図で確認すると然程遠くはないような、とりあえず連絡だけはしておこう
『今最寄駅に到着しました、このままそちらに向かいます』
緊張でドキドキとする胸を抑えながら、アトリエを目指して歩き出す僕だったんだ
. 家政婦さんは恋人 19
~Cside~
「はあ、なに、やってんだろ………」
テミン君とハグをするユノさんを見て咄嗟に会場を飛び出したものの、勿論行くあてなんてある筈もない
時刻はすっかり夕暮れ時で、道行く人たちも足早に帰っていく
肌寒さを感じて思わず自分の肩を抱きしめる、ああ、やっぱり見に来なきゃ良かったのに
これからどうしよう……
このままユノさんのマンションに戻れないし、かといって自分の家に帰るのも………
トボトボと歩いているとポケットの中でスマホがぶるりと震えた
取り出して画面を見てみると、表示されるのはユノさんからのメッセージ
『チャンミンどこ?近くにいるの?』
『電話に出ないけど何かあった?』
『サイン会終わったよ』
そんな沢山のメッセージを見ていると、ユノさんの顔が浮かんで胸がギュッと苦しくなる
好きってこういう気持ち、なのかな?
こんなにも切なくて苦しくて
でも、こんなにも会いたくて、きっと忘れる事なんてできないよ……
じわりと滲む視界、ああ、なんだ、僕ってば泣いちゃってるじゃん
女の子じゃあるまいし、こんな事で
こんな…………
「………ユノさん」
「呼んだ?」
「えっ!?///」
不意に聞こえた声にハッとして振り返ると、そこには肩で息をする汗だくのユノさんの姿があったんだ
. 僕のお尻が狙われてます 9
~Yside~
『あの、モデルの件もう少し詳しく教えて頂けませんか?』
そんな連絡があったのは家に帰って直ぐの事だった
まさか当日中に連絡が貰えると思ってなかったから、少し戸惑ってしまったが
思ったより脈ありでこれは喜ぶべき事、可愛いお尻に一歩近づいたというわけか
まてまて、これじゃあまるで変態みたいだ
昔から変わったところがあると言われていたから、少しは自重しているつもり
でも、どこでそのスイッチが入るのかがわからないのが困りどころで
今回は正に運命の出会いとも云うべきなのかも
だってドストライク過ぎるプロポーションにフワフワの前髪、長い睫毛がくるんと天を仰いで
創作意欲をかられる?
いや、知りたいのは君自身のことなのか、自分でも驚くほどに執着している気がする
ま、とりあえずは見学を兼ねてアトリエに招待をしてみた
滅多に人を呼ぶ事のない俺だけの空間、あれだけ仲のいいシウォンですら呼んだことがないのに
初っ端から二人きりだとかワクワクして踊り出しそうだよ
ふふ、まずは仲良くなるところから
「さて、どうしてやろう」
こっそり撮った君の写真を眺めながら、緩む口元を抑えきれない俺だったんだ
. 家政婦さんは恋人 18
~Yside~
「ふう、やっと終わった」
「ふふん、あんたにしちゃ良くやったじゃない、大盛況だったわよ~」
「はいはい、早く解放してくれよ」
「ちょっと待ちなさいって、まだギャラリーがいんのよ」
イベントのスケジュールを無事終えて控え室のソファにドサリと沈み込む
これが家だったらすぐに寝てしまいそうな程の疲労感、ったく、こういうの本当に苦手なんだって
読者の声が直接聞けたのは貴重だったが、意外にも若い子達が多くて大変だった
読み物しては硬い方だと思っていたし、内容もそれなりに濃いものが多いし
色々な年代の人達に読んでもらえるのはありがたいことだけど
特にあの、最後一緒に写真を撮った高校生?
かなり積極的な感じで畳み掛けるように話してくるからこちらもタジタジで
突然の撮影会にもちゃっかり当たって軽くハグまでされちまって
果ては連絡先まで渡されたような………
一息ついてからスマホを取り出すとメッセージを確認する
今日の打ち上げはパスして帰るつもりだから、ケーキでも買って帰って二人でゆっくりしたい
『ユノさん、僕やっぱりユノさんには相応しくないと思います』
………え?何?
画面に表示されるメッセージは1時間ほど前に送られたもの
朝家を出る時は何の変わりもなかったのに、何でこんなメッセージだとか!!
慌ててメッセージを送ってみるけど既読はつかないし、電話にも出てくれない
思い当たる節を考えてみるがあまりに普段と変わらな過ぎて何も浮かばないよ
「あ、そういや今日チャンミンさん見に来てたわよ」
「えっ!?」
「あのシルエットは間違い無いと思うわ、ふふっ、やっぱり気になっちゃたのね、え、ちょっ!!ユノ!?」
ボアの言葉が終わるか終わらないうちに部屋を飛び出した俺は、まだ近くにいるであろう恋人の元へと走り出したんだ
. 僕のお尻が狙われてます 8
~Cside~
「なんかやばそうな人だったよね、チャンミン、気をつけなきゃダメだよ?」
「あ、うん///」
「まったく、人見知りのクセに割と警戒心ないんだから、そういうのを世間知らずって言うんだよ?」
「わ、わかってるってば」
キュヒョンに引き摺られるようにして帰ったパーティー、バタバタとしてなんだかシウォンさんにもロクにお礼が言えなかった気がする
帰り道に懇々と説教をされながら、頭の中はにっこりと微笑むアーモンドの瞳が離れなかった
だって凄いイケメンだったから///
なんていうのかな、シウォンさんもだけど僕とは全然違う世界の人っていうか、まるで未知との遭遇みたいで
ドキドキがとまらないのは怖かったからだろうか、それとも………
キュヒョンと別れて家に戻ると、胸ポケットに入れた名刺を取り出した
チョン・ユンホ
ユノって呼ばれてたな、画家だなんてどういう生活をしてるんだろう
アーティストの友達とかいないから興味がないといえば嘘になる
提示されたバイト代も破格ではあったし………
グラグラと揺れる心、ああ、やっぱりバイト代が魅力的過ぎて断れそうもない
『帰ったら一度連絡してね』
そう言って微笑む涼やかなイケメン、あの人にもう一度会えるならモデルくらい
まさか脱いだりする、とか?
いやいや、全裸とは言ってなかったし、主に風景画を描いてるって話してからそれはないか
しかも僕は列記とした男なわけだし
僕はゴクリと唾を飲むと、スマホを手に取ってその人の電話番号をタップしたんだ
. 家政婦さんは恋人 17
~Cside~
えっと、これはどういう状況だろう
チクチクと痛む胸を抑えてサイン会を見守っていたけど、イベントの一環として抽選で写真を撮れる権利が貰えるんだとか
そんな話してなかったのに……
予定時間はとっくに過ぎてるのに、未だ大盛況の会場で一際盛り上がる若い子達
一段と目立つ集団の中にいたのはやっぱりテミン君、同級生達に囲まれてキャッキャと騒いでいるのは抽選に当たったから?
………そんな事ってある、のかな
昔おばあちゃんが『悪い事ばかり考えているとそうなってしまうよ』なんて言ってた事を思い出す
ああほら、やっぱり………恥ずかしがるテミン君の肩を抱いてサムズアップするユノさんの姿
さっきスマホに送ったメッセージは当然未読のままで、仕事中なんだから当たり前とは思っても
でも………
こんなに大勢の人が集まる会場じゃ、当然気付いて貰えるわけもなく
必死に送る視線も届く筈もない
そう、ユノさんは有名人なんだ、そしてなによりかっこよくて優しくて
恋人だなんて言われて舞い上がっていたのかな
優しい眼差しは僕だけに向けられるものじゃない?
あんな可愛い子達に囲まれたら、僕なんてただのイケてない家政婦
家事しか取り柄がない…………
「きゃーーーハグしたわ!!」
「やばーーーい」
そんな嬌声の上がる中僕の瞳に飛び込んできたのは、照れながらもテミン君とハグをするユノさんの姿だったんだ