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. 僕はバンビじゃない 23
~Yside~
「ここまで聞いてもう後には引けないよ?」
「なっ!!///」
「君の答えはイエスのみ、だ」
俺の言葉に大きな瞳をくるくるとさせてフリーズする君
………可愛いなぁ、今すぐ食べちゃいたい
一応ね、こういう仕事をしてる以上人を見る目はあるつもり
実際に一ヶ月近く一緒に過ごしてみて、人柄だったり口の固さとかは一通りは判断できる
信用できない奴だったらとっくの昔に追い出してるし、寧ろ………
「こりゃ一目惚れ、だな」
「え?///」
「いや、こっちの話」
「は、はあ///」
待て待て、まだ告白しちまうの早い気がする
もう少し経って、しっかりと君のハートを掴んでからでも遅くはない
だって君の心に俺はきっともういるから!!
「バンビ君、公私ともに宜しくね?」
「ちょ……ん!!///」
「ん?何か?」
「キ、キスしないでください!!///」
「無理」
「なっ!!///」
真っ赤になって逃げていく君の後姿を見つめながら、緩む口元を抑えきれない俺だったんだ
. 僕はバンビじゃない 22
~Cside~
「………へっ?ハ、ハッカー?」
「そう」
「そ、それって犯罪なんじゃ………」
「バンビ君が思ってるのとはちょっと違うかな」
そう言って不敵に笑うアーモンドの瞳
何でだろう、ドキドキとしちゃってとても目を合わせていられないよ
………だってこの前のキス!!///
いやいや、今はそんな事考えてる場合じゃない!!
ハッカーだなんて……犯罪の匂いがプンプンとしちゃって不安しかない
……だから探偵業もこんな風に分からないようにしていたのか
「でさ、続けていい?」
「えっ?あ!!」
「最初に言っておくけど犯罪ではない、俺達は所謂ホワイトハッカーってやつ」
「ホ、ホワイト?」
「そう、早く言えばハッキングする奴を逆に見つける仕事だな、ま、ハッキング自体の意味はもともと犯罪でもなんでもないんだけどね」
長い手足をゆったりとソファに投げ出して余裕たっぷりの表情とか!!
なんでそんなに絵になるんだ!!///
「バンビ君に危険が及ぶことは一切ない」
「で、でも///」
「ここまで聞いてもう後には引けないよ?」
「なっ!!///」
「君の答えはイエスのみ、だ」
にっこりと笑ってサムズアップするチョンさんに、茫然として何も言い返せない僕だったんだ
. 僕はバンビじゃない 21
~Yside~
「もっと割のいいバイトがあるんだけど、興味ない?」
「へっ?へっ?///」
「パソコン、得意だよね?」
「は、はあ///」
俺の言葉に大きな瞳をくるくるとさせて、ちょっぴり開いた口が可愛くて堪らない
この前勢いに任せて奪ってしまったから、警戒しているのか少し距離をとられてる気がする
「で、どう?やる気ある?」
「や、やる気も何も……何をすればいいのか///」
「ん?何、ちょっとネット上で見張り番ってとこ」
「え?」
「バイト代は2倍にするよ、悪い話じゃないだろう?」
「に、2倍……それってまた更に秘密厳守、ですか?」
「もちろん」
「も、もし誰かに話したら………?」
躙り寄る俺に椅子ごと後退りする君、カタンと音を立ててペンが床に落ちると、それを拾うと同時にその手をぎゅっと握った
「チ、チョン、さん?///」
「………誰かに話したら、監禁して襲っちゃう、かな」
「お、襲っ!?///」
「あーはーはーは!!」
絵に描いたようにフリーズする君があまりにも可愛くて、隙をついて艶々の頬にキスをしてやったんだ
. 僕はバンビじゃない 20
~Cside~
晩御飯の用意を済ませて事務所に声をかけると、次に用意された仕事に取りかかる
仕事っていってもほぼ書類作りっていうか、打ち込みっていうか……
秘密厳守ってのはやっぱこの書類の内容ってことなんだろうな
いや、書類と言うよりは報告書、っていうか早い話がスキャンダル !!
一応名前はわかんないように伏せてあるけど、内容を読んでいけばそういうのに疎い僕でもよくわかる
だいたいは女性関係って感じかな、やっぱ探偵だからこういうのは当たり前なんだろう
シンとした部屋にカタカタとキーボードを叩く音が響いてなんだか緊張してしまう
だって今日はずっとチョンさんの視線を感じる気がするんだよね
そりゃ仕事してんだから様子も見られてるとは思うけど、それにしても……
そうっと顔を上げるとやっぱりアーモンドの瞳がこちらを見つめていて
やけに優しいのが気になっちゃう!!
そんな目で見ないで欲しいのに……
「なあバンビ君」
「わわ、はいっ!!」
「そんなに驚かなくても…」
「す、すいません///」
「ふふ、まあいい、ところでこの先のバイトのことなんだけどね」
「えっ?///」
突然この先の話とか、不安しかない!!
ま、まさかクビ、とか!?
僕は緊張のあまりゴクンと唾を飲み込んだ!!
「もっと割のいいバイトがあるんだけど、興味ない?」
「へっ?へっ?///」
「パソコン、得意だよね?」
「は、はあ///」
そう言ってにっこりと笑うチョンさんに、何もわからずコクコクと頷いてしまう僕だったんだ
. 僕はバンビじゃない 19
~Yside~
「凄い現場に居合わせちゃったね」
「テミン、来るときは連絡しろよ」
「ふふん、ユノってばここのセキュリティに安心しすぎじゃないの?」
そう言って悪戯っぽく小首を傾げるテミンにため息をつく
まったく、いいところだったってのに……
いや、逃げられてしまったが(笑)
「で、何の用だ?ただの通りすがりじゃないだろ?」
「へへ、バレたか、今日はあっちの情報」
「ふうん、イェソンからか?」
「うん、内内にね、これが書類とUSB」
「ああ」
「で?あの可愛子ちゃんとどこまでいったの~?」
「お前には関係ない、用が済んだら帰れよ」
「ひっどー!!」
ぶうぶうと文句をたれるテミンに苦笑いして受け取った封書を開いた
………ん、やっぱり忙しくなりそうだな
さて、バンビ君をどうするか
じわじわと逃げられないように………
だってもう君は囚われの身
「ああ!!ユノ笑ってる~」
「はは、気のせいさ」
「ちぇっ、全然相手にしてくんない、帰る!!」
ぷうと頬を膨らませて部屋を出ていくテミンに苦笑いしながら、緩む口元を抑えきれない俺だったんだ