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. 僕のお尻が狙われてます 7
~Yside~
「おいユノ、いったいどういうつもりなんだ?」
「え?何が?」
「急にモデルだなんて、お前人物画は描かないんじゃなかったのか?」
「ん~まあね、でも、描かないわけじゃないさ、こう、インスピレーションがね」
「真面目な学生なんだ、ほどほどにしとけよ?」
当たり前に釘を刺してくるシウォンを軽くかわしてワインを飲み干す
別に揶揄っているわけじゃない
シルエットに惹かれたのは事実なんだから
ま、普段俺が手掛けているのは主に風景画だから、不審に思われるのも無理はない、か
突然の俺の申し出に驚きながらも、小さくコクンと頷いたのを見逃さなかった
だってほら、一人暮らしの大学生なんてバイトに飢えてるに決まってる
モデルのバイトにしては破格の値段を提示しておいた
名刺を握りしめるバンビアイがキラリと光ったのを見逃がす筈がない
ふふっ、主に気に入ったのは可愛いお尻だけれど、必要以上の事は言わなくてもいいだろう
警戒されてしまったのかその後はあまり話すこともなくパーティーは終わってしまった
ちょっと残念だけどあちらからのアクションを待つしかない、かな
帰り際に隙をついて話しかけてみたものの、キュヒョンとかいう友達にガッチリガードされてまったく話せなかった
本人より周りの守りが硬いとか、ますます闘争心に火がついてしまうよ
「チャンミン、連絡待ってるからね」
「あ、えっと///」
「少し考えさせてもらうんで、今日はこれで失礼します!!」
「ちょ、キュヒョン///」
「いいから行くよ?ほら!!」
キュヒョンに引き摺られるようにして帰っていく彼に、とびきりのウインクで別れを告げる俺だったんだ
. 家政婦さんは恋人 16
~Yside~
イベントはいたって順調だった
最初は面倒だと思っていたけど、こうして言葉を交わし小説の感想なんかを直接聞いたりして
こういうのも悪くない、よな
高校の頃から書き始めた小説、まさかこんなに大勢の人が読んでくれるとは思わなかった
話を書くのは自己満と思っていたが、共感して貰えるのはやはり小説家冥利に尽きる
そして意外にも若い世代のファンが多いこと!!
歴史を盛り込んだ少し重めの話が多いのに、いや、かえってこういうのが新鮮なのかもしれない
SNSばかりが飛び交う昨今、文章を読む素晴らしさが伝わればいい、なんて
そういやあの高校生はまだ来ていない……?
サイン会に当たったとか言ってた気がするが………
「U.Kさんこんにちは!!」
「はい、こんにちは」
「やだ、覚えてませんか?テミンです、昨日お会いしました!!」
「ああ、昨日の高校生君?」
「はい!!うわぁ、今日もかっこいいですね~ここにテミン君って書いてください」
次々と捲したてられて言われるがままサインをする俺
まさかサインをする方が緊張してるなんて口が裂けても言えないな(笑)
メッセージを書き終わって本を渡すとやけに潤んだ瞳で見つめるテミン君の姿
えっと、この状況は?
「連絡先、書いてます」
「は?」
「あ、握手してください!!」
「あ、ああ」
やらたと推しの強いその子の気迫に負けそうになりながら、差し出された手を取る俺だったんだ
. 僕のお尻が狙われてます 6
~Cside~
「な、なんだかお尻ばっかり見られてるような気がして………あ!!気のせいだったらすいません!!///」
僕ってばなんて事を言っちゃったんだろう、初対面の人に向かってこんな事!!///
僕の言葉にポカンとしてるのはチョンさんだけじゃない、隣にいたシウォンさんとキュヒョンまで口をあんぐりと開けているし
「ぷっ!!面白い子だね、チャンミン君は」
「へっ?///」
突然クスクスと笑い出したチョンさんは僕の肩をバシバシと叩く
怒ってるわけじゃない?
ていうか、楽しそうに見え……る?
「いやあ、これは失礼、君の後ろ姿があんまり綺麗でね、つい見惚れてしまったんだよ」
「み、見惚れ!?///」
「なんだなんだ、モデルの依頼か?」
「ご名答、さすが我が悪友チェ・シウォン」
「おいおい、うちの可愛いバイトを誘惑するんじゃないよ~」
訳もわからず戸惑う僕、キュヒョンはニヤニヤとして肘打ちしてくるし、何がなんだか……
一通り笑ったチョンさんは胸に手を当てて僕へと向き直る
うお!!
長めのジャケットがやけに似合っててまるで王族のよう
しかもとびきりの笑顔を浮かべる超絶なイケメン具合!!
そ、そんなに真正面から見つめられたらーー!!///
「チャンミン君、会ったばかりでなんだけど、俺のモデルになってくれないか?」
「へっ!?///」
にっこりと笑ったアーモンドの瞳が眩しくて、ついコクンと頷いてしまった僕だったんだ
. 家政婦さんは恋人 15
~Cside~
やっぱり我慢できなかった………
いってらっしゃいと見送ってから掃除を済ませて、洗濯をしながら作り置きのおかずを作ったりしたけど
気になって仕事なんて手につくはずもない!!
だってサイン会だよ?
ユノさんのファンがいっぱい来て好きだって伝えるんだよ?
片付けもそこそこにユノさんの家を飛び出して向かった先はサイン会が行われるショッピングモール
途中でエプロンも外してないことに気付いて慌てて鞄に押し込んだ
初めての場所に戸惑ってウロウロと彷徨っていると、見覚えのある女性が歩いていくのが見えた
あれって編集のボアさん、だよね?
これはチャンスとこっそりと後を追ってみる、ああ、僕ってば本当に何やってるんだろう
こんなことなら最初からついていけばよかったのに
見学に来てもいいって言われていたのに
グルグルと考えながらボアさんの後ろをついていくと、視界が開けて大きな広場が現れた
広場自体は一階にある、サイン会のスペースは小さいけれど吹き抜けの二階三階からは全てが見渡せる感じ?
それならとエスカレーターを駆け上がり、なんとか見える位置へと向かってみる
するとそこにはにこやかな笑顔でサインをするユノさんの姿があった!!
「ねえねえ、あの人かっこいいよね、アイドル?」
「ううん、小説家だって」
「ええー?サイン欲しい、もっと近くで見たい」
「さっき見たけどスタイルも抜群だったよ」
そんな女の子達の声が響く中、僕はキュッと下唇を噛み締める
そうだよ、ユノさんって本当にかっこいいんだ
カッコいいだけじゃなくて、子供みたいに純粋で可愛くて、苺が大好きで………
「きゃーーあの子握手してもらってる!!」
「距離近い!!」
そんな女の子達の声にハッとして見下ろした先には、ユノさんと握手をするテミン君の姿があったんだ
. 僕のお尻が狙われてます 5
~Yside~
「が、画家さんなんですか?」
「ああ、そうなんだよ、高校からの同級生なんだけどさ、まさかアーティストになってるなんてなぁ、ユノ」
「はは、お前も留学してたしな、再会したのは最近なんだ」
「そ、そうなんですね、僕あんまり詳しくなくて、あ、はじめまして!!シム・チャンミンといいます///」
「チョン・ユンホです、宜しくね」
顔を真っ赤にしてチラチラとこちらを伺うバンビアイ、そっか、チャンミンっていうんだ
………実は初めましてじゃないんだよな
彼に興味を覚えたのはシウォンがオーナーを務めるカフェでの事だった
狭い店内をスリムな体で動き回る小さな尻が気になって、つい目で追ってしまったのが始まり
道で見かけた時は声をかけようかと思った程で、流石にそれはやり過ぎかとやめておいた
またカフェに行った時にでもと思っていたのに、まさかこんな所で会えるなんて
ふふっ、これって正に運命ってやつかも
グラスのワインを飲みながらニヤニヤとしていると、親友のシウォンが訝しげにこちらを見つめていた
「なんだ、やけにご機嫌だな~」
「はは、そんなことはないさ」
「チャンミン、気を付けろよ?こいつってば人たらしだからな~」
「ひ、人たらし、ですか?///」
「そうだよ、性別関係なく超絶にモテるの!!いやぁ、羨ましい限りだよ」
そう言って大袈裟に両手を広げるシウォンにクスクスと笑う横顔
長い睫毛がくるりと天を仰いでバサバサと揺れている
そしてやはり目につくのは黒いパンツに隠された小ぶりな尻、そしてそこから伸びる長い足がなんとも………
「チョンさん、あの、僕のお尻に何かついてますか?」
「ん?」
「な、なんだかお尻ばっかり見られてるような気がして………あ!!気のせいだったらすいません!!///」
慌てて口を押さえる君の耳があんまり赤いから、つい手を伸ばしそうになる俺だったんだ
. 家政婦さんは恋人 14
~Yside~
昨日のチャンミンはめちゃめちゃ可愛かった
普段なら誘ってもなかなか泊まったりしてくれないのに、素直に頷いてくれたから本当に驚いた
しかも自分からキスを強請ったりだとか、ぴったりくっついて離れなかったりだとか
部屋で待っててくれたのもすげー嬉しかったし!!
次の日の予定も考えてその夜は濃厚なキス止まりになっちまったけど
これはかなりの進展、近々そうなるって期待してもいいんじゃないか!!
「ちょっとユノ、その顔なんとかなんないの?」
「ふへ?」
「ふへ、じゃないわよ!!もうすぐサイン会が始まんのよ、しっかりしてよ先生!!」
つい昨日のチャンミンを思い出してニヤニヤとしてしまう俺
………そうだった、今日は嫌々ながらもやってきたサイン会当日
ま、思い出し笑いは今に始まったことじゃない、妄想の中では既にこんな事やあんな事も………
控室から会場へ向かう間に咳払いをして顔を整える
今日はクールな小説家先生って事でそれなりにスタイリングも決めてみた
勿論スーツはチャンミンに選んでもらった!!
『ユノさん、カッコイイです///』
玄関で鞄を持って見送ってくれた可愛い恋人!!ああ、帰ったら直ぐにキスをして押し倒して………
「先生入られます」
「お願いします」
スタッフの合図と共に暗幕をくぐって、緊張と共に会場へと足を踏み入れる俺だったんだ
. 僕のお尻が狙われてます 4
~Cside~
「うん、いいね」
「へ?///」
にっこりと笑って僕の前にやってきたその人
ちょっと!!男の僕でも赤面するほどのイケメンじゃないか!!///
シウォンさんの知り合いならセレブだとかモデルだとかの類なのか
あまりのオーラに開いた口も塞がらないし、眼鏡も曲がったまんまだし
「あ、あの?///」
「うん、正面からもいい、後ろ向いて?」
「へ?わわ!!///」
「やっぱり思った通りだ、いいね」
いきなり肩を掴まれたと思ったらくるりと体を返されて、なんだかわかんないままやたらに見つめてくるその人!!
しかもボディタッチが半端じゃない!!さっきからずっと僕のお尻を揉み揉みと!!///
い、一体何なんだ!!いくらイケメンでも失礼すぎじゃないか!!
「ち、ちょっと!!///」
「なんだユノ、来てたのか」
「あ、シウォンさん///」
「この子にするよ、いいね」
キュヒョンと肩を組んでご機嫌なシウォンさんに、ユノと呼ばれたその人はニヤリと笑ってサムズアップしたんだ
. 家政婦さんは恋人 13
~Cside~
「それでさ、リハの後高校生に囲まれちゃってさ~」
「ええ、大丈夫だったんですか?」
「ああ、スタッフが来て助けてくれたけどびっくりしたよ、いきなり『U.Kさんですよね』なんて言うもんだから」
夕方から出て行ったユノさんが帰ってきたのはもう夜の9時を回ってからだった
晩御飯は食べたみたいだけど、おにぎりが食べたいっていうから小さめのやつを二つ、お味噌汁もつけて
家に帰っても良かったのにここにいたのはちょっぴり不安だったから
高校生か、やっぱり若い子に人気があるんだ……
僕の通ってるお屋敷のお孫さんもかなりのファンなようでU.Kの小説は全巻集めてるって言ってたし
サイン会にも行くって言ってたし
確かそんなに大勢が当たるイベントではなかった筈、なのに当たってるとかよっぽど好きなんだろう
通ってる家のことだからあまり話せないし、話したところで呆れられてしまうかもしれない
だって、僕にはどう考えてもユノさんを留めておく魅力が無いもの………
「なんか元気ないな、どうかした?」
「あ、いえ///」
「俺に話せないようなこと?」
そう言ってじっと見つめるアーモンド瞳から目が離せない
ああ、好きすぎて何もかもに妬けてしまうとか、そんな事言える筈……
どうしようかと考えていると、不意に腕を引かれて僕はユノさんの膝の上に乗せられていた
どうしよう、嬉しいけど泣いてしまいそうなのに
「なんで泣きそうなの?」
「な、なんでも、ない、です///」
「ふうん?まあいい、今夜は泊まっていって?明日起こして欲しいから」
「えっ?ユノ、さ………んっ///」
畳み掛けるように話すユノさんに反論できないまま、僕の唇はしっかりと塞がれてしまったんだ
. 僕のお尻が狙われてます 3
~Cside~
「やあチャンミン、よく来てくれたね」
「あ、あの、今日はお招き頂いて、その///」
「ははは、堅苦しい挨拶はなしだ、で、そっちがキュヒョン君かな?」
「あ、はい!!」
スマホの地図を頼りにやってきたシウォンさんの実家
お誘いを受けてのこのことやってきたものの、あまりの豪邸に腰がひけてしまうよ
一緒についてきたキュヒョンも目をくるくるとさせているし
一応ジーパンだけはやめておいて良かった、まさかこんな本格的なパーティーだなんて
軽い気持ちで来るところじゃない気がする(泣)
ニコニコとご機嫌なシウォンさんに案内されたのは綺麗な芝生のバカでかい庭
そしてそこに置かれたでっかいテーブルに並ぶ豪華な料理の数々!!
そうか、セレブってやつは毎日こんなものを食べているんだ
だからあんなに艶々で照り照りなんだ……
「さ、遠慮なく召し上がれ、後で友人にも紹介するからね」
「あ、あの、シウォンさん、僕達場違いなんじゃ……」
「なに言ってるんだ、可愛い後輩じゃないか、キュヒョン君も同じ大学なんだよな?」
「そ、そうなんです、あの、経済学部で」
「へえ、俺のいた学部と一緒だな、あの教授まだいるのかな?ほら、白い髭の」
「ああ!!」
思いの外キュヒョンとシウォンさんは馬が合うようで、僕なんてそっちのけで盛り上がり始めた
なんだよ、そしたら僕は一人でどうすりゃいいんだ、なんて思っていたら、サッとウェイターらしき人に飲み物を渡された
これって所謂食前酒?
いや、シャンパンなのかな?
渡されたグラスをじっと眺めていると後ろから感じる熱い視線
ハッとして振り返るとスラリと背の高いイケメンが手を顎にあててこちらを見つめていた
「うん、いいね」
「へ?///」
そう言ってにっこりと笑ったその人は、僕を見つめたままゆっくりとこちらへ歩いてきたんだ
. 家政婦さんは恋人 12
~Yside~
「それで、進行の挨拶が終わったらこちらの席に移動して……って、ちょっとユノ!!聞いてんの?」
「へ?ああ」
「もう!!誰のイベントだと思ってんのよ!!」
そう言って声を荒げるボアに軽く手をあげて誤魔化す俺
いよいよ明日に迫ったサイン会のリハの為、わざわざ会場にやってきたわけだけど
やっぱり辞めて帰りたいのが本音、かな
会場と言っても元々はショッピングモールの広場のような所で、二階からも見渡せる造りになっている
ったく、こんなの見せ物じゃねえかよ……
小説家なんて姿が見えないからいいんじゃないか、何が悲しくてこんなことを
往生際悪くぐるぐると考え込んでいると、ふと視線を感じて顔を上げた
するとそこには数人の学生らしきグループが柱の影からこちらを伺っていた
見たところ高校生、か?
『え、絶対そうだよ』
『うそー本人が来るとか凄くない?』
『思ったより若いね、カッコいい』
閉店間際の時間を利用しての短時間のリハーサル、なんだよ、これってバレちゃってるんじゃね?
一応サングラスをしておいてよかった、あんまり顔バレすんのは………
「あの、もしかして明日ここでイベントされるU.Kさんですか?」
「あ、いや///」
突然駆け寄ってきたと思ったら声をかけられて、思わずドギマギとしてしまう俺だったんだ