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苺な彼とビールな僕

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. ユノ社長の憂鬱 8














~Yside~











「………あの、ユノさん、やっぱり先にシャワー浴びてください///」





「ん?どうして?」





「の、上気せちゃいそう、だからその……///」









そう言ってキッチンに逃げてしまう可愛い恋人







さっきの薬が効き過ぎたか(笑)








食事中に早く抱きたい、なんて言ったせいでシチューを溢してしまった君







あたふたと慌てる姿が可笑しくてつい笑ってしまったら、拗ねたように顔を背けるから真っ赤になった耳にキスをしてやった







そして甘い声を上げるから止まるわけなんてなく、それから暫くはお互いの唇を貪りあった







「片付けたら入りますから!!///」







なんてキッチンから慌てた声も聞こえたことだし、ここは逸る気持ちをグッと堪えてシャワーを浴びるとするか








しかし気になるのはさっきの話で、今日行った取引先での後輩との再会とか






夜通しゲームをする仲だったとか







どこをどう考えてもモヤモヤとして気に入らないのは、やはり愛情のバロメーターというところか







この俺が嫉妬だなんて………








「あの、ユノさん、着替え置いておきます」





「ん、ありがとう」





「い、いえ///」







バスルームの扉に映るシルエットにさえ高鳴る君への想いに、少々戸惑ってしまう俺だったんだ

































. 僕はバンビじゃない 23














~Yside~













「ここまで聞いてもう後には引けないよ?」






「なっ!!///」






「君の答えはイエスのみ、だ」










俺の言葉に大きな瞳をくるくるとさせてフリーズする君







………可愛いなぁ、今すぐ食べちゃいたい








一応ね、こういう仕事をしてる以上人を見る目はあるつもり







実際に一ヶ月近く一緒に過ごしてみて、人柄だったり口の固さとかは一通りは判断できる








信用できない奴だったらとっくの昔に追い出してるし、寧ろ………








「こりゃ一目惚れ、だな」




「え?///」




「いや、こっちの話」




「は、はあ///」








待て待て、まだ告白しちまうの早い気がする





もう少し経って、しっかりと君のハートを掴んでからでも遅くはない






だって君の心に俺はきっともういるから!!








「バンビ君、公私ともに宜しくね?」





「ちょ……ん!!///」





「ん?何か?」





「キ、キスしないでください!!///」





「無理」






「なっ!!///」










真っ赤になって逃げていく君の後姿を見つめながら、緩む口元を抑えきれない俺だったんだ










































. ユノ社長の憂鬱 7
















~Cside~













「それと社長はなし、名前で呼んで?」





「あ!!………ユ、ユノ…さん///」








いけないいけない




僕ってばすぐ社長って言っちゃうんだよね……








ちょっぴり不機嫌に見えたのは疲れてるせい?



はしゃぎ過ぎたかと思ったけど、なんだかそうじゃないみたい






いつもはクールな大人って感じだけど、こんな風に感情を出してくれるのは嬉しかったりもする







だってそれって僕に気を許してくれてるってこと、だよね!!








ユノさんのジャケットをクローゼットにしまうと慌ててキッチンへと戻る僕








今日は寒いからシチューにしたんだ



簡単メニューだし、チキンのサラダも一緒に添えて……







「で?その後輩とはどうなったの?」





「あ!!えっと、連絡先の交換をしたんです、まさか取引先で働いてるなんてってお互い感心しちゃって」




「ふうん」







シチューを食べながらじっとりと見つめるアーモンドアイ







なんだろ、やっぱり何か怒って………?








「ユノ、さん?」






「飯が終わったら一緒にシャワーを浴びよう」






「へっ?///」






「早く抱きたい」






「!!!!///」








ユノさんの言葉に思わずフリーズしてしまう僕!!








な、何………今なんて………!?///










「チャンミン、溢れてるよ」






「………へっ?わわっ!!///」










持ったままのスプーンからポトリと溢れるシチューに驚いて、お皿をひっくり返してしまった僕だったんだ






















. 僕はバンビじゃない 22















~Cside~












「………へっ?ハ、ハッカー?」






「そう」







「そ、それって犯罪なんじゃ………」







「バンビ君が思ってるのとはちょっと違うかな」









そう言って不敵に笑うアーモンドの瞳







何でだろう、ドキドキとしちゃってとても目を合わせていられないよ








………だってこの前のキス!!///







いやいや、今はそんな事考えてる場合じゃない!!







ハッカーだなんて……犯罪の匂いがプンプンとしちゃって不安しかない







……だから探偵業もこんな風に分からないようにしていたのか 











「でさ、続けていい?」





「えっ?あ!!」





「最初に言っておくけど犯罪ではない、俺達は所謂ホワイトハッカーってやつ」





「ホ、ホワイト?」





「そう、早く言えばハッキングする奴を逆に見つける仕事だな、ま、ハッキング自体の意味はもともと犯罪でもなんでもないんだけどね」









長い手足をゆったりとソファに投げ出して余裕たっぷりの表情とか!!






なんでそんなに絵になるんだ!!///









「バンビ君に危険が及ぶことは一切ない」





「で、でも///」





「ここまで聞いてもう後には引けないよ?」






「なっ!!///」






「君の答えはイエスのみ、だ」










にっこりと笑ってサムズアップするチョンさんに、茫然として何も言い返せない僕だったんだ


















. ユノ社長の憂鬱 6














~Yside~











「え?後輩に会った?」





「そうなんです!!今日行った工場で働いてるみたいなんです!!」







仕事を片付けて自宅へと戻ると、迎えてくれるのは愛しい恋人の笑顔







すぐにでも抱き締めて腕の中に閉じ込めてしまいたい……が







どうやらそれどころじゃないようだ







工場視察から戻って一緒に帰ればいいと思っていたのに







『テミンさんに怪しまれますから///』







なんて小声で囁くから思わず笑ってしまった




そして結局テミンには詰め寄られていたし(笑)










「で、今日行った工場で後輩に会ったわけだ」






「はい!!ずっと慕ってくれてた子なんです、二人で夜通しゲームしたりとか、凄い偶然過ぎてテンションあがっちゃいました」










ふうん……慕ってくれていた子、ね








着替えをしながらチャンミンの話を聞いていたものの、なんだか少し気に入らない







まったく、俺ときたらこんなにも心の狭い奴だったのか……








「……あの、社長?」






「あ、いや」






「ど、どうかしましたか?すいません、お疲れのところついはしゃぎ過ぎちゃって」









俺のジャケットを持ったままシュンと項垂れてしまう君






疲れてるわけじゃないんだが……







「じゃあ後でたっぷり癒してくれる?」





「えっ?あ……はい///」





「それと社長はなし、名前で呼んで?」





「あ!!………ユ、ユノ…さん///」









顔を真っ赤にしてクローゼットに隠れてしまう君を見つめながら、やっぱり笑ってしまう俺だったんだ































. 僕はバンビじゃない 21













~Yside~











「もっと割のいいバイトがあるんだけど、興味ない?」





「へっ?へっ?///」





「パソコン、得意だよね?」





「は、はあ///」









俺の言葉に大きな瞳をくるくるとさせて、ちょっぴり開いた口が可愛くて堪らない







この前勢いに任せて奪ってしまったから、警戒しているのか少し距離をとられてる気がする







「で、どう?やる気ある?」





「や、やる気も何も……何をすればいいのか///」





「ん?何、ちょっとネット上で見張り番ってとこ」





「え?」






「バイト代は2倍にするよ、悪い話じゃないだろう?」





「に、2倍……それってまた更に秘密厳守、ですか?」






「もちろん」






「も、もし誰かに話したら………?」










躙り寄る俺に椅子ごと後退りする君、カタンと音を立ててペンが床に落ちると、それを拾うと同時にその手をぎゅっと握った








「チ、チョン、さん?///」






「………誰かに話したら、監禁して襲っちゃう、かな」

  



「お、襲っ!?///」





「あーはーはーは!!」










絵に描いたようにフリーズする君があまりにも可愛くて、隙をついて艶々の頬にキスをしてやったんだ
































. ユノ社長の憂鬱 5












~Cside~













「ここじゃ言えないなら家で聞こうかな」





「えっ?///」





「今夜来て、ね?」





「あ……はい///」










そんな何気ないやりとりにもドキドキとして胸が苦しくなる







明日も仕事だってこと、忘れたくなっちゃうよ







だって一晩中あなたに愛されたいのに………///








そんな甘い時間がずっと続くわけもなく、当たり前に仕事に戻らなきゃいけないわけで








工場視察の時には赤い顔が元に戻んなくて心配されてしまった








前を歩く社長の後ろ姿につい見惚れてぼんやりとしてしまったり








涼しげな横顔に甘い溜息をついてしまったり……









少し頭を冷やそうと社長がミーティングをされている間工場の中にあるカフェへとやってきた








ここまで大規模な工事だと会社の中にコンビニやカフェが入ってるんだ……








うちのビルにも入ってるけど、こういう所は普段こないから珍しい









アイスコーヒーを頼んで窓際の席に座るとホッと一息をつく









………今日は早く帰れそうだから何か作ってあげようかな






そして二人でワインとか開けちゃって………












「…………あの、もしかして、チャンミン先輩!?」






「へっ!?///」









突然声をかけられて振り返った先には、満面の笑みで僕を見つめる懐かしい人の姿があったんだ

























. 僕はバンビじゃない 20














~Cside~








晩御飯の用意を済ませて事務所に声をかけると、次に用意された仕事に取りかかる 






仕事っていってもほぼ書類作りっていうか、打ち込みっていうか……






秘密厳守ってのはやっぱこの書類の内容ってことなんだろうな






いや、書類と言うよりは報告書、っていうか早い話がスキャンダル !!







一応名前はわかんないように伏せてあるけど、内容を読んでいけばそういうのに疎い僕でもよくわかる






だいたいは女性関係って感じかな、やっぱ探偵だからこういうのは当たり前なんだろう







シンとした部屋にカタカタとキーボードを叩く音が響いてなんだか緊張してしまう







だって今日はずっとチョンさんの視線を感じる気がするんだよね







そりゃ仕事してんだから様子も見られてるとは思うけど、それにしても……







そうっと顔を上げるとやっぱりアーモンドの瞳がこちらを見つめていて







やけに優しいのが気になっちゃう!!

そんな目で見ないで欲しいのに……







「なあバンビ君」




「わわ、はいっ!!」




「そんなに驚かなくても…」




「す、すいません///」




「ふふ、まあいい、ところでこの先のバイトのことなんだけどね」




「えっ?///」






突然この先の話とか、不安しかない!!




ま、まさかクビ、とか!?




僕は緊張のあまりゴクンと唾を飲み込んだ!!






「もっと割のいいバイトがあるんだけど、興味ない?」





「へっ?へっ?///」





「パソコン、得意だよね?」





「は、はあ///」








そう言ってにっこりと笑うチョンさんに、何もわからずコクコクと頷いてしまう僕だったんだ












































. ユノ社長の憂鬱 4













~Yside~












「君を連れて来たくてね」






「………///」








そんな俺の言葉に慌てて視線を逸らしてしまう君、ああ、今すぐに抱き締めてしまいたくなる







ここが外なのが恨めしい







早く会社を出たのは二人でゆっくりしたかったから






こんな職権濫用はイトゥクに見つかったらまた煩く言われてしまいそうだが……






偶には癒されてもいいだろう







オーダーを済ませると肘をついて我が恋人をじっと見つめる






まだ見たいからとメニューを持ったままの君はチラチラとこちらを伺っていて





まったく、食事に関してはまるで子供のようだ(笑)


 




「あ、あの///」






「ん?どうした?」






「し、社長からハンバーガーの言葉が出るとは思いませんでした」





「うん?そうか?」





「だ、だってイメージになくて」





「ふうん?じゃあどんなイメージ?」





「あ、えっと///」








俺の質問にタジタジと怯む君は視線を泳がせる







君の目に映る俺がどんなイメージだというんだろう、これは聞き出さなきゃ仕事にも戻れそうもない







「チャンミン?」




「……む、無理、です///」




「え?///」




「こ、ここじゃとても言えそうに、ない、です///」








そう言って頬を染め、メニューで顔を隠してしまうとか








「ここじゃ言えないなら家で聞こうかな」





「えっ?///」





「今夜来て、ね?」





「あ……はい///」










テーブルの上でもじもじとする君の手をそっと握って、メニューの奥に隠れてしまった恋人の顔を覗き込んだんだ








































. 僕はバンビじゃない 19
















~Yside~










「凄い現場に居合わせちゃったね」






「テミン、来るときは連絡しろよ」






「ふふん、ユノってばここのセキュリティに安心しすぎじゃないの?」








そう言って悪戯っぽく小首を傾げるテミンにため息をつく









まったく、いいところだったってのに……



いや、逃げられてしまったが(笑)








「で、何の用だ?ただの通りすがりじゃないだろ?」





「へへ、バレたか、今日はあっちの情報」





「ふうん、イェソンからか?」





「うん、内内にね、これが書類とUSB」





「ああ」





「で?あの可愛子ちゃんとどこまでいったの~?」 






「お前には関係ない、用が済んだら帰れよ」






「ひっどー!!」










ぶうぶうと文句をたれるテミンに苦笑いして受け取った封書を開いた







………ん、やっぱり忙しくなりそうだな







さて、バンビ君をどうするか



じわじわと逃げられないように………








だってもう君は囚われの身










「ああ!!ユノ笑ってる~」





「はは、気のせいさ」





「ちぇっ、全然相手にしてくんない、帰る!!」










ぷうと頬を膨らませて部屋を出ていくテミンに苦笑いしながら、緩む口元を抑えきれない俺だったんだ




























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紫苑☆

Author:紫苑☆
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