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. ヒョンの隣
~Cside~
今朝はいつもより朝早くに目が覚めた…
そう、今日はユノヒョンの転役の日、数日前からのネットやSNSでのカウントダウン、僕の周りもそわそわと落ち着かない様子で
まあ、僕もその一人なわけだけど/////
最近は仕事の打ち合わせで事務所に行くことも増えて、ユノヒョンに会う機会も多くなって
自身も転役に向けての心構えっていうか、やっぱり待ち望んでいる事だから
先にユノユンホに戻るヒョンに、胸がじわりと熱くなってしまうんだ
でも……そんな中、ユノヒョンの新しい友人達の名前も聞いたりするわけで
ほんとこの人ってどこにいても変わらない
いつだって周りにいる人を魅了して、気付けば大勢の仲間達に囲まれて自分の居場所を築いている
誰もがヒョンの事を好きになって、いつの間にか人の中心にいて、皆んなとじゃれあっていて
いつまでたってもライバルは増える一方、だな(笑)
ユノヒョンの隣に立てるのは自分だけだって思っていても、やはり不安も多かったりする
……きっと僕には自信がないんだよね
そんな中スマホが震えて告げる着信は、僕が一番待ち望んでる人の名前で
『もしもしチャンミナ?』
「……はい/////」
『なんだよ、ずっと出ないから心配したじゃん』
「…ヒョン、飲んでますか?」
『ああ、今日はお祝いだからね、チャンミナは?』
「……ヒョン、あの/////」
『うん?どうした?』
「……おかえりなさい」
『ああ、ただいま』
「……/////」
『バカ、泣くなよ』
「…なっ!!泣いてなんか!!/////」
『後少しだよ、チャンミナ、ほんの少しだ』
「わ、分かってます……/////」
思わず溢れそうになる涙をぐっと堪える、どうしてあなたには全て分かってしまうんだろう
いつだって僕はあなたの一歩後ろを歩いているのに
ヒョンの隣に戻るには後少しの時間がかかるから、少しだけ待っていてください
眩しい光が降り注ぐ夏の日まで
完全体まで後少し
僕ら二人が新たなスタートを切るまで……
. 愛の詩をきかせて ~仔鹿君の憂鬱~ 52
~Cside~
ユノさんと実家に行ってから僕の周りで色々と変化があった
ラーメン屋のバイトは相変わらずだし、大学だってちゃんと通っているけど
僕が図書館にいると、時々ヤンヒョンさんが顔を見せるようになって
元々館長とは懇意の仲だって話だけど、何故だか僕のいる所はバレてしまうみたいで
それを知ったユノさんは不機嫌そうにしていたけど、もし…僕が二人の距離を縮められたら……なんて
だってね、血の繋がった親子なんだし……
今は無理でもそのうち三人でカフェでも行って話せたら、とか
そういえばお見合い相手のスンヨンさんはかなり怒っていたみたいだけど、あれからどうなったのか聞いてない
ジヘさんは放っておけばいいって話してたけど、気になってしまうのは仕方のないこと
やっぱり考え込んでしまう僕にジヘさんはユノさんにそっくりな笑顔で
「そのうち男同士でも子供ができるようになるんだから大丈夫よ」
なんて、ちょっとズレた慰め方をされてしまって(笑)
まあ……当たらずとも遠からず、かな
僕ら二人だけじゃなくて、周りもみんな幸せになって欲しいから
欲張りだよね、僕って…
「チャンミン、おいで」
「あ……ユノさん!!/////」
「早くしないとまた父さんがやってくる、急いで」
「……へ?わっ!!/////」
僕を縦抱きにして逃げるユノさん、遠くにはヤンヒョンさんの姿が見えるっていうのに
でも、こんな風に独占されることがこんなにも心地いいなんて……
ユノさん、僕ってすっかりあなたに絆されてしまったみたいです(笑)
. ユンホ先生はバンビがお好き 9
~Cside~
心地よい温もりに抱きしめられて目覚める朝は、何よりも幸せな……こと……え……?
え、えええっ!?/////
僕は今まさに誰かの腕の中にいて、寝返りこそ打てないけどここは恐らくベッドの中
恐る恐る顔を上げると、超絶イケメンがスウスウと寝息を立てていて/////
……こ、この人って昨日の夜助けてくれた外科医の先生!?
ま、待て待て待て待て!!/////
落ち着くんだシム・チャンミン、昨日僕は合コンに参加してて、それで二次会が嫌で抜け出して、店のカウンターで匿ってもらって……それから?
記憶を総動員してぐるぐると考えを巡らせる、どこをどう間違ってこんなことになったんだ!!/////
「……ん」
そうこうしてるうちにイケメン先生は睫毛を震わせてパチリと目を覚ました
あ……黒目がちな瞳が綺麗/////
なんて見惚れてるうちにちゅっと音を立てて触れる唇、え……なになに僕ってばキスされちゃった!?/////
「おはようバンビ君」
「……へっ!?/////」
「昨日は楽しかったよ」
「……はっ!!!!/////」
「見かけによらず激しいんだね、最高の夜だったよ」
「!!!!なっ……なっ!?/////」
意味ありげに微笑むイケメン先生につるりと体を撫でられてピクンと反応してしまう
そして、何も着ていないことに今更ながらに気づいた僕は、驚いてそのままベッドから落ちてしまったんだ
. 愛の詩をきかせて ~仔鹿君の憂鬱~ 51
~Yside~
父が倒れた次の日、嘘のように元気になった父とチャンミンも一緒に朝食を摂った
母さんとパクさんの作るサンドイッチにグリーンサラダ、スープというシンプルなメニューだったが…
何というか今までにないようなこそばゆい、そんな和やかな朝の食卓だった
チャンミンと笑顔で話す父はとても楽しそうで、大学や図書館の話などをして盛り上がっていて
横から茶々を入れるジヘにドギマギとしながら応える仔鹿君が愛おしくて堪らない
母さんもコーヒーを淹れながらニコニコと微笑みながら
「チャンミンさんは、この家に新しい風を入れてくれる人なのかもね」
なんて、一人でウンウンと納得していたり(笑)
社長も辞さない覚悟で来たというのに、まさかこんな展開になろうとは
……君ってひとはまったく、どんな魔法を使ったんだか
いや、俺もその魔法にかかった一人なのか
帰り間際に父から呼び止められ、ため息まじりに言われた言葉
「正直、男同士での恋愛に理解がある方ではないが…」
「父さん…」
「チャンミン君はいい子だな」
「はい…
「……また帰って来なさい」
そう言って俺を見つめる父さんの顔は今まで見たこともないくらい穏やかな表情で、心がじわりと温かくなる気がしたんだ
. ユンホ先生はバンビがお好き 8
~Yside~
初めは抵抗していたバンビ君、深くなる口付けに蕩けるような表情でゆっくりと瞼を閉じる
……ふふ、とうとう諦めた?
キスはそのままにシャツの隙間から指を滑らせてベルトへと手を掛けようとしたそのとき!!
スウスウと安らかな寝息が聞こえてきた!!
……え?まさか……?
体を起こして改めて見下ろすと、そこには気持ちよさげに爆睡する彼の姿
「……は!!嘘だろ?」
思わず出てしまった声にピクリと反応するも、ムニャムニャと寝言を言いつつ眠りの世界へとまた旅立つ君
何故か俺のシャツは握りしめたまま…
まさかキスの途中で眠ってしまうなんて、こんなこと人生初かもしれないな(笑)
はだけたままのシャツから覗く肌は、こんなにも艶めかしくて色っぽいのに
目尻が赤いのは酔ってるせい?長い睫毛がふるふると揺れていて
このまま離したく、ない……な
「バンビ君、ちょっといたずらさせて貰うよ」
俺はバンビ君のベルトをカチャカチャと外すと、ジーンズごとスルリと抜き取ったんだ
. 愛の詩をきかせて ~仔鹿君の憂鬱~ 50
~Cside~
「………あっ………/////」
「朝からエロいね仔鹿君」
「やぁ……んっ/////」
いきなりベッドに運ばれたかと思ったら、噛みつくように口付けられて、その……口でされてしまって/////
ユノさんの実家で、しかも朝からこんなことダメだって思うのに、容赦ないユノさんの唇は僕の体を這い回る
僕をこんなにエロくしたのはユノさんの癖に……そんなこと言うの酷いと思う/////
結局口でイカされて、くったりとした僕を抱きしめるユノさん腕はしっとりと汗で濡れていて
本当ならこのまま…………だ、だめだめ!!/////
どうにか離してもらえたのはそれから暫く経った後で
さっきお父さんに朝食に誘われたのに……でも、それを伝えたらもっと不機嫌になってしまって
でも……少し拗ねたように見えるのは気のせいじゃないみたい
まさかお父さんと仲良くしたからヤキモチ、とか……?
そうだったらその怒ったような背中も可愛く見えてしまう(笑)
「ユノさん」
「……何?」
「………あの、帰ったら…続きしてください/////」
「!!仔鹿君は本当にエロくなった」
「だ、誰のせいだと思ってるんです?責任とってくださいよ?/////」
「もちろんだとも」
そう言って不敵に笑うユノさんの笑顔に、体の奥がジンと熱くなるのを止めることができなかった僕をだったんだ
. ユンホ先生はバンビがお好き 7
~Cside~
「…らめれすって……あっ……/////」
先生は僕のぺったんこの胸の突起をペロペロと舐めて舌で転がし始める
そんなとこ舐めるから変な声が出ちゃうよ/////
必死に引き剥がそうとするのに僕の腕はがっしりと先生に掴まれてしまって
抗議の言葉はそのまま先生の唇で塞がれちゃったし、力も入んないしでもうどうしていいかわかんない
「バンビ君もっと気持ちいい事しよ?」
「……き、気持ちいい事?/////」
「ほら、掴まって?」
「……え……わっ!!/////」
先生は僕の体をふわりと抱き上げて歩き出す、これって所謂お姫様抱っこってやつ!?/////
ドアを開けると大きなベッドへと寝かされて、黒眼がちなアーモンドアイが落ちてくる
「……だから女の子じゃないれすって/////」
「ん、わかってるよ?」
僕を見下ろす先生はなんだか楽しそうに笑っていて、胸がドキドキするのはなんでだろう//////
「君のこと気に入っちゃったんだ」
指と指を絡ませてちゅっと僕の手の甲にキスをする先生は超絶にかっこ良くて
……ああ、もう頭がまわんないのに
ふわふわのベッドで蕩けるようなキスをいっぱいされちゃって、僕はとうとう目を閉じてしまったんだ
. 愛の詩をきかせて ~仔鹿君の憂鬱~ 49
~Yside~
朝、眼を覚ますと隣にいるはずの温もりがいなくて思わず飛び起きる
……チャンミン、どこへ行った?
慌てて辺りを見回すと、窓から庭で話すチャンミンと父の姿が目に入った
じっと様子を伺っていると、なんだか二人は笑っていてとても楽しそうに見える
それにしてもあんなに薄着で……
俺は椅子に掛けてあったパーカーを手に取るとテラスから二人の元へと向かった
「あ……ユノさん!!/////」
「チャンミン、起きたら居ないから心臓が止まるかと思った」
「……ご、ごめんなさい/////」
「ユンホ、私が引き止めたんだ、それでは私は行くよ、チャンミン君また会おう」
「あ……はい!!/////」
去って行く父の後ろ姿を見送ると、すっかり冷えてしまった体を包んで部屋へと引き返す
全く、こんなに冷たくなってしまって
「ユノさん?……わっ!!/////」
部屋に入るなりすっぽりと抱きしめて首筋に顔を埋める、ピクンと跳ねる体をしっかりとホールドして腕の中に閉じ込めた
「……何話してたの?」
「あ……い、色々、です/////」
「そう、随分楽しそうに見えたから」
「………ユノさん、あの/////」
「とりあえずおはようのキスさせて?」
「……へっ?……あ……んっ/////」
驚いたように眼を見張る君を壁に押し付けて何度も唇を奪う、逃げる舌を捉えて吸い上げると苦しげに眉を顰めた
「……んっ……ユノさ……なんか怒って……?/////」
「怒ってない」
「……だって……あ/////」
「少し触れさせて?」
息苦しさにハアハアと肩を揺らす君を抱き上げて、二人でベッドの海へと沈み込んだんだ
. ユンホ先生はバンビがお好き 6
~Yside~
可愛いバンビ君を堪らずテイクアウトしてしまったけど、さて、これからどうしたもんだろう
酔ってフニャフニャとソファの端に逃げる君を追い詰めて、ちゅっと口付ければバンビアイをくるくるとさせてフリーズする
「……せんせ?僕男れすよ/////」
「ん、知ってるけど」
「うふふ、わかった!!彼女さんと間違えてゆんれしょ?酔ってますね~/////」
クスクスと口元を拭いながら手をヒラヒラと振るバンビ君、俺より君の方がずっと酔っ払ってるけどね(笑)
俺を避けようとする体をしっかりホールドすると、プチプチとボタンを外してシャツを脱がし始める
力の入らない手で押し返そうとするから、指を絡めてもう一度口づけた
「酔ってないよ、チャンミン可愛すぎ」
「……ん、やら耳なんて舐めないでくらさい、くすぐったいれす/////」
「ふふ、くすぐったいの?気持ちよくない?」
「くすぐったいに決まってるじゃないれすか~/////」
「じゃあこれは?」
シャツの隙間からスルリと手を忍ばせると、滑らかな肌を辿って小さな突起へと辿り着く
指の腹で擦ってやるとピクンと跳ねるからそのまま抓ってやった
「……あ/////」
「ん、気持ちいい?」
「……やら/////」
「舐めていい?」
「…らめれすって……あっ……/////」
いやいやと首を横に振るバンビ君のシャツを捲りあげ、片方の突起をペロリと舐めて舌でコロコロと転がしてやったんだ
. 愛の詩をきかせて ~仔鹿君の憂鬱~ 48
~Cside~
次の日の朝は早くに目が覚めてしまって、僕はこっそりベッドを抜け出してテラスから庭へと抜け出した
この辺りは山が近いせいか朝は霧に包まれていて、朝露が葉を濡らして少し肌寒い
……これでよかったのかな
そんな不安な考えばかりがよぎる、ユノさんのご両親を悲しませてしまったよね、きっと
それでもあなたから離れることが出来ないなんて、僕ってこんなに欲張りだっただろうか
キュヒョンに言ったらまた呆れられてしまうかもしれない
ぼんやりと朝焼けの空を眺めていると、誰かがこちらへとやってくるのが見えた
……ユノさんのお父さん…?
僕の姿に気付いたのか一瞬動きが止まって、でもまた真っ直ぐにこちらへと歩いてくる
「随分早起きだね、確か……シム君だったか」
「あ……早くに目が覚めてしまって、あの……歩いたりして大丈夫ですか?」
「ああ、少しいいかな」
「あ……はい」
ユノさんのお父さん、チョン・ヤンヒョンさんは一つ息を吐いて真っ直ぐ僕に向き直った
「聞いているかもしれないが、私はユンホとはうまくいってはいなくてね」
「……」
「どうやったら分かり合えるのか、この歳になってもまだわからないでいる」
「……あの/////」
「君はユンホを幸せにできるのか?」
僕を見るヤンヒョンさんの瞳は悲しそうに揺れていて、胸の奥がぎゅっと苦しくなる
「……僕、僕は男です、でも……ユンホさんを愛しています、まだ出会ったばかりで先のことなんてわからないけど、きっと、ユンホさんが僕のことを愛してくれる限りは側にいて、幸せにします!!」
「……」
「で、でもっ……その、今は学生でお金もないからっ……金銭的にはどうかと思うけど、その……働き出せば、ちゃんと稼いでユンホさんを養えるぐらいは!!/////」
僕の言葉に目を丸くするヤンヒョンさん、僕なんか変なこと言っちゃった……?/////
「……ぷっ、そうか、ユンホも頼もしいパートナーに出逢ったものだな」
堪えきれず吹き出してしまったヤンヒョンさんは、僕の背中をバシバシと叩いて大声で笑ったんだ