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. あの空の向こうに ~海を越えて~ 1
~Yside~
チャンミンがアメリカに留学してから、もう一年が過ぎていた
直ぐにでも逢いに行けると思っていたのに、チャンミンの研究室が忙しくて、なかなかタイミングが掴めなくて
毎日のメールや、勿論時々は電話もしていたけど、逢いたくなるのは当然のことで
少し強引に決めてしまったけど、次の連休にアメリカに行くことにしたんだ
……学校は休まなきゃならないけど、約束どおり成績だけは落としてないからいいよな
母さん達は笑顔で送り出してくれたけど、少しだけ良心が咎めてしまう
空港までは迎えにきてくれるって行っていたけど、なんだか久しぶり過ぎて緊張してしまうよ/////
スマホから送られてくる写真はこっちにいた時と全然変わらないのに……
俺は少しでも変われたかな
あなたに相応しい大人に近づけただろうか
ずっと先を行くあなたに早く追いつきたいのに、時は待ってくれないから
飛行機の中で空ををながめながら、一年ぶりに会うあなたに何を話せばいいのか、ずっと考えていたんだ
. 一回だけじゃ物足らない 5
~Cside~
不意に見つめられたと思ったら頬から唇に触れられて、撮影じゃなかったらこんな至近距離とか人見知りの僕には有り得ないのに/////
それでも声なんて出なくて、アーモンドの瞳が綺麗だな、なんて思ってる僕ってやっぱおかしいよね
「……あの?/////」
「ん、ああ、ごめんごめん、さあ続けようか」
「あ……はい/////」
それからの撮影は順調に進んで、何も着てないっていうのに不思議と恥ずかしさとかはなくて
なんていうのかな、撮られらる側の快感っていうか、その……チョンさんが上手い具合に導いてくれるから
後で見たら結構ギリギリのラインのもあって、こんなの出すのかって思ったりもしたけど
不思議とそんないやらしさはなかったんだ
日の沈む直前に外での撮影を短時間で済ませて、その時はチョンさんのマネージャーさんもいたのに
寒さに震える僕にガウンを羽織らせてくれるあなたは、とっても優しい瞳をしていて
どうして僕をそんな風に僕を見るの?
まるで愛しい人を見つめるように
そっと僕の肩を抱く大きな手はどこまでも温かくて……
「後もう一踏ん張り、撮影は2日もらってるけど順調なら明日の昼過ぎには終わるよ?」
あ……そうだった、新しいドラマの撮影があるからギリギリにスケジュールねじ込んだんだ
2日……か
あんなに嫌だった撮影だったのに、終わってしまうのが寂しいなんて
チョンさんのせい、だよね/////
「チャンミンさん、マネージャーさんからお電話です」
「あ、はい」
チョンさんのマネージャーさんの声にハッと我にかえる、いけないいけない、仕事中なのに/////
慌ててスマホを取ると、今日はこちらには来れないからホテルをとったとのこと
「ホテル、ですか?……」
「このままうちに泊まれば?」
「……へっ?/////」
そう言ってにっこりと笑うチョンさんの笑顔がカッコ良すぎて/////
マネージャーと話してることも忘れて、スマホを持ったままフリーズしてしまった僕なんだ
. ユンホ先生はバンビがお好き 13
~Yside~
ピザのメニューをわたすと途端に大きな瞳をキラキラとさせる君
ふふ、どうやら相当な食いしん坊とみた
手負いの仔鹿を手懐けるのはどうしたものかと考えあぐねていたけど
神経質そうに見えて意外と単純、かな(笑)
一目で気に入ってテイクアウトしてみたものの、まさかこんな展開になろうとは
ヒチョルになんて報告しようか……いや、奴の呆れ顔が眼に浮かぶようだ
デリバリーのピザとチキンを食べて大満足のバンビ君、すっかり安心しきって寛いでるけど
……その無防備さが堪んない
最初は優しく近づいて、だんだんと俺のことしか考えられないようにしてあげる
だってやっぱり気に入ったんだ
体だけの関係とかじゃなく、本当の恋人になって欲しいから
ねえ、チャンミン、覚悟しといて?
俺達の同居生活はまだ始まったばかり
楽しい予感しかしないのは、やっぱり君と一緒だからかな
. 一回だけじゃ物足らない 4
~Yside~
「じゃあシーツの上で横になって、うんそう、いいね、そのままこっち見て?」
パシャパシャと軽快なシャッター音を響かせ、綺麗な君をファインダーへと閉じ込める
カーテンを引いて照明を落とすと、見るからに不安そうにする君につい笑ってしまった
「……何がおかしいんです?/////」
「いや、あんまり怯えてるからさ」
「!!お、怯えてなんか!!/////」
「ふふ、そう?まるで狙われたバンビだ」
ジリジリと追い詰めるようにカメラを構え、ベッドサイドに座って至近距離での撮影はなかなかに心臓に悪い
……仕事を忘れてしまいそうだ
モデルと話しながら緊張を解くのは得意な方だが、こんなにも反応してくれる君が楽しくて仕方ない、まあ、気に入ってるんだか尚更か
拗ねた表情とか
睨み返す大きな瞳とか
ふっと綻ぶ笑顔とか
撮りがいのあるモデルだけど、こんなに私情を挟んだいたら世に出すのが惜しくなってしまいそうだ
「……チョンさん?/////」
あまりに綺麗で見惚れてしまって、カメラを構えたままついぼんやりとしていたようで…
「ああ、ごめん/////」
「あの……僕、良くなかったですか?」
「……いや、見惚れてた」
「……え?/////」
俺の言葉に見る見る桜色に染まる白い肌、堪らず伸ばした指は頬を伝い、浅く開いた唇をそっとなぞった
. ユンホ先生はバンビがお好き 12
~Cside~
『全面的にお世話するから安心して?』
そう言ってにっこりと笑う先生は有無を言わせぬ圧力に満ちていて
どうにか断ろうとしたけど、その……断りきれなくて/////
た、確かに僕のアパートからは大学も遠いし、部屋は4階で階段だし、自転車だって乗れないし
昨日は暗くてわかんなかったけど、改めて先生のマンションに戻ったら、確かにうちの大学の裏手のすぐだったし
でも……昨日僕、襲われかけたような……
こんな所にいたらいずれはそうなってしまう気がする
僕は断然ソッチ系じゃないけど、あの無言の圧力の前ではほんと無力で(泣)
まさか男の身で貞操の危機とか!!/////
申し出はありがたいけどここはやっぱり断って……
「バイト先には連絡した?確かに近くのカフェだったよね?」
「あ……まだです/////」
「ご両親には連絡しておいたから安心していい、自分の家だと思って寛いで?」
「え?……あの……先生、僕やっぱり……」
「俺の気持ち、無駄にしてしまう感じ?」
「いや、でも……/////」
「気にしなくていいんだよ、さあ、夜はピザでも摂ろうか、バンビ君は何が好き?」
「あ………/////」
にっこりと笑ってピザのメニューを差し出されて、やっぱり断りきれない僕だったんだ
. 一回だけじゃ物足らない 3
~Cside~
フォトグラファーのチョンさんは、会ってすぐの冷たい感じとは違ってとても気さくないい人だった
後で気づいたことだけど、部屋も寒くないようにしっかりと暖めてあったし、ガウンだって用意されていたし
メイクはあまりしないで素顔で撮りたいって言ってたけど、実はヘアメイクも自分で出来るみたいで
ほんとオールマイティなカメラマン、笑った時の笑顔が眩しすぎて、最初とのギャップにドキドキしてしまうなんて
……僕ってどこかおかしいのかな/////
「うん、いいね、そのまま窓の方向いて?」
「OK、軽く腕上げて、目線は下に」
「じゃあそのまま俺を睨むような感じで」
軽く世間話をしながらの撮影で、指示通りにポーズを決めるとパシャパシャと軽快なシャッター音が響く、こんなに自然に撮影したのは初めてかも/////
「少し休憩しようか?」
「あ……はい/////」
コーヒーを片手にパソコンの画面を覗くと、僕の写真がズラリと並んでいてなんだか照れ臭い
それに、こんな表情自分で見たことないし/////
「どう?気に入った?」
不意に後ろから声をかけられてピクンと体が跳ねる、チョンさんは僕の方に顎を乗せるほど顔を近づけてパソコンの画面を覗いた
……ち、近いんですけど/////
「耳真っ赤だ(笑)」
「……なっ!!/////」
「ふふ、怒るなって、それ飲んだら次は照明を落として撮るよ」
「……あ、はい/////」
意地悪そうな笑顔が癪に触るのに、何故だかときめいてしまう自分に戸惑ってしまう僕だったんだ
. ユンホ先生はバンビがお好き 11
~Yside~
「いっ、痛ーーーっ!!!!」
シーツを巻きつけたまま見事床にダイブしたバンビ君、長い足が絡まったのか不自然な形で足を捻ってしまったらしい
「大丈夫?見せてごらん?」
「け、結構です……つっ!!/////」
「俺が悪かった、とりあえず見せて?これでも医者の端くれだからさ」
「………/////」
手負いの仔鹿はなかなかに扱いが難しい、いや、俺が脅かしすぎてしまったから
……これは病院に行った方がいいな
警戒しまくりのバンビ君をどうにか宥めて、うちの病院で緊急に診てもらうことにした
終始痛そうに顔を顰めるバンビ君、結果は捻挫だったけどやっぱり歩くのは不便そうだ
「すまない、俺の悪ノリが過ぎたんだ」
「……いえ、僕が勝手に転んだんですし/////」
「責任は取るよ、治療費は勿論出来るだけのことはする」
「……あ、あの……僕は治療費さえ出してもらえれば/////」
「いや、それじゃあ俺の気が済まない、君の大学は東方大学だったよね?」
「あ……はい/////」
「じゃあうちから通えばいい、すぐそこだから」
「………へっ?/////」
「全面的にお世話するから安心して?」
「えっ?………ええええええっ!?/////」
俺の言葉に目を丸くするバンビ君、そんな顔も可愛いと思うなんてかなりの重症だな(笑)
俺はフリーズしたままの君の手を取ると、にっこりと笑って掌にキスをしたんだ
. 一回だけじゃ物足らない 2
~Yside~
「ちょっ!!離せって!!/////」
バタバタと暴れる彼を担いで、スタジオの真ん中にあるベッドへと降ろしてやる
今回の撮影のために特注で頼んだキングサイズのベッド、白いシーツの上で頬を膨らませる君はまさに捕らわれたバンビだな
「さて、チャンミン、覚悟はいいか?」
「だ、だから!!/////」
「何も股を開いて撮影しようってワケじゃない、ちゃんと見えないようにするから大丈夫だよ」
「あ……/////」
顔を真っ赤にしてむくれていたくせに、俺の言葉にハッとして視線を泳がせる君……そんな表情も堪んない
……ふふ、実物はとんでもない破壊力だな
アメリカでフォトグラファーとして売り出し中だった俺、偶々本国のテレビで見たアイドル達の中に光り輝く宝石を見つけた
スラリと長い手足を持て余し、溢れそうなバンビアイをくるくるとさせて
アイドルのくせに照れ屋なのかすぐに真っ赤に染まるぴょこんと飛び出した耳、綺麗な横顔をいつかファインダーに収めてみたい、なんて…
ま、要するに一目惚れってやつ、かな…
まさかこんな絶好のチャンスが訪れるとは思ってもみなかったけど
写真展で少しばかり名が売れたから、一か八かのオファーだったんだ
……受けてもらえてよかった
渋々と服を脱ぎ始めるまだ拗ね気味のバンビ(笑)
肌蹴たシャツから覗く艶やかな肌に、高鳴る胸を抑えることができない俺だったんだ
. ユンホ先生はバンビがお好き 10
~Yside~
『見かけによらず激しいんだね、最高の夜だったよ』
なんて、ちょっとした悪戯心で言ってみたら、驚いてベッドから落ちてしまったバンビ君
ちょっぴり跡は残しておいたけど、本当は何もしてないのに(笑)
大きな瞳をくるくるとさせて、慌ててシーツを体に巻きつける君
ずりずりと後ろに下がって行くけど、残念ながらその先はベランダ
「……あ、あのっ……ごめんなさい、状況がよくわからなくて/////」
「ふうん?」
「…えっと、『RERA』で飲んでて、それから……/////」
「酷いなあ、覚えてないんだ?」
ハッとして視線を泳がせるバンビアイ、そんな泣きそうな顔されると、もっと意地悪したくなっちゃうよ
「……あ、あのっ……まさか僕達って、その……?/////」
「うん、そのまさか♡とりあえずシャワー浴びてきたら?」
「!!!!ぼっ、僕帰ります!!!!/////」
「え……ちょっとバンビ君?」
「ふ、服っ、僕の服……わっ、わああっ!!/////」
シーツを体に巻きつけたまま慌てて立ち上がった彼は、バランスを崩して見事床にダイブしてしまったんだ
. 一回だけじゃ物足らない 1
~Cside~
広いフォトスタジオの真ん中で、僕に向かってその男はにっこりと笑ってこう言ったんだ
………とりあえず全部脱いで?
「マネージャー!!マネージャーはどこ!?」
「チ、チャンミンさん落ち着いて」
これが落ち着いてなんていられるか!!まさに僕は今日写真集の撮影日で……
アイドル出身の僕が俳優としてデビューして、なんとかドラマも軌道に乗ってきた矢先に舞い込んだ写真集の仕事
アメリカで話題になっていた韓国出身のフォトグラファーが、僕を名指して写真集を出したいとオファーがあった
……被写体全てに新たなる命を与える男、チョン・ユンホ
もちろん事務所としては大喜びで、僕だってアイドル路線からの脱出を目指しての大仕事なワケで
でも…テーマは僕の苦手な男の色気ってやつ(泣)
10代半ばからアイドルとして生活してきた僕は、恋愛のれの字も知らない情けないやつで
で、でも、恋愛映画とか色々勉強して、満を辞して撮影日に挑んだっていうのに!!
オールヌードなんて聞いてない!!//////////
とりあえず控え室にいたチョン氏の付き人らしき人に抗議を訴えてみたものの、うちのマネージャーは既に帰った後、しかもこのスタジオは郊外にあるだだっ広い田舎の一軒家の中にある
スマホだって取り上げられて、とにかく連絡をと思って電話を借りてみたけど、社長からはチョン氏になにもかも任せているからの一点張りで
「……万事休すってワケ?」
「ま、その通りだな」
「……なっ!!/////」
「ほら、行くぞ」
「……わっ!!は、離せっ!!/////」
チョン氏は僕の腕を掴むと軽々と肩に担ぎ上げ、必死の抵抗も虚しく、スタジオへと連れ戻されてしまったんだ