苺な彼とビールな僕

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～Rside～




オーナーが急に人を入れるとか、まあ、よくあることだし、今回のコスプレバーの企画に備えての人材なのかと勝手に納得していたけど…どうやら違うみたいだ


本業のクラブのバーテンから一転してキャラクターの女の子のコスでカウンターから入ると、物憂げな顔でグラスを拭くチャンミンの姿が目に入る


この前オーナーが来た次の日から様子がおかしくなって、明らかに何かありましたって顔で


…まさか二人の恋愛沙汰とか/////



オーナーは男でも女でもモテるのはわかってたけど、歴代の恋人は勿論女の子ばっかりだったから、こんな状況ってのは初めで


ヒチョルさんに明らさまにヤキモチ焼く姿とか今までからは考えられない


確かにチャンミンは綺麗だし、赤いドレスのコスはまるでモデルのようで、誰しもが見惚れるほどだけど…列記とした男なんだから


…にしても、チャンミンのあの儚げな姿…！！



「リョウクさん？」


「…はっ？…ど、どした！？」


「僕の顔になんか付いてます？…あの、そんなに見ないでもらえます？」


「…あ、ああごめん、いや、元気ないなって思ったんだよ」


「…そんなこと、ない…です」



え？僕なんか変なこと言ったかな？少し複雑な顔をしたかと思うと俯いてしまう、伏せた睫毛が長くて、まるで…


「何があったか知らないけどさ、オーナーっていい人だよ、チャラそうに見えるけどさ、不誠実ってわけじゃないから」


「…ぼ、僕は別に！！/////」



ふーん、別になんかあるからそんな態度なんじゃないの？


くるくる変わる表情とか、仕事にはトコトン真面目な態度とか、きっとそんな彼にオーナーも惹かれてんだろうな


…まったく、お互い想いあってる風なくせにうまくいかないとか



慌てて髪を耳にかける仕草とか、艶っぽすぎてやばい、恋ってこんなに人を変えるもんなんだ、なんて一人で感心してしまう



…あれ、店の入り口あたりが騒がしい、まだ開店前なのにもうお客が来たのか？



バタン！！



『ちょっと！！シム・チャンミンって奴いる！？』



新店でバーテンを務めるテミンが、いきなりドアを蹴るようにを開けて入ってきたんだ

2016-05-01 23:00 ｜カテゴリ : 夜咲く華は蝶のように ｜コメント(0) ｜トラックバック(0)