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苺な彼とビールな僕

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. チャラい奴に超夢中 16














~Yside~











「クソッ、何で出ねーんだよ!!」





「ユノ兄落ち着いて、今こっちも連絡取ってるから」




「ああ、悪いなテミン」




「まあ、チャンミンさんって兄さんが好きそうだもんね、人を揶揄うのが好きだから」








そう言ってクスクスと肩を揺らすテミン








慌てて店を飛び出したものの、どこへ行けばいいか分からず途方に暮れていた







当然ヒチョルが電話に出るはずもなく、チャンミンにかけても何の反応もない







あちこちあてを探したもののなしのつぶてで、テミンに連絡を取ってもらう事にした






ったく、カッコ悪いことこの上ない、よな







ヒチョルが一時期モデルをやってた事は知っていたが、まさか今もやってるとは知らなかった







テミンの話じゃバイトがてらって話だが、何でチャンミンまで………








「ユノ兄わかったよ、江南にあるスタジオだって」




「テミンありがとな」




「うんうん、あ、家に寄るように伝えといてよ、母さんが怒ってたって」




「ああ、わかった」




「ユノ兄お礼は肉でいいよ、日本の美味しいやつ!!」




「任しとけ」








俺はテミンに片手を上げると、急いでチャンミンのいるスタジオへと車を走らせたんだ



























. そんなデカイの入るわけない!! ~チャンミンの憂鬱~ 3













~Yside~











「なあ、お前自覚あんの?」





「は?何がだよ」





「なんつーか、すっげぇにやけてる」





「え?いてっ!!」









必死に書類を書いている俺の横でちょっかいをかけてくるドンヘを睨み返す







しかも小突いてくるからせっかく綺麗に書けたってのに文字が歪んじまったし!!







「ったく!!じゃますんなって」




「はは、怒るなって、幸せの絶頂って感じ?」




「ふん、まあな」




「おお、余裕だねぇ、で、最後までやったのか?」





「……そ、それは///」







いくら親友とはいえどストレート過ぎる質問に苦笑いする






ま、上手くいってるといえばいってるが、ソッチの方はなかなか……







でも、この前自分で解すって言ってたから、もしかしたら次はうまくいくのかも






てか、その姿を想像するだけで腰にきちまうのに







あの大人しいチャンミンがバスルームで自分の指を……とか!!///







「いや、まじ緩みすぎだから(笑)」





「る、るせっ」





「まあまあ、で、バイトは決まったのか?」





「ああ、だから書類書いてんだって」





「悪い悪い、大学近くのコンビニだっけ、チャンミンに悪い虫がつかないか見張りって事?いやぁ健気だねぇ」











そう言って悪い笑みを浮かべるドンヘの肩を掴んで、思い切り頭突きをしてやったんだ
























. チャラい奴に超夢中 15












~Cside~










「やあヒチョル、よくきたな」





「おお、久しぶりだなイェソン、最近はよく売れてるらしいじゃないか」






「まあ、お陰様でね、で?そっちの美人さんがモデル志望の子?」






「はっ!?///」








ニコニコと笑いながらヒチョルさんと話すその人は僕を指差した






人に指差すとか失礼じゃないのか、とか一瞬ムッとしたけど






よくよく考えたらモデル志望ってなんなんだ!!///








「ちょ、ヒチョルさん!?」




「んん、モデル志望ってわけじゃなくて俺のお手伝いなだけ」




「はあん?勿体ない、ああ、はじめまして、僕はカメラマンのイェソンです」





「あ、シ、シムチャンミンです///」





「よろしくねチャンミン、じゃ早速着替えてくれるかな」





「へっ!?///」








ヒチョルさんに朝一で連れ出されたと思ったら、連れてこられたのは市内にある撮影スタジオ







簡単な仕事の手伝いだって言ったくせに!!






ぐるぐるとしたままわけもわからずスタジオの中に通されて呆然とする僕






こ、これって一体………?







「そういう訳だから着替えて?」




「ちょ!!ヒチョルさん、こんな!!」




「あらー!!美人さん達いらっしゃい!!」










後ろから甲高い声が聞こえたと思ったら、オネエ言葉の男にがっしりと腕を掴まれてしまったんだ















































. そんなデカイの入るわけない!! ~チャンミンの憂鬱~ 2
















~Cside~











「なんだよ、しけた顔してんね」





「煩いよキュヒョン」





「どうせまたユノ君に迫られて困ってる、とかだろ?それって惚気にしかなってないって気付いてる?」





「なっ!!///」








呆れたように両手を広げるキュヒョンを思い切り睨み返してやる








まったく、人の気も知らないで








今日は珍しくキュヒョンの家に泊まりにきていて、夜通しゲームに明け暮れる予定になっていた






でも、今ひとつ乗り気じゃない僕に、結局はゲームを中止して悩み相談室になってしまってる








見かけと違ってズバズバと意見を言ってくれるキュヒョンは僕にとってとても貴重な存在で







ましてや同性の恋人の相談とか!!



誰にでも話せるわけじゃないし!!///








とはいえユノが僕と付き合う事を公言してしまったから、周囲のみんなは知ってるわけだけど








「お互い初心者なんだからうまくいかないに決まってるじゃん、そんなに悩まなくても」





「そ、そりゃそうだけど///」





「チャンミンは考えすぎなんだって、もっと力抜いてやってみれば?」





「ち、力、抜く……///」






「うわ、チャンミン顔真っ赤!!エロい事考えてる!!」





「キュヒョン!!///」










そう言って面白そうに僕の顔を覗き込むキュヒョンを、思い切り突き飛ばしてやったんだ
































. チャラい奴に超夢中 14












~Yside~









「はあ?モデルの仕事だあ!?」






「バカ、声がでかいよ」






「これが黙っていられるかっての!!一体どういう事だよ!!」






「んなの知らねぇよ、ヒチョルの奴が酔っ払って言ってただけなんだし」









突っかかる俺を鬱陶しそうに払いのけながらため息をつくドンヘ







確かに今日はチャンドラは休みでヒチョルの仕事を手伝いに行くとは言っていたけど







まさかモデルの仕事だなんて聞いてない!!









ドンヘの話じゃ、ヒチョルが帰国してるのを知った友人のモデル事務所から声がかかって







遊びがてら撮影を覗きに行くんだって言っていたとか







俺にはそんな事一言も言ってなかったのに!!



つか、あいつ!!避けてやがったな!!









「ドンヘ、今夜のスケジュール」





「ああ、わかってるよ」





「悪いな、この借りは返すからさ」





「ったく、どんだけ自由なオーナーだよ、でも、まあ、ほどほどにしとけよ」









そう言ってヒラヒラと手を振るドンヘにウィンクをして、慌てて店を飛び出す俺だったんだ



















. そんなデカイの入るわけない!! ~チャンミンの憂鬱~ 1














~Yside~












「チャンミン、どう?」






「ん、なんか気持ち悪い、かも……」






「そっか、無理しなくていいよ」






「ん、ユノ……ごめ……あっ///」






「こっちでイこう?な?」







「ん、一緒、に……」







「!!!!バカ、煽りすぎ///」






「え?……あっ、ああっ!!///」










深夜の俺のベッドで触れ合って、お互いに高め合って





熱を放った後、不安げに見上げるバンビアイに胸がキュッと苦しくなる






………そんな顔させたい訳じゃないのに








そう、あれから、あの夜から2人で話し合って俺達は少しずつ進歩しているとは思う








俺が触れてもそこまで怖がらなくなったし、勿論がっつかないように努力もしてる






最初は緊張して硬かった体もだんだんと力が抜けて、身を任せてくれるようになった







戸惑いながらもお互いに触れることもできるようになった!!








でも、まだ最後までは前途多難、なんだよな








ま、当たり前か、あんなとこを触られるとか嫌に決まってる







とにかく綺麗好きのチャンミンはユノの指が汚れるの一点張りで、自分で解すって聞かなかったし……








チャンミンが自分でとか!!///



考えただけで反応しちまうよ







「なんかいい方法にないかな」








最後まで出来ないことに落ち込むチャンミンの為にも、なんとかうまくいく方法を日々頭を悩ませる俺だったんだ



































. チャラい奴に超夢中 13













~Cside~











「え?ヒチョルさんのお手伝い、ですか?」





「ああ、ユノにはちゃんと言ってあるからさ、ほんの少し手を貸して欲しいんだ」








家に帰ってきたと思ったらスリスリと猫のように寄ってきて両手を合わせるヒチョルさん






仕事を終えて帰宅したらいなかったから出て行ったのかと思ったのに






現実はそう甘くはなかった……







それにどうやらユノの店に行ってたみたいで、アルコールの匂いをプンプンとさせていて








あ、あんまり近づかないで欲しい








「おいおい、そんな露骨に嫌な顔すんなよ~」





「べ、別に僕は普通です」





「なんだよチャンミンってツンデレかぁ?」





「そういう訳じゃ……」






ニヤニヤとしながら僕の周りをウロウロとするヒチョルさん






ああ、今日もユノが帰ってくるまで2人きりとか憂鬱過ぎる








「ま、そんな笑わなくてもすむ仕事だから」





「は?」





「じゃ、先に風呂かりるね」








そう言ってヒラヒラと手を振ってバスルームへ消えていくヒチョルさんに、溜息しか出ない僕だったんだ













































. そんなデカイの入るわけない!! 29














~Cside~












………あれから僕等は円満にやっている








皆んなが認めてくれての公然のお付き合いとか、恥ずかしさしかないけど






でも、やっぱり僕はユノのことが好きみたいで







うまくいきたいと思うし、その……ユノに触れたいと思ってるのも事実だし







潔く認めることにしたんだ、うん///








抱き合ったりキスしたりすると、お互いに反応し過ぎてまだ困惑するところもある







一番の問題はユノのアレが……予想外におっきいってこと///







ま、当たり前に子供の頃はそんな状態のソレは見た事が無かったし







思い返せば皆んなより大きかった気もする、かな……







と、とにかく僕等はまだ暗闇を手探りで歩いているような状況で






でも、いつかユノと心も体も1つになれるって信じてるから






努力は怠らない、よね!!







ど、努力とか!!///


僕ってば意外とエロいのかも?









「おーい、チャンミン、用意できた?」





「あ!!ユノ、今行く!!」








二階の窓から覗いた下には、満面の笑みのユノがちぎれんばかりに手を振っていて







ああ、幸せだ、なんて









そんな風に実感する、休日の朝だったんだ































. チャラい奴に超夢中 12











~Yside~









「随分とご執心なんだな」




「ああ?」




「惚けんなって、チャンミンの事だよ」







カウンターでグラスを傾けながらニヤニヤとするヒチョル






今朝起きたら姿が見えないと思ったけど、どうやらテミンのところに行っていたようで





新店を覗いてからこっちにやってきたらしい






ま、一応弟な訳だし、な







奔放なところは似ているが、自由さはヒチョルの方が随分上な気がする






そういや前に叔父さんたちもお手上げだって話してたっけ(笑)







「何笑ってんだよ」





「別に、ドンヘ、こいつの分はしっかり貰えよ?」




「なんだあ?ユノの奢りじゃないのかよ~」




「当たり前だ!!ったく勝手に家に上がり込みやがって!!」




「ええ~いいじゃん、俺がいてもちゃっかりヤることはヤってるしさ」




「ヒチョル!!」







知らんぷりを決め込んでグラスを傾けるヒチョルを思い切り睨み返す






ああ、いつまでこっちにいるつもりなんだか……







「ところでユノ、今週末チャンミンの事貸してくんない?」




「はっ!?」








そう言ってカクテルを飲み干すヒチョルの言葉が理解できず、暫くフリーズしてしまった俺だったんだ























. そんなデカイの入るわけない!! 28













~Yside~










あれから2人で話し合って、お互いが今思っていることをちゃんと分かり合えたと思う






幼い頃からの想いがどれほどのものか、言葉にするのは難しいけど






でも、好きって気持ちに偽りはないから



そしてこれからもずっと好きでいられるから






抱き合ってたら当然俺のソレも反応しちまって、気づいたチャンミンは顔を赤らめていた






だって仕方ないじゃん、全部俺のものにしたくてしょうがないんだから






慌てて体を離そうとする俺をキュッと抱き締める細い腕






やばい、そんなことされたら………!!///







「………僕、まだ、何もわかんないから///」




「え?」




「少しずつ、先に進もう?」




「……チャンミン」




「で、でもさ、ユノの、その………おっきいから///」





「はっ!?///」







そう言ってキュルキュルの瞳で見上げるバンビアイ!!




おいおい!!何を言い始めるんだーーー!!///







「ちゃんと……入るかな?///」




「!!!!///」




「ちょっ!!ユノ!?」









予想外にきた凄い殺し文句に頭が真っ白になって、そのまま後ろにひっくり返ってしまった俺だったんだ



































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紫苑☆

Author:紫苑☆
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