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. 恋人なんかじゃない 11
~Cside~
「じ、じゃあ僕はここで」
「ん、家まで送るよ」
「あの、図書館に寄って行こうって思って」
「そうなんだ、じゃあ図書館の駐車場まで」
「!!そ、そんな、悪いです///」
「いいからいいから」
そう言ってくるりとハンドルを返すユノさんは超絶にカッコいい
仕事に戻らなきゃいけないからここで降りようと思ったのに……
本当に強引、なんだよね///
イェソンさんのお店でランチを食べて、食後のデザートまでご馳走になって
散々冷やかされて店を出たから、ちょっと気まずいっていうかなんていうか
お互いに黙ったまんまで……でも、居心地は悪いわけじゃなくて
………ふ、複雑だ///
ぐるぐると余計なことばかり考えているうちに、車はあっという間に図書館へと着いてしまう
ああ、今度はいつ会えるんだろう……
「チャンミン?」
「ご 、ごめんなさい、ぼうっとしちゃって、じ、じゃあ!!」
「待って」
「………わ///」
そう言ってドアに手をかけようとする僕を抱き寄せるたくましい腕
気づけば僕はユノさんの腕の中に閉じ込められていたんだ
. 迷惑な同居人 10
~Yside~
ユンホ君
俺の事をそう呼ぶ綺麗な人、今まで友達にだってそんな風に言われたことなかったのに
やけに胸が苦しいのはなんでだろう
誰とだってすぐに仲良くなれる俺だけど、この人にだけは最初から怒られてばかりで
まあ、自分の借りた家に知らない奴がいたら怒るに決まってるか
なのに冷たそうな口調とは裏腹に、飯を作っては
『一緒に食べる?』
なんて、声をかけてくれるから、単純な俺は調子に乗ってしまうんだ
口では否定してるけど、きっとシウォン兄の恋人なんだよな
うわ、そう考えるとスゲー落ち込む
……でも、これっていったいどういう感情?
男にドキドキするとか初めてで、でも、つい視線はあなたを追ってしまって
自分の気持ちを持て余してるって感じ
寝る部屋はもちろん別々で、でもそれが寂しくて、少しでもあなたの近くにいたくて
リビングのソファで寝ちゃったりとか
そして呆れ顔のあなたに朝起こしてもらうのが嬉しくて
今日もソファで寝てしまう俺なんだ
. 恋人なんかじゃない 10
~Yside~
「大学時代のユノさんはどんな風でしたか?」
「ふふ、モテモテの引く手数多だったよ」
「………///」
「ユノ目当てに店に連日女の子が押し寄せてさ~」
「ちょっ!!イェソンさん!!」
「いやぁ、盛りすぎたか!!」
俺がちょっと席を外しているうちに何をしているのかと思えば
料理を運ぶついでに座り込んで話をしているとか!!
全く勘弁してほしい……
当のチャンミンはイェソンさんの話を真に受けてウンウンと頷いているし
まったく、俺以外には素直なんだから
そんな拗ねた顔して睨まれても可愛いだけなのに、わかってないな
「ユノさんてモテモテだったんだ」
グラスの水をじっと見つめながらそんなことをポツリと漏らす我が婚約者殿
グラスについた水滴をなぞる指がやけに色っぽいとか!!
「そうでもないよ」
「……そうかな?」
「俺がモテたいのは一人だけだから」
「!!!!………キザだ///」
「ふふ、本当のことだよ」
「………///」
俺の言葉に視線を泳がせて俯く君に、どうやって俺の想いを伝えたらいいだろう
ああ、胸を開いて見せてやりたいよ
こんなにも君に夢中だってこと
黙ってしまった君の赤い首筋に見惚れながら、熱くなる想いを抑えるようにグラスの水をを飲み干したんだ
. 迷惑な同居人 9
~Cside~
なんていうか、掴めないやつ……
急遽同居人となったチョン・ユンホ、まあ、年下だからユンホ君なんて呼んでみたけど
『ユノでいいよ』
なんてニッコリ笑って言う彼はその……子供みたいに無邪気っていうか、可愛いっていうか
いや!!同居人として認めたわけじゃない!!シウォン先輩に頼まれたから仕方なく!!
でも……お腹すかせてキュンキュン言ってるの見ると放って置けなくてつい、一緒に食べる?なんて言っちゃったりして……
だってさ、まるで捨てられた仔猫みたいで
それに時々びっくりするようなもの貰ってきたりする
山盛りのトウモロコシとか!!
山盛りの梨だったりとか!!
一応事務所に所属してダンスレッスンに通っているらしく、合間に日雇いのバイトもこなしているとか
そして、どうもそこの親方に気に入られてるようで、色々くれるんだって話していた
ま、気持ちはわかる気もするよね
「チャンミン!!チャミ!!腹減った!!」
「もう!!僕は君のお母さんじゃないんだって!!」
「だってチャミの飯うまいんだもん!!お願い!!この通り!!」
そう言って可愛く上目遣いでお願いされたら、聞かないわけにはいかなくなる僕だったんだ
. 恋人なんかじゃない 9
~Cside~
『ああ、俺の奥さんになる人』
そう言って微笑むユノさんの笑顔が眩しくてとても見ていられない
そんな事言うの……本当にやめてほしい///
だってまだ僕達そんなに距離が近くなったわけじゃないのに
色んな人に紹介されるのも嬉しいくせに複雑な気持ちになっちゃうのは、僕の悪いところ、だよね
好きなのにもどかしくて……
「チャンミン?」
「………ユノさん、あの///」
「こないだはさ、jungleに行ったのも急だったからちゃんと紹介も出来なくて」
「……え?///」
「マスターもそうだけど、イェソンさんもスゲー特別な人でさ、ちゃんと紹介したくて」
「………ユノさん///」
「結構悩んでた時期もあったから余計に、あ、お祖母様には内緒だぜ?」
「ふふ///」
………内緒、なんだ
僕の心を知ってか知らずか、そんな風に優しく手を握って語りかけるとか
仕事が忙しいのもわかってる
そして、僕の事を一番に考えてくれてることも
なのにもっとあなたに近づきたいなんて、ちょっと贅沢な話なのかもしれないな
「なんだなんだ?ラブラブだなー!!」
ノックと同時に入ってくるイェソンさんに慌てて手を離す
もう、なんでこんな所ばっかり見られちゃうんだろう///
「これからもっとラブラブになる予定ですから」
「はっ、お坊ちゃんが言うねぇ~」
まるでいたずらっ子みたいに笑うユノさんが新鮮で、やっぱりドキドキしてしまう僕だったんだ
. 迷惑な同居人 8
~Yside~
「と、とにかく食べて!!君お腹空いたって言い過ぎ!!」
「うおっ!!あざーーーす!!」
「あ、その前に」
「………へっ?」
「とりあえずは自己紹介、僕はシム・チャンミン、いたって普通のサラリーマン、で、君は?」
「あ!!えっと、俺はチョン・ユンホ!!ダンサー目指して日々修行中!!」
「了解、じゃあユンホ君食べて」
「い、いただきます!!」
………ユンホ君だとか///
最初はすげー美人で冷たそうに見えたけど、実はそうでもない感じ?
腹が減ったと騒ぐ俺に色々買ってきてこうやって食べさせてくれるとか
優しくて感動すんだけど……
シウォン兄の所に転がり込んで来たのに、まさか別の奴がいるとか全く思わなくて
でも、金もなくて行くとこもないし、彼女とはこの前別れちまったし
置いてもらえるとかスゲー助かる
ぺったんこのお腹にご飯をかきこみながらチラリと様子を伺ってみる
目の前でラーメン食ってんだけど、それって一体何杯目だよ
そんな細っこい体のどこに入っていくんだか!!
「……何?」
「あ、いや///」
「こ、こうゆうの今日だけだからね!!明日からはちゃんと自分でやってね!!」
「あ、うん///」
「じゃあさっさと食べる!!」
「は、はいっ!!」
そう言って何杯目かわからないラーメンをかきこむ目の前の綺麗な人に、やっぱり見惚れてしまう僕だったんだ
. 恋人なんかじゃない 8
~Yside~
「やあユノ、よく来たね」
「お久しぶりですイェソンさん、まさかこんな近くで店を開いたなんて!!」
「いや、案内を送るのが遅くなってね、申し訳ない」
「この前マスターのとこ行ったんですよ、ちょうどイェソンさんの話が出てそれで」
「ああ、そうだったんだ、さあ中へどうぞ、狭いけど個室の方がいいだろう?そちらが例の?」
「ああ、俺の奥さんになる人」
「!!!!は、はじめまして///シム・チャンミンです」
「ようこそ我が店へ、さあどうぞ」
そう言って笑顔で迎えてくれるイェソンさんは俺達を奥の個室へと案内してくれる
大学時代バイトをしていたjungleでバーテンをやっていたイェソンさん
何年か務めた後にパタリと連絡が途絶えていたけど、どうやらシェフに転向したらしい
そういやイェソンさんの賄いは絶品だったっけ……
真新しいレストランはなかなかに盛況で、ランチ目当てのお客さんでごった返していた
席に着くと物珍しいのかキョロキョロと落ち着かない様子の婚約者殿
さっきまで真っ赤になって俯いていたのに、今はお腹が空いたのかしきりにメニューを見たり、水を飲んでみたり
全く飽きることがない、よな(笑)
オーダーはシェフのスペシャルランチ、流石に後で仕事があるからアルコールは控えなきゃだけど
酔わせてみたいもんだ……
「な、何が可笑しいんです?///」
「いや、可愛いなって思ってさ」
「!!!!///」
俺の言葉に真っ赤になって視線を泳がせる君が愛おしくて、やっぱりからかいたくなる俺だったんだ
. 迷惑な同居人 7
~Cside~
『悪いけど暫くの間頼むよ、弟みたいなもんなんだ』
スマホの向こうで平謝りするシウォン先輩に苦笑いしながら仕方なく了承する僕
だって断れる筈ないじゃないか!!
ここは元々シウォン先輩の部屋なわけだし!!
僕は好意に甘えて住まわせて貰ってる身なわけだし!!
なんでもこの不法侵入者はシウォン先輩の従兄弟らしくて、ダンサーを目指す練習生なんだとか
暫くここに居候してた時期があって、合鍵を持ったままだったらしい
道理で入ってこれるわけだよ……
理由はわからないけど寮を出てしまったらしく、シウォン先輩がいると思って訪ねてきたらしい…
シウォン先輩から暫く置いてやって欲しいなんて頼まれちゃって
ああ、僕の素晴らしきシングルライフが……
「はああ……」
電話を切ると盛大に溜息をついてソファに沈み込むそいつをチラリと見る
お腹なんて押さえちゃってぐったりとしちゃって
なんだろ、腹は立つけど放っておけないような……
「えっとユノ、だっけ?シウォン先輩から話は聞いたから、一部屋開けるよ」
「え?いいの!?やった!!」
「いいも何もここは元々僕の部屋じゃないから」
「うんうんわかってる!!シウォン兄の恋人なんだよな!!」
「ち、違っ!!///」
「まあまあ、それより俺、腹ペコなんだよ~金も無いしさ!!」
「はっ、はあ!?」
「なんか食わせて?ね、美人さん!!」
そう言って満面の笑みで僕を見つめるコイツに、呆れて言葉も出ない僕だったんだ
「
. 恋人なんかじゃない 7
~Cside~
気まずい、気まず過ぎる……!!///
まさかあんな場面をミノさんに見られてしまうなんて、もう恥ずかしくて穴があったら入りたいよ……
そしてミノさんの運転する車の後部座席で黙ったままの僕とユノさん
でも実は見えないように手は握られているとか!!
ほんと、勘弁して欲しい……
だってさっき僕達………あと少しで///
スローモーションで近づくアーモンドアイ、ドキドキと胸は高鳴って、なんだろ、体がジンと熱くなって
綺麗だ、なんて言われちゃって………!!
「チャンミン?」
「うわっ!!はいっ!!///」
「何、驚きすぎ(笑)」
「ご、ごめんなさい///」
「今から行くところさ、知り合いがいるんだ」
「………へっ?///」
「俺もこないだ知ってさ、だから紹介するよ」
「あ……はい///」
そう言って笑ったユノさんの瞳が甘すぎて、思わず視線を逸らしてしまう僕
わ……///でも、ユノさんの知り合いにちゃんと紹介して貰うとか初めて、だよね
「も、もう少しで着きますので」
「あ、はい///」
バックミラー越しに映るミノさんの満面の笑みに、やっぱり俯いてしまう僕だったんだ
. 迷惑な同居人 6
~Yside~
『だから!!なんでお前がそこにいるんだって!!』
「えー?言ったじゃん、寮を出たんだって」
『だからなんで!!事務所はどうした!!』
「えっとだからその……ちょっとトラブルがあって」
電話の向こうでがなりたてるシウォン兄、何もそんなに怒鳴らなくても……
だってまさかここにシウォン兄がいないとか思わなかったんだよな
そして誰か別の奴が住んでいるとか!!
この町にやってきたのは夜中だったし、携帯も落としちゃったから連絡も出来ないし
仕方ないから部屋に入ってシウォン兄が起きるのを待とうと思ってたのに
ベッドルームから現れたのはスラリと手足の長い綺麗な男だったとか
まるでドラマみたいな出会いじゃね?
『おいユノ!!聞いてるのか!!』
「……へっ?」
『ったく!!チャンミンにかわれ!!』
「あ………うん///」
散々説教をされた後、目の前で俺を不安げに見守るチャンミンって奴にスマホを差し出した
ま、もともとコイツのスマホなんだけどさ、俺が連絡が出来ないからってシウォン兄にかけてもらって
それでこんな状況に陥ってる訳で……
神妙な面持ちでシウォン兄と話すそいつをチラチラと覗き見る
ほんっと美人、なんだよな
…………ああそれにしても腹減った
俺はぐったりとソファに沈み込むと、腹を押さえてゆっくりと目を閉じたんだ