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. 愛をもっと!! ~ジュニア来襲~ 7
~Cside~
ユノへとメッセージを送ったあと、なんだか落ち着かなくて部屋をうろうろしたり、冷蔵庫の中を覗いたり
…晩御飯は済ませてるかな、今日も接待だって言ってたし、また慣れないお酒飲まされてんのかな
ユノがジュニアの世話係になってからもう一週間、朝から晩まで付きっ切りで話す暇なんて全くなくて
毎日のように家に来てたのに、連日の接待で夜も来れずに…
いつの間にか当たり前になっていたユノいる日常、彼がいないだけでこんなにも部屋が広く感じるなんて
一ヶ月もこの状態だなんて僕の方が根をあげそうで、でも…疲れてるユノに会いに来て、なんてとても言えなかった
スマホが震えると同時に階段を駆け上がる音がする、待ちきれなかった?そんなに僕に会いたかった?
『今ついた』
画面に映し出されるメッセージにじわりと心が熱くなる、次第に近付く足音、僕は堪らず玄関のドアを開けた
「チャンミン!!」
「…わっ!!ユノ!!…く、苦し!!/////」
「やっと触れた」
靴も脱がずにぎゅうぎゅうと抱き締められて息もできないほど
ああ……ユノの匂いだ
触れたかったのは僕も同じ、そっと体を離すと、おかえりの代わりにぽってりとした唇にキスをしたんだ
. 好きになってもいいですか? 6
~Yside~
少々強引だとは思ったが、君ともっと近づきたくてバイトの話を勧めてしまった
今までこんな風に人を知りたいと思ったことはなかったのに…
物心ついたときから他人の心の声が聞こえていたから…妬みや憎しみ、負のオーラを受け止めきれずに殻に閉じこもるようになり、人との付き合いも減っていった
そんなとき舞い込んだカフェのマスターの話、友人の勧めもあって自分を変えるために経営の道を選んだ
元々興味のあった事だし、余計な能力はシャットアウトする術を身につけたから
「マ、マスター、今日からよろしくお願いします!!」
ぎこちなく一礼する君はガチガチに緊張していて…
メニューもうる覚えなままオーダーを取り、ゆっくりではあるが丁寧に仕事をこなしていく
……トロいっていうよりは慎重なんだな
今は夏休みだという大学生の彼、早朝から入ってくれてとても助かった、やはり人が一人居るのと居ないのとでは全然違う
何枚かお皿を割ってしまったけど、しゅんとこうべを垂れる丸い後頭部は可愛いとしか思えなくて
黒のギャルソンエプロンもよく似合っていて、スタイルも抜群なのに、そのくせ少し猫背で…
テンパると少し大変だったけど、自分で言うほどトロくはない
褒めてやると頬を赤らめて恥ずかしそうに視線を逸らすとか、男同士なのに胸はドキドキと高鳴ってしまう
本当はもっと君の心を覗いてみたいけど、なにかいけない事をしているようで…
こんなはじめての思いに…戸惑ってしまう俺なんだ
. 愛をもっと!! ~ジュニア来襲~ 6
~Yside~
「チョンさん、この書類十部コピーしておいてください、あと、昼から子会社の見回りがあるのでこちらのサンプルを用意して、それと明後日の会議の資料も……」
「ちょっ、ちょっと待ってくださいジュニア!!そんなに一度に言われても出来ないっス!!」
「一度にやれとは言ってない、とりあえずメモして?」
「はいはい」
「返事は一度で結構」
「はーい」
ここ一週間はずっとこんな感じで、朝から山のように仕事を言い付けられて、バタバタしてるうちに昼からは外回りに付き合わされて、挙げ句の果てに夜は接待まで……俺あんまり飲めないのに
はあ、何が悲しくて知らないオッサンの顔見て愛想笑いばっかしなきゃいけないんだ
いくら前向きの俺だって、パワーの元に会えなきゃ沈んじまう!!
最近会社の行き帰りもすれ違いだし、こっそりトイレでメッセージを送るくらいで先輩に触れることも出来てないんだから!!
夜遅くなったって、たとえ五分だって会いたいものは会いたい、だって会社じゃ大っぴらに抱きしめることも出来ないし
『先輩、今日行っていい?遅くなるけど…ダメ?』
俺にしては消極的なメッセージ、願いを込めて返事を待つ、でかい図体してトイレの個室に篭ってスマホを覗き込む俺!!
くっ、我ながらいじらしい…
暫くするとバイブと共に恋人からのメッセージ、いっつも素っ気ないけどちゃんと愛がこもってるのわかってるんだ♡
『いいよ、待ってる』
やったぜ俺!!便座に座って思わずガッツポーズを決める、そうと決まれば早いとこココを抜け出して、一刻も早くあなたの所へ駆けつけたい
パンパンと顔を叩いてわざと頬を赤くして、ちょっと酔ったふりでミンソクに気分が悪いと訴えた
「なに?もう酔ったの?」
「すいません、気分悪くて……オエッ」
「うわ、ここで吐くなよ、仕方ないな、今日は先に帰っていいよ」
「本当に申し訳ないっス!!」
呆れたように俺を見るミンソク、悔しいけど今日はそんなこと気にしてられない
フラフラと店を出るとタクシーを拾って、先輩のマンションへと一直線に向かった
. 好きになってもいいですか? 5
~Cside~
『うちでバイトしない?』
カウンター越しににっこりと笑って極上の決め台詞!!
マスターにそんなこと言われるなんて思ってもみなかった、アーモンドの瞳に見つめられてドキドキしてしまう……僕ってどっかおかしいのかも/////
「…え?……いいんですか?/////」
「ああ!!君さえ良ければね、俺も助かるし、こんな美人がいてくれたらお客さんも増えそうだ」
……び、美人!?/////
「…び、美人とかっ…そんな…」
「美人だよ、間違いなくね」
「……ぼ、僕トロいし////」
「大丈夫だって、来れるなら明日からでも、ね?」
「…あ……はいっ!!/////」
こうして僕は『Duet』でバイトする事になった
でもマスター、なんで僕がトロいことを知ってたんだろう……やっぱ顔に滲み出てんのかな(泣)
友達にも分かりやすいって言われるし、きっとそうなんだ、いや、迷惑かけないようにしなくちゃ
やっぱりここって僕に元気をくれるカフェなんだ、マスターもかっこいいし…
……ユノさん/////
なんだろ、マスターのことを考えると胸がキュウってなる
こんな僕を雇ってくれたんだ、マスターのためにも頑張らなきゃ
家に帰ってからもなんだか落ち着かなくて、僕はクッションを抱き締めたまま、ずっとニヤニヤしていたんだ
. 愛をもっと!! ~ジュニア来襲~ 5
*R18です♡
~Cside~
地下鉄を降りるとユノに引き摺られるようにして僕のマンションへと帰り着く
途中コンビニにでも寄ってくれなきゃ今夜のご飯どーすんだよ!!
ユノの好きな苺アイスも買ってないし、明日の朝のパンだって…
部屋に入った途端ふわりと体は宙に浮き、何がなんだかわからない
ユノに抱っこされてるんだと分かったのは既にベッドの上に降ろされてから
「……ユ、ユノ!!……待って…シャワーも浴びてないっ……あっ…ん」
僕の抗議はあえなくユノの唇へと吸い込まれ、容赦なく僕の体を撫で始める
「……ご、ご飯だって…まだ……あっ……や…/////」
いつも不器用なくせに、こんな時だけ器用に服を剥ぎ取って、あっという間に生まれたままの姿にされてしまう
二人で体を重ねると当然反応する僕らの中心、痛いほどに熱を孕んで…もう今にも弾けてしまいそう
「チャンミン、不安ならいつだって言うよ」
「…ユノ?/////」
「すげぇ好き、一生離すつもりないから」
「……っ!!な、なに言って…!!/////」
「分かんない?じゃ分かるまで、ね?」
「……えっ?……あっ…ひっ……ああっ!!/////」
アーモンドの瞳に見つめられ、耳元で囁くのは愛の言葉ばかり
その後ユノに何度も揺さぶられ、僕は意識を飛ばしてしまった
次の日から二人でキム・ミンソクに目一杯振り回されることになるなんて、この時は思いもしなかったんだ
. 好きになってもいいですか? 4
~Yside~
「あーはーはーはーは!!」
サンドイッチを勧めたら盛大にお腹を鳴らして返事がかえってきて、俺は爆笑してしまった
「いいから召し上がれ、試作だからお代は要らないよ」
「……あ、あの…じゃ、いただき…ます/////」
真っ赤になって縮こまる彼、悪いとは思うけど少しだけ心の中を覗かせてもらった
【美味しそうだけどお金ないから……】
バイトクビって言ってたもんな、事情まではわからないけどお腹を空かせてることには違いない
「こっちはチキンとクリームチーズ、こっちはベーコンとチェダーチーズなんだ、感想聞かせてほしいな、えっと…」
「……チ、チャンミン、シム・チャンミンです/////」
「俺はチョン・ユンホ、ユノって呼ばれてるよ」
「ユノさん…ありがとうございます/////」
そう言って嬉しそうにサンドイッチを頬張る姿はとても可愛くて、男なのに可愛いっておかしいのかもしれないけど…
【マスター優しいな、ココで働けたら……でも僕トロいから…】
チラチラと俺を見ながら聞こえる心の声、知らん振りしながら心の中で聞き耳をたてる
そうなんだ、トロいんだ(笑)確かにおっとりしてる雰囲気はしてるかな
【それにこんなおしゃれな所で…僕みたいなの似合わないよね、マスターに迷惑かかっちゃうかもだし、他を探さなきゃ…】
おやおや、一人で考えて自己解決してしまった?しゅんとこうべを垂れて落ち込んでしまうチャンミン
ふふ、さっきまで嬉しそうに食べていたのに…目の前でくるくると変わる表情に釘付けになってしまうよ
「あのさ、もしよかったらうちでバイトしない?」
「……へっ?/////」
「トロくても大丈夫、俺がゆっくり教えるからさ」
あ、しまった……!!
キョトンとする彼、俺はつい、心で読んだことを口走ってしまったんだ
. 愛をもっと!! ~ジュニア来襲~ 4
~Cside~
「はじめまして、キム・ミンソクです」
突然の社長の息子の登場で、固まる僕を庇うように前へと出るユノ
「初めまして、チョン・ユンホです、こちらは開発課のシム・チャンミン先輩」
「どうも、噂は聞いてますよ」
「……何が目的です?」
顔は笑っているのにキツイ口調、ユノってこんな表情もできるんだ
「目的なんてありませんよ、ただ興味があったんです」
さらりと交わすキム・ミンソクも中々のものだ、ユノにあれだけ睨まれて視線を逸らさないなんて……
「興味…ですか?」
「ふふ、そんなに怖い顔しないでください、チョン先輩?」
「……っ!!」
「では僕はこれで」
軽く会釈をするとキム・ミンソクは静かに去って行った、僕は思わずユノの服の裾を摘んだ
くるりと振り返ると頬をふわりと撫でる大きな手、それだけで心が落ち着いてくるから不思議だな……あんなに不安で堪らなかったのに
「大丈夫だって!!」
「…で、でも!!」
「早く帰ってセックスしよ?」
「……ばっ!!ユノっ!!/////」
「はいはい、ここは会社会社」
またもやグイと引っ張られ、攫われるようにして僕は会社を後にしたんだ
. 好きになってもいいですか? 3
~Cside~
僕は早朝のビジネス街をトボトボと歩いていた、人気のない街は夏なのにひんやりとして心まで冷えてしまいそうだ
昨日ファミレスのバイトをクビになってしまい、人の少ない時間にロッカーを片付けてきたところだった
トロい僕がどうにか続けてこれたバイトだったのに、二十四時間営業だったから時給もよかったし、ああ今月の生活費が……
……はあ、どうしよう
僕はシム・チャンミン、大学一年生、親の反対を押し切って遠くの大学に来てしまった手前、仕送りは学費だけでいいと啖呵を切ったのは一年前
だが、世間はそんなに甘くはなかったんだ…
賄いがあるから絶対に飲食店がいいと選んだファミレスだったけど、僕ってほんとトロいっていうか、鈍臭いっていうか……
そんな時通りかかったいつものカフェ、コンビニで買うコーヒーよりは値段も高いから滅多に来れないんだけど
感じのいいマスターがいて、コーヒーも美味しくて、たまに自分へのご褒美にテイクアウトしていた
……あ、バイト募集してる
張り紙を見つめているとマスターがひょっこりと顔を出してきた、いつもはクールなイメージなのに笑うと感じが違うんだ/////
僕はなんだか動揺してしまって、言い訳のようにバイトをクビになったことまで話しちゃって
オロオロとしてる間に店の中へと連れ込まれてしまった
「どうぞ、落ち込んだ時には少し甘いものがいいんだよ」
マスターが出してくれたのはカプチーノ、泡にはハートがアートされていて…
胸がジン、と熱くなる、こんな時に優しくされるとなんだか泣いてしまいそうだ
何かを聞くわけでもなく、黙々と作業をするマスターの優しさが心に沁みて…
僕は暫くカップを持ったままマスターを見つめていたらしい
「ふふ、そんなに見つめられると穴が開いてしまうよ、ね、お腹すいてない?サンドイッチ作ったんだ」
……サンドイッチ、美味しそうだけどお金が
「……あ、あの/////」
ぐるるるるるるるるる♪
僕がなにか言う前に、お腹の方が盛大に返事をしてしまったんだ!!
. 愛をもっと!! ~ジュニア来襲~ 3
~Yside~
またしてもぐるぐると一人で先走るシム先輩、まったく仕方のない人だ
腕を引いてトイレの個室へと閉じ込めると、両頬を挟んでじっと顔を覗き込む
ほらね、そんな不安そうな顔をして、瞳を潤ませて視線を泳がせちゃって
「……ユ、ユノ?/////」
「ふふ、そんなに俺のこと心配?」
「……なっ!!だ、誰が!!/////」
「ふふん、社長の息子さんの世話係……ご令嬢と関係あると思ったとか?」
「……っ!!/////」
「ね、俺のこと好き?」
「……なっ!!なんでこんなとこでっ……んっ/////」
俺ってば自分から聞いたくせに返事も待たずに唇を塞いじゃうとか、もうねほんと堪んない
目尻に透明な雫が光り、嫌がる体を抑えつけ、深く口付ければ絡まる舌が応えてくれる
誰がなんと言おうと俺が先輩を好きなことは変わんないのに、ほんとどこまでネガティヴなんだか
でもそんなところもひっくるめて全部好き、大好きなんだ
このまま抱いてしまいたけどさすがに会社だし、トイレの中だし、早く帰って思いっきりあなたを啼かせたい
ゆっくり体を離すと不安げに見つめるからもう一度抱き締める、俺の言葉が信じられないなら分かるまで愛してあげる
「帰ろっか」
「……ん/////」
大人しくなった先輩の手をとって、トイレから出ると立ちはだかる人の影
「あなたがチョン・ユンホさんですか?」
「……はあ、えっとどちら様?」
「明日からお世話になります、キム・ミンソクです、よろしくお願いします」
腕を組んで不敵な笑顔を浮かべる生意気そうなヤツ、そいつこそ社長の息子その人だったんだ
. 好きになってもいいですか? 2
~Yside~
ミノが持ってきたパンをレジ下のショーケースに並べておく、テイクアウトするお客さんも多いから結構売れるんだよな、そうだ…バケットはスライスしてサンドイッチにしよう
ベーコンとチーズと……と、冷蔵庫をゴソゴソと探っていると店の前に誰かが立っていた
…丁度張り紙のところ?
入り口の扉横のガラスに貼った紙を食い入るように見つめる男、バイト探してんのかな…
普段なら絶対に声なんてかけないのに、この時はたまたま店内にお客さんは居なかった
どんな子だろう…
ふと興味が湧いてカウンターから抜け出し、声をかけてみた
「バイト募集中ですよ?」
「……あ/////」
真っ赤になって固まる彼、背は俺と変わらない?凄いイケメンじゃないか、モデル並みのスタイルだし見かけからして大学生か?
何よりも目を引くのは宝石みたいな大きなバンビアイ、突然のことに瞳をくるくるとさせて視線を泳がせる
【マスター出てきちゃった、どうしよう…】
やべ、心が読めないようにシャットアウトしてたのに、あんまり美人だからつい見惚れて……油断してしてるな俺(笑)
「……す、すいません、いっぱい見ちゃって、昨日バイトクビになっちゃって、なんか落ち込んでて、あのっ……コーヒーでも飲もうかと思って/////」
しどろもどろに説明してする彼、俺は可笑しくてつい吹き出してしまった
「ふふ、バイトクビね、とりあえずお客さんなんだ?『Duet』へようこそ、ほら、入って?」
「……え?/////」
「落ち込んでたんだろ?コーヒーぐらいご馳走するよ」
「……え?え?…あ、あの?/////」
少々強引だとは思ったが手をとって店の中へ引き入れる、だって聞こえちゃったんだ
【ここのコーヒー飲んだら元気出るんだよね】
久しぶりに読んだ他人の心の声があまりにも純粋で、もう少し彼と話してみたいと思ったんだ