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. あなたと過ごしたい 5
~Yside~
「相変わらず綺麗にしてんな」
「ふふ、そう?荷物置いたら座って、お腹すいたでしょ?」
「なんか作ってくれんの?」
「大したものはないけどね、ヒチョルヒョンは元気?ドンへ君とは会ってるの?」
「ああ、相変わらずつるんでる」
「そうなんだ」
キッチンで手際よく動く姿が新鮮でつい見つめてしまうけど
視線が合うたび頬を染めるとか反則じゃね?
さっきは駐車場でやけに積極的だったくせに、帰ってくるなりつれなくなっちまうとか
こっちにいられるのは今日もあわせて3日だけ、短い気もするけどずっと一緒にいられるって言ってたし
また会いにくればいいし…
「ユノ?できたよ」
「おっ、うまそ!!いただき!!」
「ほら慌てないで?すぐ溢すんだから(笑)」
チャンミンが用意してくれたのはホカホカのチゲ、サラダもあるしナムルだって
「ユノもいるし、飲んじゃおうかな?」
「俺がいなくても飲んでるくせに」
「ふふ、バレた?ユノも少し飲む?」
「ああ」
チャンミンの注いでくれたビールで乾杯をすると、俺達は数ヶ月ぶりに二人で飯を食ったんだ
. あなたと過ごしたい 4
~Cside~
……ユノから連絡があって本当にホッとした
だってあんなに怒ったのは初めてのことだったから
大学に入って『SLVER MOON』でバイトを始めた
ユノは、会うたびに男らしくなって
最近ではユノ目当てに通う女の子も増えたとか
出逢った頃の幼さの残る高校生から大人へと……
そんな彼を僕なんかが繋ぎとめていいのか、とか色々考えちゃって
この前もヒチョルヒョンと電話してて笑われたんだよね
『そんなことよりユノの気持ち考えてやれよ』
なんて言われてしまって、そういえば最初にユノに仕掛けたのは自分からだったな、とか
我ながら勝手な自分が嫌になる
空港には迎えに行った時は、有無を言わさず抱きしめられちゃって、顔から火が出るかと思ったけど
人気のない駐車場でキスをせがんだのは僕…
話すより唇を重ねたいなんて、そんな風に思ったのはずっと逢いたかったから
だってね、君が思うよりずっと僕は君に焦がれてる
『なに、チャンミンやけに積極的じゃん///』
そう言って熱っぽく見つめるアーモンドアイが眩しくて、やっぱり視線を逸らしてしまう僕だったんだ
. あなたと過ごしたい 3
~Yside~
チャンミンからのメッセージを見たのは朝になってからのことだった
昨日あれからソファでふて寝してたから気付くのが遅くなっちまって
『これ見たら連絡してね』
『年末のエアーとってあるからこっちに遊びに来て?』
『驚かせようと思って黙ってたんだ、ごめん』
きっと眠れなかったんだろう、夜中に何度も確認するように送られたメッセージ
……あのバカ、早く言えってーの!!
俺は一つ息を吐いてスマホをタップする
今日は大学に行かなきゃいけねーし、夜はバイトが入ってるから今じゃなきゃ連絡できない
だってね、声が聞きたいんだ
離れててもあなたの匂いをすぐに思い出せるほど焦がれているのに
「………もしもし?」
「おはよう、寝不足チャンミン」
「………ユノ、あのね、あの……」
「行くよ!!」
「………え?///」
「年末行くから!!」
「………うん、ユノ大好きだよ」
「!!!!………不意打ちすぎ///」
いきなりそんなこと言うもんだから2人とも黙っちまって、目の前にいたら間違いなく押し倒してる
「……会えるの楽しみにしてるよ?」
「ん、俺も早く会いたい」
「………うん///」
電話の向こうで真っ赤になってるであろうあなたの姿に、ジンと胸が熱くなる俺だったんだ
. あなたと過ごしたい 2
~Cside~
『俺休みとって待ってたのに!!』
そう言って電話を切ってしまったユノ、もう少し落ち着いて話を聞いてくれたらいいのに
……怒らせちゃった、な
臨時教師である僕とユノが付き合うことになって、それから間もなくして僕は日本の大学に呼ばれて離れてしまった
前々から決まっていたことだったし、今更変更もできないから
もし、ユノに好きな人が出来たら諦めなきゃって思ってたけど
ユノは必死にバイトをして日本まで会いに来てくれて
あまり口には出せないけどとても嬉しくて………
クリスマスだって休みが取れなくて会えなかったから、年末ぐらいは……って!!
サプライズにと思って航空券を用意していたのに…黙っていたことが仇になってしまうなんて
あれから何度か電話をしたけど、全然でてくれなくなっちゃって
本当は直接伝えたかったけど仕方ない、よね
『ユノ、黙っててごめんね、年末は休みが取れたから日本に来て欲しいんだ、一緒に新しい年を迎えよう、大好きだよ』
自分で打ってて顔から火が出そうだったけど、とりあえず送信して僕はスマホをテーブルに置いた
大好き、なんて///
……でも、あんなに怒ったユノ久しぶりだったな
出会った頃はまだまだ背伸びしていたのに、大学に入ってからやけに男っぽくなっちゃって
『チャンミンは俺のこと全然わかってない!!』
そう言って君は怒るけど、僕の方がずっと君に夢中だなんて
きっと君はわかってないんだろうな……
. あなたと過ごしたい 1
~Yside~
「はあ!?それってどういう事だよ!!」
『ね、ユノ聞いて?あのね……』
「日本の大学ってのは年の終わりは休みになんじゃねーのか!!」
『だ、だから……』
「俺休みとって待ってたのに!!」
『………ちょ、ユノ』
「もういいよ!!」
俺はスマホをタップすると乱暴にベッドへと投げた
なんだよ!!なんなんだよ!!
俺とチャンミンが付き合って間もなくして、チャンミンは日本の大学の研究室に呼ばれて行ってしまった
もともと臨時教師は半年の契約だったし、日本に行くことも決まっていて
俺はどうすることもできなかった……
チャンミンは俺に好きな奴ができたら、なんて言っていたけど、俺は別れるつもりなんて全くなかったし
バイトして無理やり会いに行ったりとか、俺達なりに心を確かめ合ってきたと思うのに
チャンミンはそうじゃなかったのかな…
日本では新しい年を迎える時は学校も店も休みになるって聞いていたから
俺も休みを取ってチャンミンが帰ってくるのを心待ちにしていたのに
まさか帰ってこれないなんて!!
クリスマスだって一緒に過ごせなくて、プレゼントも渡そうと用意していたのに
……俺ばっかり好きみたいじゃねーか
それでなくてもいつだって俺のことを年下扱いするから、悔しくてクールに振舞ったりしていたけど
今日ばかりは感情的になっちまったな
考えれば考えるほど落ち込んでしまって、その後のチャンミンから何度も着信があったことに全く気づいていなかったんだ