苺な彼とビールな僕

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～Yside～







君のためにとったスイートだけど、明日になればリウが来るから二人きりは今夜だけ



ふふ、リウはチャンミンが好きだから妬いてしまうだろうな



食事はルームサービスで部屋でとり、バースでケーキも用意してもらった、シャンパンで乾杯してウィーンの夜景を楽しんだ


君の年の数だけ用意した薔薇の花を差し出すと、やっぱり君は花束に顔を埋めて涙を浮かべた



耳にはダイヤのピアスが光る



俺の見立ては間違ってなかったようだ、とてもよく似合う、これから毎年こうやって二人でバースデーを祝えたら…



薔薇の花びらが浮かぶバスタブに君を浮かべて後ろから抱き締める、やっぱり恥ずかしがる君はなかなか顔を上げてくれないんだ


耳を赤く染めて、緩く弧を描く綺麗な項に唇を寄せる



どこか儚げで、不安そうな君

胸を開いて俺の心を見せてあげたいよ



「…チャンミン、また何か考えてる」


「…え？/////」


「教えて？君の考えてること、心の中に溜めておかないで言ってごらん？」


「……/////」



抱き締めていた腕を離しくるりと体を返して向かい合う、驚いてもっと俯いてしまう君の顎を掬って優しく口付けた



「……ほ、ほんとに僕でいいのかなって」



「うん？」


「……ユノさんはチョングループの社長なのに…それに僕…男だし…」


「それで？」



「……ぼ、僕はピアノしか弾けないのに」



「俺のこと愛してない？」



俺の言葉に顔を上げてふるふると首を横に振る君



「……愛してます、心から」


「なら、それでいいんだ、何も考えなくていい」


「……ユノさん」


「愛してるチャンミン、もう一度抱いていい？」


「……ダメって言ってもそうするくせに/////」


「ん？ダメなの？」



チャンミンは俺の首に腕を回して耳をぺろりと舐めた、ゾクゾクと粟立つ感覚、そんな風に煽って後から泣いても知らないよ？




見つめる二つの瞳は薔薇の花弁を映すように……赤く熱を孕んで揺れていた

2016-03-01 17:00 ｜カテゴリ : 空色の調べにのせて ｜コメント(8) ｜トラックバック(0)