苺な彼とビールな僕

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～Cside～






「よお、チャンミン」



「ヒチョルヒョン、頼まれてたこれ」



「おお、助かるよ、ありがとう、今帰りだよな、これ持って帰れよ」




カウンターから華麗に登場して渡されたのはタッパに入った大量のチャーハン、賄いにしちゃ量が多いけど？




「飯が余って困ってたからお前に食ってもらおうと思ってな」




ウィンクを一つ残してまた華麗に中へと戻っていく、なんか芝居じみてるくせに絵になる、この人っていつもこうなんだよな（笑）




ああ、でも今、外にいる彼をラーメンに誘ったところなのに、なんてタイミングだよ



でもヒチョルヒョンのチャーハンは美味いんだ



店を出る前に少し考えて、ゆっくりとドアを開けたら



…あれ？いない？



キョロキョロと周りを見渡すと路地からひょっこりと小さい顔を覗かせる、なんか犬みたいだ（笑）



「ごめんね、お待たせ」



パアッと表情が明るくなってこっちにやってくる彼、無邪気そうなその笑顔に胸がきゅっと音を立てた



「ね、予定変更でもいい？特上のチャーハン貰ったからさ、うちにおいでよ」



自分でも信じられないような言葉がスラスラと出てくる



…僕はどうしてしまったんだろう




切れ長の瞳をくるくるとさせる彼の手を引いて、僕は歩き出していたんだ

2016-03-01 23:00 ｜カテゴリ : SILVER MOON ｜コメント(4) ｜トラックバック(0)