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. 僕の彼氏は有名人 13
~Yside~
飯でも一緒にと誘ったのは俺なのに、その日に限って仕事が遅くなってしまった
一応店には連絡を入れておいたから、先に何か食べて待っていてくれるといいんだけど
怒らせてしまったかな……
1時間ほど遅れて店に入ると、カウンターから先輩がニッコリと笑顔で迎えてくれる
「お待ちかねだぞ?」
「すいませんでした」
「いや、面白い子だ(笑)」
奥の個室へ急ぐと中からブツブツと何かが聞こえる
耳を澄ますとどうやらメガネ君が一人で何か話しているらしい
「……き、今日はお招きに預かりっ…あ、ありがとうございました、いや、なんか違うな……えっと、初めまして!!……じゃないし……あ!!お仕事お疲れ様です!!よし!!これでいこう、うん////」
俺は吹き出しそうになるのを堪えてそっとドアを開けた、メガネ君は気付かずにスマホを覗き込んで何かを見ているようだった
「おまたせ」
「……えっ?ひゃっ!!////」
「遅くなってごめん、俺が誘ったのに」
「い、いえ!!全然待ってませんからっ!!わっ!!いてっ!!」
いきなり声をかけたもんだから、慌てて立ち上がってテーブルにガタガタと足を打ち付けてるし(笑)
「いいから、座って?」
「あ……は、はい////」
「そんな緊張しないで?ほら、深呼吸して」
「は、はいっ!!スーハースーハー」
「……ぷっ、あーはーはーはー!!」
素直に深呼吸をする君が可愛くて、思わず笑ってしまったら、まるで捨てられた仔犬みたいにしゅんとして肩を落として……
「……か、からかってますか?////」
「まさか!!ね、とりあえず乾杯しよう?再会を祝して」
「……あ、はい////」
少し拗ねてしまった君をどうにか宥めて、俺達はやっと乾杯をしたんだ
. 誓いの言葉 17
I pray for everlasting love
~Yside~
「チョン・ユンホ、あなたは健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか」
「誓います」
「シム・チャンミン、あなたは健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか」
「……誓います////」
家族達に見守られ俺達は神父様の前で愛を誓い合った
朝はバタバタとしちまって、余韻に浸る間も無く結婚式へとなだれ込んだけど
白いベールに包まれたバンビアイはキラキラと輝いて、誰よりも綺麗で目が離せなくなってしまうよ
『………あんまり見ないで/////』
そう言って顔を背けてしまうお前が、どうしようもなく愛おしくて
誓いのキスは触れるだけと思っていたのに、危うく止まらなくなる所で
驚いて眼を見張るから唇を軽く噛んでやったら、潤んだ瞳で睨み返された
……そんなことしても可愛いだけなのに(笑)
花びらの舞う中、溢れる涙を止められないお前の手を握って、俺達は無事に式を挙げることができた
永遠の愛なんて誰にもわからないけど
幸せにしたい
大切にしたい
一生側にいて護りたい
そう思う今が大切なんだと思う
「ほらほら、次はホテルに移動よ!!急いで着替えないと!!」
「……ちょっ!!ばあちゃん待てよ!!」
「お祖母様焦りすぎです、ほら、私達は先に行って待ってましょう?」
「ええ~!?早くして頂戴ね!!」
わあわあと騒ぐばあちゃんは、姉さんとミノに引きずられるようにして部屋を出て行った
……ったく、誰の結婚式なんだか(笑)
「……ユノ、あの……お願いがあるんです////」
「ん?どした?」
「ふ、二人で写真撮りませんか?////」
そう言って真っ赤になってスマホを差し出す愛しい人、俺達は二人寄り添って初めてのセルカを撮ったんだ
. 僕の彼氏は有名人 12
~Cside~
「シム様ですね、こちらへどうぞ」
「……へっ?ああ、は、はい///」
今日はユンホさんとの約束の日、なんでこんなことになってるのかさっぱりわからないけど、僕は彼に言われるままに指定された場所に来たわけで……
そこは……古い建物をリノベーションしたお洒落なお店で、扉の前には『member's only』と書かれた看板がさがっていて
は、はっきり言って場違い極まりない!!
軽く食事をするだけだって聞いていたから、パーカーにジーパンで来てしまったのに
もしかしてからかわれたのかも……
これはダメだと踵を返したところに、店から出てきたバーテンさんに呼び止められて、僕はとりあえずは中に入ることが出来た
店内は間接照明で薄暗くて、色んな形のランプが置かれて幻想的な雰囲気だった
お客さんはいかにもセレブそうな人達ばかりで、僕は俯きながら奥の個室へと案内された
個室の中は外からは見えないけど、落ち着かなくてオドオドとしてしまうよ
「チョン様から連絡がありまして少し遅れるとのこと、お待ちの間何かお飲物でもいかがですか?」
挙動不審な僕に動じることなく、その人は優しく話しかけてくれるのに、僕はどうしていいかわからず黙り込んでしまう
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ、何か適当にお持ちしますね」
そう言ってニッコリと笑ってバーテンさんはこの部屋を出て行った
ポケットのスマホを取り出すと、画面に表示されるのはユンホさんからのメッセージ
『ごめん、少し遅れるから待ってて』
何だかかわいいウサギのスタンプと一緒に(笑)
………ユンホさんに似てる
少しだけ落ち着いた僕は、ゆったりとソファにもたれると静かに深呼吸をしたんだ
. 誓いの言葉 16
I pray for everlasting love
~Cside~
「もう!!ユノのバカバカ!!」
「だからごめんって」
「昨日はダメだって言ったのに!!//////」
「だってしょうがないだろ?チャンミンがエロ過ぎんだから」
「も、もう/////急いでください、ああ、忘れ物してないかな」
僕は玄関でもう一度部屋を振り返る、そう、今日はいよいよ僕達の結婚式当日!!
なのに前の夜ユノったらまた……!!/////
どうしても感傷的になってしまう自分がいて、抱き締めて欲しかったけど
それでも触れたら止められないからなるべく甘えるのは我慢していたのに!!
「そんな慌てなくても」
「だ、だって!!」
「チャンミン」
「………離して……んっ/////」
「大丈夫だよ」
「……あ……んっ/////」
「ほら、やっぱりエロい(笑)」
「!!!!/////」
そんなやりとりをしながら教会へと向かうと、既に到着したお祖母様達がそわそわとしながら待っていた
「早く早く!!遅過ぎよ!!」
「……す、すいません/////」
「大方の予想はしていたけどね、ほら、早く着替えて?」
「は、はい/////」
それぞれの部屋へと追いやられ、着せ替え人形のように衣装を着せられて、まったく余韻なんてあったんもじゃない
あっという間に出来上がった僕達は、親族のいる部屋へと案内されて、やっぱり僕は涙が止まらなくて
「幸せにする」
そう言って優しく微笑むユノは、世界一かっこいい旦那様だっておもうんだ
. 僕の彼氏は有名人 11
~Yside~
『……へっ、ふぇっへぇ!?////』
そう言って電話の向こうでフリーズする君、ほんと面白くて笑ってしまうよ
食事に誘ったのにまともな返事をくれないから、こちらで強引に日にちを決めてしまった
相変わらず返事はふぇ、とかふぁ、とかばっかりだったけど、一応会話になってるからまあ良しとした(笑)
だって、これきりにするのはなんだか寂しい気がしたんだ
スマホだって大丈夫だったみたいだし……
でも…ちょっと引かれちゃったかな(笑)
指定したのは一週間後の金曜日、聞けば彼はフリーターだそうだから日にちの都合はつくんだそう
色々聞きたいこともあるけど、それは会ってからのお楽しみ
メッセージを送ったら普通に返事が帰ってきたから、これで会話ができるかな
自分のファンに、ましてや男の子にまた会いたくなるなんて、俺ってどうかしちまったのかと思うけど
「ユノさんなんか調子いいですね」
「ん、そうかな」
「さては良いことありましたね~?」
「はは、普通だよ」
「またまた~」
事務所のスタッフにまで突っ込まれるほどニヤニヤとしてしまう自分に、正直戸惑ってしまう俺だったんだ
. 誓いの言葉 15
I pray for everlasting love
~Yside~
いよいよ前日に迫った結婚式、一応予定としては昼前に教会で式を挙げて、そのまま移動して披露パーティーへ
本当は式の後はゆっくりと余韻に浸る予定だったけど、ばあちゃんが譲らないから仕方なく(笑)
……そこはチャンミンもわかってくれたらしい
今日も普段と変わらない1日を過ごして、ああ、そういやチャンミンはエステには通わされていたっけ
花嫁なんだから仕方ない、よな
日に日に綺麗になっていくお前に、置いてかれてるみたいでちょっと寂しい気もするけど
『そんなのユノの方がずっとかっこいいですよ?////』
なんて言われちまうと抑えが効かなくなってしまう
「!!ユノ!!////」
「な、ちょっとだけ」
「……ダ、ダメです……あっ////」
「無理」
「……バ、バカ……はなせっ……あん、あっ////」
「やばい、もっと声聞かせて?」
「………や……ん////」
イヤイヤと首を振りながらも次第に蕩けていく体に、溢れ出る愛しさを止められない俺だったんだ
. 僕の彼氏は有名人 10
~Cside~
………どどどどど、どうしよう////
昨日は夢見たいな出来事があって、夜に連絡するって言われたからずっと待っていたのに
結局電話はかかってこなくて……
家に帰ってからもトイレやお風呂にまでスマホを持って回っていたのに、ああ、やっぱりって…
そりゃそうだよね////
あんな有名な人が僕になんて連絡をくれるわけがないんだ、うん
あれは神様がイケてない僕にちょっぴりご褒美をくれただけなんだって
も、もしかしたら一生の運を使い果たしちゃったのかもしれない
次にあるファンミーティングが一番後ろの席だったりして(泣)
ゴロゴロと眠れない夜を過ごし、次の朝ちょうど歯を磨いている時にスマホが鳴って
『もひもひ?』
なんて間抜けな声で出たら、それはユンホさんで、思わず思わず泡をごくんと飲み干しちゃって(泣)
色々と説明したら爆笑されちゃって、もう恥ずかしくてどうしていいか!!/////
スマホのことは説明して大丈夫だったことは伝えて、ああ、これで終わりって思ったのに
『今度飯でも行かない?』
って今度はお誘いを受けてしまって、僕は片手に歯ブラシを持ったままフリーズしてしまった
「……へっ、ふぇっへぇ!?////」
またまた変な声をだしてしまった僕に、ユンホさんは本日2度目の大爆笑をしたんだ
. 誓いの言葉 14
I pray for everlasting love
~Cside~
前撮りが終わってからはバタバタと毎日を過ごして、式の打ち合わせ以外は普段と変わらない生活を送っていた
ちょっと変わったといえばユノが優しくなったところ?
いや、前からも優しかったけどそれよりもずっと////
なんだろ、式が決まった頃の2人の雰囲気よりはずっと良くなった気がする
あの時は僕が色々と考えすぎちゃって、ユノを困らせてしまったけど
今は1日1日を大切に、幸せを噛みしめるように
こないだお祖母様に会った時は、ノリノリで新婚旅行の話をされて正直困ってしまった
……それはまだ決まってないんだよね
ユノの仕事や僕の店のこともあるし、なかなか長くは休めないから、暫くはお預けって感じかな
……でも、子供とか出来たら行けなくなっちゃうかな
こ、子供とか!!//////
キッチンに1人で向かいながらなんだか暑くなってきちゃって、そんなの出来るかもわかんないのに
「チャンミン?」
「……え、わっ!!////」
ぼんやりとしていると突然後ろから腕が伸びてきて抱きしめられる
嬉しいけどいつもびっくりしちゃうんだよね////
「どうかした?顔赤いけど(笑)」
「……ううん////」
「そう?」
逞しい腕に包まれて僕の不安なんてあっという間に吹き飛んじゃって
我ながら単純だなんて思う、そんな夜だったんだ
. 僕の彼氏は有名人 9
~Yside~
「……で、お前ほんとに連絡するつもりなのか?」
「ああ、勿論」
仕事終わりにやってきたのは大学の先輩であるヒチョルがオーナーを務めるカフェバー
今日は思いがけず仕事がキャンセルになったからちょっと飲みにやってきた
芸能人って仕事柄あまりおおっぴらには出かけられないけど、ここだけは俺の隠れ家的存在で
会員制なのは勿論、オーナーのせいで気ままな連中が多いから、割とスルーして貰えるんだよな(笑)
メガネ君には今日中に連絡を入れるつもりだったのに、収録終わりにプロデューサーに呼び止められて思ったより遅くなってしまって
仕方がないから連絡は明日することにしたんだ
カウンターでグラスを拭く先輩はしげしげと俺を見つめると、なんだか楽しそうに笑った
「ふうん、メガネ君ね、随分と気に入ったもんだ(笑)」
「……別にそういうわけじゃ」
「ま、いんじゃねーか?会うならここにしとけよ、俺もいるし安心だろ?」
気に入ったっていうか……
眼が離せないっていうか、なんか面白いんだよな
それに……メガネの奥に光る瞳がとても澄んでいる気がして
長めの前髪でよくは見えないけど(笑)
スマホを弁償するなんて言って本当は君と話したいだけ、なんて
……マネージャーにはとても言えないな
. 誓いの言葉 13
I pray for everlasting love
~Yside~
今日のシルエットモデルの撮影は大成功だった!!
カメラマンのイェソンさんは、ちゃんと衣装のことを伝えていなくて申し訳ないと頭を下げていたけど
俺的には逆にお礼を言いたいぐらいだった!!
だってさ、俺のチャンミンはドレスだって完璧に着こなせるんだから!!
しかもモデルの出演料として前撮りの撮影代はいらないって言ってくれたし、写真集にもしてくれるって言ってくれて
流石に申し訳ないとチャンミンが食い下がっていたけど、何故かチャンミンの店でディナーをご馳走することでケリがついたらしい(笑)
撮影中もずっと涙を浮かべていたチャンミンは、本番では泣かないように頑張るって話してたけど
……涙を堪えてる姿も可愛いんだよな/////
家に帰ってからも今日のことを思い出してニヤニヤとしていると、チャンミンが訝しげに俺の顔を覗き込む
「……何笑ってるんです?」
「ん、今日のチャンミンを思い出してたの」
「!!も、もう忘れてください////」
「んなの忘れるわけないだろ?」
「だ、だって女装なんて////」
「………あのまま襲いたかった」
「……////」
「今夜は襲っていい?」
「………バカ////」
そっと寄り添うお前を強く抱き締めて、隙間なんてないほどにぴったりと重なり合ったんだ