. スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
. あなたの匂いに包まれて ~恋人未満~ 4
~Cside~
家に帰ってからべったりとくっついていたくせに、ユノは今イヤホンで曲を聴いていて、ぼんやりと考え事をしてるみたい
僕は車の中で寝てしまったから、パクさんと何を話してたのかはわからないけど、何かあったのかな
「……ユノ?」
「ね、チャミ、これ聞いてみて?」
不意に見上げるアーモンドアイ、あまりにも真っ直ぐに見つめられてこっちはドキドキしてしまうっていうのに、ユノはお構い無しに僕の耳にイヤホンを突っ込んでくる
「……ちょっ!!/////」
「お願い、ね?」
真剣な表情のユノに、渋々イヤホンに耳を傾ける、全く何考えてるんだか……
聞こえて来たのはユノ歌うバラードで、少し鼻にかかったような甘い声が耳に優しい
「ユノの曲?」
「そう、新しいヤツ、バラード苦手なんだ」
不機嫌そうに俯いてしまうユノは、子供みたいに口を尖らせて、僕は思わず吹き出してしまった
「僕は好きだよ、ユノの声」
「……チャミ/////」
「……わっ!!/////」
ユノは突然勢いよく僕に飛びつくと、息も出来ないほどにぎゅうぎゅうと抱きしめたんだ
. 愛の詩をきかせて 30
~Yside~
攫うように連れてきてしまったけど、この家に自分から誰かを招き入れたのは君が初めてかもしれない
「入って」
「……お、お邪魔します/////」
腕を離せば逃げてしまいそうな君、灯りはつけずに肩を抱いてリビングへと招き入れた
暗闇のなかでも不安げな表情は見て取れるけど、大丈夫という言葉の変わりに握った手に力を込める
「おいで」
「………わ/////」
『都会の星空をあなたに』そんな売りのこのマンション、市内の中心部にある場所柄、色取り取りのネオンが輝く夜景が素晴らしい
リビングのガラス越しに外を見つめる瞳はまるで宝石のようにキラキラと輝いていて
「俺のね、癒しの空間」
「…綺麗/////」
ガラスに張り付くように外を見つめる君を後ろから抱き締める、ピクンと体が強張ったけどそんなことに構っていられない
「……どうやら俺は君に夢中らしい」
「………社長さん…?/////」
「君が好きってこと」
「……っ!!/////ソ、ソッチ系じゃないって!!」
「……言った」
「じ、じゃあ!!」
「ん、仔鹿君だけ限定」
「……うそ、からかって…/////」
「嘘じゃない……好きだよチャンミン」
「………っ!!////ず、ずるい……んっ/////」
拗ねるように俯いてしまった君の顎を掬って唇をなぞり、都会の星空の中、誓うようにキスをしたんだ
. あなたの匂いに包まれて ~恋人未満~ 3
~Yside~
つれない事を言うくせに、抱き寄せてキスをすれば身を任せてくれるチャミが堪らなく可愛くて
……いや、可愛いいっていったら怒るかな
あの後すぐにパクさんが来たから、慌てて体を離されてしまったけど
明日は久々の休みなんだし、チャミと夜通しくっついていたっていいよな
練習生だった頃は、ただ、がむしゃらに踊るだけで、ひたすらデビューを目指していたけど
今俺がダンスするのは愛する人のためで……
踊るのが好きなのは変わらないのに、チャミのことを想うだけで、体の奥からパワーが溢れてきて、感情が高まっていくんだ
「ユノ、新曲はもう覚えたか?」
「……俺バラード苦手なんだけど」
「何言ってんだ、初めてのミニアルバムなんだからな、皆期待してんだぞ?」
「……わかってるって」
ワゴンの中でパクさんと仕事の打ち合わせをしながらの帰り道、チャミは横でいつの間にか寝ちゃってて、俺は上着をそっとかけてやった
「……うまくいってんのか?」
「いや、前途多難なんだ」
「ふふ、そうか(笑)」
すやすやと眠るチャミの寝顔を見つめながら、どうやったらチャミが俺と真剣に向き合ってくれるのか、ずっと考えていたんだ
. 愛の詩をきかせて 29
~Cside~
ホテルの中にある焼肉店、今まで食べたことがないような美味しいお肉をご馳走になって、ついつい夢中になっちゃったけど
……どうしてこんな事してくれるんだろう/////
ここに来るときだってエレベーターの中で急にキスしたり、女の子みたいにエスコートしてみたり
『わからない?』
僕の質問に肘をついたまま首を傾けて、悔しいけど腹が立つほどにかっこ良くて
「食べ終わったら少し付き合って?」
「………/////」
社長さんは、黙ってしまった僕の腕を引いて二階のロビーを出ると、駅へと繋がるデッキへと向かった
ここのホテルは駅とも繋がっていて、僕はそのまま帰ることも出来たのに、結局帰るとも言えず、着いたのは駅の反対側にあるタワーマンション
コンシェルジュのいるマンションのエントランスを過ぎると、流石に僕も躊躇してしまって立ち止まってしまう
「どうした?」
「……ここって?/////」
「俺の家だよ」
………い、家!?どういうこと!?/////
「な、何で!?/////」
「ん、告白しようと思って」
「………はっ!?/////」
「ふふ、心配しなくてもとって食やしないって」
「……ちょっ!!/////」
社長さんはにっこりと笑って僕の腰に手を回すと、そのまま抱きかかえるようにエレベーターへと乗り込んだんだ
. あなたの匂いに包まれて ~恋人未満~ 2
~Cside~
ユノのスタイリストになってもう三ヶ月以上が過ぎた……
『チャミ、俺の恋人になって!!』
毎日顔を合わせる度にこのセリフ、最初はどうなる事かと思ったけど、デビューが近づくにつれ忙しくなってきて、家に帰れば速攻ベッドに倒れこむっていう毎日で
まあ、アメリカから帰ってすぐにデビューとか、スケジュールに無理があるんじゃないかって思ったけど、ユノのバイタリティは並みじゃなかった
タイトなスケジュールに合わせての衣装選びも半端じゃなくて、なんせ一からの準備だったわけだから……
最近ようやく落ち着いてきて、ユノも少し余裕が出来てきたのか笑顔も増えてきたし、相変わらずハードではあるんだけど
……一緒にいられるのはやっぱり嬉しいから/////
「痛くない?」
「ん、チャミのお陰で治った」
「バカ、無理はダメだよ?」
「ん、ありがと」
「……/////」
あまりにも感情をストレートにぶつけてくるユノに、時々戸惑ってしまうけど
どうやらこの純粋さが世間的にはウケが良かったらしくて、CDの売り上げもまずまずってとこらしい
「チャミ……」
猫のようにべったりと甘えてくるユノを完全に拒絶する事なんて出来ないけど、もし僕が原因で変な噂でもだったらって気が気じゃないんだ
「ユ、ユノ?/////」
「チャミ、今日は一緒に寝ていい?」
「……ダ、ダメ/////」
「言うこと聞いてくれないとずっとこのまま離れないから」
「……な、何言って!!……んっ…/////」
いつの間にか僕はユノに抱き締められていて、痺れるような甘いキスが降ってきて
頭ではダメだってわかってても、やっぱりユノの腕の中は心地よくて、身を任せてしまう僕なんだ/////
. 愛の詩をきかせて 28
~Yside~
真っ赤になった君を連れて店内ヘ入り、窓際の席へとエスコートをする
接待ではよく使う店だが、プライベートでは初めてかもしれないな
「チョン様いらっしゃいませ」
「ああ、いつもの肉を頼む、仔鹿君はビールでいいかな?」
「……はい/////」
最初は居心地が悪そうにしていた君だったが、肉が運ばれてくると大きな瞳をキラキラとさせて
一口食べて目を見張った時には吹き出してしまったが、ここの肉は絶品だから無理もない
最初はチラチラと俺の様子を伺いながら食べていたが、いつの間にか夢中で食べていて
次々に口へ運ばれる肉を見つめながら、その細い体のどこに入るんだろう、と不思議に思ってしまう
ついつい君に見惚れてしまって、自分はあまり食べていなかったようで、仔鹿君は不安げに俺の顔を見つめた
「社長さんは食べないんですか?」
「ん?ああ、ごめん、君に見惚れてた」
「………/////どうしてそんな事を言うんです?」
「仔鹿君?」
「か、からかってるんですか?/////」
さっきまで無邪気に肉を頬張っていた筈なのに、悲しげに眉を下げて瞳を揺らして
「まさか、俺はいつだって本気だよ」
「……じゃあ、なんで!!」
「わからない?」
「………/////」
悲しげに俺を見つめる瞳はどこまでも澄んでいて、やっぱり見惚れてしまう俺なんだ
. あなたの匂いに包まれて ~恋人未満~ 1
~Yside~
「はいカット!!OKです、UKさんお疲れ様でした!!」
「お疲れ様でした!!」
スタジオのスタッフさん達に勢いよく頭を下げて、タオルで汗を拭きながら控え室へと向かう
……見てくれてなかったのかな
収録が始まる時にはスタジオの端にいたはずなのに、途中で出て行ってしまったみたい
ダンスしてる時は夢中だから、周りはあんまり見えてないけど、チャミがいるだけで全然テンションが違ってくるのに
デビューして三ヶ月、チャミは約束通り俺のスタイリストになってくれたけど
……恋人には程遠い…かな
テレビ局の廊下を早足で歩き、控え室に入ると後ろ手に鍵をガチャリと閉めた
「ユノ?終わったの?………ちょっ!!わっ!!/////」
衣装の整理をしていたチャミを後ろから抱きしめて、首筋に顔を埋めると甘い匂いを胸いっぱいに吸い込んだ
「…チャミ、見てくれてなかった」
「……え?ちゃんと最後まで見てたよ/////」
「……ホントに?」
「当たり前だろ?ほら、離して?パクさんが来ちゃうでしょう?」
「……やだ/////」
「もう/////あ……そうだ、さっき足ちょっと捻ったでしょ?ちょっと見せて?」
「……え?」
チャミはそう言って俺を椅子へと座らせると、俺の足首を丁寧に診て冷やしてくれたんだ
. 愛の詩をきかせて 27
~Cside~
「やあ仔鹿君よく来たね、こっちだ」
「……は、はあ/////」
僕は今、高級そうなホテルのロビーにいて、社長さんは僕の姿を見つけるとにっこりと笑って出迎えてくれて
バイト先のラーメン屋に高級車が乗り付けて来たのはびっくりだったけど、中から出て来たのは運転手の……確かミノさんだったっけ
『社長から言われてお迎えにあがりました!!』
なんて、満面の笑みで言われて、女の子みたいに車のドアまで開けてもらっちゃって/////
『仔鹿君ってぴったりですよね!!流石社長です!!』
ハンドルを握りながら何度もバックミラー越しに『社長のこと頼みますね!!』とか言われて……もうどうしていいかわからないよ/////
「焼肉でいいかな?この上に美味い店がある」
「……あ、あの/////」
「遠慮しなくていい、俺が誘ったんだから」
僕の心なんて簡単に読まれてしまって、腕を引かれるままにエレベーターに乗せられて
……この人は一体どういうつもりなんだろう/////
こんなにイケメンで、チョングループの社長ともあろう人が、僕になんて興味あるはずがないのに
僕は何を聞こうとしてるんだ……
高級なホテルにセレブな人達、僕は1人だけ場違いな気がして俯いてしまった
「こら、そんな顔するな、我慢できなくなるだろう?」
「………え?…んっ/////」
両手で頬を包まれたと思ったら、焦点も合わないほど近くに社長さんの顔があって、僕はまたキスをされていて/////
何度か啄むように口付けて離れた唇、その瞬間、チンと音がしてエレベーターのドアが開いた
……だ、誰かに見られたらどうするんだよ!!/////
「…茹でダコ(笑)」
「………なっ!!/////」
「ふふ、おいで」
僕は社長さんに腕を引かれながら、真っ赤になっているであろう顔を隠すのに必死だったんだ
. 宇宙からの贈り物 ~僕らの天使~ 10
~Yside~
週末はこうしてチャンミンとリンと家でゴロゴロしていたいけど、普段できない3人での散歩とかショッピングとかも行きたいし
少々名残惜しいけど、ゆっくりと体を離してうーんと伸びを一つ
朝のミルクでキッチンが粉だらけになってて、チャンミンには随分呆れられたけど
今日ばかりはお小言は無しにしてくれたみたいだ(笑)
そういえば猫のチーズは出産後、シム星の両親の元へと預かって貰っていたけど、なんだかすっかり懐いちゃって可愛がられているらしい
「ユノ、準備できタヨ」
「ああ、行こうか」
リンにはモコモコの着ぐるみみたいな服を着せて防寒もバッチリで、ちょっと窮屈そうだけどご機嫌は悪くないみたい
「……プ…アーアー」
一人で頬を膨らまして手足をバタバタとさせるから、ベビーカーにも乗せにくくて仕方ない(笑)
「最近はね、ママ友も出来タンダヨ」
「へぇ、ママ友!!同じマンションなの?」
「ウン、SJ星人なんだって、旦那様は地球人で、僕たちと一緒ダネ、また紹介スルカラ」
「ああ、楽しみにしておくよ」
異星人間の結婚なんてそんなにあるもんじゃないって思ったけど、俺達の知らない所で色んな事が起きてるもんだ(笑)
この先のことが不安じゃないってのは嘘になるけど、思ったよりどうにかなるんじゃないかって思えるのは君のお陰かな
「……ユノ?」
「ああ、今行く」
「ドウカした?」
「愛してるって思っただけ」
「……っ!!バカ/////」
俺はベビーカーを片手で押しながらチャンミンの手をとると、二度と離れないように強く強く握りしめたんだ
. 愛の詩をきかせて 26
~Mside~
僕の名前はチェ・ミンホ、皆んなからはミノって呼ばれてる
チョン社長付きの運転手になってからは2年ほど、新入社員だった僕の何処が気に入ったのかはわからないけど、秘書課の中では大抜擢だったらしい
『お前は何も考えてない所がいいんだよ』
キム室長からはそんな事を言われたけれど、まあ、自分ではよくわからない
社長のこと冷血漢だの、仕事の鬼だの言う奴も周りにはいるけど、ソツのない仕事のこなし方とか、取引先への気配りとかほんとうに凄くて
こんな僕に対してだってちゃんと考えてくれているのがひしひしと伝わってくる
……感情があまり顔に出ないから皆んなわからないだけなんだよ!!
会長と折り合いが悪いとか、未だ独身な理由とか、良くない噂は耐えないけど
僕は誰がなんと言おうとこの人についていこうって決めたんだ
でも……普段はあまり感情を出すことのない社長なのに、最近は漏れてるっていうか、柔らかくなったっていうか
車中で思い出し笑いなんて、ここ2年で初めてだったんだけど(笑)
どうやらお相手は最近よく図書館で会う大学生らしい
雨の日の最初の出会いとか、ホテルでの偶然の再会からの救出劇とか、まるで少女漫画みたいな展開だったけど
『仔鹿君』と呼ばれるその彼は、物怖じしない真っ直ぐな瞳で社長のことを睨みつけていた
なのに、なんでだろう…
一つも嫌な感じなんてしないんだ、逆に甘えているような……
と、とにかく!!僕はいつでも二人の味方ですから、なんて、勝手に思ってしまってる僕なんだ