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苺な彼とビールな僕

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. 好きになってもいいですか? 68






~Cside~




「ユ、ユノさん、そんなにいいです!!/////」



ユノさんと2人でショッピングモールをブラブラしながら買い物とか、嬉しいけど恥ずかしくて、一歩後ろを下がって歩いていたけど


「これも似合うね」なんて、次々に僕のものを買おうとするユノさんは、恋人っていうよりは保護者みたいな感じで……


「保護者はないだろ?(笑)」


「……ま、また!!/////」


あんなに沢山詰めたリュックだったのに、肝心のパジャマは入っていなくて、ほんと僕ってイケてない(泣)


リュックの中はユノさんに見せたかったDVDとか、本とかがいっぱい詰まってて、あ、あとユノさんと食べようと思ったお菓子とか……/////



「ふふ、そうだったんだ、帰ったらDVD見て食べよう?」



なんてまた僕の心はバレバレで、それって……そ、そういう時も気持ちいいとか思ったら……その、直ぐにバレちゃうってことだよね



……昨日だってきっと/////



ああ……どうしよう、ドキドキするけどちょっとだけ怖い、覚悟をきめてきた筈なのに/////



結局ユノさんちで着るパジャマと、何故かもう1つ家用のパジャマ、秋用にジャケットも買ってもらっちゃって、なんだかとっても申し訳ない


「君にプレゼントしたかったんだ」


なんてキラキラの笑顔で言われてしまったら、かっこよすぎで見惚れてしまう


途中すれ違う女の子達に『Duetのマスターですよね?』って聞かれていたけど、ユノさんは『ごめんね、今デート中だから』ってさらりとかわして僕の手をにぎっちゃって……/////


ちょっぴり不安になってる僕の心なんてやっぱり直ぐにバレてるんだ



ああ、どうしよう、この人のことが途轍もなく好き……



口元に手をあてたユノさんに、グイ、と手を引かれ、人気のない階段へと連れていかれて突然のキス


「……んっ…/////」


堪らず漏れる声に熱っぽい溜息をつくユノさん、切なそうな表情でじっと見つめられて


「バカ、我慢できなくなるだろ?」


なんて叱られちゃって、僕の胸はまたキュウッて音を立ててしまうんだ
















. チャンスニの憂鬱 ~彼は友達~ 3






~Yside~




「よう、ユノ!!いらっしゃい!!」



チャンスニを伴って店内へ入るとカウンターから挨拶するのは親友のドンへ、電話は入れてあったからもちろん席はリザーブ済みだ


ここはかなりの老舗の寿司屋、跡取りであるドンへとは小学校からの悪友なんだ


この辺りは夜の街だから当然寿司屋も深夜営業、最近では親父さんに変わって夜はドンへが仕切ってるらしい


「俺の悪友のドンへだよ、適当に頼むよ、チャンスニはなんでも食べれる?」


「……あ、はい/////」


「敬語はなし、あ、ビールも飲むよな、ドンへ生も1つ!!」


「はいよ、任しとけ!!」


カウンターから威勢良く返事をするドンへ、何故かサムズアップしてうんうんと頷いてるし、あいつ絶対早とちりしてるな(笑)


「……あの、僕だけ?/////」


俺の横で所在なさげにキョロキョロとするチャンスニ、困ったように俺の顔を見上げて上目遣いとか、心臓に悪いな、ソレ/////



「……俺はもう酒はいいよ、チャンスニはまだ飲めるだろ?あ、ちゃんとユノって呼べよ?」


「……う、うん、ありがと/////」



はにかむように微笑む君が眩しくて、自然と緩む口元を咳払いで誤魔化す



……どうしようか、笑顔が眩しくて堪らないよ



所謂お任せコースって奴で次々に運ばれてくるニギリはどれも絶品で、チャンスニは美味しそうにもぐもぐと平らげる


やっぱり食べてる時は無防備で無邪気な顔に戻るんだ、ついつい見惚れてしまって君には軽く睨まれてしまったけど(笑)


「うまいだろ?」


お箸を持ったまま恥ずかしそうに頷く君……


少しずつだけど、2人の距離が縮まっていくようで、ジワリと胸が熱くなるのを抑えられなかったんだ


























. 好きになってもいいですか? 67






~Yside~




チャンミンと目覚める休日の朝は最高で、まあ、ついでに眺めも最高だったんだけど、からかうとベッドから落ちてしまったから(笑)


朝食は軽めにトーストとサラダとチーズオムレツで、勿論うちの店のオリジナルブレンド付


「召し上がれ、マスターのスペシャルモーニングです」


なんて、ふざけあって囲む食卓は甘くて、とても幸せな時間で


口の端についたケチャップを指で拭ってやると、真っ赤になって潤んだ瞳で見つめ返すとか、これで無意識とかほんと危なっかしくて


……いつだって君から目が離せないよ



朝食の後は家を少し片付けて、昼前にはショッピングモールへと繰り出した


あんなにパンパンに詰められたリュックだったのに、肝心のパジャマは入ってなかったらしい


「夕食の買い物もあるし、デートしよう」


【……ユノさんと外でデートなんて初めてかも、嬉しい/////】


「俺も嬉しいよ」


「……っ!!また!!/////」


「いつも色々連れて行けなくてごめんね?」


「……っ!!そんな……僕、ユノさんのそばに居られるだけで…/////」



拳を握りしめて、必死に訴えてくれるとか、もう可愛いでしかない



出かける前に玄関で抱きしめて、キスをすれば漏れる甘い声、本当はこのまま2人でくっついて居てもいいんだけど、それは夜にとっておこうか…



この辺りでは一番大きなショッピングモールへと車を走らせる、街からは少し離れた場所にあるから1時間ほどかけて


こんなに喜んでくれるならこの次はドライブもいいかもしれないな



人目があるから手を繋いだりは出来ないけど、少しだけ掴んだ袖口、君の指が触れる度にドキドキしてるのは…照れ臭いからやっぱり内緒にしておくよ


































. チャンスニの憂鬱 ~彼は友達~ 2







~Cside~




チョンさんとお友達宣言をしてから、なんだか店の皆んなにまで応援されちゃって、僕としてはやりにくいっていうか…その/////


彼の気持ちはちゃんと伝わったけど、昔からイジメられてた記憶しかなかったわけだし、こんな展開戸惑うに決まってる


でも、彼は大切なお客さんだし、無下にもできないし


あんまり必死に頼むから、一度だけって思って付き合ったアフターだったけど、彼と一緒の時間は思いの外楽しくて…


「店の外ではチャンミンって呼んでいい?」


「……ダ、ダメだよ、ドレス着てるし/////」


「ふうん?仕事モードだからダメなの?」


「……け、けじめって言うか/////」


「じゃあ、俺のことはユノって呼んで?」



さり気なく僕の手を取りにっこりと微笑えむ彼、こんな風にされるとどうにも反論できないっていうか……


彼の笑顔には何か魔力でもあるんじゃないかって思う、だって、話しかけられたら自然と楽しくなってきて、周りの人も集まってきちゃったりして


そんな魅力のある人が……僕のどこがいいんだかさっぱりわからないんだけど/////




「チャンスニ?着いたよ」


「…あ、はい/////」


「敬語はいいよ、ほら来て?」



ぼんやり考え事してる間に、お寿司屋さんに着いたみたい、随分立派なお店だし何だか緊張してしまう



タクシーを降りて、僕の手を取る姿は何処までもスマートで



なんだか僕だけ場違いな気がして、彼の後ろをついて行くだけで精一杯だったんだ






















. 好きになってもいいですか? 66






~Cside~




僕はあれからユノさんに、その……口でされてしまって/////


勿論こんなことは初めてだったから、とても戸惑ってしまったけど


びっくりするくらいの速さでイカされてしまって、ユノさんは僕のを口で受け止めて……/////


朦朧とする僕の目に映ったのは、いつもとは違う熱のこもった黒目がちな瞳…でも


……僕はそのまま意識を飛ばしてしまったんだ



朝起きると僕は裸のままユノさんに後ろからしっかりと抱えられていて、朝のその……ユノさんのアレが僕の……お、お尻に/////


モソモソと体をずらそうとするけど凄い力でグッと引き寄せられて、まだ眠ってるよね……無意識なのかな?/////


「……なんで逃げるの?」


「…っ!!ユ、ユノさん!!いつから起きて?/////」


「ん、さっきからずっと、君の声が心に響いてきたから」


……愕然!!朝から考えてたこと全部聞こえてたの!?/////


僕の首筋に顔を埋めてクスクスと笑うユノさん、もう、ほんとにずるいんだから/////


「ごめん、可愛くてついからかいたくなる」


「……/////」



……そういえば僕はイカせてもらったけど、ユノさんはどうしたんだろう



「ふふ、心配してくれるの?」


「……ま、また!!/////」


「今夜のためにとっておくよ」


「!!!!/////」



不意にお尻をつるりと撫でられて、僕は驚いてベッドから転がり落ちてしまったんだ

















. チャンスニの憂鬱 ~彼は友達~ 1






~Yside~




「チャンスニ、今日はアフター行ける?」



あれから俺は足繁く店に通って、粘り強く(しつこく)チャンスニを誘い続けた結果、先日初めてのアフターをOKしてくれた


何故だか店の皆んなも応援モードになっていて、万歳三唱で店を送り出されてしまったけど


少しずつ君に近づけた気がして……//////


初めて行った店はちょっと小洒落たバーだったけど、今日は知り合いの寿司屋の所へ連れて行こうと思っていた


「うーん……」


口元に手を置いて小首を傾げる君が可愛くて見惚れてしまうよ


「うまい寿司屋があるんだ、絶対気に入って貰えると思う」


寿司と聞いてキラリと君の瞳が輝いたのを見逃さないよ、そんなに細いクセに食いしん坊だってリサーチ済みなんだ


アフターは店からそのまま行くからドレスのままで行くことが多い


あまり大きな店に行くよりは、こじんまりとした個室のある落ち着いた店の方がいいみたいだ



「い、行ってあげてもいいけど?/////」


「本当に!?やった!!」


「……よ、喜びすぎだよ/////」



以前は警戒しまくりで笑顔すら向けてくれなかったのに、今ではちゃんと目を合わせてくれるし、話を聞いてくれるし


……も、勿論客だからだってわかってるけどっ!!/////


それでも君の少しの変化を感じて、一喜一憂せずにはいられない俺なんだ




























. 好きになってもいいですか? 65






*ちょっとR18です♡

~Yside~





「……はあっ……ユ……んっ/////」



バスルームからなかなか出てこない君が心配で、覗いてみればバスタオルを胸まで巻いてこんなに冷えちゃって


「なんでこんなに冷たいの?シャワー浴びたのに」


だんだん力の抜けていく君に聞いてみるけど、まだ酔いは醒めていないみたい


バスタオルがズレそうになるのを必死で抑えながら、俺のキスに応えてくれる君が愛おしくて、そのまま縦抱きにしてベッドルームまで連れて行った



「……ちょっ!!なっ……!!/////」



バタバタと暴れるから可愛いお尻が見えちゃってるけど(笑)


本人は気付いてないから、そのまま2人でベッドへとなだれ込んだ


覆い被さるとハラリと捲れるバスタオル、湯上がりの肌は甘い匂いで目眩がしそうだよ



【……ユノさん、僕食べられちゃうの?/////】



そんな不安な心の声が聞こえてきて、安心させるように何度も口付けた



唇から耳へ、首筋から鎖骨へ、舌を這わせる度にピクピクと跳ねる体が愛おしい



「……あっ……やあっ!!/////」



胸の突起をころがしながら君の中心をねっとりと撫で上げる、そこは既に先端から蜜を垂らしていて


【……お願い見ないで……恥ずかしい/////】



「恥ずかしくないよ、気持ちいい?」


「……っ!!/////そんなこと、きかないれ……あっ/////」



まだ呂律も怪しいこんな君を襲ってしまうなんて、俺ってほんと抑えがきかないな



バタバタと暴れる君の脚の間に入り込み、愛しい君の化身をパクリと口内に導いた


「ああっ!!/////」


突然の強い快感に耐えきれず、背中をしならせ可愛い声を上げる君



……もっと感じて欲しい



強く吸い上げてスライドさせると、イヤイヤと首を横に振って枕に顔を埋めてしまったんだ





























. あなたの匂いに包まれて ~再会~ 12







~Cside~







「チャミ、チャミッ、ありがと……!!」




ぎゅうぎゅうと抱きつくユノを受け止めるのに必死で、僕はどんどん壁に追い詰められて



「……ユ、ユノ?話聞いて……んっ…んんっ/////」



ユノの大きな手が容赦なく僕の頬を掴むと、黒目がちな瞳がゆらゆらと揺れて僕の上に落ちてくる


こんな荒っぽい抱擁からは考えられない優しいキスを繰り返し、僕の小さな抗議は赤い唇へと吸い込まれてしまう


その後はトロトロに蕩かされて、結局僕はズルズルと床に座り込んでしまって


それでも離してもらえずユノは僕の肩口に顔を埋めたまんまで……/////


……いったいどれ位キスをしていたんだろう



「チャミ、お腹すいた!!」



やっと離れたユノが口にしたのは、そんなキスからは考えられない色気のない言葉で、僕らは思わず吹き出してしまった



少し冷めてしまったチキンを温め直し、簡単な野菜スープとサラダでやっとご飯にありついた



……だって朝から何も食べてないんだ



ガツガツと食べるユノは、時々僕と目を合わせては無邪気な笑顔を向けるから堪らない



「チャミ、うまい!!」


「ふふ、ゆっくり食べて?お腹がびっくりしてるよ?」



この純粋な人は僕を必要としてくれている、そして恐らく僕も……



ねえ、ユノ

僕らはまだ会ってから1週間も経ってないんだよ

なのにこんなに惹かれ合ってしまうなんて



……これってやっぱり運命なんだよね



そんな事を思いながら2人で摂る食事は、今までにないほど満たされていて



「でも、ユノ?恋人は保留だよ?」


「ええっ!!なんでっ!!」


「……だ、だってデビューするのに、それはダメでしょう?」


「やだ、保留反対!!チャミ好きだ」


「……そ、そんな事言ってもダメ/////」


「顔はダメって言ってない!!だって耳まで真っ赤だし!!」


「……なっ!!……ちょっ!!ユノ!?……わっ!!」



ガタンと椅子を倒し、ユノが僕に飛びついてくる、僕は勢い余って床に落ちてしまったけど、ユノに支えられて結局は腕の中



「もう……ほんとしょうのない猫ちゃんだね/////」



呆れて頭を小突いてやると、ふわりと離れたユノは、少し照れ臭そうに『にゃあ』と一声鳴いたんだ
























. 好きになってもいいですか? 64







~Cside~




ユノさんから逃げるようにバスルームに飛び込んで、シャワーを頭からかぶった


フワフワするのはまだアルコールが抜けていないから?それともあなたのせい……?


シャワーを止めて、脱衣所に出るといつの間にか用意されていたバスタオル、ふわりと香るのはユノさんと同じ洗剤の匂い



……僕食べられちゃうのかな/////



さっきそう言ってた、あれってそういうことだよね?僕はてっきり明日の夜だと………/////



洗面台の鏡の前でついぐるぐると考え込んでしまって、思ったより時間が経ってしまっていたみたい


…体が冷えちゃった、えっと着替えは……あっ!!/////



ここにきて重大な事実に気がついた僕、しまった!!着替えを持って入るの忘れてた(泣)



そして不意に聞こえるノックの音、同時に聞こえたのはユノさんの心配そうな声



「チャンミン?倒れてない?」


「……だ、大丈夫れす/////」


「遅いから心配してた、入っていい?」


「……ら、らめっ……あっ!!ユノしゃん!!////」



ガラリと音を立てて開く扉、そこには真剣な顔のユノさんがいて


「着替えがないから出てこれないのかと思ってさ」


……やだ、すっかりバレちゃってる、恥ずかしい/////



「俺は何も着けてないほうが都合いいけど?」


「………なっ!!/////」



そのままふわりと抱きしめられて、僕は裸にバスタオルを巻いているだけなのに!!



ああ、どうしよう、恥ずかしくて顔も上げれないよ……/////



「やっぱり我慢できそうもないかな」


「……ユノさ……んっ/////」



顎を掬われると蕩けるような優しいキスが降ってきて、僕はバスタオルが落ちてしまいそうになるのを抑えるのに必死だったんだ























. あなたの匂いに包まれて ~再会~ 11






~Yside~




チャミに言われるままにバスルームに入り、シャワーに打たれながらぐるぐると考えていた



……パクさんと何を話したんだろう



パクさんはいつも通りだったし、チャミも怒ってるとかそんな感じじゃなかった、それにキスだって!!


チャミからのキスなんて初めてだ……/////



バスルームから出るとちゃんと着替えが用意してあって、俺は体を適当に拭いてチャミの元へ向かった


キッチンからはいい匂いがして、ダイニングにはうまそうなチキンとサラダが並べられていた


「ユノ髪濡れたままだよ?」


キッチンで何かを作っていたチャミは手を止めると、俺を見て丸くした


「きて、拭いてあげる」


呆れたように手を引かれ、ソファに座らせるとタオルでゴシゴシと俺の頭を拭いた


「風邪引いたら困るでしょう?体調管理も大切なんだよ?」


「チャミ……あの…」


「全部パクさんから聞いたよ」


「ユノのダンス、凄かった、うまくいえないけどね、心に響いたよ」


「……え?」


「歌も聞いた、とても素敵だった」


まさかチャミに褒めてもらえるなんて、パクさんいつの間にチャミに俺のダンスとか見せたんだ?


不覚にも涙が溢れそうで俺は誤魔化すように俯いた、と、ふわりと背中から抱きしめるチャミの細い腕


「僕なんかがユノの役に立つのかはわからないけどね、スタイリストの件受けることにする」


「チャミ!!/////」


「……でも、こ、恋人っていうのはその……わっ!!/////」



堪らずチャミを引き寄せて腕の中に閉じ込める、それって俺のこと受け入れてくれるってことだよね?


……夢みたいだ/////



バタバタと暴れるチャミをぎゅうぎゅうに抱きしめて、甘い匂いを胸いっぱいに吸い込んだんだ


















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紫苑☆

Author:紫苑☆
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