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苺な彼とビールな僕

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. 僕のお尻が狙われてます 5













~Yside~














「が、画家さんなんですか?」





「ああ、そうなんだよ、高校からの同級生なんだけどさ、まさかアーティストになってるなんてなぁ、ユノ」





「はは、お前も留学してたしな、再会したのは最近なんだ」





「そ、そうなんですね、僕あんまり詳しくなくて、あ、はじめまして!!シム・チャンミンといいます///」






「チョン・ユンホです、宜しくね」










顔を真っ赤にしてチラチラとこちらを伺うバンビアイ、そっか、チャンミンっていうんだ







………実は初めましてじゃないんだよな







彼に興味を覚えたのはシウォンがオーナーを務めるカフェでの事だった







狭い店内をスリムな体で動き回る小さな尻が気になって、つい目で追ってしまったのが始まり








道で見かけた時は声をかけようかと思った程で、流石にそれはやり過ぎかとやめておいた







またカフェに行った時にでもと思っていたのに、まさかこんな所で会えるなんて







ふふっ、これって正に運命ってやつかも







グラスのワインを飲みながらニヤニヤとしていると、親友のシウォンが訝しげにこちらを見つめていた






「なんだ、やけにご機嫌だな~」




「はは、そんなことはないさ」




「チャンミン、気を付けろよ?こいつってば人たらしだからな~」




「ひ、人たらし、ですか?///」





「そうだよ、性別関係なく超絶にモテるの!!いやぁ、羨ましい限りだよ」







そう言って大袈裟に両手を広げるシウォンにクスクスと笑う横顔








長い睫毛がくるりと天を仰いでバサバサと揺れている







そしてやはり目につくのは黒いパンツに隠された小ぶりな尻、そしてそこから伸びる長い足がなんとも………








「チョンさん、あの、僕のお尻に何かついてますか?」





「ん?」





「な、なんだかお尻ばっかり見られてるような気がして………あ!!気のせいだったらすいません!!///」









慌てて口を押さえる君の耳があんまり赤いから、つい手を伸ばしそうになる俺だったんだ





































. 僕のお尻が狙われてます 4















~Cside~









「うん、いいね」




「へ?///」







にっこりと笑って僕の前にやってきたその人








ちょっと!!男の僕でも赤面するほどのイケメンじゃないか!!///







シウォンさんの知り合いならセレブだとかモデルだとかの類なのか








あまりのオーラに開いた口も塞がらないし、眼鏡も曲がったまんまだし








「あ、あの?///」




「うん、正面からもいい、後ろ向いて?」




「へ?わわ!!///」




「やっぱり思った通りだ、いいね」








いきなり肩を掴まれたと思ったらくるりと体を返されて、なんだかわかんないままやたらに見つめてくるその人!!







しかもボディタッチが半端じゃない!!さっきからずっと僕のお尻を揉み揉みと!!///









い、一体何なんだ!!いくらイケメンでも失礼すぎじゃないか!!







「ち、ちょっと!!///」





「なんだユノ、来てたのか」





「あ、シウォンさん///」





「この子にするよ、いいね」









キュヒョンと肩を組んでご機嫌なシウォンさんに、ユノと呼ばれたその人はニヤリと笑ってサムズアップしたんだ























. 僕のお尻が狙われてます 3















~Cside~









「やあチャンミン、よく来てくれたね」




「あ、あの、今日はお招き頂いて、その///」




「ははは、堅苦しい挨拶はなしだ、で、そっちがキュヒョン君かな?」




「あ、はい!!」








スマホの地図を頼りにやってきたシウォンさんの実家







お誘いを受けてのこのことやってきたものの、あまりの豪邸に腰がひけてしまうよ






一緒についてきたキュヒョンも目をくるくるとさせているし






一応ジーパンだけはやめておいて良かった、まさかこんな本格的なパーティーだなんて







軽い気持ちで来るところじゃない気がする(泣)







ニコニコとご機嫌なシウォンさんに案内されたのは綺麗な芝生のバカでかい庭






そしてそこに置かれたでっかいテーブルに並ぶ豪華な料理の数々!!







そうか、セレブってやつは毎日こんなものを食べているんだ






だからあんなに艶々で照り照りなんだ……







「さ、遠慮なく召し上がれ、後で友人にも紹介するからね」




「あ、あの、シウォンさん、僕達場違いなんじゃ……」




「なに言ってるんだ、可愛い後輩じゃないか、キュヒョン君も同じ大学なんだよな?」




「そ、そうなんです、あの、経済学部で」




「へえ、俺のいた学部と一緒だな、あの教授まだいるのかな?ほら、白い髭の」




「ああ!!」







思いの外キュヒョンとシウォンさんは馬が合うようで、僕なんてそっちのけで盛り上がり始めた







なんだよ、そしたら僕は一人でどうすりゃいいんだ、なんて思っていたら、サッとウェイターらしき人に飲み物を渡された






これって所謂食前酒?


いや、シャンパンなのかな?






渡されたグラスをじっと眺めていると後ろから感じる熱い視線






ハッとして振り返るとスラリと背の高いイケメンが手を顎にあててこちらを見つめていた








「うん、いいね」




「へ?///」









そう言ってにっこりと笑ったその人は、僕を見つめたままゆっくりとこちらへ歩いてきたんだ









































. 僕のお尻が狙われてます 2
















~Cside~












「はあ~今日も疲れた」





「はは、遅刻しといて呑気なもんだ」





「あ!!すいませんでした!!」





「まあいい、賄い作っといたから持って帰れ」





「あ、ありがとうございます!!///」










カウンターに置かれたタッパを手に取ると、ヒチョルさんにペコリと頭を下げて店を出た







なんだかんだ言いながら一人暮らしの僕に世話を焼いてくれるヒチョルさんに感謝しかないよ







しかもカフェで軽食も出してるから時々賄いを作ってくれたりもするんだよね







まったく貧乏学生にはありがたい!!








意気揚々と階段を登って部屋に入ると手と顔を洗って一気にベッドへとダイブする








鞄のポケットからスマホを取り出すと寝転んだままメッセージを確認した








ま、恋人なんていないから来てるのは親友のキュヒョンからぐらいだけど(笑)








あ、でもまたシウォンさんからもメッセージが届いてる








『今度家でパーティーがらあるから友達を連れておいでよ』








………パーティー、パーティーね







そういうこととは一切無縁な僕にこんなお誘いって有難いことだと思う







でも、シウォンさんのお誘いはいつも敷居が高いっていうか、格が違うっていうか







そりゃお金持ちでセレブなシウォンさんにとっては普段通りのことなのかもしれないけど








「キュヒョンでも誘ってみるかな」









いつも断りきれず渋々行くことになる自分に溜息をついて、ギュッと枕を握りしめる僕だったんだ































. 僕のお尻が狙われてます 1













~Cside~










『うん、いい尻だ』









ふと交差点で聞こえた低音ボイス、最初は聞き流していたけど、え……しりってお尻のこと?





 

もしかしてセクシーなお姉さんでも歩いていたとか?






気にはなるけどここで立ち止まるわけもいかないし、横断歩道を渡り切ったところでキョロキョロと辺りを見回すけどそれらしき人影もない





なんだよ、聞き間違いだったのかと気を取り直して歩き出す






やばい、早くしないとバイトの時間に遅れそうだ!!






僕の名前はシム・チャンミン






田舎から出て大学に通う傍近くのカフェでバイトをしている






カフェのオーナーが同じ大学の出身で、バイトも雇ってくれた上に住む所まで提供してくれた






親からの仕送りも微々たるものだし、まさかこんな綺麗目のワンルームに住めるだなんて!!






大学にもなんとか徒歩圏内だし、マンションはカフェと同じビルにある








こんなに優遇されたら何かバチでもあたるんじゃないかって毎日ヒヤヒヤしてるところ






時々オーナーのシウォンさんから食事に誘われるのが面倒なくらいで






こんな本ばかり読んでる眼鏡男にご馳走してくれるとか、まったく良い人にも程があるよ







「チャンミン遅いぞ!!」




「す、すいません」







この店の店長であるヒチョルさんはオーナーの弟で、口は悪いけど割といい人だったりする






でも、僕ってばいつもトロいって怒られてばかりなんだよね






パタパタと店の奥へと入ると、不意にカフェエプロンが飛んできて思わず顔面でキャッチをした






「ふへっ?///」




「それ使え!!新しいやつ」




「あ、ありがとうございます///」




「いいから早くしろって」




「は、はいっ!!///」






僕は慌ててロッカーにリュックを詰めると、エプロンを結びながら厨房へと向かったんだ




































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紫苑☆

Author:紫苑☆
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