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. 僕のお尻が狙われてます 10
~Cside~
『帰ったら絶対連絡しろよな!!あ、あとお尻は気をつけた方がいいぞ』
そんなキュヒョンからのメッセージを見て苦笑いする僕
まったく、心配してるんだか面白がっているんだか(笑)
あの後数回のやりとりがあって、見学がてらアトリエに行くことになった
まだモデルの件は正式に受けたわけじゃない、でも興味はあるし、ま、連絡もしちゃってるし
強引そうに見えたのに意外にこちらの事も考えてくれているようで
『モデルなんて初めてだろうから見に来るといい』
なんて、そんな風に言われたら………
こ、声も低くて優しいんだよね、チョンさんって///
服は何でもいいって言われたけど、一応新しめのシャツを選んでジャケットも羽織ってみた
鏡に写る自分は相変わらずイケてないのに、こんな僕がモデルだなんて
もしかして抽象画、とかなのかもしれない、画家だなんて計り知れないから
ぐるぐると考え方ながら地下鉄を乗り継いで1時間ほどかけて郊外までやってきた
山手にある閑静な住宅が立ち並ぶ駅は、まるで別の国に来たかのように静かだった
『駅まで迎えに行くよ、着いたら連絡して』
そんなメッセージも貰っていたけど、探検がてら歩いて行きたい気もする
地図で確認すると然程遠くはないような、とりあえず連絡だけはしておこう
『今最寄駅に到着しました、このままそちらに向かいます』
緊張でドキドキとする胸を抑えながら、アトリエを目指して歩き出す僕だったんだ
. 僕のお尻が狙われてます 9
~Yside~
『あの、モデルの件もう少し詳しく教えて頂けませんか?』
そんな連絡があったのは家に帰って直ぐの事だった
まさか当日中に連絡が貰えると思ってなかったから、少し戸惑ってしまったが
思ったより脈ありでこれは喜ぶべき事、可愛いお尻に一歩近づいたというわけか
まてまて、これじゃあまるで変態みたいだ
昔から変わったところがあると言われていたから、少しは自重しているつもり
でも、どこでそのスイッチが入るのかがわからないのが困りどころで
今回は正に運命の出会いとも云うべきなのかも
だってドストライク過ぎるプロポーションにフワフワの前髪、長い睫毛がくるんと天を仰いで
創作意欲をかられる?
いや、知りたいのは君自身のことなのか、自分でも驚くほどに執着している気がする
ま、とりあえずは見学を兼ねてアトリエに招待をしてみた
滅多に人を呼ぶ事のない俺だけの空間、あれだけ仲のいいシウォンですら呼んだことがないのに
初っ端から二人きりだとかワクワクして踊り出しそうだよ
ふふ、まずは仲良くなるところから
「さて、どうしてやろう」
こっそり撮った君の写真を眺めながら、緩む口元を抑えきれない俺だったんだ
. 僕のお尻が狙われてます 8
~Cside~
「なんかやばそうな人だったよね、チャンミン、気をつけなきゃダメだよ?」
「あ、うん///」
「まったく、人見知りのクセに割と警戒心ないんだから、そういうのを世間知らずって言うんだよ?」
「わ、わかってるってば」
キュヒョンに引き摺られるようにして帰ったパーティー、バタバタとしてなんだかシウォンさんにもロクにお礼が言えなかった気がする
帰り道に懇々と説教をされながら、頭の中はにっこりと微笑むアーモンドの瞳が離れなかった
だって凄いイケメンだったから///
なんていうのかな、シウォンさんもだけど僕とは全然違う世界の人っていうか、まるで未知との遭遇みたいで
ドキドキがとまらないのは怖かったからだろうか、それとも………
キュヒョンと別れて家に戻ると、胸ポケットに入れた名刺を取り出した
チョン・ユンホ
ユノって呼ばれてたな、画家だなんてどういう生活をしてるんだろう
アーティストの友達とかいないから興味がないといえば嘘になる
提示されたバイト代も破格ではあったし………
グラグラと揺れる心、ああ、やっぱりバイト代が魅力的過ぎて断れそうもない
『帰ったら一度連絡してね』
そう言って微笑む涼やかなイケメン、あの人にもう一度会えるならモデルくらい
まさか脱いだりする、とか?
いやいや、全裸とは言ってなかったし、主に風景画を描いてるって話してからそれはないか
しかも僕は列記とした男なわけだし
僕はゴクリと唾を飲むと、スマホを手に取ってその人の電話番号をタップしたんだ
. 僕のお尻が狙われてます 7
~Yside~
「おいユノ、いったいどういうつもりなんだ?」
「え?何が?」
「急にモデルだなんて、お前人物画は描かないんじゃなかったのか?」
「ん~まあね、でも、描かないわけじゃないさ、こう、インスピレーションがね」
「真面目な学生なんだ、ほどほどにしとけよ?」
当たり前に釘を刺してくるシウォンを軽くかわしてワインを飲み干す
別に揶揄っているわけじゃない
シルエットに惹かれたのは事実なんだから
ま、普段俺が手掛けているのは主に風景画だから、不審に思われるのも無理はない、か
突然の俺の申し出に驚きながらも、小さくコクンと頷いたのを見逃さなかった
だってほら、一人暮らしの大学生なんてバイトに飢えてるに決まってる
モデルのバイトにしては破格の値段を提示しておいた
名刺を握りしめるバンビアイがキラリと光ったのを見逃がす筈がない
ふふっ、主に気に入ったのは可愛いお尻だけれど、必要以上の事は言わなくてもいいだろう
警戒されてしまったのかその後はあまり話すこともなくパーティーは終わってしまった
ちょっと残念だけどあちらからのアクションを待つしかない、かな
帰り際に隙をついて話しかけてみたものの、キュヒョンとかいう友達にガッチリガードされてまったく話せなかった
本人より周りの守りが硬いとか、ますます闘争心に火がついてしまうよ
「チャンミン、連絡待ってるからね」
「あ、えっと///」
「少し考えさせてもらうんで、今日はこれで失礼します!!」
「ちょ、キュヒョン///」
「いいから行くよ?ほら!!」
キュヒョンに引き摺られるようにして帰っていく彼に、とびきりのウインクで別れを告げる俺だったんだ
. 僕のお尻が狙われてます 6
~Cside~
「な、なんだかお尻ばっかり見られてるような気がして………あ!!気のせいだったらすいません!!///」
僕ってばなんて事を言っちゃったんだろう、初対面の人に向かってこんな事!!///
僕の言葉にポカンとしてるのはチョンさんだけじゃない、隣にいたシウォンさんとキュヒョンまで口をあんぐりと開けているし
「ぷっ!!面白い子だね、チャンミン君は」
「へっ?///」
突然クスクスと笑い出したチョンさんは僕の肩をバシバシと叩く
怒ってるわけじゃない?
ていうか、楽しそうに見え……る?
「いやあ、これは失礼、君の後ろ姿があんまり綺麗でね、つい見惚れてしまったんだよ」
「み、見惚れ!?///」
「なんだなんだ、モデルの依頼か?」
「ご名答、さすが我が悪友チェ・シウォン」
「おいおい、うちの可愛いバイトを誘惑するんじゃないよ~」
訳もわからず戸惑う僕、キュヒョンはニヤニヤとして肘打ちしてくるし、何がなんだか……
一通り笑ったチョンさんは胸に手を当てて僕へと向き直る
うお!!
長めのジャケットがやけに似合っててまるで王族のよう
しかもとびきりの笑顔を浮かべる超絶なイケメン具合!!
そ、そんなに真正面から見つめられたらーー!!///
「チャンミン君、会ったばかりでなんだけど、俺のモデルになってくれないか?」
「へっ!?///」
にっこりと笑ったアーモンドの瞳が眩しくて、ついコクンと頷いてしまった僕だったんだ