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苺な彼とビールな僕

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. 恋する君は花の香り 20











~Cside~









息が、止まるかと思った……!!








『ずっと好きだった、小さな頃から』






そう言ってふわりと微笑むアーモンドアイ、いつだって僕を見つめる瞳は優しいけど







今日は特別に………///







あの後は逃げるようにユノの家から帰ってきて、胸に手を当ててじっと考えてみた







僕を好き?



子供の頃からずっと……?



本当にそんな事が……?///







僕だってユノの事は好きだと思う、だって再会してからとても良くして貰って






会えば楽しいし毎日のメッセージのやりとりにだって癒されてる







顔を見ればドキドキとするし、ふと気付けばユノの事ばかりを考えてる自分がいて







きっと幼い頃の僕もそんな風だった?







僕、僕は………







ユノの気持ちに応えたいと思う、きっと僕もユノに惹かれてる







でも、思い出せない記憶のかけらが邪魔をして








自分の気持ちに素直になりたいと思う反面、どうしていいかわからなくなる僕だったんだ







































































. 恋する君は花の香り 19












~Yside~










『………俺、君が、好きなんだ』








思わず口をついて出てしまった言葉、まさか今日伝えることになるなんて







俺の言葉に暫くフリーズしてしまう君に、照れ臭くて、それでもじっと瞳を覗き込む







だってね、冗談だと思われたくない








「………え、えっと///」




「ずっと好きだった、小さな頃から」




「……ずっと?え?///」







やっと状況を把握したのかみるみる赤く染まる頬にドキドキと胸は高鳴って






ねえ、そんな反応されたら期待してしまうよ








「……チャンミン」




「ま、待って、あの……///」




「急がなくていいんだ、もうね、何年も待ってるから」




「………///」





「俺のこと真剣に考えて欲しい」




「………ユノ///」












ふわりと香る君の香りが、より一層甘く感じられたのは








俺の気のせいじゃないと思うんだ































. 恋する君は花の香り 18












~Cside~












『ユノは……どうしてそんなに良くしてくれるの?///』









再会してからずっと思っていたことだった……







幼馴染なのはよくわかっている、でも、それだけでこんな風に色々気にかけてくれるものだろうか






毎日のように連絡をくれたり、ご飯をご馳走してれたり






これじゃその……まるで口説かれてるみたいっていうか







僕を見つめる熱い視線がずっと頭から離れなくて///







聞いちゃいけない気もするけど、でも……








「何か、目的があるとか思っちゃった?」




「……いや、あの///」




「目的が無いとは言えないかな」




「………え?」





「一番はね、君と仲良くなりたい」







そう言って僕を見つめるアーモンドアイ、仲良くなりたいだなんて、そんな……子供じゃあるまいし






でもそれって………?







「わかんない?」




「………///」




「……俺、君が、好きなんだ」




「………え?///」










両手を握ったまま見つめるユノの視線が切なくて、胸がキュッと苦しくなる僕だったんだ












































. 恋する君は花の香り 17












~Yside~











「そっか、おじいちゃん達には会ってないんだ」




「……うん、元気で暮らしてるみたいだけど」




「色々事情があるもんな、きっと会える日がくるよ」




「………はい///」










チキンを食べながら自分のことをポツリポツリと話すチャンミンは、少しだけ寂しそうに笑った






昔の記憶が途切れ途切れだから、それを必死に繋げようとしているみたいで






それで幼い頃住んでいたこの辺りに戻ってきたらしい







チャンミンのお母さんも自分の息子の抱えていた気持ちを知ってからは、昔のことも少しずつ話してくれるようになったとか







きっと毎日生活するのに必死だったんだろう









「……あの、僕のことばっかりですいません」





「何言ってんだよ!!俺が聞いたのに!!って、敬語は要らないって言ったろ?」





「あ///」





「力になりたいんだ、チャンミンの」





「………どうして」









俯きながら俺の話に頷いていたチャンミンは、キュッと唇を結んで俺をじっと見つめた











「ユノは……どうしてそんなに良くしてくれるの?///」








そう言って見つめるバンビアイがあまりにも綺麗で、何も言えなくなってしまう俺だったんだ























. 恋する君は花の香り 16











~Cside~








「あ、適当に座って!!飲み物持ってくるよ」



「ふふ、はい///」



「なんか色々ごめん、部屋とか汚くて」



「ううん、全然大丈夫、あ、ほら、お母さんが呼んでる」




「……へっ?ったく!!ちょっと待ってて」








そう言ってバタバタと部屋を出て行くユノに思わず頬が緩む






急に来ちゃって悪かったかな、でも……一度ここに来てみたかったから







部屋は確かに散らかっているけど、何かかえって落ち着くような……






隣にあった祖父母の家はとっくに取り壊されて、今はどこに住んでいるのかもわからないそう






そういう僕だって居場所なんて聞いてないけど、ひょっとしたら母さんは知っているのかもしれないな






ぼんやりと外を眺めていると、飲み物を持ったユノが心配そうに僕の顔を覗き込む






「チャンミン?」



「あ、うん」



「どうかした?何か、思い出したとか?」



「ううん」



「そっか、慌てることないよな!!とりあえず飯食おう!!な!!」




「はい///」










チキンの箱を片手に持ってにっこりと笑うユノの笑顔に、なんだかとても心が癒される気がした僕だったんだ


























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紫苑☆

Author:紫苑☆
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