. スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
. 僕の彼氏はバンパイヤ 17
~Cside~
『君に惹かれているから、かな』
そう言って僕を見つめるアーモンドアイから目が離せない
それって一体どう言う……意味?
この部屋に入った時はあまりの生活感のなさに怖くなっちゃって、ガチガチに緊張していたのに
今はドキドキして口から心臓が飛び出してしまいそう……
あまりの雰囲気の甘さに耐えきれず俯いてしまう僕に、そっと伸びてくる長い指
「………あっ///」
「……とても、綺麗だ」
不意に首筋をなぞられて思わず声が出てしまう、やだ、こんなの女の子みたいじゃないか!!
顔を上げるといつの間にか隣にチョンさんの姿があって、え………これって!!
「チ、チョン、さん?///」
「ふふ、俺が怖い?」
「いやあの、なんか近い………ような……」
ずりずりと後ずさる僕、でも無情にもソファの端に追い詰められてしまう!!
「君って、とても………」
「…………へっ?///」
「……美味しそう」
「!!!!」
ペロリと舌舐めずりして僕の首筋に顔を埋めるチョンさん
こ、これってやっぱりバンパイヤ!!!!
「や、やだっ!!食べないでっ!!」
思わずそう叫んでチョンさんを突き飛ばすと、僕は反動でソファから転げ落ちてしまったんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 16
~Yside~
「さあ遠慮なく召し上がれ」
「い、いただきます///」
デリバリーで頼んだピザやチキン、君の好きそうなものをあれこれ選んで見たが
喜んで貰えたみたいでよかった……
部屋に入った途端に警戒して顔を強張らせていたから逃げてしまうんじゃないかと思ったが
どうやら大丈夫のよう、だな(笑)
ま、警戒されるのも無理はない、この部屋には全く生活感などないのだから
仕事で使っていると話すとホッとしたのか、嬉しそうに食事を頬張る姿は微笑ましく
頬は上気してほんのりと赤く染まっている
節操なく美味そうだと思うのは仕方のないこと、俺も誤魔化すように食事を口に運んだ
「な、なんで……」
「ん?」
「……なんで僕なんか誘ってくれたんですか?///」
少し不安げに見つめる瞳はゆらゆらと揺らめいて、ああ、今すぐに抱きしめてしまいたくなる
「わからない?」
「………///」
「君に惹かれているから、かな」
「!!!!///」
俺の言葉に途端に火をつけたように真っ赤に染まる肌、ああ、いい反応をする
「信じてくれる?」
「………チョンさん///」
俺の言葉に驚いて視線を泳がせる君が可愛くて、とても帰してやれそうもない俺だったんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 15
~Cside~
「さあどうぞ」
「お、お邪魔します///」
チョンさんに夕食を一緒にと誘われて、戸惑ってはいたもののいいワインがあるって言われちゃって
のこのことやってきてしまった僕……
最初は変態だって思ってたし、血を吸わせてくれとか言われて警戒心しか無かったのに
その……最近では親しくなって、もっと彼のことが知りたいって思い始めていて
自分の心境の変化に戸惑うばかりだけど……
とにかく謎に包まれた人で、何の仕事をしてるのかもわからないし
憂いを帯びた黒目がちのアーモンドアイとか、普通の人とは思えない程のスタイルの良さとか
かと思ったら人を惹きつけるような人懐っこい笑顔とか
なんだよ、いつのまにか夢中になってんのは僕の方じゃないかって!!
「どうしたの?狭いけどどうぞ?」
「あ………はい///」
つい入り口でぼんやりと考え込んでしまって、つい、と手を引かれて部屋の中へと入った
うわ………何も、ない
本だらけの僕の部屋と違って、至ってシンプルに物が置かれていて、同じ間取りのオンボロアパートの筈なのに
生活感のなさにヒヤリと背中が冷たくなった
………これってなんかヤバいんじゃない?
心の奥で警鐘が鳴り響く、逃げるなら今しかないってわかってるのに!!
「何もないでしょう、とりあえず座って?」
「……は、はい」
無言の圧力に逃げることも出来なくなった僕は、そっと手を取られるとソファへと座らされたんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 14
~Yside~
「………え?チョンさんの家に、ですか?」
「ああ、いいワインが手に入ったんだ、一緒にどうかと思ってね」
「………でも、あの///」
大分打ち解けてくれた頃合いを見計らって、ワインのボトルを見せながら夕食へと誘ってみる
久々に手に入ったレアなワインだし、さぞかし君と飲んだら美味しいだろうって
いや、美味しそうなのは君か
随分な下心丸出しな誘いだと思うが、最近の君の反応を見ていると、誘わないではいられなくなる
そんなに熱っぽく見つめられたら今すぐに攫いたくなるのに
……全く無防備にも程がある
無類の酒好きなのは知っているし、まだ若いからワインのことはあまりわからないと話していたから
高級な店に誘うよりは家飲みの方が良いだろう
じっと見つめれば大きな瞳をゆらゆらと泳がせて、ああ、早く食べてしまいたい
「何もない狭い家だけどね、良かったら」
「………じ、じゃあ、お言葉に甘えて///」
「ふふ、同じ間取りだったね」
「……ですね///」
「料理はできないからデリバリーでいいかな?美味しいチーズも用意しておくよ」
「……あ、はい///」
俺の言葉に恥ずかしそうに俯く君に、節操なく舌舐めずりしてしまう俺だったんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 13
~Cside~
「で、あれからどうなったの?」
「ど、どうって……別に///」
大学の講義の合間、芝生に座って昼ご飯を食べる僕とキュヒョン
なんだか楽しそうに僕を見つめるキュヒョンに気まずくなって持っていたパンを一気に詰め込む
あれから……チョンさんとは別段変わったことはない
……でも、僕の警戒心は一気に緩んでしまった
顔を合わせれば挨拶程度しか交わさなかった、いや、寧ろ避けていたのに、今は顔を見ればドキドキとしちゃって
あの人無駄にかっこいいんだよ、うん///
黙ってしまった僕をニヤニヤと覗き込むキュヒョン、なんなんだよ一体!!///
「ふうん、助けて貰ったとか言ってたけど、その様子じゃ進展があったんだ?」
「!!!!」
「本当にわかりやすいなチャンミンは~」
「……///」
進展、進展ってなんだよ!!
別に男として進展してもなんも嬉しくないっつーの!!
そりゃ確かに助けて貰ったときは抱きしめられて、安心したっていうかその………
おやすみのキス、とか///
ボッと音を立てて顔が熱くなるのがわかる、わあ!!何思い出しちゃってんだ僕!!
「……チャンミン顔赤い(笑)」
「う、煩い!!//」
「ま、せいぜい気をつけることだな」
真っ赤になった僕の顔を見てゲラゲラと笑うキュヒョンを、思い切り睨みつけてやったんだ