. スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
. 僕の彼氏はバンパイヤ 12
~Yside~
「今日はゆっくり休んで」
「………あ、はい///」
「ん、おやすみ」
「お、おやすみなさい///」
抱き締めれば体を固くして固まってしまうくせに、そんな真っ赤な顔で見上げられたら堪らないな
本当ならおやすみのキスもしたいところだが、残念ながらまだそこまでの仲ではない
随分と慎重な自分に思わず苦笑いしてしまう……
だが、この件があってから俺とチャンミンの距離はグッと縮まった
「こんばんは」
「……こ、こんばんは///」
まだ警戒されているとは思うが、出会えば挨拶もしてくれるし、堅いながらも笑顔も向けてくれるようになった
まあ、最初からどストレートに血を吸わせてくれなんて言われたらそうなるか(笑)
毎夜抑えきれなくなる衝動に駆られて、明け方こっそりと部屋に忍び込む
ぐっすりと眠る君の首筋があまりに美味しそうで、ペロリと舐めればピクンと体を震わせた
うん、感度も良好
スヤスヤと眠る寝顔を眺めながら、綺麗な首筋を吸い上げて所有の印を残したんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 11
~Cside~
「あ、あの………チョンさん」
「ん、とりあえずは帰りましょう、一分一秒でもこの場に居たくない」
「……は、はい///」
そう言って黙って僕の手を引く変態、いや……僕の隣人であるチョンさん
バイト終わりに変なやつらに絡まれて、困っていたところを助けて貰ったのはいいけど
さっきのってどういう状況、なんだろう……
僕の腕を掴んでいた男は、弾けるように僕から離れていったし
他の奴らも最初はやいやいと言っていたけど、チョンさんのひと睨みで毒気を抜かれてしまったようで
………変態じゃなくてそっち方面の人とか?
ぐるぐるしながらも腕を引かれて、早足でアパートまで辿り着くと、くるりと振り返ったチョンさんは僕を見てニッコリと笑った
「とにかく無事で良かった、怪我はありませんか?」
「だ、大丈夫です、あの……ありがとうございました!!」
「あなたが無事ならいいんです、でも……」
「………え?」
「いけないな、大事な体なのに」
「………あ///」
視界が遮られたとおもったら、僕はチョンさんに抱き締められていた
……え?……何これ!?///
今すぐに逃げたしたいのにあまりに心地よくて身を委ねたくなっちゃうよ
「もっと気をつけて、ね?」
「……は、はい///」
そう言って僕を見つめるアーモンドの瞳があまりにも切なくて、胸が締め付けられるように苦しくなってしまった僕だったんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 10
~Yside~
アパート近くのコンビニでバイトをする君、几帳面な彼は必ず時間通りに帰ってくる筈
偶然を装って声をかけようと待っていたのに、なんだ、余計な邪魔が入ったようだ……
汗臭い男達に囲まれて、うん、その焦った顔もなかなかいいけど
気に入らないのは細い腕を掴む汚い腕、今すぐに切り取ってしまいたい程の不快感
跡形もなく消してしまうことも出来るが、そんなことをしてはここにいられなくなってしまうから
ここはぐっと我慢で能面のように顔を作る
『あの、離していただけませんか?』
そう声をかけつつも視線は掴まれた腕に、まったく、俺の獲物に手をつけるとはいい度胸だ
ほんの少しの力を解放すると、弾かれたように吹っ飛ぶデカイ体
呆然とするそいつらを尻目に愛しい人の手を取ってくるりと踵を返す
何が起こったのか理解できず大きな瞳をくるくるとさせて
無事で良かったと思った以上に安心する自分に、少し戸惑い気味な俺だったんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 9
~Cside~
「は、離してください!!」
「いいじゃんちょっと付き合うくらいさ~」
「僕帰らなきゃいけないんで!!」
「またまた~可愛い顔して冷たいなぁ」
コンビニのバイトを終えての帰り道、いそいそと帰り道を急いでいたはずなのに、大きな男達に絡まれて身動きできない僕
この辺りじゃ見かけないから、きっと合宿とかで来てる体育大生なんだろう
近くに総合運動公園があったりするから、そういうの結構多いんだよね
店から出たところでバッタリと出くわして、腕を掴まれて離してもらえないとか!!
女の子でもないのにとんだ災難だよ(泣)
どうにか振り解こうとするのにガッシリと腕を掴まれて、全く何食ったらそんなにぶっとい腕になるんだってーの!!
「離せっ!!いやだ!!」
「強情なとこもいいじゃん、缶ビールなんてやめてそこの居酒屋で飲もうぜ」
ニヤニヤとしながら迫る男達!!汗臭くって吐き気がしそうだ!!
「あの、離していただけませんか?」
「はっ!?」
「俺の連れなんですよ、やあチャンミン、迎えに来たよ」
「………あ、チョン、さん?」
「なんだお前!!おわっ!?」
一体何が起こったのか、一瞬にして転がるデカイ男にその場にいた全員が目を丸くした
今のって……?触れたようにも見えなかったのに!!
「さあ帰りますよ」
「………へっ?///」
音もなく僕の目の前に移動したその人は、ニッコリと笑って手を差し出したんだ
. 僕の彼氏はバンパイヤ 8
~Yside~
隣に住んでいるから彼の大体の生活はわかる
朝何時頃に起きて、シャワーを浴びて朝御飯を食べて大学に行くとか
昼まで寝ているときは夕方バイトに行って夜遅くに帰ってくるとか
本当はね、俺達は他人の部屋に忍び込むことくらい容易いことなんだが
それをしないのは怖がらせないように、そっと近づいて振り向かせたいって思ってるから
思い通りに操るとかナンセンスだし、俺のスタンスには全く当てはまらない
でも、どうやらこの前の一件で警戒されてしまったらしく、大量のニンニクとか、十字架とか用意されていて思わず笑ってしまった
そんなの俺には効かないのに、可愛い抵抗をし始める君に益々夢中になってしまうよ
「ユノ、随分楽しそうだな」
「別に……」
「良い獲物でも見つけたのか?」
「いや」
「ふうん?秘密主義のお前のことだ、言うわけないか」
「ふふ」
何だかんだと探りを入れてくる仲間のシウォンを軽くあしらいながら、君のことばかりを考えてしまう僕だったんだ