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苺な彼とビールな僕

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. あの空の向こうに ~海を越えて~ 13








~Yside~





『君の兄さんにはまだ手を出してないから』




あんなこと言われて黙ってられるわけがない、最初から気にくわないって思ってたけどやっぱりチャンミンのことそういう目で見てたんだ!!



本当なら一発殴ってやりたいところだけど、ここはチャンミンの通う研究室、周りには人もいっぱいいるし、流石の俺でも抑えなきゃって思った



『悪いけどチャンミンは俺のなんで渡せないから』



俺は最大限に声を抑えて睨みを効かせると、チャンミンの腕を掴んで研究室を後にした



「……ユノ、待って!!」



背中から聞こえるチャンミンの声、俺は構わず手を引いて大学の門を出た


壁伝いに少し歩いた所で泣きそうな声が聞こえて、俺はハッとして後ろを振り返った



「待ってってば……痛い/////」


「あ……」



思いの外強い力でチャンミンの腕を掴んでいたらしく、顔を歪ませて俺を見つめるバンビアイ



「ごめん/////」


「……力強すぎだよ/////」




そっと腕を離すと痛そうに手首をおさえるあなた、ああ、そんなつもりはなかったのに



「チャンミン……俺……」


「ほら、行くよ」


「え……?怒ってないの?」


「……呆れてるだけ/////」


「チャンミン!!」


「い、家に帰るまで触るの禁止だから!!/////」




……あれ、耳、赤くなってる?




すこし乱暴に言い放ったチャンミンの後ろ姿を眺めながら、その背中が怒っているようには見えない俺だったんだ












. あの空の向こうに ~海を越えて~ 12








~Cside~





研究室にユノを案内していると丁度シウォンさんに出会ってしまって、昨日のお礼を改めて言わなきゃなんて思ってたのに



ユノったらシウォンさんのこと睨みつけちゃって……



せっかくカフェに誘ってもらったのに、ブスッとして全く視線を合わせようとしないし



ヤキモチだってわかってるけど、ストレート過ぎて困っちゃうよ/////




「チャンミンはブラック?アイスでいいよね、ユノ君もそうかな?」



「あ……シウォンさん、ユノはコーヒーはちょっと……」



「いやそれでいいです!!」



「ユ、ユノ!!//////」



まったくユノったらブラックなんて飲めないくせに強がっちゃって……



コーヒーを買ってきてくれたシウォンさん、にっこりと笑ってユノにカップを手渡すけど、軽く会釈しただけでまたむっつりと黙ってしまうし



「ふふ、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ、君の兄さんにはまだ手を出してないから」


「シ、シウォンさん!!/////」




シウォンさんもいつもは言わないようなことを言いはじめるし、ユノは殴りかかりそうな顔でシウォンさんを睨んでるし



きっと面白がってるんだ、ああ、どうしたらいいの/////



ユノは目の前に置かれたアイスコーヒーをじっと見つめて一気に飲み干すと、立ち上がってシウォンさんの前に向き直った



「昨日は送っていただいてありがとうございました」


「あ、いや……」


「悪いけどチャンミンは俺のなんで渡せないから」


「はっ?」


「俺達これで失礼します、チャンミン行こう」


「……ちょっ!!ユノ!?/////」




呆然とするシウォンさんを横目にして、僕はユノに手を引かれて研究室を後にしたんだ









































. あの空の向こうに ~海を越えて~ 11







~Yside~





「ユノ、早く早く!!」




大学の門の前で手をブンブンと振るチャンミン、まるで子供みたいにはしゃいじゃって



……たく、どっちが年下なんだか(笑)



今朝はベッドであんなに甘い声を上げていたクセに…



いや、なんだか幸せオーラが漂ってるのは気のせいじゃないよな



……俺のせい、だよな/////



そう思うと自然とにやけてしまう自分がいて、緩んでしまう口元を慌てて隠した



やばい、ここチャンミンの通う大学だった……



アメリカに居られるのはたったの3日、明日の夜にはこっちを発たないといけない



ちょっと予定が狂ってしまったけど、今日はチャンミンの研究室を少しのぞいて、大きめのショッピンモールにお土産を買いに行く予定なんだ



他の大学生達とは別棟の建物、煉瓦造りの古い造とは裏腹に中は改装されていて



研究室の室長に紹介してもらったり、施設を案内して貰って過ごした



「やあ、チャンミン、弟君も一緒?」



一通り見たところで声をかけて来たのは空港まで迎えに来てくれたシウォンとかいう奴



……なんでこんなとこで会うんだよ



「あ、シウォンさん!!」


「……どうも」


「やあ、なんだか弟君にはすっかり嫌われちゃったみたいだなぁ、よかったらコーヒーでも一緒にどう?」




そいつは俺をチラリと見てからチャンミンに向き直ると、にっこりと笑って少し先にあるカフェテリアを指差したんだ






















. あの空の向こうに ~海を越えて~ 10








~Cside~






朝起きてユノと少し話して……それからその、またそういう事になっちゃって/////



だって昨日僕は先に眠ってしまったから……



ユノに触れられて、想像以上に感じてしまう自分に戸惑ってしまって



その……ユノの手の中に熱を放ってしまったことがショックで/////



僕の方がずっと年上で、リードしなきゃいけない方なのにこんな風にされてしまうなんて



恥ずかしくて堪らなくて、溢れ出る涙を止めることが出来なかった



でも、ユノはそんな僕を黙って抱き締めてくれて




初めて触れるユノの中心は、はち切れるほどに張り詰めていて、きっと昨日我慢させてしまったから



ユノに触れるうちに、また僕も……で、結局二人で朝からその……/////



後から考えたらとっても恥ずかしい行為だったけど、生まれてから一番気持ちよかったなんて/////



最後まではシなかったけど、不安げに見つめる僕にキスをしながら



「いきなり最後までなんて思ってないよ」



なんて言われてしまって……なんだか悔しいよ/////





今日は大学の研究室に連れて行くつもりだったのに、やっぱり二人で離れられなくて、そのまま二度寝してしまった僕達だったんだ





































. あの空の向こうに ~海を越えて~ 9








~Yside~






結局あれから先へは進めなかった……




俺の手の中で熱を放ったチャンミンは、恥ずかしさからか遂には泣き出してしまって



ポロポロと涙を零すあなたに、これ以上のことなんて出来るわけなくて




何があっても抱くって決めてきたのに……俺ってとことんチャンミンには甘い気がする



全くどっちが年上なんだか…



宥めるように背中を撫でて、泣き疲れて眠ってしまったあなたをベッドへと寝かせると、ぎゅっと抱き締めて眠りについた




こうして二人で眠ったのなんていつぶりだろう







「………ユ、ユノ!?/////」


「……ん」



目を覚ませば真っ先に飛び込むのは愛しい人の姿、何故か悲壮な表情で俺の顔を覗き込んでいて




「ぼ、僕……あの、寝ちゃって……?/////」


「ああ、俺がベッドに運んだんだ」


「ご、ごめん!!あの……ほんとに/////」


「いいって、ちゃんと触らせてくれたし、結構満足してる」


「で、でも!!/////」


「……じゃあ触ってくれる?」


「!!!!/////」




あんまり必死に訴えかけるからちょっとした意地悪のつもりだったのに





一旦ぎゅっと目を瞑ったあなたは俺の唇にキスを落とすと、震える手で俺自身へとそっと触れてきたんだ

























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紫苑☆

Author:紫苑☆
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