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苺な彼とビールな僕

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. 夜咲く華は蝶のように 31






~Cside~




まさかユノヒョンまでコスしてるなんて!!



これでヒチョルヒョンがニヤニヤしてる訳がわかったよ、あれはヤバい!!/////


黒のスーツに黒のネクタイ、黒のマントを纏ったヴァンパイア、牙までつけちゃって、ほんとヒチョルヒョンって完璧だよ


髪が明るいから黒の衣装が余計に映えちゃって、ほらほら色んな人から声かけられてる


…あんなにイケメンなんじゃ仕方ないよね


そんな気持ちを知ってか知らずか人混みを縫って僕のところまで来てくれるヒョン、「綺麗だ」なんて言われてあっという間に僕の気持ちは浮上するんだ


ヒチョルヒョンの一声でコスプレパーティーは始まった!!


今日は招待されてる人達ばかりだからモデル達がほとんどを占めていて、その中には何故かシウォニヒョンにエスコートされたキュヒョナもいて(笑)


「お互いすっかり板についてきたね」


なんて顔を見合わせて苦笑いしてしまう



カウンターにはテミンの姿もあった、本当に女の子かって思うほどの完璧なコスで登場して、ちやほやされて超ご機嫌そうだった


最初は僕の事睨んでたくせに(笑)


でも…さっきユノヒョンとセルカ撮ってたのは見逃してないからね!!後でヒョンのこと問い詰めてやらなきゃ!!


「チャンミナ、そろそろ出番だよ」


宴もたけなわ、いい感じにアルコールの入ったお客さん達に拍手で迎えられ、僕たちの『Boys Day』が始まった!!


僕とキュヒョナ、ミノにスホは赤いドレスで妖艶に踊り、ポーズを取るたびに大喝采を浴びたんだ


慣れないヒールで足は絆創膏だらけだったけど、なんとか踊りきって最高のフィナーレを迎えた


クラッカーが鳴らされて風船や紙吹雪が舞う中で、ぐい、と抱きよせられていつもの腕の中へ



「チャンミナ帰るぞ!!」


「……えっ!?打ち上げは!?/////」


「んなもん待てるわけねーだろ!!ほらっ!!」


「…ちょっ!!ヒョン!!/////」


「なんでも言うこと聞いてくれんだろ?」


「…え、えっ…わっ!!/////」



そう言ってユノヒョンは僕をヒョイと抱き上げると、外で待っていたタクシーへと滑り込む



その後どうなったかって…?

…それはまたのお楽しみ




ネオン街をすり抜けて

赤いドレスの僕とヴァンパイアのユノヒョンは

蕩けてしまいそうに甘い夜を過ごしたんだ






















. 夜咲く華は蝶のように 30






~Yside~




コスプレバーの開店前、店の中ではヒチョルヒョンが生き生きとして準備に勤しむ姿があった(笑)


「よう、ユノ!!」


「ヒョン、お疲れ、準備は万端だね」


「おう、キマッてるだろ?」


一回転してポーズを決めるヒチョルヒョン、カラフルなウィッグでアニメのキャラクターのコスに大満足、まあ、美人だから似合ってるけど(笑)


「お前もやれよ!!用意しといたんだ♡」


「……ちょっ!!ヒョン!?俺はいいって!!」


「いーから、いーから♡」



ロッカーにはヒョンが持ち込んだ衣装がズラリと並び、すでに着飾ったモデル達でガヤガヤと賑わっていた、どうやって運んだんだってほどのデカイ鏡の前に座らされて、メイクが始まってしまった!!


着替えまでさせられて、仕方なく俺はそのまま店内へと入った、ったくマントが邪魔だって!!



チャンミナはどこだ?

キョロキョロと辺りを見回すと周りから一つ飛び出た小さい頭、いたいた!!



「チャンミナ!!」



片手を上げて赤いドレスの彼女…いや、彼へと近づく、チャンミナはぽかんと口を開けて俺の方をマジマジと見つめた



「…ヒョン?」


「チャンミナ、どうした?」


「…そ、そのコスって?」


「ああ、ヒチョルヒョンが勝手に…おかしいよな?」


「ううん!!すごく似合ってます/////」


「…君こそ似合ってる」


「ヒョン…/////」



赤いドレスに肩までかかる栗色の髪、恥ずかしそうに俯くチャンスニ、ああ、ここが家なら今すぐにでも押し倒したいのに!!



「そろそろ始めるぞ!!」



ヒチョルヒョンの掛け声で一際大きい歓声が上がると、コスプレバーのフィナーレがスタートしたんだ




















. 夜咲く華は蝶のように 29






~Cside~





『今日はキュヒョナの所に泊まります!!』



そう言い放ってユノヒョンのマンションを出てきた、だって…練習の邪魔ばっかりするんだもん/////


キュヒョナとミノ、スホと僕でコスプレバーのフィナーレを飾る『Boys Day』、女性アイドルグループのコスをして踊る予定なんだ、せっかくやるんならとことんまで!!


鏡に向かってセクシーなポーズを決める、でかい体でどれだけ綺麗に見せるかが勝負なんだ、何度も角度を変えながら必死にダンスしてるのに…ユノヒョンときたら!!


音もなく部屋へと入ってきたと思ったらいつの間にか背中から抱き締められて、スルリと服の間に指を滑らせて肌を撫でる


ユノヒョンに慣らされた体はすぐに熱を持って…僕のソレは素直に反応してきちゃうし、耳元で囁かれたらもう白旗を上げるしかない(泣)


…すっかりユノ色に染められてる/////



気付けば自分から腰を揺らしてヒョンを求め始めてる、自分でも驚くほどに快楽に溺れてるみたい…



いよいよ明日は本番だし、最後の最後まで悪足掻きで練習したかったから



だってヒョンに触れられたら拒めないから/////



『チャンミナごめん!!何もしないから』


『帰って来てくれよ』


『チャンミナ愛してるよ』



何度もカトクにメッセージが送られてきて、必死な姿が目に浮かんで笑っちゃう(笑)



『明日のフィナーレがうまくいったら何でも言うこと聞きますから♡』



柄にも無くハートマークなんてつけちゃって、ちょっと恥ずかしいけど僕の気持ちだから/////



あれ?既読ついたのに返事こなくなった、と思ったらヒョンからの着信、慌てて画面をタップする



『チャンミナ?』


「なんです?」


『すっげえ嬉しい♡明日頑張れよ!!』


「…はい/////見ててくださいね」


『ああ、おやすみチャンミナ、愛してる』





激甘な電話を終えてスマホをテーブルに置くと、少し呆れた顔のキュヒョナ



僕は赤くなった顔を誤魔化しながら、もう一度最後の練習を始めたんだ



















. 夜咲く華は蝶のように 28






~Yside~





「リョウギ、当日の段取りはどうなってる?」


「ああ、オーナー!!バッチリですよ、あとですね、新店からテミンが応援にくるそうですよ」


「…は?テミン?なんでまた」


「対抗心じゃないですか?健気ですよねぇ(笑)」



…ったく!!やっとチャンミナと両思いになれたのに、これ以上へそを曲げられたら困る!!

それでなくても好きだの愛してるだのは言ってくれないのに



まあ、俺の恋人は目下イベントに向けてのダンスの練習中で……あんまり相手にしてもらえないけど



鏡の前でクネクネと腰をくねらせて視線を送る、ドレスなんて着てなくても今すぐにでも押し倒したいくらいだ


背中から近寄ると隙をついて抱き締める、ここまでお預けにされるとたまったもんじゃないな



「…ちょっ!!ユノヒョン離して!!/////」


「嫌だ、チャンミナ冷たすぎ」


「あんたの店のイベントの為にやってんでしょーが!!…あっ…服に手を入れるなっ!!/////」


「ん、少しだけ、そのダンスエロすぎ、あのドレス着てやるんだよな?俺我慢できないかも」


「…な、何言って!!…あっ…あん……/////」



耳朶を甘噛みして中へ舌を這わせる、そんな顔してそんなダンス、今すぐ辞めさせたいのに、ヒチョルヒョンの奴!!



…おまけに撮影まで!!



胸の突起を弄び始めると力は抜けて蕩けそうに甘い声を上げる、ちょっとしたイタズラだったのにこのままじゃすまなさそうだ



「…チャンミナ、ベッド行こう」



俺に背中を預けたままコクコクと頷く君を抱き上げて、二人でベッドへと倒れこんだんだ






























. 夜咲く華は蝶のように 27






~Cside~




…こうしてユノヒョンと晴れて恋人同士になった訳だけど、仕事は仕事、プライベートとは分けるようにしたいと申し出た



「ん、チャンミナの好きにしていいよ」



にっこりと目を細めて愛おしそうに見つめるとか…外では止めて欲しいのに/////


借金も返さなくていいとか、体で返して貰うからいいとか言われたけど/////


それとこれとは別です、なんて可愛くないこと言ってしまって…少し呆れてるかな?


コスプレバーも残すところあと十日ほど、最後は撮影も入ってコスして皆んなでイベントをするらしい


勿論キュヒョナも綺麗に巻き込まれちゃって、赤いドレスで一緒にダンスする事になった、フィナーレを飾るとかなんとか、全くヒチョルヒョンには振り回されっぱなしだよ



「チャンミナは慣れてるからいいけど何で僕まで…」


「…はっ!?/////慣れてねーし!!」


「おまけにモデル二人も加わってさ、あんまりスタイルいい奴と並ぶのやなんだけど」


…そ、そんなの僕だって嫌だよ!!



「チャンミナはビジュアルもスタイルもいいからいいけどさ、はぁ」



大袈裟に溜息をつく金髪美人(笑)自分で思うほど変じゃないのに…キュヒョナだって凄い綺麗だし


「似合ってるって、ミノとスホはどうしたの?まだ撮影?」


「ああ、なかなか集まれないから練習出来ないよな、ぶっつけ本番で行くしかないよ!!」


「そうだね」



あれからテミンは何も言ってこないから、恐らくユノヒョンが何か言ったんだろう、仕事なら幾らでも受けて立つけど、ユノヒョンは譲れないかな


このイベントが終わったら本店のクラブでのバイトが始まるわけだし、負けれないよ!!



「さ、キュヒョナ、もう一回通しでやってみよう?」


「はいはい、無事終わったらヒチョルヒョンにうまいもんご馳走してもらわなきゃだよ」



ゴチるキュヒョナの重い腰を引き上げて、僕らはダンスの練習を始めたんだ












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紫苑☆

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