苺な彼とビールな僕

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～Cside～





『連れて行きたいところがある』



そう言ったユノさんの表情は優しくて、いつになく真剣な眼差しで胸が詰まりそうになる


その夜はさすがに疲れてしまって、倒れこむようにベッドに入ってしまったけど、朝になればユノさんの腕の中に包まれていて


そろりと手を伸ばせば綺麗な鼻筋、伏せられた黒目がちの瞳を縁取る真っ直ぐに伸びた睫毛、いつも僕を翻弄する赤い唇とか……



「…誘ってるの？チャンミン」


目を瞑ったまま声が聞こえて思わず体が跳ねる、お、起きてたんだ////……い、いつから？


「君がその大きな瞳を開く前からね」


なんて、少し意地悪そうに笑うあなた、僕はなんだか居た堪れなくて胸に擦り寄った、髪に触れる唇は次第に下へと落ちてきて


「……んっ…」


「夜まで待てそうもない」


「……ダ、ダメ、…リウ君が起きちゃう/////」


「ん、じゃあキスだけ、ね？」


「……んっ…あ……んんっ…！！」



ユノさんはちょっと酷いと思う、朝から蕩けるようなキスに僕の体は熱くなってしまって持て余してしまうじゃないか！！



ルームサービスでテラスでの朝食、新聞を広げるユノさんと口いっぱいにオムレツを頬張るリウ君、ほんとそっくりで微笑ましい



「今日はチェンさんは来られないんですか？」


「いや、外で待ち合わせだ、とりあえずは朝の神戸のロケーションを楽しもう、リウ、ロープウェイだ」


「ろーぷうぇ？」



卵を口の横につけてキョトンとするリウ君、可愛すぎて思わず吹き出してしまうよ


「ロープウェイだよ、高いところを登って行くんだ」


「たかいところ！！ろーぷうぇ、たのしみ！！」



ユノさんの提案で、今日は神戸の山手を散策して、そのまま異人館を巡ることになったんだ

2016-07-02 17:00 ｜カテゴリ : 空色の調べにのせて ｜コメント(4) ｜トラックバック(0)