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. 恋する君は花の香り 22
~Cside~
「チョンさんには一応連絡しておいたから」
「ありがとうございます、店長」
「母さんには連絡しなくていいのか?」
「あ、はい、過剰に心配するんで」
「そうか、じゃ仕事に戻るから、また後でな」
「あ、あの、店長!!本当に迷惑かけちゃって……」
「バカ、何言ってんだ、とにかく安静にしてろよ」
そう言ってニッコリと笑う店長に胸が熱くなる
本当に店長にはお世話になりっぱなしで頭が上がらない
数年前まではこういう事もあったから気をつけていた筈なのに
疲れていたのかな……
バイト終わりにユノと約束していたから、連絡だけはと思ったけど
店長の話では心配してこっちに向かってるそう
本音を言えばそばにいて欲しかったから、来てくれるのは本当に有難い
びっくりしたよね、きっと……
もう、随分前に僕は一度ストーカーの被害に遭っていて
精神的にとても不安定な時期があった……
あの頃は子供だったし、対処の方法もわからずに怖い思いばかりが記憶に残って
時々思い出しては身震いするような悪寒に襲われる
まあ、僕がこんなに大きくなっちゃったから流石に諦めたみたいだけど
よく一人で家で泣いていたっけ
ベッドの上でぼんやりと天井を眺めていると、病室の外からバタバタと足音が聞こえる
………あの足音は
「チャンミン!!」
僕の名前を呼びながら勢いよくドアから飛び込んできたのは、スーツ姿のユノその人だったんだ
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