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. 結婚なんかしたくない 31
~Yside~
「あ!!お戻りでしたか!!」
「やあミノ、手間をかけてしまったね」
「とんでもない、午後の打ち合わせは代理で出席しておきましたし、あとはそちらの書類に目を通して貰えれば」
「ああ、ありがとう」
自分のデスクに座りホッと一息をつく、さて、早めに終わらせるにはどれから手をつけようか
君と約束をしてしまったから、是が非にでも終わらせないといけない、な
片肘をついて考えを巡らせていると、目の前でマジマジと俺を見つめるミノの姿
とっくに部屋を出て行ったと思っていたのに
「なんだ、まだ居たのか」
「あ!!すいません///」
「どうかしたか?」
「いえあの、室長があまりにも楽しそうでいらっしゃるので」
ファイルを抱えたまま1人ウンウンと頷くミノ、つい緩んでしまう口元は誤魔化せないということか
ま、ミノになら構わないだろう
「ふふ、そうだな」
「いやぁ、チャンミン様の威力は偉大ですね」
そう言ってしきりに感心して部屋を出て行くミノに、苦笑いをしてしまう俺だったんだ
. 君を好きでしょうがない 12
~Yside~
何だかんだと迎えた当日、天気は晴天、ドライブデートの出だしは絶好調
おまけに手作りサンドイッチのサプライズもあったりして
これは朝からテンション上がる、よな!!
君を迎えに行ってそのまま近くのコンビニへ、アレもこれもと買おうとする俺に
『ダメです、サンドイッチがあるでしょう?』
なんて呆れたようにクスクスと笑う君が愛おしくて堪らないよ
サンドイッチを頬張りながら高速に乗って、はしゃぎ過ぎた君は暫くするとウトウトとし始めた
きっと眠れなかったんだろう、なんて考えたりしながらそっと上着を君にかけてやる
眠れなかったのは俺も一緒で、寝不足には違いないけど
それより君とこうしていることが幸せ過ぎて、ちょっぴり疾しいことも考えたり
それどころじゃない感じ、かな
サービスエリアに着く頃に起こしてやろうと思ったのに、5分もしないうちに飛び起きて平謝りをする君に
『寝顔が見れて嬉しかった』
そう伝えたら、真っ赤になって俯いてしまうから、髪をぐしゃぐしゃと撫でてやったんだ
. 結婚なんかしたくない 30
~Cside~
『ふふ、もう観念して?』
そう言って不敵な笑いを浮かべて、ユノさんは颯爽と車で去っていた
は………!!///何だろうこの気持ち
モヤモヤとしていた事がハッキリと分かって、まあ、一応納得したっていうかなんていうか……
あ、憧れとか!!///
それって僕だって分かったからその……結婚しようって思ったってこと、だよね
そういや小さい頃の写真の中に、誰だかわかんないお爺さんの写真があったっけ
それって、まさか!!///
とにかく早く確かめたくて、慌ててバスへと飛び乗った
家に帰るなり押し入れをガタガタと開け始める僕に、ソンさんが目を丸くする
「まあ、坊ちゃん、いったいどうしたんです?」
「アルバム探してるんだ!!小さい時のやつ!!」
「それならこっちのほら、戸棚のほうに……」
「ソンさんありがと!!」
古びたアルバムの中をパラパラと捲り、遠い記憶を辿って写真を探した
亡くなったおばちゃんと一緒に写った沢山の写真の中に一枚だけあったその写真
おばあちゃんと知らないお爺さん、そして幼い僕と手を繋ぐアーモンドの瞳の男の子
見つけた……!!
古い写真の中にいるあなたは照れ臭そうに微笑んでいて
胸の奥がジンと熱くなって、涙が溢れそうになる僕だったんだ
. 君を好きでしょうがない 11
~Cside~
「チャンミンこっち!!」
「あ!!ユノ先輩!!///」
いよいよ迎えたドライブデート当日、直前で飲み会の誘いだの何だのあったけど
どうにか無事に行けそうでよかった!!///
前日は当然眠れるわけなんて無く、ソワソワしちゃってリュックを開けたり閉めたりして
ほんと何やってんだって思うほど持ち物を入念にチェックして
一応ね、朝ご飯がわりにサンドイッチを作ったんだ
コーヒーは途中で買えばいいとして、ドライブ中にちょこっと摘めるようにって
車でマンション下まで迎えに来てくれたユノ先輩は、白いTシャツにチェックのシャツを羽織って超絶にカッコ良い
助手席のドアを開けて『どうぞ』なんて言われちゃって、それだけでキャパオーバーになっちゃいそうだよ!!///
「さあ、行こうか」
「あ、途中で飲みもの買いたいんです」
「ああ、この先のコンビニでいいかな?」
「はい、あの……朝ご飯食べましたか?///」
「いや、なんか落ち着かなくてさ」
「ふふ、僕もですよ、サンドイッチ作ったんで食べながら行きましょう?」
「うお!!マジかやった!!」
「わわ!!危ない!!///」
ハンドルを離してガッツポーズを決めるユノ先輩にびっくりしちゃって、危うくサンドイッチを落としてしまうところだった
でも、喜んでくれて良かった///
天気も良いし、うん、いい感じ!!
秋の空はどこまでも澄んで綺麗で、僕達の先行きを祝福してくれてるみたいだったんだ
. 結婚なんかしたくない 29
~Yside~
『………ユノさんて懲りない人ですね』
そう言って笑った君の笑顔が眩しくて思わず目を細める
本当はね、ちょっと自信がなかったんだ
昔からの憧れだ、なんて打ち明けたら気持ち悪がられてしまうんじゃないかって
とはいえ、幼い頃に会っていた憧れの天使がチャンミンだったって知ったのは割と最近のことで
きっかけになったのは勿論お爺様の遺言書だった
遺言で俺の結婚相手を決めてしまうとか、その時はとんでもない時代錯誤だと呆れてしまったけど
それが君だと知った時には心臓が飛び出してしまうかと思った
「どう?まだわからない事ある?」
「………で、ですね///」
「じゃあ婚約者殿、この後食事でも如何ですか?」
「こ、こん!?/////」
「一旦会社に戻るからその後迎えに来るよ、ね?」
「………///」
「ふふ、もう観念して?」
そう言ってウィンクをした俺にガックリと肩を落とした君は、呆れたようにコクンと頷いたんだ
. 君を好きでしょうがない 10
~Yside~
「でさ、こっちの件なんだけど」
「あ、それはリサーチ済みです、詳細はこのフォルダに纏めてますから」
「おお、流石!!」
「ふふん、僕を舐めないでくださいよ?」
二人きりのミーティング、新しいプロジェクトの準備も着々と進んでいて
初めは慣れない事も多くて手探りでの作業だったが、チャンミンのフォローでなんとかここまで漕ぎ着けた
全く公私ともに最高のパートナーじゃないか!!
用意された書類に目を通しながら、何か書き物をしてるチャンミンをチラリと覗き見る
時折唇に指を当てて何かを考える君、柔らかそうなそれに触れたくなるのは仕方のない事
いよいよ明日は約束の日、だよな
「ユノ先輩、あの……」
「ん?」
急に思いついたようにハッと顔を上げるから慌てて視線を書類へと戻す
いつになく真剣な表情に心臓がバクバクと音を立てる
………まさか明日の約束がダメになった、とか?
「の、飲み会!!///」
「はっ!?」
「誘われてましたよね?あの………飲み会///」
「ああ」
そういやドヨンが飲み会がどうとか言ってたけど、もしかして気にしていた、とか?
「い、行かなくても、あの///」
「行くわけないだろ?」
「…………えっ?///」
「何?心配してたんだ」
「べ、別に///」
そう言って拗ねたように視線を逸らす君の横顔が可愛くて、緩む口元が抑えきれない俺だったんだ
. 結婚なんかしたくない 28
~Cside~
『遠い昔からの憧れだった』
そう言って僕を見つめるアーモンドの瞳はどこまでも優しくて
ちょっと待って、頭の整理が全然つかない、僕達小さな頃に会っていた……?
憧れって、どういう………?///
動揺する自分をどうにか落ち着かせようと深く息を吸う
あなたの視線は真っ直ぐに僕に向けられたまま、とても目を逸らすことも出来そうにない
油断したらその手に抱きすくめられてしまいそう
そ、そんなのって!!///
「チャンミン?」
「あ、僕ちょっと動揺しちゃって、あの///」
「わかってもらえた?」
「……は、はい///」
「じゃあ婚約決定って事でいい?」
「!!!!……そ、それは!!///」
「そう簡単にはいかないか、じゃあ俺の努力次第、だな」
「………///」
腕を組んで心底残念そうな顔をするユノさん、そんなにイケメンなのにがっくりと肩を落としちゃって
なんだか捨てられた仔犬みたい(笑)
「……ユノさんて懲りない人ですね」
「ん?俺諦めないから」
「ふふ///」
そう言ってサムズアップするあなたの笑顔につられちゃって、睨むつもりがつい笑ってしまった僕だったんだ
. 君を好きでしょうがない 9
~Cside~
「チャンミン聞いた?週末の飲み会の話」
「ああ、ドヨンに誘われたけど」
「ま、行くわけないよな、なんたって、ククッ」
「キ、キュヒョン!!///」
「そう怒るなって、そういや係長も誘うって言ってたような」
「……えっ?」
キュヒョンの言葉に思わずフリーズしてしまう僕、まさかユノ先輩にも声をかけてたなんて
うちの会社の入ってるこのビルでもユノ先輩の噂は広まってるらしく
凄いイケメンがいる、なんて一時期女の子達が見にきたりもしていたっけ
「モテる恋人を持つとツライな?」
そんな事を言いながら僕の背中をバシバシと叩くキュヒョン、面白がってるようにしか見えなくて思い切り睨んでやったけど
……そう、ユノ先輩って昔から本当にモテるんだよね
多分断ってくれたとは思うけど、義理堅いユノ先輩のことだから
もしかしたら………?
いやいや、次の日ドライブデートの予定なんだから、そんな事はしない、よね
でももし、ユノ先輩が本当は行きたいって思っていたら
それを止める権利は僕にはない気がする
うわ、落ち込んできた、まだ仕事中だっていうのに
こんな風に物事を悪く考えてしまうのは、僕の悪い癖だとは思うけど
自信がないんだよね……
そう考えるとますます落ち込んできちゃって、溜息ばかりをついてしまう僕だったんだ
. 結婚なんかしたくない 27
~Yside~
『どこで会ってたのか気になって、記憶もないし』
そう言って俯いてしまう君、そうだよな、君が覚えている筈がない
わかってはいたけどほんの少しチクリと胸が痛む
だって、君の瞳はあの幼い日に会った頃と一つも変わってないから
「………ユノ、さん?」
「昔ね、うちの屋敷の補修工事をしている時期があってね」
「補修工事、ですか?」
「ああ、かなり大掛かりだったから一時的に別宅へと移り住んでいて、それがあの図書館の近くだった」
「と、図書館?あ!!///」
「あの頃休みの度によく、お爺様に連れられて、図書館へと通ったんだ、昔はね、違う場所にあったらしいけどね」
俺の言葉に真剣な表情で見つめるバンビアイ、大切にしてきた想い出を君に伝える日が来るなんて…
ある意味感無量、だな
「そ、それで?」
「その図書館でね、お祖母様に連れられた君に出会った」
「あ………///」
「今となってはお爺様は確信犯だった気もするけどね」
「天使、だと思ったよ、襟足がくるんと巻いて大きな瞳をキラキラとさせて」
「………///」
「遠い昔からの憧れだった」
「………ユノさん///」
思わず伸ばした手にハッとして頬を染める君が愛おしくて、抱き締めたくなる衝動を抑えるのに必死だった俺なんだ
. 君を好きでしょうがない 8
~Yside~
「え?飲み会?」
「ええ、係長もどうですか?同じビルの事務の子達と飲むんですよ!!」
「いや、うーん、俺は遠慮しとく」
「ええー?係長が来ないと始まらないじゃないですか!!」
「そんなわけないだろ、次の日予定があるんだ、悪いけど」
肩をがっくりと落として去って行くドヨン、明るくていい奴なんだが、そういや最近このあたりの会社との飲み会をよく企画してるって言ってたな
全く、昼休みに突然やってきて何を言うのかと思えば、それって所謂合コンってやつじゃないか
そんな事に構ってられないのに………
いよいよ週末に迫ったチャンミンとの初デートの日、会社帰りに会うのは付き合ってから初めてのことで
最初が肝心ってこともあるし、がっつき過ぎないように自分を抑えて
なるべく冷静に見えるようにしてるつもりだけど、浮き足立ってるのは仕方がない、よな
チャンミンも会うたびに頬を染めて嬉しそうに話してくれるから
楽しみにしてることは十分に伝わってる
キスぐらいはできるかも、なんて邪なことばかり考えて
俺ってこんなだったっけって自分に苦笑いしてしまうけど
それってチャンミン限定なんだって思えば、妙にしっくりと納得してしまう俺だったんだ