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. 結婚なんかしたくない 26
~Cside~
ずっと気になって聞けなかった事
『僕達以前どこかで会ったことがあるんですか?』
今度はいつ会えるかわかんないし、このまま放っておいたら婚約式までなだれ込んでしまいそうだし
なにせチョン家のお祖母様の推しの強さが半端なかったから
消してユノ……さんが嫌なわけじゃない、でもこのまま流されるのもどうかと思うし
い、いきなり結婚とかはどうかと思うけど!!///
ぐるぐると一人で悩んでいたけど、思い切ってメッセージを送ってみたら間髪入れず返信が来て驚いてしまった
大学の休み時間にふと思いついて送ったメッセージだったのに
まさか会いに来てくれるなんて思いもせず……///
そ、それに……
『君に会えるなら世界の果てからでも飛んでくるよ?』
顔を見るなりそんな事を言われて、頭に血が上るっていうか、顔だってきっと真っ赤になっちゃって
肝心な事聞かなきゃいけないのに///
どうにか自分を落ち着かせるよう息を深く吸うと僕はチョンさんに向き直った
しっかりしろ、シム・チャンミン!!
「前に話した時言ってましたよね?僕達初対面じゃないって」
「ああ」
「どこで会ってたのか気になって、記憶もないし」
やっとの事で伝えた言葉に、綺麗なアーモンドの瞳がゆらりと揺れるのを、不思議な気持ちで見ていた僕だったんだ
. 君を好きでしょうがない 7
~Cside~
ユノ先輩と仕事帰りに待ち合わせをしてデートの打ち合わせをしてるとか
数ヶ月前の僕からは本当に信じられない
同じ系列の会社に勤めてたってだけでも驚きだったのに、こうして一緒に働くことになって、その……また付き合う事になって
話を聞いてるふりをしてるけど、本当は距離の近さにドキドキして何も頭に入ってこない
だってね、近くで見るとますますかっこよくて
伏せるとわかる長い睫毛とか、サラサラとした前髪とか
何より僕をみて微笑むアーモンドの瞳から目が離せなくて……
「じゃ、ここにしよっか」
「え?あ!!はいっ!!///」
「チャンミンちゃんと聞いてる?」
「ご、ごめんなさい、つい見惚れちゃって……あ!!///」
わわ!!何言っちゃってんだ僕!!///
うっとりしていた所に不意に話しかけられて、つい本音が出てしまったじゃないか!!!!
目の前のユノ先輩は口に手を当てたままフリーズしちゃってるし!!
「やばい」
「……へ?」
「すげー嬉しい///」
「………え?あ///」
そう言って照れ臭そうに笑うあなたが可愛くて、胸がいっぱいで何も言えなくなる僕だったんだ
. 結婚なんかしたくない 25
~Yside~
「珍しいね、君から連絡がくれるなんて」
「いえ、あの……電話でも良かったのに///」
「ちょうどね、時間が空いた時だったんだ、君に会えるなら世界の果てからでも飛んでくるよ?」
「なっ!!///ど、どうだか///」
俺の言葉に真っ赤になって視線を逸らす君、まささ今日会えるなんて思ってもみなかった
君を家に呼んでから1週間ほど、既にノリノリのお祖母様は婚約式に向けて準備を進めていて
あとは本人同士の気持ち次第ってことで……
あれからチャンミンには何度かメッセージを送ってみたものの、バイト中だとか勉強中だとかでつれない返事ばかりだったから
流石の俺も少し不安になってしまった
だから今日君からの電話を受けた時は、驚いてスマホを落としそうになって
側にいたミノに盛大に笑われてしまった
こういうタイミングは逃したくないし、仕事中とはいえスケジュール調整も可能だったから
慌てて車で君の元へと駆けつけたところだった
「で、どうしたの?急な連絡なんて」
「あの、ずっと気になってたことがあって、その///」
「うん?」
「前に話した時言ってましたよね?僕達初対面じゃないって」
「ああ」
「どこで会ってたのか気になって、記憶もないし」
そう言って俯いた君の長い睫毛に見惚れながら、何から話せばいいのか悩んでしまう俺だったんだ
. 君を好きでしょうがない 6
~Yside~
「でさ、こっちまで行けばほら、展望台があるんだ」
「へえ、意外と近いんですね!!」
「ああ、この辺りは車移動だと色々行けそうだよな、飯は海辺のレストランでいいんじゃないかって」
「海辺のレストラン、ですか?///」
「ああ、初デートにピッタリだろ?」
「ふふ///」
会社帰りにカフェに寄って週末のデートの打ち合わせとか
でかい男が二人でスマホの画面を覗き込んで、いい歳して何やってんだって思うけど
時々触れる前髪とか、伏せた長い睫毛とか
あれこれ悩む君の姿を見ていられることがこんなにも幸せだとか
「また見てる……///」
「ん?ああ、ごめん」
「そんなに見てたらいつか僕に穴が開きますよ?///」
そう言って頬を膨らませる君が可愛くて、つい触れたくなるけど
ここはぐっと我慢、だよな
考えたら学生の頃はまともにデートなんてしたことはなかった
付き合ったのはほんの数ヶ月の間、学校の帰りに待ち合わせて、こんな風に色々話して
これから色々と連れて行ってやりたい
「………ユノ先輩?///」
「ん、楽しみだな」
「……はい///」
結局はどこを回るかなんてそっちのけで、見つめあってばかりの俺達だったんだ
. 結婚なんかしたくない 24
~Cside~
「で、どうだったんだ?」
「な、何が?///」
「何がってチョン家の反応だよ、お祖母様はどうだった?ユンホ君はどうだ?ん?」
「べ、別にどうも……」
チョン家に招待されて、お昼だけの予定が夕食までご馳走になっちゃって
結局家に帰ったのは夜の8時を回ってからだった
家に着くなり根掘り葉掘り聞く父さんをどうにかあしらって、自分の部屋に入ると大きく溜息をついた
全く、人の気も知らないでいい気なもんだよ
チョン家のお屋敷に着いてからは殆どお祖母様と過ごしていたから、その、ユノさん……とはあまり話す事もなく
僕をもてなすというよりは、見守ってるっていうか、視線が甘すぎるっていうか!!///
そ、それに!!どさくさに紛れて手にキスとかされちゃったし!!///
何考えてんだかサッパリ分からないよ!!
『今から愛し合えばいい』
そう言ってニッコリと微笑むアーモンドアイが頭から離れない
ほんと、無駄にイケメンなんだから!!///
あ………そういえば、この前僕とは初対面じゃないって話してたっけ
その事も聞かなきゃって思っていたのに、すっかりお祖母様のペースに巻き込まれちゃって
つ、次会ったら絶対に確かめなきゃ!!
このまま流されてたまるかって思いながらも、優しく目を細めるユノさんの顔が頭から離れなくて、頭をブンブンと振る僕だったんだ
. 君を好きでしょうがない 5
~Cside~
結局僕達の最初のデートは海へのドライブに決定した
あまりに優柔不断な僕に、ユノ先輩の提案はとても有り難くて
だってね、あなたと一緒ならどこへ行っても楽しいに決まってる
でも、車で出かけるとか思いもしなかったな
営業車ならよく運転してるから、最近はちゃっかり隣に乗せてもらって、ハンドルを握る姿とかやたら絵になっちゃって
か、かっこいいんだよね///
「ふふ///」
「うわ!!チャンミン一人で笑ってる!!」
「キュヒョン!?いつの間に!!///」
「さっきからいたのに全然気付かないんだもんな~」
「ご、ごめん///」
「ま、幸せオーラ全開でいいことだけどさ」
「………///」
呆れ顔で僕のアメリカーノを飲むキュヒョン、なんだよ突然やってきて!!
思わず閉じてしまったノートパソコン、まだ作りかけの書類保存できてなかったのに!!
「とにかく現況報告は常に行うように」
「はあ!?///」
ニヤニヤしてたと思ったら突然真面目な顔でそんな事を言いはじめるキュヒョンに、つい吹き出してしまった僕だったんだ
. 結婚なんかしたくない 23
~Yside~
どさくさに紛れて君の手にキスをしたら、その後一言も口を聞いてくれなくなってしまった
全く、我が婚約者殿は中々に手強い(笑)
結局は一日お祖母様に取られたままに、一緒に夕食を摂って
帰りの間際にやっと話しかけることができたのに、ギロリと睨み返されただけで終わってしまった
それでもお祖母様には優しくしてくれたから、進展はあったと思っていい、よな?
その後は誠意が足りないだの、もっとアプローチしろだのお祖母様から随分お叱りを受けたけど
そんな事より君と過ごせたことが嬉しくて……
「………あなたは、昔にお会いになっていたのね」
「はい」
「お爺様に連れられて?」
「そうですね、あれは屋敷の改修工事の時だったと思います」
「そう、それから思ってらしたの?」
「………ずっと、憧れていたんだと思います」
「ずっと?」
「ええ、まるで天使のようでしたから」
「そう、じゃあやっと捕まえたわけね、あなただけの天使を」
「はい、なかなかに手強い相手ですが」
「ふふ、そのようね」
来客後の静かになった屋敷で、お祖母様と二人紅茶を飲みながら、まだ遠い君に想いを馳せる俺だったんだ
. 君を好きでしょうがない 4
~Yside~
仕事終わりにカフェで待ち合わせ、今日は珍しく君が外回りに出てしまったから
待ってる時間もワクワクしてしまう、な
昨日聞いたデートの話は、かなり君を悩ませてしまったようで
夜にかけた電話でもなかなか決まらずに真剣に悩む姿に笑ってしまった
結局はドライブでもどう?なんて俺の提案に乗ってくれたから
しめしめ、なんて思ってる俺って下心満載なんじゃないのか
ドライブといってもレンタカーだし、あんまりカッコもよくないけど
先々車を買ってもいいかもしれない
「ユノ先輩!!///」
「お、来たな、お疲れ様」
「お、お疲れ様、です、すいません遅くなっちゃって///」
「全然大丈夫、仕事はうまくいった?」
「あ、はい、先輩のアドバイスのおかげです///」
そう言ってタオルで汗を拭う仕草とか、しっとりした首筋がやけに艶っぽくて目が離せない
付き合いはじめてからのチャンミンは確実に綺麗になった
会社の奴らの間でも噂になるほどで
それが俺のせいってのがどこかこそばゆいような不思議な気持ちで……
「ユ、ユノ先輩///」
「ん?」
「……み、見過ぎ、です///」
人目も憚らず甘い視線で見つめていたら、当の本人から可愛く怒られてしまって
なのに真っ赤になって俯いた君の耳から目が離せなくて、またまた怒られてしまう俺だったんだ
. 結婚なんかしたくない 22
~Cside~
『お祖母様の相手をしてくれてありがとう』
そう言って僕を見つめるチョンさんの瞳はどこまでも優しくて
そ、そんなに見つめないで欲しいんだけど///
「チ、チョンさんは……」
「ユノ」
「……うっ……ユ、ユノさんは、どうして僕とその、結婚しようって思うんですか?」
「うん?思っちゃいけない?」
「だ、だって!!家の決めた相手とか、そんな!!出会ってすぐなのに!!」
「今から愛し合えばいい」
「あ、愛し……!?///」
「俺の事が嫌い?」
「い、いや、そういう訳じゃ…….そうじゃなくて!!///」
なんだか楽しそうに僕を見つめるチョン・ユンホにがっくりと肩を落とす
なんか全然話が通じないっていうか、全く動じないっていうか!!///
「俺は君と結婚したい、シム・チャンミン」
「なっ!!!!///」
「幸せにする自信はあるよ?」
「なっ、なーーーー!!!!///」
突然のプロポーズめいた言葉にフリーズする僕に、チョン・ユンホはにっこりと笑って僕の手にキスをしたんだ
. 君を好きでしょうがない 3
~Cside~
『俺もチャンミンとならどこでもいい』
そう言ってアーモンドの瞳を細めるユノ先輩に胸がキュッと音を立てる
仕事の合間に交わす会話にこんなにもドキドキしてしまうとか
「考えておいて?」
なんて僕の頬をふわりと撫でて、何事も無かったように仕事に戻るあなた
こっちは心臓が飛び出すかと思ったのに!!
胸を抑えて深呼吸を繰り返して、きっと真っ赤になってるであろう顔をパタパタと扇ぐ
元々ボディタッチの多い人なのに最近は意識しすぎちゃって///
ユノ先輩と付き合いはじめて、会社帰りにご飯を食べることはあったけど
そういえば休みの日に会うのってもしかして初めて、かも?///
電話とか、メッセージのやり取りは毎日してるけど
デ、デートとか///
どこに行きたいって言われても、これといって場所とか浮かばないし
とにかく二人でいられたら、別に外に出なくても……
で、でも!!せっかく誘ってくれたんだし、どこか考えなきゃだよね!!うん///
一人で納得してうんうんと頷く僕に、いつの間にかパク課長が目の前に立っていて
「シム、具合でも悪いのか?」
「………へっ?わっ!!///」
驚いて立ち上がった僕は、側にあったアメリカーノを盛大に床へとこぼしてしまったんだ