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. 恋人なんかじゃない 34
~Yside~
『一分一秒でも早く君といたい』
そう言って君を抱き締める腕に力を込める、俺の想いが伝わるように
離れていればすれ違うこともある、でも側にいればこうして肌を寄せ合うことも出来る
きっと俺達に足りないのはそういう事で、特殊な出会い方をしてしまったから
「チャンミン、返事は?」
「………ず、ずるいです///」
「ん?」
「断る理由なんて見つからないもの///」
「ふふ、それってイエスってこと?」
「……うっ………は、はい///」
腕の中で俯いてしまった君、ぴょこんと飛び出した耳は真っ赤に染まっていて
そっと触れるとピクンと体を震わせるから止まらなくなる
「………んっ……ふ、んっ///」
最初は啄ばむように、角度を変えては繰り返す口付けに体の芯がジンと熱くなる
「………ユ、ユノさん……あの///」
「君をもっと感じたい」
俺の言葉にコクンと頷いた君にもう一度口付けて、その細い体をそっと抱き上げたんだ
. 恋人なんかじゃない 33
~Cside~
『それより話があるんだ、おいで』
そう言って僕を見つめるアーモンドの瞳、苦しい程に抱き締められて息もできないほど
だってね、どうしたってこの先の事を考えてしまうもの///
なのにあなたはそっと体を離して真剣な表情で僕を見つめた
……な、何?///
「チャンミン、よく聞いて欲しいんだ」
「……う、うん///」
「ここで一緒に暮らさないか?」
「………え?///」
「結婚してからじゃなくて、今すぐにでも」
「え?………そ、それって?///」
「式まで待てそうもないんだ」
「……ユノさん///」
「一分一秒でも早く君といたい」
………それって、僕と、その、ここで一緒に?
「ユ、ユノさん、あの……///」
「チャンミン愛してる」
僕を抱き寄せる腕はどこまでも優しくて、やっぱり何も言えなくなってしまう僕だったんだ
. 恋人なんかじゃない 32
~Yside~
「ふう、結構疲れたね」
「……ですね、あ、お茶でも入れましょうか?」
「ああ、俺も手伝うよ、わからないだろ?」
「あ、はい///」
俺の言葉にパッと頬を染める君、そんな可愛い反応をされると抑えが効かなくなるのに
買い物を済ませてこっちへ帰ってきたものの、甘い雰囲気を警戒してかぎこちなさが残る
君をここへ呼ぶのは何度目になるだろう、一番最初は攫うように連れてきたっけ
なのに、キッチンに立つ姿にまるで違和感がないとか
いや、俺の願望なのかも、なんて、ふと緩んだ口元を見られてしまったようで
『な、何笑ってるんです?』
なんて睨まれてしまったり、まったく、可愛さに自覚がないにもほどがある、な
晩御飯はデリバリーでゆっくりと、明日も休みだし泊まりだと思っているのは俺だけだろうか
隙をみては触れてみるのに、さらりとかわす君がほんの少し憎らしい
「チャンミン」
「あ、あの、レイアウトって///」
「それより話があるんだ、おいで」
「………は、はい///」
俺の言葉にハッとして俯いてしまう君が愛おしくて、思わず抱き寄せた腕に力を込めたんだ
. 恋人なんかじゃない 31
~Cside~
あの後、その……ベッドを見に行って、でも、色々考えちゃって凄く恥ずかしくて
なかなか決められなくて、結局ユノさんに選んでもらった
だってね、やっぱりこの先のこと考えちゃうし、このベッドで一緒に寝るんだって思ったら、とてもじゃないけど直視できなくて
………ほんと、この買い物って心臓に悪い、よね///
部屋は白を基調としたイメージだから、それに合わせて家具も揃えたけど
『レイアウトは君に任せる』
なんて言われちゃって、ちょっとプレッシャーを感じてる
二人の生活とかまだまだ先だと思うのに、準備だけは着々と進んでいて
ほんと、心がついていってない
荷物も運ばなきゃいけないし、もう一度部屋も見たかったから二人してマンションに戻ったけど
これってまた……甘い雰囲気になるんじゃない?
変に期待しちゃうのは仕方のないこと、だって僕だってそうなりたいって思っているから
か、覚悟はできてるんだ
あれから色々と調べて……その、男同士の愛し合い方とか、準備の仕方とか///
いつでもあなたに愛される準備はできているって、流石に口に出しては言えないけど
そんな想いが少しでも伝わればいいって思う僕だったんだ
. 恋人なんかじゃない 30
~Yside~
休日にこんなにゆっくりと二人でいられるのは初めてかもしれない
朝は家まで迎えに行って、二人でショッピングをして、食事も一緒に摂って
意外に優柔不断なところとか
食べ物に異常に反応するところとか
見るたびに変わる表情とか
君の違う一面がたくさん見れて俺の方がはしゃいでしまいそうだ
まともなデートすらしたことがないのに、俺の頭の中は君と暮らすことばかりで
一分一秒でも早く二人きりになりたい、なんて
「えっと、後は何を見るんでしたっけ」
「ん、そうだな、後はベッドかな」
「べ、ベッド……えっと、売り場は///」
「4階かな」
「で、ですね///」
「あ、あっちにエスカレーターが///」
俺の言葉にそそくさとエスカレーターへと乗ってしまう君
後ろ姿にぴょこんと飛び出した耳が真っ赤に染まっていて、思わず口元が緩んでしまう俺だったんだ