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. 恋人なんかじゃない 29
~Cside~
「結構回れたね、ちょっと休憩しようか」
「あ、はい///」
郊外にある大型のホームセンター、何度か来たことはあったけど、まさか自分の結婚生活のために来ることになるなんて
しかもこんなに早く………
色々見て回るのはいいけれど、考えたら僕は学生だし、その、勿論貯金だってない
支払いの事を聞いてみたら……
『そういうのは俺に任せておけばいい』
なんてさらりと言われちゃって、ほんとどんな時もかっこよくて困ってしまう///
「チャンミンはブラックだよな」
「あ、はい///」
「何か甘いものでも?」
「あ、えっと///」
カフェのショーケースに並ぶケーキを決め兼ねていると、後ろでクスクスと笑うから思わず振り向いた
「ぷっ、優柔不断」
「なっ!!///」
「ま、可愛いからいいか、このイチゴショートとチーズケーキを一つずつ頼む」
そう言ってにっこりと微笑むユノさんの笑顔が甘すぎて、何も言えなくなってしまう僕だったんだ
. 恋人なんかじゃない 28
~Yside~
「チャンミン、こっちのソファはどう?」
「あ!!それもいい、でもあっちのも気になる!!」
「色違いもあるみたいだよ」
「うーん、形はこっちの方が好きだけど」
そう言って顎に手を添えて考え込む君が愛おしい
正直買い物なんて必要な物だけ買えばいいと思っていたのに
あれこれと迷う恋人の姿がこんなにも可愛いとは予想外だった
新居に必要な家具を揃えようと郊外の大型HOMEセンターにやってきたはいいが
どうやら我が婚約者殿は優柔不断らしい(笑)
「……ユノさんはどれがいいですか?」
「ん、君の好きなのを選べばいい」
「ダ、ダメです!!二人で使うものなのに///」
俺の言葉に怒ったように睨み返す君に思わず口元が緩んでしまう
この先の二人の生活が楽しみで仕方ないとか、俺も相当だな
「もう!!聞いてますか!?」
「ごめん、見惚れてた」
「!!!!ま、またそんな///」
「本当のことだ、色はそうだな……白がいいかな」
膨れた顔を覗き込んでそう告げればハッとして目を逸らすから、赤くなった耳をそっと摘んでやったんだ
. 恋人なんかじゃない 27
~Cside~
この前連れ出された時は本当にそうなってしまうのかと思った
まだ心の準備も出来てないっていうか、その………体の準備だって
い、いきなりはダメだよね、うん///
あなたの昂りが触れた時は正直身体が強張ってしまったけど
なんだろう、体の奥がジンと熱くなって、胸が苦しくなって………愛おしさがこみ上げてきて
僕があなたのものになるのは、きっと、そう遠くない未来なんだろうって実感した
「チャンミン」
「うわ、はいっ!!」
「なんだ、ぼうっとして、ユンホ君とは仲直りしたのか?」
お風呂上がりにリビングでぼんやりとしていふと、不意に父さんに声をかけられて体が飛び跳ねてしまう
………仲直りだなんて、別に喧嘩してたわけじゃないのに
「お前、ユンホ君から何か聞いていないか?」
「………え?いや、別に何も」
「そうか、いや、ならいい、早く寝なさい」
「あ、うん……」
そう言って笑う父さんの笑顔が寂しそうで、何故か胸が詰まるような気持ちになってしまう僕だったんだ
. 恋人なんかじゃない 26
~Yside~
「室長、随分とご機嫌ですね」
「ん、ああ、そうだな」
「おや、否定なしですか、それと週末のスケジュール調整に何か関係が?」
「ミノ!!」
「わかってますって、じゃあ後ほど」
好きな事を言って部屋を出て行ったミノの後ろ姿に小さく溜息をつく
全く、食えないやつだ(笑)
あの週刊誌の件があってから、少しだけ俺たちの距離が近くなった気がする
だって俺達はまだ想いが通じあったばかりで
手探りでお互いを知ろうともがいている最中なんだ
ようやく仕事も落ち着いてきたから、婚約式の準備にも取りかかれそうだし
何より君のとの時間を大切にしたいから、なるべく一緒にいてやりたいと思ってる
まだね、君には話していないけど考えてることがあるんだ
言い出しっぺがお祖母様だっていうのが気になるところだが
今はそんな事はどうでも良くなってしまった
それほどに君といることを欲しているとか、全くどれだけ必死なんだよ
プロポーズは改めてしようと考えていたけど、それまでに恋人の時間もたっぷりと味わいたいから
ねえ、チャンミン、ここで一緒に暮らさないか?
どんな顔して君に伝えたらいいかわからなくて、なかなか言い出せないでいる俺だったんだ
. 恋人なんかじゃない 25
~Cside~
あまりに性急な状況に頭がついていかない
真っ暗な部屋で囁かれる愛の言葉、綺麗な夜景を見ながらの甘いキスだなんて
……いったい僕をどうするつもり?///
深くなる口付けに感じるあなたの熱が不意に怖くなる、まさかこのままここで………?
「ま、待ってください、心臓が爆発しそう///」
自分でもどうしていいか分からずとにかくあなたの胸に顔を埋めた
だってね、このままじゃ流されてしまいそう///
「チャンミン」
「ま、まだ///」
「ふふ、我が婚約者殿はドSだな」
「なっ!!///」
「そう怒るなって、もう暫くこのままで、ね?」
「………///」
そう言って抱き締める腕に力が篭る、そんな風にされたら頭が真っ白になってしまうのに
……どうしよう、好き///
「今度の休みはここに置くソファを見に行こう、大きなベッドもね」
「!!!!///」
「ふふ、一緒に選んでくれるだろ?」
耳元で囁くあなたの声に体の奥がジンと熱くなって、ただあなたにしがみつくことしか出来ない僕だったんだ