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. ユノ社長の憂鬱 15
~Cside~
「……何かあったのかと」
「いや、週末出張が決まった」
「そ、そうですか」
「それでね、寂しくなって来てしまったんだ」
「ユノさん……///」
なんだろう、この状況って………
いつもは自信たっぷりで仕事だってバリバリとこなす人な筈なのに
こんな風に僕に甘えてくれるのって、本当に心を許してるからで
それって凄い嬉しいことで………
「ユノさん、あの///」
「抱き締めてもいい?」
「そ、そんなの聞かなくても///」
「なんか俺、かっこ悪いな」
「そ、そんなことな………ん///」
不意に視界が塞がれてサラサラの前髪が落ちてくる
何度も角度を変えて重なる唇、しっとりと濡れた瞳は既に熱を孕んでいて
「チャンミン愛してる」
「………はい///」
甘いアーモンドの瞳にとろとろに蕩かされて、ただ頷くことしかできない僕だったんだ
. ユノ社長の憂鬱 14
~Yside~
「ど、どうしたんですか?急に///」
「ん、急に顔が見たくなってね」
「………会社で会ってるのに?」
「会いに来ちゃダメか?」
「い、いえ///」
突然訪ねたのはほんの思いつき、いや、急な出張が決まって少し寂しくなったのは否めないが
多少は不審がられても仕方ない、かな
普段は俺の部屋に来ることが多いから、改めて我が恋人の部屋をマジマジと眺める
綺麗に整理された本棚がやけに印象的で、休憩中に本を読む姿が目に浮かぶ
本を読む姿はとても印象的で、儚げなのにピンと空気が張り詰めた気がして……
「あ、あんまり見ないでください///」
「うん?」
「ユ、ユノさんの家と違って狭いし恥ずかしいです///」
「そんな事はない、とても過ごしやすい部屋だ」
「そ、そうかな?」
「ああ、何よりも君がいるしね」
俺の言葉にボンと音を立てるように真っ赤になる君が愛しい
こういう新鮮なところも堪らない……
「……何かあったのかと」
「いや、週末出張が決まった」
「そ、そうですか」
「それでね、寂しくなって来てしまったんだ」
「ユノさん……///」
コーヒーをテーブルに置いた君を引き寄せて、逃げられないようそっと腕の中に閉じ込めたんだ
. ユノ社長の憂鬱 13
~Cside~
『それでいつだったら空いてます?いやぁ、懐かしいなぁ~』
「あ、うん、そうだね、空いてる日があったら連絡するよ」
『ああ、ダメですよそういうの、結局うやむやになっちゃうんだから!!来週はどうです?いや今週末でも大丈夫ですよ~』
電話の向こうで熱く語るミノにちょっと笑ってしまう
だってあの頃とちっとも変わってないんだ(笑)
まるで学生時代に戻ったみたいな長電話をしたのに結局は会う日は決められなくて、とりあえずは通話を終えたものの
今週末のことはまだ社長に聞かないとわかんないし、この前様子もおかしかったから許して貰えるかな
ああ見えて子供みたいなところがあるから、構ってあげないと拗ねちゃったりするんだよね
でも、そんな子供みたいなところも気に入ってるんだ
それに束縛されて嬉しい、なんて僕ってちょっと変なのかもしれない///
そういや今日帰り間際に室長と社長が話し込んでいたっけ
新しい仕事の話とか、かな?
僕はまだ新人だから聞かせて貰えないんだろうか……
部屋で一人クッションを抱えてぐるぐると考えていると、不意にスマホが震えて着信を告げる
画面に表示されるのは愛しい人の名前……
「も、もしもし?」
『チャンミン、今家にいる?』
「あ、はい///」
『じゃ、今から行くから待ってて?』
「へっ?///」
『15分で着く』
「ち、ちょっ!!///」
突然の社長の言葉に頭が真っ白になって、その場でフリーズしてしまう僕だったんだ
. ユノ社長の憂鬱 12
~Yside~
「え?出張?」
「あ、はい、急な話ですが……」
「今週末は休むなと?」
「いえ、金曜の夜から前乗りしていただいて、土曜の夜にはお戻りになれますし、日曜日はゆっくりしていただけますので」
書類を片手ににっこりと笑うイトゥクをじっとりと睨む
最近仕事が落ち着いてきたと思ったのに、やはりゆっくりさせては貰えないらしい
今週末は君と過ごす予定だったのに……
いや、一緒に居たいと思うのは俺の勝手な願望なのか
我が恋人は後輩との再会にすっかり心を奪われてしまっていて
『今日はゲーム見に行ってきます!!』
なんて、会社帰りに鼻歌まじりに帰っていったから、テミンをはじめ秘書室の皆んなが俺の顔をチラチラと伺っていた
………なんだかフラれた気分、だな(笑)
あんなに甘い夜を過ごしたのに、まったく、君に夢中なのは俺だけなのか
泊まり込みでゲームをするんだって意気込んでいたから、きっとそのことで頭がいっぱいなんだろう
「出張、ね」
「コ課長も一緒に行かれるそうです」
「そうか」
「何も仰らないのですか?」
「まあね」
ニヤニヤと俺を見つめるイトゥクに小さく溜息をついて、見る気のない書類をパラパラと捲る俺だったんだ
. ユノ社長の憂鬱 11
~Cside~
……昨日のユノさんはいつもと違う気がした
そりゃ一緒にいるときはくっついていたいって思うし、求めあって然りだと思う
でも、こんな週の半ばに強く求めてくるとか、普段なら少しは加減してくれるのに、昨日は………!!
そりゃ求められたら嬉しいには違いないけど
………僕、なんかしたっけ?///
「ちょっとチャンミン!!今朝の状況はどういう事なのか説明してよ!!」
「へっ?」
「また!!惚けちゃって!!今日社長の車に乗って出勤したでしょ?」
「あ、えっと///」
給湯室に入ったところですかさずテミンさんが入ってきてコーナーへと追い詰められる
朝から睨まれてるとは思ったけど、まさかこんな所で尋問される事になろうとは(泣)
だ、だから電車で行きますって言ったのに、ユノさんてば………
『社長命令は絶対だから聞かないと後で怖いよ?』
なんてしたり顔で言われちゃって、ああ、そんな表情もカッコいい、なんて………
「ちょっと聞いてんの!?」
「うわ!!はいっ!!///」
「んもーーー!!赤い顔しちゃって!!益々怪しい~」
「うわわ、テミンさん!!///」
今朝の事を思い出してニヤニヤとしてしまう口元を慌てて隠す
だってそんな風に言ってくれる事も嬉しくて仕方ない、とか///
「ちょっと!!チャンミン!?」
「こら、お前らこんな所でサボるな」
「「あ!!室長!!///」」
給湯室で騒ぐ僕らを見かねた室長に助けられて、どうにかテミンさんの追及から逃れる事ができた僕だったんだ