苺な彼とビールな僕

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～Yside～







「社長、お疲れ様でした」


「ああ、かなり長引いたな」


「はい、このままご自宅に戻られますか？」


「……いや、一度社に戻ろう、車を回してくれないか」


「わかりました」






思いの外取引先との打ち合わせが長引いて予定の時間をかなり過ぎてしまった




今日は早くに終わる予定だったのに……




ため息をつきながら車のシートに凭れると、思い出されるのはやはり新人君の笑顔で




今日は朝から出っ放しだったから顔も見れなかった




こんなにもがっかりしてる自分に驚いてしまうけど、君に会うことが毎日の楽しみになってしまっているのかもしれないな




とりあえずは社に戻って残りの書類を片付けて、食事はどこかで簡単に済ませて帰るとしよう




イトゥクから残業の報告は受けていたが、この時間ではもう誰も残ってはいないだろう




俺と同行していたイトゥクだったが、急遽予定が変更になり、そのまま別の取引先へと向かってしまったから





……一人で戻るとするか






程なく会社に着くと運転手は先に帰らせて、鞄を片手にエントランスへをくぐった





エレベーターを降りて社長室へと向かうと、手前にある秘書室から灯りが漏れている






誰か残っているのかと覗いてみると、パソコンの向こうに見えるのは見慣れた丸い後頭部






……あれはもしや（笑）






「新人君？」



「………へっ？あっ！！///」






俺の声に驚いて慌てて立ち上がった新人君は、ガタガタと椅子を倒してしまったんだ

2017-12-02 11:30 ｜カテゴリ : ユノ社長は新人秘書がお好き ｜コメント(-) ｜トラックバック(0)