苺な彼とビールな僕

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～Cside～







「チャンミンどうかしたのか？」




仕事を終えて店を出たはずなのに、あまりのことに店に引き返してしまった僕



心臓はバクバクと音を立てているし、とても家には帰れそうになくて



いつもとは違う様子の僕に、黙ってアイスコーヒーを出してくれたイェソンさん



「落ち着くまでそこにいたらいい」



肩をポンと叩かれてそんな風に言われると、なんだか泣いてしまいそうで俯いたまま頭を下げた




……ユノと別れてくれ、なんて




初対面なのにあんな失礼なことを言われて、ちょっと大人気ないけど言い返してしまった



確かに昔はユノと恋人同士だったかもしれないけど、今は全く関係がないことはわかっているのに




『ユノと結婚するつもり？いくら同性婚が認められても男性の妊娠率は女性の半分以下だってご存じ？』




そんな事、僕が一番わかってる事なのに！！




綺麗だけど冷たい言葉しか吐けないこの人に、何を言っても無駄だとは思ったけど、とても黙ってなんていられなかった




『時が来れば産んで見せます』




そう言い放った時のアリスという人の驚いた顔、その後の記憶は曖昧になってしまった




こんなに腹が立ったのは初めてかもしれない




なんて自分勝手な言い方なんだろう、相手を傷つけることを目的に言葉を並べるなんて




僕は思いっきり息を吸い込むと、嫌な感情を全て外に出してしまうよう大きく息を吐いた




ユノに逢いたい………！！////




ああ、今からでもイタリアに飛んで行ってユノに抱き締めて欲しいのに





カランと音を立てる氷を見つめながら、僕は下唇をぐっと噛み締めたんだ

2017-08-02 17:00 ｜カテゴリ : 俺の婚約者殿 ｜コメント(-) ｜トラックバック(0)