愛の詩をきかせて～仔鹿君の憂鬱～ 33

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～Yside～

……君との甘い週末を過ごし、次の約束をして名残惜しい君の手を離した

しかし次の約束がまさか俺の実家だなんて（笑）

なんだろう仔鹿君、君って俺の心にいつの間にか入り込んでいて、いつの間にかかけがえのない存在になってしまった

こんな人間らしい感情を思い出させてくれたのは、やはり君だから

……運命、かな

そんな事を考えながら、社長室で書類に目を通していると、ノックの音がしてミノが中へと入ってきた

そういえば彼も仔鹿君との出逢いには一役かってくれていたっけ

「社長、先日の日本のクライアントからの書類お持ちしました」

「ああ、ありがとう」

「……あ、あの、社長！！」

「うん、どうした？」

「……あの、お見合いなさるって……すいません、こんなお話失礼なのはわかっているんですが！！」

ミノからそんなことを言われるとは思わなかったが、週明けから社内が落ち着かなかったのはこれのせいか……恐らくは父の仕業だろう

「ふふん、噂になっていたか？」

「……へっ！？えーと、えーと、は、はい！！/////」

「宣戦布告というわけか」

「……社長？/////」

「いや、面白くなってきたな」

思わず緩む口元をそっと隠して、訳もわからず呆然とするミノを尻目に書類へと目線を戻したんだ

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