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. そんなデカイの入るわけない!! 5
~Cside~
「はあ……」
「あらやだ、なんなのその辛気臭い顔!!」
「ご、ごめん」
「やあねぇ、せっかくユノ君が大学に合格したっていうのに」
キッチンから呆れたように聞こえる母さんの声、さっきからやたらと忙しく動き回っているけど
また、何かお隣に持っていくつもりなんだろう
そう、ユノからの告白から一日が経った……
あれは夢だったんじゃないかって思えるほど現実味がなくて
でも、スマホにはしっかりと念を押すようにメッセージが残されていて
『チャンミン、ちゃんと俺の事考えてくれた?』
そんな、言葉にズシンと心が響くようで……
勿論ユノの事が嫌いなわけじゃない、でも、幼馴染で同性同士とか!!
問題ありありじゃないか!!///
「ちょうどいいわ、これ、お隣に持って行ってくれない?」
「はっ?」
「ほら、ユノ君の好きなドーナツ、いっぱい揚げたのよ!!」
「……母さん作りすぎ」
「いいからいいから!!ね?」
大量のドーナツの載せられたお皿を手渡されて呆然とする僕
なんだよ、こんな時にユノの家とか行きにくいに決まってるのに!!
「ほら、グズグズしないで早く行く!!」
「ちょっ!!母さん!!///」
満面の笑みで母さんにグイグイと背中を押されて、渋々家を出て行く僕だったんだ
. チャラい奴に首ったけ 21
~Cside~
「………はあ」
「ぷっ、切ない溜息だね」
「笑うなよ、こっちは真剣なんだ」
「ごめんごめん、でもあのユノさんがタジタジなのは想像できないなぁ、その子凄いよね」
そう言ってしきりに関心しつつジョッキのビールを飲み干すキュヒョン
実はあれからユノと会ってない……
連絡だけは毎日くるものの、本人は仕事や何かと忙しいらしく
……もう、十日近くも会ってない気がする
付き合ってからかなり頻繁に会っていたし、うざいぐらい構われていたから
もしかして飽きちゃったのかな、とかそんな事ばかり考えてしまって
気晴らしになればと久しぶりにキュヒョンを誘って飲みに来たわけだけど
頭に浮かぶのはユノの顔ばかりだし!!
テミンって子の顔も離れないし!!
ああ、なんてネガティヴなんだろう……
「ね、チャンミン、思うんだけどさ」
「……何?」
「バカ、睨むなって」
「……ごめん」
「強力なライバルの登場は予想外だけど、あのユノさんがブレるとかあり得ないと思うし」
「………///」
「だから、もうちょい信用してあげれば?ね!!」
「うん………ありがとう」
「さ、飲も飲も!!」
バシバシと背中を叩くキュヒョンの優しさに、不覚にもちょっぴり泣きそうになる僕だったんだ
. そんなデカイの入るわけない!! 4
~Yside~
やっと言えた!!
言ってやった!!
『俺と付き合って欲しい』
この言葉を言うまで何年かかった事だろう
チャンミンは驚いて口をパクパクとさせていたけど、大きな瞳はうるうるだったし、耳まで真っ赤に染まっていたし
反応自体は悪くなかったと思うんだ、うん!!
なんせスーパーポジティブな俺、チョン・ユンホ
人生かけたこの恋を簡単になんて諦めきれない、てか、一生諦めるつもりなんてない!!
2つ上のチャンミンは頭だって凄く良かったから、同じ大学を目指すって言った時には周りにとても驚かれたけど
合格したら付き合ってくれるって約束を取り付けてからは、本当に死にものぐるいで勉強をして見事推薦で合格したってわけ!!
ま、チャンミン自身はあんまり本気にしてなかったみたいだけど、それはそれで結果オーライ
あとはじっくりとチャンミンを堕としていくだけ!!
待っているのは甘い甘いキャンパスライフ!!
まずはじわじわと周りを固めて逃げらんないように
真面目なチャンミンの事、勢いだけじゃ拒否られるのがオチだから
今日のキスの反応も悪くなかったし、うん、きっとうまくいくはず!!
ああ、早く俺のものなって
ずっとずっと想い続けてきたんだから
真っ赤に染まった艶々のほっぺを思い出しながら、ベッドに転がってニヤニヤしてしまう俺だったんだ
. チャラい奴に首ったけ 20
~Yside~
「で?どういう事なんだ、テミン」
「ん?何のこと?」
「とぼけんじゃねぇよ、チャンドラに会いに行ったろ?」
「え?ああ、ちょっと挨拶しようと思って」
チャンドラとの甘い夜を過ごし朝方家に帰ってくると、ちゃっかりテミンのやつが現れて
せっかくの余韻が台無しだけど、ここはちゃんと話しつけとかないと後々困る、よな
キョロキョロと部屋を見るテミンをテーブルへと促して、正面に座ってじっと睨みつける
ニコニコとしてまったく動じないのは昔から変わんねぇな
「で、結婚ってのは何の話だ?てか、どこでチャンドラの事知ったんだ?」
「えー?そんなの調べればすぐにわかるし」
「えー?じゃねぇよ!!つか、チャンドラにちょっかいかけてんじゃねえ!!」
「うわ、ユノ兄怖い」
そう言って大袈裟に肩を竦めるテミンはペロリと舌を出した
ああ、こいつに何言っても効かない気がする……
「とにかくチャンドラに二度と近づくんじゃねえ」
「それはどうかなー」
「テミン!!」
「だって僕もユノ兄の恋人になりたいもん」
「なっ!!」
「ユノ兄と結婚するの」
にっこりと笑って支離滅裂な理屈を並べ立てるテミンに、溜息しか出てこない俺だったんだ
. そんなデカイの入るわけない!! 3
~Cside~
「チャンミン!!チャンミン!!」
「わ、わかったからもう離せって!!///」
「やだ、もう少し」
「ユ、ユノ!!ちょ!!///」
なかなか離してくれないユノをなんとか引き剥がして距離を取る
まったく、いつのまにか大きくなってこんなに力も強くなっちゃって……
昔はちょこちょこ僕の後ろをついて回っていたくせに
「と、とにかく!!今日は合格したこと、おじさんやおばさん達にちゃんと報告しなきゃ」
「あ、俺……まだ言ってない」
「やっぱり、早く帰ってあげなきゃ!!」
「あ、ああ、わかった、じゃお別れのキスね」
「なっ!!///」
そう言ってにっこりと笑ったユノは一瞬のうちに僕の頬に軽くキスをして部屋から出ていった
あまりの素早さにかわす暇もないじゃないか!!///
そして、その場にへなへなと座り込む僕、一旦落ち着いてこの状況を整理しなきゃ
前々からユノには好きだって言われてきたけど、まさかここまで本気だったなんて……
だっていつだってふざけてじゃれ合っていたのに!!
生まれた時からの幼馴染でまるで家族のような存在で、そんな風に思った事なんてなかった、はず……
なのにこんなにドキドキしちゃって、一体どうしたんだよ僕の心臓!!
ああ、もう何が何だか……
ユノが触れた箇所だけがやけに熱く感じられて、その感覚を誤魔化すようにブンブンと頭を振る僕だったんだ
. チャラい奴に首ったけ 19
~Cside~
『チャンドラ離れたくない、てか、ぜってー別れねぇからな!!』
そう言って必死に僕を見つめるアーモンドの瞳、ああ、なんだってこんなに真っ直ぐなんだろう
いつもはあんなにチャラいくせに……いや、チャラいっていっても言ってることは割と真面目だったりするから
ほんと見かけだけっていうか……
バカみたいに僕の背中にひっついて離れないユノに溜息しか出ないのに
なんだろ、愛しさが込み上げてきちゃって振りほどくことも出来ない
いつのまに僕はこんなに彼に惹かれてしまったんだろう
もう無しでは生きていけないほどに……!!
「チャンドラ、な、ベッド行こう?」
「ダ、ダメ、まだ片付いてない」
「そんなの後で俺がやってやるって」
「うーん、ユノお皿割るからやだ」
「割れたらもっと良いの買ってやるから、な?」
「そ、そう言う問題じゃ……あっ///」
「チャンドラ、愛してる」
ほらね、そうやって僕の心にスルリと滑り込む狡い人
どうやったって敵わないに決まってる
背中から容赦なく僕の体を撫でる長い指に、そっと自分の手を重ねる僕だったんだ
. そんなデカイの入るわけない!! 2
~Yside~
『チャンミン好きだ!!俺と付き合って下さい!!』
やっと、
やっとのことで言えたこの言葉
今更聞いてないとは言わせないぜ!!
口をパクパクとさせて必死に抗議を並べ立てるけどそんなの全く耳に入ってこない!!
俺にとっては満を持しての告白なんだ!!
「ちょ、ユノってば!!」
「うんって言うまで離さない」
「ね、落ち着いて、ぼ、僕ら男同士だよ?」
「そんなの出会った時からわかってる!!でも、俺はチャンミン以外考えられないんだ!!」
「………ユノ///」
壁に手をついて逃げられないよう腕の間に閉じ込める
本当なら抱き締めたいところだけど、まだ返事ももらってないのにそれはフェアじゃないだろう
たまたま家が隣同士で、幼い頃から家族ぐるみの付き合いだった俺達
2つ上のチャンミンのことが好きだって気がついたのは、あいつに彼女が出来てからのことだった
最初はわかんなくて、胸がチクチクと痛むのは、仲のいい幼馴染を盗られたからだと思っていた
でも、俺は気づいてしまった
学校帰りの公園で、キスを交わすチャンミンと彼女の姿を見てしまったから
それからはずっとチャンミンを振り向かせる事しか考えられなくて
自分の気持ちをそれとなく伝えてきた
『ユノの目指す大学に合格したら考えてあげる』
そんな約束を交わしたのは去年の春のことだったと思う
チャンミンは忘れちまってるかもしれないけど!!
どうか、どうか俺の願いを叶えて!!
困惑するチャンミンの頭に自分の頭をくっつけて、祈るようにぎゅっと目を瞑ったんだ
. チャラい奴に首ったけ 18
~Yside~
「だからっ!!押しすぎだって!!」
「ごめん、1秒でも早く会いたくて!!」
「と、とにかく入って……って、わっ!!///」
「チャンドラ、チャンドラ!!」
やばい、なんて顔してんだよ………
バンビアイはしっとりと潤んでいるし
目尻なんて赤く染まっちゃってるし!!
あれからテミンに電話してみたものの、一向に出る気配がなくて状況は分かんなかった
結婚云々とか全く身に覚えのないことで、寝耳に水もいいところだ
こんな事でチャンドラと喧嘩とかあり得ないから!!
「ユ、ユノ、苦し!!」
「ん、ああ、悪い///」
「と、とにかく中へ……」
「チャンドラ離れたくない、てか、ぜってー別れねぇからな!!」
「だ、誰も別れるとか……ユノの方が……」
「テミンの奴にはちゃんと話しつけてくる、結婚とか、そんな話一回も出た事ねぇし!!」
「………ユノ///」
熱くなる俺に小さく溜息をつくと、呆れたように笑って俺の首に腕を絡めたんだ
. そんなデカイの入るわけない!! 1
~Cside~
「チャンミン好きだ!!俺と付き合って下さい!!」
「バ、バカ!!何言ってんの!!付き合えるわけないでしょ!!///」
「ええええ!?付き合ってくれないの!?」
「あ、当たり前でしょ!!///」
「チャミ~大学受かったらって言ってたじゃん!!」
部屋の隅に追い詰められて逃げることも出来ず縮こまる僕!!
しかも家には誰もいなくて二人っきりとか!!
こ、これは万事休すってやつじゃないのか!!
「あ、あれはてっきり冗談だと……」
「ダメ!!撤回なし!!」
そろりそろりとユノの顔色を伺い言葉を並べてみるけど
これはどうも聞いてもらえそうもない(泣)
「とにかく男に二言は無いだろ!?」
「えええ!?ちょ、ユノ!!///」
「これ以上何か言ったらキスするよ?」
「なっ!!!!///」
ドン、と勢いよく奴の手が僕の横を掠める、これって所謂壁ドンってやつ?
いや!!男に壁ドンされるとか!!
しかもキスとか一体何言ってんだーーー!!!!///
パニックを起こして何も言えず口をパクパクとさせる僕に、ユノはニヤリと不敵な笑みを浮かべたんだ
. チャラい奴に首ったけ 17
~Cside~
『今からすぐ行くから』
そんなユノのメッセージに気付いたのは冷たいシャワーを浴びた後だった
だってどう考えても頭に血が上って仕方ない
なんで結婚!!
なんで僕が別れなきゃいけないの!!
昼間に出会ったあの子の顔が頭に張り付いて離れない
笑顔ではあったけど、瞳の奥に意志の強さが見えた気がするし
あれはきっと本気でユノのこと………
プルプルと頭を横に振って嫌な予感を振り払おうとしてみる
だってどう見たって僕よりあの子の方が綺麗だったし、細くて華奢で………
もしかしたらユノだって………
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
突然けたたましく鳴るインターホンの音!!
もう!!そんなに鳴らさなくてもわかるって思うのに!!
『チャンドラ!!早く開けて!!』
通話ボタンを押すとモニターには必死でこちらを見つめるユノの姿
ああ、ダメ、やっぱり好き
涙が溢れそうになるのをグッと堪える
「バカ、押しすぎ」
「チャンドラ!!待ってろよ!!」
そう言って一瞬にしてモニターから消えるユノが待ち遠しくて、泣きそうになってしまう僕だったんだ